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2016年6月23日 (木)

政府に反旗を翻す事の意味は(続編)

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コメ欄に応えまして、銀行の話の続きになります。

民間銀行と言えども半分公務とでも言うべきか、公共性が高いのは紛れもない事実で、そういう機関が政府の方針に逆らうというのは非常に矛盾があります。なぜなら公共性が高いために思い切り優遇されているからです。

特に今は、言いがかりとしか思えないような理由で、りそな銀行が潰されかかった悪夢の小泉竹中時代とは違います。中でもメガバンクの場合は特権があり、常識で考えて潰される事はあり得ません。メガバンクのひとつでも潰れると、その悪影響は計り知れないので政府としてもそんなリスクを負う意味はないし、さらに政府にとって銀行救済など訳もない事です。

にも拘らず銀行の優遇措置は山ほどあります。そのお陰で銀行員は高給を得ているのです。基本的に付加価値生産という視点で見れば無価値と言える仕事なのに、なぜ国を支える基幹産業の自動車業界より50%も平均給与が多いのか理解に苦しまざるを得ません。(笑)

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(雨の日には傘を貸さないと揶揄される銀行は中小企業には冷たく、大企業に優しい性質を持ちます。それは与信の判断能力なんてない事を意味するのですが、担保を取って貸すのなら誰にでも出来るのではないでしょうか。)

そもそも銀行は預金の1%さえ日銀当座預金に預ければ、その100倍の資金を無から作り出す事が出来ます。信用創造と言いますが、本当に信用だけでお金を作る訳です。打ち出の小槌を持っていると言っても過言ではありません。これは我々製造業などから見て凄い特権ではないでしょうか。

もちろんその親分である日銀はもっと凄い力を持ちます。採算度外視でお金が無限に刷れるのですからたまりません。だと言うのにペイオフなどというふざけた事をぬけぬけとのぬかす・・こんなバカな話を許してはいけないのです。

話が明後日の方に飛んでいますが、従って銀行家には、もっと目立たない控えめで真摯な態度が求められます。そういう点でも今回の三菱東京UFJ銀行の、公然と政府に逆らうような態度はあまり褒められたものではありません。つまり政府に対してもタカピーなのです。(笑)メガバンクとしての使命を忘れています。

それより本来業務である貸し出しをもっと積極的にやるべきですが、尤も、ここは銀行だけでは限界があります。政府が地価を下げるような、例えば不当に高い相続税や固定資産税等の政策を採っていては担保価値が上がりません。

また日銀そのものが民間銀行の貸し出しに対して無関心なのでは、与信判断力の貧困な銀行も今一やる気が出ないでしょう。やはり昔のようにある程度貸し出しをノルマ化するような策はデフレ期には必要だと思われます。

何度も言っていますが、民間銀行が貸出しを増やさないのであれば政府が国債を刷って現金化しマネーストックを増やすしかありません。反対に政府が財政再建を急ぐなら民間銀行が貸出しを大幅に増やす必要があります。つまりどちらか一方でも市場にマネーを供給し続けなければ、国民の財布であるマネーストックは減少するのです。

これでは経済成長は望めないし、増してインフレなど夢のまた夢です。この当たり前の事実、認識が共有されていない、あるいは知らないフリ?をしている現実は恐ろしい限りです。日本の経済学者、エコノミストらのレベルが疑われます。

Bs

(最新のバランスシートです。理由は色々あるのでしょうが、直近の部は発表されていません。)

ところで三菱東京UFJ銀行の総資産の内、国債保有分は10数%に過ぎません。しかも政府が発行する国債発行額も、良いか悪いかはともかく年々減少傾向にあります。さらに日銀の買いオペは継続していて品薄状態はご存知の通りです。

その為国債価格は増々上昇し、金利はマイナスまで行っています。これでいきなり金利が上昇する局面などあり得るのでしょうか。少なくとも黒田総裁の任期中は考え難いと言えます。その間、どう考えても銀行が損をするというケースはなさそうです。

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(公債発行は安倍政権になってから顕著に減っている。税収が伸びているので歳出そのものは減っていない。歳出を増やすチャンスなのだが、それには消極的だ。)

この逆のケースならネガティブな考えは責められませんが、今のペースで何が心配なのか、調べれば調べる程不可解と言わざるを得ません。例え損失が出たとしても、給料を下げる余地だって山ほどある訳だし、我々零細企業から見ればどうってことありません。(笑)

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