吉兆か
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先週はビッグなニュースが相次ぎました。にっくき甘利大臣(笑)の辞任に日銀のマイナス金利発表です。異質なこの二つの件、全く無関係なのでしょうか。
まずTPPの旗ふり役が失脚するのは理由は何であれ歓迎です。これで少しでも引き延ばしが出来ればいいのですが、後任がまたふるっています。無能の代名詞とも言える石原伸晃を後釜に据えたのは何か狙いがあるのではないでしょうか。
ただ、TPP調印式には副大臣が行くらしいので、そこは気がかりです。TPP反対派がリークしたのであれば次の手を打たなければ意味がありません。副大臣にもスキャンダルか?(笑)あるいは、もっと穿った見方で、これまで7年も引き延ばして来た事に嫌気した賛成派が陥れたのだとすれば副大臣ですんなり調印というのも考えられます。
いずれにしても古い代議士体質の甘利氏の脇の甘さは論外です。特にプンプンと胡散臭さの漂よう今回の件、裏があるのは明らかで、易々と罠に落ちるような人物に要職は務まりません。さっさと議員辞職なり何なりでけじめをつけて下さい。美学とか言って自己陶酔し泣いている場合じゃないだろう。(笑)
今回は恐らくですが、URは単なる被害者だと思われます。加害者は秘書も含めた甘利側と、共謀した実体のない建設会社、さらにそこに雇われたとされる一式なる人物ですが、安倍政権発足後間もなく起きた件がなぜ今頃になって発覚したのか謎が多いです。そこにかの悪名高いセンテンス・スプリングが絡むとなると問題は絶望的にややこしいと言わざるを得ません。(笑)
さて、日銀が不意をつく形で意外な手を打ちました。これまで0.1%の金利を付けていた日銀当座預金を一部マイナス金利にするというのですからビックリポンです。そもそも日銀当座預金に金利を付けていたというのも問題でした。これでは貸し付けのインセンティブが働きません。せめて普通のゼロに戻してて欲しいと思っていた人は多いのではないでしょうか。
そこで今回の中身ですが、準備預金率の範囲内、日本で言えば銀行が預かる預金総額の2%未満(預金の種類によって違う)を日銀に預けるルールがあるのですが(因みに中国は20%以上と厳しく引き締めている)それにかかる金利は本来あるべき0%に戻すようです。
つまり三つに分けた(1)基礎的残高/221兆円(2)マクロ加算残高/32兆円(3)政策金利残高、の内(1)の基礎的残高、年間80兆円ペースで日銀が買いオペをした結果の増加分に対しては、金利プラス0.1%に据え置くという事のようです。(2)は本来の準備預金制度による預金、つまり先ほど言いました総預金額の2%未満相当額に関しては本来の0%に戻します。
問題のマイナス金利対象の(3)は銀行が金利目当てに預ける分とでも言いましょうか。さすがにそこはダメよ、という解釈で問題ないかと思われます。つまり、ちゃんと仕事をしなさいという事になるのです。しかしここの残高は今現在限りなくゼロに近いと言われています。間違っていたらどなたかご指摘下さい。
その代わりと言っては何ですが、日銀が量的緩和で買いオペをする時に国債などを高く買って埋め合わせをする事で辻褄を合わせるようです。つまり、まず銀行が持つ日本国債などを日銀が相場より高く買います。(長期金利が下がる)しかし、その売った事で手に入る資金(自動的に日銀当座預金に振り込まれる)に関しては変化なしです。そうしないと銀行が国債を手放さなくなるからです。
ちょっと分かり難いかもしれませんが、この場合上手くすれば銀行は濡れ手で粟です。国債などを高く売って手に入れた資金を上手く運用すれば銀行の収益が増えるし景気にも好影響を与えるという訳です。そこが日銀の狙いでしょう。多少リスクを負ってでも貸し出しに精を出せと言っているのです。
ここでおさらいです。日銀は安倍政権になって、第一の矢という異次元金融緩和を名目に大量の国債などの有価証券を買って来ました。その結果15年末のマネタリーベース(主に日本銀行券プラス当座預金残高)は346兆円、当座預金算高246兆円(14年比で74兆円増加)に膨れ上がっています。
それはアベノミクスが第一の矢に関してだけは順調にいっている事を意味しますが、実はその原資はなにもありません。ただ購入した相手の金融機関名義の当座預金(日銀内)に購入金額を印字するだけです。(笑)もちろんその担保は国債という解釈でしょうか。
これは、いわゆる通貨発行権の行使(信用創造)です。必然マネタリーベースは膨らみます。しかしながら常識で考えて、それだけで景気が良くなる筈がありません。円の希少価値が薄れ円安になり、それにリンクして株が上がるくらいでしょうか。当座預金に積み上がった資金が貸し出しに廻らなければ次の信用創造(民間銀行による)が起きないからです。
ここで問題になるのが成長(フロー)の原資となる流動性が高い金融資産(ストック)マネーストックの増加率です。そこで日銀のホームページを見ると2014年末のM3が1209兆円となっています。2015年末が1239兆円ですから、この一年で30兆円程増えている訳です。
実質GDPが14年度524.7兆円なので、マーシャルのK(マネーストック÷ GDP)は2.30となります。マーシャルのKが14年並なら15年のGDPは1239÷2.3=538.6兆円となり成長率は実質で2.67%となるのです。もちろん速報値は未だ出ていないので単純計算によるラフな数字です。
話が明後日の方向に飛んでいますが、まとめに入ります。高度成長時代のマネーストックの伸びは平均で9%台もありました。それがバブル崩壊の91年からは平均で2%台に止まっています。直近で見ても昨年と一昨年の数字を見ればM2で3%に過ぎないのです。これでは大した成長は望めません。あれだけの異次元と言われる量的緩和の結果がこれです。
つまりデフレ不況の中、いくらお金を刷っても借り手がいなかったのです。もちろん外需依存やグローバル化もその弊害です。必然、国内に投資するより需要が大きい海外へ向かう事になります。海外での日本企業の売り上げは13年で244兆円にも達しています。
それでも第二の矢の財政出動が奏効していれば話はまた違っていたのでしょうが、ここは長年の公共投資予算削減で供給力が細っていました。それならそれで他のやり方もあるのですが、公共投資のための予算が余っているなど無能さも露呈しています。やる気がないとしか思えません。
これではいくら金利を下げようがマネーを増やそうが国内には廻らず、海外をキャピタルゲイン含む樣々な形で富ませる結果になってしまうのです。金余りの技術立国、人口は減りつつあるとは言えまだまだ大国です。マネーストックが伸びる政策さえ採用すれば内需は拡大し、数字もついて来る筈です。それをあえて妨げるのは・・
甘利さんの件とマイナス金利が裏で繋がっていて、日本再生の方向に向かっているならちょっとドキドキなのですが、さて真実はどうでしょうか。。
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