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2016年7月 5日 (火)

借金をしなくなった日本企業と借金まみれの中国

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---- TPP消費増税 /カジノ解禁に反対します ----

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あるブログを見ていたら面白い記事がありました。主要国の企業債務残高を示しているのですが、諸外国の債務残高が増えている中、日本はむしろ減らしているようです。日本同様緊縮財政が大好きなユーロ圏も減らしているので、なるほどという感じはします。
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しかし、企業が債務を減らしているというのは感心した事ではありません。企業は設備投資のために債務を増やし、その結果として国民の財布であるマネーストックが増えます。それが正常な形と言えますが、日本の様に企業が債務残高を減らすという事は、個人と政府が債務を増やすしかない、という事になります。

マネーストックとGDPの関係は何度も書いて来ましたので省略しますが、消費性向から見ても財布の中身が多い程お金を使う、というのは確かなので成長のためには何とかしてマネーストックを増やさなけらばならないのです。

日本の場合は企業と同じく個人も収支で言えば大きな黒字です。つまり資産が負債を大幅に上回るのですから、結局は政府が債務を増やす以外に手はないという事になります。1000兆円を超す政府債務は税収の問題というより個人と企業が借り入れを増やさない事が最大要因なのです。

これをもって成熟した先進国には需要がないなどとよく言いますが、私には全くそのようには思えません。日本はまだまだ発展途上でやらなければならない事は山のようにあります。日本列島強靭化計画はいつの間にか死語のようになっていますが、200兆円規模の計画はどこに行ってしまったのでしょうか。

民間が設備投資などによって債務を増やさないなら一時的にでも政府が公共投資などによって債務を膨らませ、マネーストックを増やして行くしか経済成長の道はありません。それなのに、なぜかプライマリーバランスにこだわり国債発行に歯止めをかけます。

これではいつも中途半端に終わりインフレはおろか、経済成長など望めません。何度も言いますが資産と負債はイコールです。どちらかを減らすという事は当然反対側も減るのです。貸借対照表を見れば明らかです。

個人と企業が債務を減らす中、政府まで債務を減らせば国全体の資産がどんどん減ってデフレが加速し経済が縮小して行くのは自明です。それを知ってか知らずか、エコノミストも含め借金減らせの大合唱は理解不能です。いつから日本は知恵遅れの愚鈍な国になったのか、嘆かわしい限りです。

では逆に、中国の場合は借金を増やしているから経済成長するのか、と言われそうですが、それはまた話が違います。(笑)彼の国の場合は対外債務が増えているのです。ご存知のように中国は日米などと違って発展途上型の貿易立国と言えます。

貿易総額の対GDP比は40%程度ですが、ドルペッグして貿易黒字を溜め込んできました。ところが莫大にあると思われていた外貨準備もいつの間にか底をつき、確かに確認出来るのは米国債分しかないと言います。

その米国債も簡単には売れません。売れば売る程資産価値は目減りします。さらに外貨準備は自国通貨防衛のための最後の砦でもあるのです。そういう意味もあって今はAIIB にしても外貨建ての借金に頼らなければ何も出来ない状態です。日本主導のADBから1%で借りた資金を2%で、ADBが相手にしない途上国に貸したりしていると言います。

度を超えた借金依存は政府だけでなく企業も同じで、借金の三分の一くらいはシャドーバンキングを介してと言いますから深刻です。当然ながら金利は半端なく高い事が推察されます。つまり利払いを含めた返済のために借金を重ねるという悪循環に陥っているのです。

このままだと既にある不良債権の山の上に新たな不良債権の山が築かれます。ところが外貨流出などによって通貨(元)の価値は下げ止まらずで対外債務は際限なく膨らんでいかざるを得ません。これでは政府がいくら通貨を供給しても逆効果です。全ての点で日本とは正反対と言えます。

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(飛行中の自衛隊機に中国軍の戦闘機が異常接近したことについて、中国人民解放軍少将は「撃墜しなかっただけでも、中国は十分我慢している」と述べた。写真は中国空軍のSu-27戦闘機)

外需に頼り、国内では海外からの直接投資におんぶにだっこして、自律的内需大国への転換が遅れたのが致命的です。その外資も逃避が止まりません。さらに環境汚染は手遅れというくらいひどいのですが、日本の様に回復する事などあるのでしょうか。

あらゆる確度から見てこの国は悲惨です。怖いのは人民解放軍の暴走ですが、いずれにしても、これから何十年もかけて元の最貧国への道を転がり落ちて行く事でしょう。いつの間にか中国の話になっていました。(笑)

人の国を脅かしている場合でない事は確かです。

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