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2016年10月21日 (金)

間違いだらけの貿易の話

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---- TPP消費増税 /カジノ解禁に反対します ----

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前回の補足になりますが、前回記事だけでは不十分なので、もう少しお付き合い下さい。

貿易で国は豊かになる事はない、むしろ相対的貧困に陥る、と前回の記事で書きましたが、もちろんどの国でも同じという訳ではありません。技術のない国、品質の高い製品を造れない国は、逆に豊かにさえなれるのです。

例えば米しか作れないT国があって、日本が農業従事者の高齢化で米があまり穫れなくなったとしましょう。その場合米と自動車との交換が成り立つのです。T国にとっては作り過ぎて余った米とハイテク満載の自動車を交換すれば大きなメリットがある事は言うまでもありません。

従って貿易、特に自由貿易は技術力のある先進国程メリットが薄く、途上国程メリットがあるという事になります。突き詰めると世界で一番技術力があって品質の高い製品を造れる国が一番メリットがないと言えるのです。すなわち日本です。

では日本はどうすればいいのか、何をすれば豊かになれるのかという話を今回はします。もちろん私個人の独断と偏見に満ち満ちた記事なので、そこのところ差し引いて読んでいただければ幸いです。通貨をベースにした話は前回しましたので、今回は通貨や金融抜きです。

さて、マスコミなどからの刷り込みによって、グローバル化や自由貿易が世界を豊かにすると信じている人は多いと思われますが、それは嘘ではありません。世界単位で見れば間違いなく豊かになれるでしょう。

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何故なら世界で最高の製品が、お金さえあれば、あるいは借金さえすれば、どの国でも手に入るからです。直接投資の場合はそれを極端に推進します。先進国がわざわざ技術とお金を持って来て現地の労働者を採用し、ご丁寧にも大量に作ってくれるのですから、こんなに美味しい話はありません。それで発展した代表が中国です。

つまり自由貿易やグローバル化を進めれば進める程世界経済の平準化、均質化が起きるのです。経済的にも技術的にも差がどんどん無くなっていきます。平均値が上がるので世界全体で見ればメリットが大きいと言えるのです。世界が平和で善人だけならそれでいいかもしれません。ところがそうはいかないのです。

この世界には、虎視眈々と他人の領土や財布を狙っている国、輩が一定数存在します。宗教問題や間違った歴史認識で隣国を敵視している国だって少なからず存在するのです。そんな中で国境をなくし、人の行き来やお金の行き来を自由にすれば何が起きるかは自明です。

日本という国の歴史や文化、あるいは自分たちの生活を守りたいなら全てを開けっぴろげにする訳には行かないのです。海外との付き合いは制限するしかありません。反日国は論外としても、基本は相互主義でいくべきでしょう。安全保障上もそれが正論である事は論を俟ちません。

分かりやすく言えば、受けた分のメリットを相手にも与える、それだけの事です。過剰にやろうとすると無理があり軋轢が生じます。利権も生まれ格差の原因にもなりかねません。例えば日本にないものを買う場合は、日本にあって相手にないものと交換する、いわゆる等価交換の範囲に抑えるべきなのです。

フィフティフィフティですね。観光も一人当たりが使う金額が同等とすれば、世界に出て行く数と同じだけを受け入れるべきです。そこで下手に儲けようとするからおかしな事になるのです。このような考え方でいけば為替(変動制)は不要になります。借金もする必要がありません。等価物々交換ならお金は必要ないという事です。お金が絡むとろくなものではないのです。(笑)

しかし、それでは国は発展しないのでは?と言われるかも知れませんが、そんな事はありません。その方がむしろ発展します。貿易黒字を長年続けて来ても貧困化したのですから逆の場合は発展してもおかしくありません。米がいい例ではないでしょうか。あれだけ世界中から借金しても成長しているのです。

前にも言いましたが、日本の年間での総付加価値生産量を100とすれば、輸入分だけ国民の所得は減ります。この場合は輸入>輸出なら、その差分の付加価値が海外に流出するのです。黒字国は、お金は得ても真の価値(ものやサービス)を国民が手にすることが出来ません。と言う事は黒字分だけが貯蓄になるのです。それで溜め込んだのが世界一の対外純資産であり、莫大な企業の内部留保です。

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(日本は肝心要の国防がなおざりにされている。これでは何をやるにも限界がある)

お金は貯めるだけで使わなければ何の価値もないので真に豊かになるには輸入=輸出とする事が正しい事になります。所得を増やすには、いかに貿易量を圧縮するかがキーになる訳です。今で言えば天然資源系の輸入が5%程度ですが、その他の自国で調達可能なものの輸入をやめれば95まで所得が増える事になります。今が85くらいなので10もアップするのですから随分もったいない話ではないでしょうか。

という事は、ユニクロのように国内に工場を持たず途上国からの逆輸入に頼るビジネスモデルなどは論外という事になります。その他水平分業で、より安い部品を海外から調達するやり方も国内産業にとっては害毒以外の何ものでもありません。そういうものに対してはうんと高い関税をかけましょう。(笑)

そんな事を言っても所得が上がった分価格が上がるので、結局同じじゃないかと言われるかも知れません。ところが違うんです。大半が国産になるのですから価値は倍増、三倍増します。中国製や韓国製をを買わなくてすむ生活をイメージして下さい。まず安心ではないですか。

さらに国産だけを買うという事は国産のさらなる付加価値アップに繋がります。国内同士での競争なら不毛なコストダウンもありません。つまり正常に切磋琢磨が行われ、質の高い生活が得られるという訳です。当然質を上げるにはコストがかかりますから、政府さえまともならデフレになる事は考えられません。緩やかなインフレに向かうでしょう。

という訳で、国内で出来る事は全て国内でやるべきなのす。その為に必要なものは関税自主権であり、各種規制や商習慣などの非関税障壁です。それらは自由貿易やグローバル化の前に悪玉のように言われ緩和、あるいは撤廃すべきと言われているものです。

いえいえ、日本が自立して国益を守っていくためには自由貿易の方が悪玉ですから、関税や非関税障壁は言わば正義の味方なのです。(笑)それでは世界と上手くやっていけないなどと言ってはいけません。今は日本が科学技術や製品製造、あるいは素材技術でも世界をリードしています。日本との付き合いがなくて困るのはむしろ世界の方なので強気に出ても問題ないのです。

海外へ出て行って現地に貢献するのも野方図に許すべきではありません。政治的に相手国を選ぶ必要があります。反日国に投資して経済的に貢献するなど論外です。敵を強くしてどうしますか。全ては国益のためにやるべきで、それは安全保障上も明らかです。

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このやり方で国内経済が活性化すれば海外に向かっていた投資も国内に戻ります。人手が足りないなら、それも生産性向上へのバネになるでしょう。その結果は量的にも質的にも豊かになりGDPが増え、そうなれば出生率も自然に上がって来るというものです。好循環に入るのですが、世界と同化し世界に向かえば向かう程日本は貧困化していくでしょう。

私は、日本の場合に限ってですが、セミガラパゴスくらいが丁度いいのではないかと思っています。100の内、2〜3程度の海外との付き合いが妥当ではないでしょうか。その場合、軍事的にもっと強くなる必要はありますが。。全てはそこに帰結するのかもしれません。

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コメント

ユニクロみたいな企業はもってのほかですが、自動車など海外投資して現地生産しないと、貿易黒字が巨大にならないでしょうか。もしかして輸出関税でも我国からかけますか。日本にはなくてはならない商品がたくさんあるので、海外投資なしで貿易を均衡化するのは難しいような気がします。でもできれば投資は国内に限りたいです。それとプチガラパゴス化するためにも国力に見合った軍事力がほしいですね。

これらのことが多くの人のコンセンサスになることを期待します。

投稿: 八丈島 | 2016年10月24日 (月) 22時35分

八丈島さん、この自動車の貿易か海外生産かの問題、長くなるので近い内に本文の方で補足説明します。

投稿: 田中 徹 | 2016年10月25日 (火) 00時01分

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