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2016年6月29日 (水)

英国EU離脱で日本は英国以上に厳しくなる??

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英国EU離脱で日本は英国以上に厳しくなる (東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース

 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160624-00124362-toyo-bus_all

こういう愚かな事を書いて煽るメディアがいるのには困ったものです。どういう根拠で書いているのかと一応読んでみると他愛もないものでした。円独歩高の今回は協調介入がしにくいので円高に触れざるを得ないと言うのです。つまり円高は悪だと決めつけている訳です。円高のために英国以上に厳しくなる??

おいおい、それはないだろう。つい最近までアベノミクスで円安になり、国益を損ねていると騒いでいたのは誰だったのでしょうか。殆どのマスコミやエコノミストは資源輸入が円安で割高になり国民生活を圧迫すると言っていませんでしたっけ?

小学生にでも分かる理屈ですが、円高になれば輸入コストが下がります。つまり企業の収益力は上がるのです。それで悪い事など何もありません。と言うと、日本は輸出で稼いでいる企業が多いので貿易赤字になる、と返されるのでしょうが、さすがに最近は、そこまで無知なマスコミも少ないかもしれません。

じゃあアベノミクスで円安になり、輸出は増えたのかと言えば、そんな事もなかったのです。なぜならとっくの昔に輸出企業は現地生産に切り替えています。自動車で言えば昨年の国内生産900万台(内輸出400万台)海外生産1800万台です。2/3を海外で作っているので為替の影響は軽微です。

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(為替と現地生産台数、輸出台数が関係ないのは明らか)

しかも円高に懲りた企業は円建ての貿易をしています。特に海外生産組は日本からの部品調達を円で決済しているのです。さらに輸出品目の内、80%を占める生産財、資本財輸出は相手国にとって必要不可欠なので為替の影響は殆ど受けません。

例えば液晶テレビの重要部品(生産財)や半導体製造装置などの資本財は日本でしか作れないものが多いので韓国や中国、台湾は高くても買います。飛行機に使われているカーボン素材や自動車のECUなどの電子部品も日本が得意とする分野です。供給を止めて困るのは世界の方なのです。

日本程の先進国の場合、実は円高で悪い事など何もありません。いつまでも外需依存の途上国並に日本を扱うのはやめてもらいたいです。もし悪い事があるとすれば価格競争力の低下を恐れた弱い産業が値引きをしてでも海外に売る事です。その結果賃金が下がりデフレの原因になります。誤解を恐れずに言うなら、こういう企業は輸出をしてはいけないのです。(笑)

私のビジネスも当然円建てです。と言うより技術輸出の場合、相手が最初から円建て前提なので外貨建ては考えてもいないと言った方が正確です。一回だけドル建ての契約がありましたが、たまたま円安になり儲かりました。

脱線しましたが、円建てで輸出が出来る程競争力のある産業、企業のみ輸出をする資格があります。しかしながら、その場合でも輸出は日本の国力を低下させるのです。なぜなら日本で生産する物の96%は国産です。エネルギー他の天然資源輸入がGDP比で4%に過ぎないという事は付加価値生産としてみた場合そういう事になります。

その貴重な国産資源を海外に供する意味はありません。ここで何度も言っていますが、日本の優秀な製品、資本財、生産財をドルなどの外貨と交換し、それを使えない米国債などに替えて溜まるのを喜んでいるのは悪趣味と言うしかないのです。その為に円を刷る(黒字分の外貨を円と交換)なら、最初から内需のために使うべきです。

つまり、内需活性化のために巨額財政出動して2%程度のインフレターゲットを達成し、GDPを増やした結果としての円安なら言う事はありません。またそれが正しい姿です。

金利が決定的に低い今こそチャンスです。日銀当座預金にもそのための資金が唸っています。補正予算を10兆円などというケチなことを言わず20~30兆円いきましょうよ。それでも2%のインタゲが達成出来るか微妙です。

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   (英国にある日立製作所の鉄道車両工場)

また、英国で現地生産をしている企業が関税で損失を被るというエコノミストもいましたが、ええ加減にせいよ、と言いたくなります。そもそも現地生産は誰のためでしょうか? クルマの場合でも、海外で1800万台も作って、乗るのは外国人です。給料を受け取るのも外国人、それで利益を上げたなら現地に税金を払い、さらに現地に再投資までします。

これで日本の企業と言えるのでしょうか? 確かに企業としてはメリットがあるのかもしれませんが、直接投資で日本が得る所得は年2~3兆円に過ぎません。つまり現地生産で最も利益を得て美味しいところを持って行くのは現地なのです。従って外国の企業と言っても差し支えありません。

そんな企業が英国で損をしようが得をしようが一般の日本国民には関係ない話です。企業は現地に貢献するためにひたすら頑張るだけです。それが現地に工場を作った企業の責任でもあります。なので安易に撤退などと言ってもいけないのです。但し、反日国の場合はそんな事も言っていられないので、その限りではありません。

尤も、英国の場合、実際にEUから離脱したとしても、当面はポンド安になるので相手国の関税分くらいは相殺されるでしょうから、それも大した問題とは思えません。その程度の事で騒ぐな、バカマスコミと言いたいです。

それでも株だけはどうしようもありません。(笑)今回だけでなく、アベノミクスで失ったキャピタルロスは100兆円にもなります。空売り規制を設けたり、海外資本を制限するなりしない限り日本はいつまでも草狩り場にされるでしょう。

円高になると連動して株安(利益確定売り)になりますが、そこが日本のアキレス腱です。いっその事、実体経済とはかけ離れていて、博打性が強く、ずる賢い連中だけが儲ける株式制度そのものを廃止した方がいいのではないかと思うのですが、いずれにしても米から独立してからの話になります。

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コメント

アベノミクスで失ったキャピタルロスとはなんのことですか、為替差損のことですか?

英国のEU離脱での株や為替のあの過剰反応は腑に落ちないというのは、確かに言われてみればそうです。

投稿: 八丈島 | 2016年7月 1日 (金) 14時05分

八丈島さん
アベノミクスで失ったのは色々ありますが、一番大きいのが株によるキャピタルロスです。下記記事をご参照下さい。

http://ust.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/---.html

昨年末までのるいけいでは100兆円を超すと思われます。

投稿: 田中 徹 | 2016年7月 1日 (金) 15時43分

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