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2016年8月30日 (火)

飽く事なき早さへの挑戦

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オリンピックの400メーターリレーで日本人の若者4人が銀メダルを取りましたが、さすがに100メーター走で10秒を切らない4人が、全員9秒台のアメリカに勝つとは夢にも思いませんでした。

これはバトンパスの技術と言いますか、飽く事なき早さへの挑戦がバトンパスでのロスを排して達成した画期的な出来事です。既に殆ど究極と言えるのかも知れませんが、何かもっと早くするための要素がないか、他にも可能性があるかもしれないと思い始めた人は多いのではないでしょうか。

さて、早さへの挑戦といえば、ホンダが満を持してスポーツカーNSXの新型を発売しました。その国内での価格は2370万円と国産車史上最高額です。GTRが二台買えるこの価格設定は一部の大金持ちマニア向けとしても高すぎるのでは?という声もあるようです。

しかしながら私に言わせれば、これでは元は取れません。このクルマはエクスキューズが認められない超弩級スーパーカーの中でもフェラーリの上位モデルと肩を並べる最右翼と言える一台です。つまり性能に上限を設定しない戦闘機のようなクルマと言えば分かり易いでしょうか。

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(折角発売されても米では2年待ちらしい、それならもっと価格設定を高くすればいいのに・・)

今ならF35か? 昔で言えば零戦です。最高速、航続距離、旋回能力、戦闘能力、相反する要素を全てトップクラスにする為に何をするかですが、もち ろん採算度外視です。

NSXで言うと300キロを超す最高速、0−60マイル3秒を切る加速性能、1000キロに及ぶ航続距離(これは戦闘機と違って地上にいるのでプライオリティは高くはない)、タイトなコーナーを高速で 駆け抜ける回頭性、機動性、加速性、制動性どれをとってもピカ一でなければいけません。その為に必要な事は言い訳抜きに全てやるとこうなる、という見本が NSXなのです。

従って、GTR(1100万円)やマクラーレンMP4-12C(2800万円)などという言い訳だらけのスポーツカーと比較しては失礼というもので す。(笑)しかも、そんなローテク車ではありません。スポーツカーとしての理想を追求した未来カーの雛形が超ハイテクNSXです。これはF-1などでは得られない量産車向けノウハウ、情報の宝庫となり得ます。

こんなクルマにどこで乗るのだと、やっかみ半分で言う人もいますが、それは買う人の勝手です。(笑)思い切り飛ばしたければ富士スピードウェイに行く手もあるし、眺めて楽しむ人もいるでしょう。街中を走る時に、その秘めたるポテンシャルを垣間みて、ほくそ笑むマニアもいるのではないでしょうか。

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(初代NSX アメリカなどで評価が高く未だに多くのファンを持つ)

そもそも4輪で走るクルマは真ん中に重いもの(エンジン、ミッションとかバッテリー、あるいは人)を集めて、出来る限り4隅にタイヤを配するのが理想的なレイアウトです。しかもそのタイヤが四つ足動物のように全て駆動し制御されるのが加速や制動の点でベストである事は論を俟ちません。

ニューNSXはと言えば、ミッドにエンジン、モーター一個を置き、これで後輪を駆動します。フロントは左右別々に専用の駆動用というよりは制御用?モーターを配し、四輪が電子制御により最適なトルク配分で別々に駆動、あるいは制動するという、正にチーターのような足を実現したのです。言い過ぎか(笑)

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(チーターがヒントになったのかどうかは知りませんが、明らかに共通点があります。)

チーターは太くて長い後ろ足を蹴って高速で走りますが、前足もその補助をします。その場合でも駆動用というよりは方向性を決めたり曲がるときにバランスをとったりするのが主な役割と言えるでしょう。そう考えた時に500psを超えるリアの駆動力に対し一輪当り20psそこそこである前輪出力の理由が分かるというものです。

ともあれ、このプロペラシャフトやセンターデフ、フロントデフを持たないバイワイヤーでのフルタイム4WDはハイブリッドならではです。つまり従来の燃費だけのためのハイブリッドカーが、走りのためのハイブリッドカーに変身を遂げたのです。ハイブリッドである事の長所が如何なく発揮されます。

個人的に贅沢を言わせてもらえば、サイズがイメージより若干大き目です。一回りコンパクトで後100キロ程軽量なら言う事はないのですが、今後の課題という事にしておきま しょう。高性能バージョンも追加で出るらしいし・・いずれにしてもハイブリッドのポテンシャルを大きく広げたエポックメーキングなクルマと言えます。

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(GTRを楽々凌駕するポルシェ918スパイダー/ V8 4.6L  612ps  +3モーター システム合計出力 880ps というモンスターだ。2013年9月発売 918台の限定生産 価格、約1億円)

そう考えると5000万円でも決して高いとは言えないかもしれません。何しろ直接比較出来るライバルがいないのですから・・・ライバルを、あえて選ぶとすればマクラーレンP1やポルシェ918スパイダー(どちらも1億円前後)でしょうか。

特にニュルブルクリンクでの最高ラップタイムを持つポルシェ918スパイダーにはレイアウトや考え方も酷似しています。面白くなって来ました。こういう挑戦はどんどんやって欲しいです。

NSX 主要緒元

  • 全長×全幅×全高:4490×1940×1215mm
  • ホイールベース:2630mm
  • パワートレイン:V6気筒 3.5Lツインターボ(ドライサンプ潤滑)+モーター×3(前2基、後1基)
    (冷却に、ラジエーター3基、インタークーラー2基、空冷式熱交換器10基、9DCT用熱交換器2基を採用)
  • 最高出力:581ps
  • 最大トルク:65.9kgm
  • ミッション:9速デュアルクラッチ
  • 駆動:4WDSH-AWD
  • 車重:1780kg
  • 燃費:12.4km/L
  • 前後重量配分:4258
  • 0-60マイル加速:3.0
  • 最高速度:307km/h
  • タイヤサイズ:F 245/35Z R19/R 295/30Z R20
  • ブレーキ:F 6ピストン/R 4ピストン カーボンセラミックブレーキ
  • ボディに、アルミニウム、超高張力鋼板、カーボンを使用
  • 走行モードを「Quiet」、「Sport」、「Sport+」、「Track」の4モードに切り替え可能な「インテグレーテッド ダイナミックシステム」を採用

新型NSX 価格

  • 日本価格:2370万円
  • 参考:アメリカ販売価格
    ベースモデル:156000ドル(約1890万円)
    フルスペックモデル:205700ドル(約2500万円)

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コメント

NSX・・・初代の奴は試乗した事あります結構昔に。自分の車ではなかったのでソウッと乗ったという感じですが。従って交通違反的な乱暴・荒い運転からは程遠いい大人しい運転に終始。感じたこと・・・乗降とかドライブポジションは自然で優良であり、手を伸ばすと真正面にステアリングホイールがきちっとあって、ペダル踏力は重過ぎず軽すぎずアクセル/ブレーキの踏み込みストロークも自然でありフェラリ/ランボルギーニ/コルベット等のお高いスーパーカー等より遥かに洗練されているので(洗練されすぎ!?)女性でもドライブOK状態であって物足りないぐらい・・・間違いなく安全性は向上されたのでしょう。視界は優秀でゼロ戦とかF16のキャノピーを連想させられました。周りが良くみえるのです。ランボルのLP400なんぞは後ろが全く見えないいので首を回して振り返ろうとすると、フロントウィンドウにおでこをゴチーンとブツケてしまう。ガラス窓が思いっきり寝ているのでクリアランスが非常に狭いのでそうなってしまうのでしょう。カッコ優先で居住性(安全性も)は犠牲になっているのかもしれません。
快適且つ洗練された操縦感覚のNSXの登場後はビックリした伊(Ferrari等)独(Porsche)等の居住性はかなり改善されたらしいです。
走りっぷり:普通に周りのクルマの流れに合わせていればヒップポイントが低いだけで、アコードとかカムリとかと一緒ですが、アクセルを踏みさえすれば一瞬で前の車に追いついてしまうので気持ちがいいですね。New NSXの仕上がりが楽しみです。

投稿: AZ生 | 2016年9月 1日 (木) 18時18分

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