« 日本が失って来たもの | トップページ | 世界最強の通貨と言えども »

2016年8月 8日 (月)

技術大国日本の進むべき道

Photo     

---- TPP消費増税 /カジノ解禁に反対します ----

ブログランキングに参加しています。

仕事仲間との飲み会で、ある人と珍しく経済の話になりました。一応安倍政権は支持しているようです。

その人曰く
「私は弱肉強食の新自由主義者ではないのですが、市場原理を優先する社会構造が望ましいと思っています。米のように強欲なるのは願い下げですが、日本企業が世界で自由に活躍する環境になればいいと思いますね。」


「そう都合よくは行きません。(笑)対外的には規制をしながら、日本企業だけは自由にやるなんて、虫が良過ぎるでしょう。企業が動き易い環境はもちろん企業にとっては有り難いのですが、その企業は必ずどこかの国に属します。という事はいやでもその国の貿易収支、経常収支に関係して来るのです。これを放置すると企業は自社利益の最大化を目指しますよ。それは結局民主主義に反する事になりかねません。」

その人
「でも自由貿易は大事でしょう。資本主義においてはそこが魅力じゃないですか? 日本もそれで成長して来ました。利益を最大化して何が悪いのですか?」


「例えばドイツの様な工業先進国が外需依存の輸出優先策を採ると経常収支の黒字が巨大になります。しかもユーロ圏に属しますから、そこでは無敵になり経常赤字国を量産してしまうのです。それでは持続可能とは言えません。ギリシャも破綻したじゃないですか。つまり、国という単位を尊重するなら企業の出来る事は限られるし、ある程度制限を受けるべきではないでしょうか。」

その人
「制限してはいけないでしょう。それでは共産主義のようになりませんか? ギリシャのやり方はずるいです。ドイツが怒るのは無理もありません。もっと真面目に働くべきと思いますが。」


「日本の場合も言うまでもなく強大な工業先進国です。その国が外需を取りに行く政策を採って来たから経常黒字の累積が巨額な対外純資産を産み出しました。340兆円も溜め込んで、それで国が豊かになりましたか? 貿易黒字に対するペナルティと言える円高が進み、デフレ不況に苦しんだではないですか。

しかもその反対側には米のような巨額経常赤字国を作りました。でもそっちは日本に国債売りつけて結構優雅にやっている、なんか不条理でしょう。(笑)これは基軸通貨国の特権とも言えます。ギリシャにその手は使えない。」

その人
「巨大な対外資産分は国内にも還元されましたから、悪い事ばかりとは思えません。自動車などの産業は多いに潤いました」


「一見それが正しいように思えますが、実はそれがいけないんですよ。(笑)それでは輸出企業を国が優遇する事になるのです。貿易黒字で入って来たドルなどの外貨は必ず円に替えられますね。そうでないと国内では使えません。その時に政府が円を用意するのですが、中国のようにただ元を刷って通貨を増やすだけではドルペッグと言われ批難されます。一種の為替操作ですね。

それではまずいので日本の場合市場から短期証券などと交換で円を吸い上げます。いわゆる不胎化です。という事は、国債を刷って公共投資をするのと何ら変わらないのです。つまり、国債と交換するのが別に外貨である必要はない訳です。しかも肝心な資源と技術の塊である製品は海外に取られてしまいます。日本人はそのメリットを享受出来ない。」

その人
「え~~、そんな事を言ってもお金はお金なので外需は貴重でしょう?クルマを買ってもらってドルを払ってもらったなら立派なお客だし、お金も入って来ます。何がまずいのか分かりません。」


「日本人に売れば売り手に円が入り、買い手は同価値の製品が手に入ります。つまり一粒で二度美味しいのです。しかもその製品を使う事によって生産性の向上も望めますから、うまくすれば一石三鳥にもなる訳です。これが海外に売ったなら買い手にお金が入っただけで、後のメリットはないでしょう。」

その人
「なるほど、そう言われたらそうかもしれませんが、未だなんか納得いかないなあ。屁理屈じゃないの?(笑) 貴方の会社だって外需で儲かっているしょう?」


「農業などの弱い産業を持つ先進国が、その産業を守り国の形を守りたいなら他国の弱い産業に対しても尊重する姿勢が必要です。市場原理を優先してそれが可能ですか? 体のいい弱肉強食ではないですか?

関税などで弱い産業を守りながら強い産業を野放しにすれば、重商主義と言われても仕方がありません。そうなるとTPPなどを受け入れざるを得なくなるのです。その結果国の形は崩れてグローバル化が進みます。私の仕事?・・は技術輸出だし零細企業だからあまりそれらと関係ありません。(笑)」

その人
「グローバル化やTPP、FTAなどを否定されても、普通の日本人はピンと来ないでしょう?国も進めているし、何が正しいんだか分かりませんね。」


「そうなんですよ。マスコミもそっちの方向ですからややこしいです。日本人は皆そっちの方向で刷り込まれています。非常に頑固ですよ。思い込みが激しい人が多いです。特に年寄りは柔軟でない。」

Photo

  (西麻布の権八、映画キルビルの舞台となった)

さらに私
「アベノミクスで内需拡大と言いますが、これまでの外需依存の延長線上で、それが出来るとは思えません。経常黒字が大きい程円高に振れていきます。その結果はデフレからの脱却を遠退かせ内需を圧迫するのですが、生産年齢人口が減って行く今の日本では外需と内需はトレードオフの関係にあります。

ならば、どちらを優先すべきかは明らかではないでしょうか。観光立国で4000万人の外国人観光客を目指すなんてとんでもない話ですよ。労働生産性が低い分野を拡大しても、他の分野で人が足りなくなります。肝心な土木建築に人が集まりません。」

その人
「う~ん、なるほどね。何となく分かったような。(笑)マクロ経済は難しいですね。今度勉強しておきます。しかし何で貴方はそんなに経済にうるさいのですか?」


「リーマンショックで痛い目に遭いましたから、その原因を自分で調べようと思って、そうしたらマスコミや政府が言っている事が嘘だらけだという事が分かって・・お陰で私なんかメチャクチャ損をしましたよ。(笑)笑い事では済まないんだけどね。。」

概ねそんな会話ですが、若干膨らませました。(笑)

クルマを海外に売ると日本が損をするという話は、なかなか納得してもらえないようです。ひとつには需要の問題があります。飽和状態の国内市場で、どうやって輸出分を消化するのかと疑問に思われても無理はありません。

別にクルマに限定する事はなく、その資源を国家として戦略的に他に振り替える事は可能です。例えば住宅や防衛などはまだまだ需要が望めます。住宅は既に余っていると言われるでしょうが、フランス人言うところの兎小屋が多すぎるのです。もっと先進国の人間らしい広い家、例えば延べ床面積が100~200平米の戸建てなら100~150坪くらいの土地は欲しいでしょう。そう考えて行けばむしろ日本は狭いと言えます。

集合住宅もマンションとホラを吹くくらいならせめて100平米以上を標準にしたいです。内容もリッチにしましょう。土木建築の分野も需要は無限です。もっと災害に強い環境を100年計画でも立てて整備すべきですが、国土強靭化計画はどこに行ってしまったのか。(笑)毎年同じ災害を繰り返しています。

クルマに限定したとしても、買い替えのサイクルをもっと短くする手があります。環境面でもその方が有利です。5年も乗れば環境面の性能はかなり見劣りします。ならばその中古車を新車の代わりに途上国に輸出すれば貿易黒字も生み難い訳です。

日本人は世界に範を示すためにも高性能で環境にバッチリの高付加価値車に乗ればいいのです。その場合、高級ドイツ車のように販売台数ではなく、売り上げ重視にシフトするべきです。(ヘリマネとセット)軽自動車にコテコテと色々なパーツを付けたり飾ったりして乗るようなしょぼい習慣は卒業したいものです。

いずれにしても、全ての面で日本がお手本になる事が地球のためである事は間違いありません。

共感いただければクリックをお願いします。

|

« 日本が失って来たもの | トップページ | 世界最強の通貨と言えども »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

今日どこかのブログで何ヶ月も連続で貿易黒字が続いているとありましたが、それを読んでなんとなく安心してしまう自分がいます。これは国の借金、国債暴落のドグマよりずっと深刻なような気がします。田中様もチャンネル桜でも出て話してほしいです。

投稿: 八丈島 | 2016年8月 8日 (月) 19時28分

八丈島さん
日本人の悪い癖で、貿易黒字でも何でも溜まるものは大好きで借金は大嫌いと来ていますから、そもそも経済発展とは相反します。それはにわかには変えられないので、デザイナーの私如きがいくら言っても効果は限定的です。チャンネル桜にも断られるでしょう。(笑)

いずれにしても家計の論理で政策決定をする政治家がいる限り見通しは暗いです。

投稿: 田中 徹 | 2016年8月 9日 (火) 00時06分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 日本が失って来たもの | トップページ | 世界最強の通貨と言えども »