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2016年12月26日 (月)

本当に日本は一人負けなのか??

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---- TPP消費増税 /カジノ解禁に反対します ----

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  今日は、意味不明な経済記事を書いているサイトを見つけましたので、それをネタに使わせてもらって記事を書こうと思います。

「一人負け日本で企業はどう生き残ればいいのか?」

というタイトルなので、えっ、いつそんな事になったの?と読み進めて行くと(以下抜粋)

『一人当たりGDP(IMFデータより著者が購買力調整、2015年)』の国際比較でみる日本は世界で何位かと言えば、27位だという。高度成長期どころか戦前の1939年には日本はすでに一人当たりGDPは世界第6位だったというから、かなりロングレンジで見ても、昨今の低迷ぶりは際立っている。

加えて最近の凋落ぶりが尋常ではない。1995年くらいからこちら(いわゆる失われた20年)、欧米各国との比較で言えば、日本は先進国の中で、相対的に最も後退している国になっている。

ふ〜ん。表面だけしか見ないんだ。と思いつつも、こういう人が政府や財界、さらにマスコミ関係にも結構いて、それが結局消費者心理にも影を落としているという事が分かっていないのでしょう。企業も海外には投資をしても、国内へ投資をしなくなるというものです。

結論から言うと、全く間違っています。まず、購買力で調整と言いますが購買力平価自体の算定法は確立されていません。労働集約型のビジネスモデルがベースだと先進国程不利な数字になるし、各国の緒事情も同じとは言えないので、そんなもので比較する事自体に意味があるのか疑問です。

比較するのであれば、従来の為替レートを実質実効レートで調整した実力値で見るのが適切ではないでしょうか。そうしないと先進国のアドバンテージが消えます。。

現段階で言えば、アベノミクスで円安を目指した結果、実質実効レートと市場値との乖離は前代未聞と言えるくらい激しく広がっていますが、この場合のドルベースGDPは3割前後も違って来ます。

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(赤線がいわゆる為替レート/左目盛り、青線が実質実効為替レート/右目盛り)

逆に一人当たり名目GDPがトップクラスの時はプラザ合意後の不当に高いレートの時期でした。そこを調整した数字で見なければ意味がないのです。前にも書きましたが、私のラフな計算によると、95年当時と比べても順位的には大きな変動はありません。

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    (人口が増える国のGDPが増えるのは当然)

日本はデフレだという事も、きれいさっぱり忘れ去られています。実質の成長率で見れば、政府や日銀がサボタージュ政策を押し進めるという逆風の中、それなりに成長しているのです。生産年齢人口一人当たりで言えば、この10年くらいは先進国中トップクラスです。

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(これをみれは明らかなように、一人当たり実質GDPは順調に伸びている)

輸出額は世界第4位 → 一人当たりでは世界44位

だから何なの? これなどは噴飯ものと言わざるを得ません。世界に工場を作って年間250兆円も売り上げているのはどこの国の企業でしょうか?純輸出(輸出ー輸入)が多過ぎて貿易摩擦を起こしたので、やむなく世界に生産拠点を移した結果です。そういういきさつさえ知らないのでは話になりません。一人当たりの輸出額を比較しても何の意味もないのです。正に木を見て森を見ずと言えます。

しかしながら日本は国として感心しない方向に向かっているのは確かです。多国籍企業が栄えても国としては、その恩恵を受けません。自動車で言えば既に国内販売台数は世界総生産台数の20%を切っています。

つまり、80%分も海外を栄えさせている訳ですから相対的に日本との差は縮まって来る訳です。このグローバル化という幻想、呪縛から逃れない限り、日本の相対的貧困化は止まりません。

生産性向上が必須

製造業についてはまだ業種や企業によっては米国を上回るところもあるようだ。ここにはデータは出ていないが、おそらく、今でも世界で通用する製造業(自動車産業、産業用ロボット等)であれば、さすがにまだそれほどの劣位にはないだろう。ただ、日本企業の全盛期でも、日本の製造現場の生産性は世界一だったかもしれないが、農業やサービス業はもとより、企業内のいわゆる『ホワイトカラー職場』の生産性が低いことは公然の秘密だった。

これも結構噴飯ものです。生産性に関しては先程も述べたように決して日本は低くありません。むしろこの条件でよくやっていると言えます。しかしながら私はそこは重視しません。何故なら生産性の向上の追究は偏った国を作るからです。

国家単位でもの事を考えた時、つまり自立した主権国家なら、自国内で全てが完結出来るのが理想です。という事は生産性の高い資本集約型産業も、逆に圧倒的多数を占める、生産性は低いが欠くことの出来ない国内産業、例えば食料や医療/介護、各種サービス業等の労働集約型産業も並立して共存しなければならないのです。

つまり海外依存率が低い自立した先進国は全体で見れば生産性は高くなり様がありません。それで今の状態をキープしている日本はむしろ立派と言えます。そう言えば最近よく、韓国に一人当たりGDPで抜かれる、などというフレーズを見かけますが、それは日本と韓国がそうなるような政策を採っているからに他なりません。

韓国は貿易依存が日本などと違って、GDPの100%近い貿易立国なので国際水平分業型の製造業の割合が高く、全体としての生産性も必然高くなります。生産性の低いものは中国などからの輸入に頼るので、その為のリソースは輸出に回せる訳です。開発にかける資金も、日本から安価に技術が調達出来るので、日本よりはかなり低く抑えられる仕組みになっています。

さらに借金大国です。(笑)ネットでよくその点をバカにする記事を見かけますが、大間違いと言わざるを得ません。マネーストックとは簡単に言うなら、借入額の総残高のことを言うのです。つまり借金すればする程購買力は増える訳です。時々破綻しかかって日本に通貨スワップを依頼して来ますが、実はそのやり方が一番賢いのです。(笑)

アメリカを見て下さい。国も個人も借金大国ではありませんか。国民は耐久消費財を購入する時に、殆どのケースでローンを組みます。官民で借りまくって贅沢して物を買いまくり、その尻拭いを日本にやらせる・・だから金が廻るのです。反対に貸す方は廻りません。(笑)これは経済の常識です。

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(マネーストックの増加率推移、90年を境に日本人は借金をしなくなった、いや出来なくなったというのが正しい。これでは経済成長しない)

おまけに日本は固定資産税などで地価下落を進め、国内への貸し出しを制限する政策を採っています。さらに国民性でしょうが借金を嫌う人も多いようです。これでは消費が伸び様がありません。

それを見た企業は国内に需要がないと思い込み海外投資に積極的になります。折角稼いだ350兆円以上もある内部留保の大半が海外に向かうのですから、誰のために稼いでいるの?という事になります。

本当に冗談ではなく、内需拡大を真剣にやらないと、今のままでは近い将来一人当たりのGDPで韓国に抜かれかねません。実力や正直さ、誠実さ、勤勉さとは関係なくGDPを増やす事は可能なのです。

それにしても日本人て面倒臭い人種です。(笑)最近テレビでよくやっているウリナラマンセー(日本は凄い)で悦に入る人と、意味なく不安を煽る(上記)人達がいて日夜せめぎあっています。人の評判を気にし過ぎるからこういう愚かな話になるのです。

世界は関係なく我が道を行く、でいいじゃないですか。そこに住んでいる人達が豊かで幸せなら何の問題もありません。安倍さん、アメリカだけを見ずに、そういう政策を採って下さい。BKDな人に何を言っても無駄だとは思いますが。。

今年最後になるかもしれない記事で、この締めくくり方は残念です。(笑)

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コメント

日本人の多くが自虐的な思考に快感を感じるようです

江戸時代にも漢文を専門にしていた人達が多くいましたが、孔子、孟子、漢詩、唐詩などに入れ込み過ぎてシナを仰ぎ見て、日本を遅れた国であるような事を言う学者が多くいました。
一方、山鹿素行は「中朝事実」を表し、徳のある天子が平和的に交代し、国家を運営する、この日本(中朝)こそが孔子の言う理想の国家であると言います。
江戸時代のシナは満州族の支配下の清国でしたが孔子や漢詩を書いたシナ人達は遠の昔に滅ぼされて、モンゴル人や満州人に入れ替わっていて、日本人が考えるシナ人ではなくなっていました。アヘン戦争で表面化しましたがシナ大陸の沿岸部はほとんど欧米列強に切り取られていたのです。そんな事情も理解せず、シナに憧れていた学者が多くいたことに驚きです。

21世紀になっても、驚異的な発展を遂げる、EU、中華人民共和国や大韓民国を見習えと叫ぶ識者といわれる人が多くいます。しかしEUの諸国は個々の国の主権を制限された状態をいつまで我慢できるか、分裂は時間の問題でしょう。
中共はパクリで誤魔化しながらやってきた国、メッキが剥がれて世界中の資本が逃げていって、日本の技術もパクレズ、百円均一商品を作るだけの鳴かず飛ばずの国になるでしょう。
韓国は日本産の機械と部品を使って組み立てるだけの国、自国で工夫し発展させることが出来ない限り、もう先が見えています。

昔も今も自国を悪し様に言う事で自分が高見に立ってるような錯覚に陥り、快感を覚えている日本人が多くいます。しかしその認識不足には笑ってしまいますが、そのようなイヤラシイ日本人は多く居るのです。

田中さん、今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。
来年は先の戦争の総括とこれからの日本の有り方を考える年にしたいですね。

投稿: ナベ | 2016年12月27日 (火) 13時14分

・・・ナベさんの〔総括〕にて我が国日本の近代史観の中での立場が私の中で、随分鮮明になってきました。有難う御座います。
2年前のXmas頃はラスベガスにて過ごし、トランプ氏の立てたホテル(カジノ無しのサッパリした奴…あまり流行って無いらしき)をみましたが、来年からはこの人がアメリカ大統領になるのですね!英国がEU離脱とか結構変化激動の昨今。
伊勢志摩サミット:G7欧米首脳の伊勢神宮訪問があったのは私の中では有用且つ重要な出来事でした。
キッシンジャーさん(C国とも仲が良いのかな)が習近平さんと会った…へー、何を話したのでしょうね?
1年前は日本で2週間過ごし、トイレ爆破未遂直後の靖国神社へ行きましたが、境内での空間にはなんら不穏・危機感的な気配は感じませんでした。今年の年末はラスベガスかな。
田中さん、皆様 今年もお世話になりました。来年も宜しくお願い致します。

投稿: AZ生 | 2016年12月27日 (火) 18時37分

ナベさん、AZ生さん、こちらこそお世話になりました。

何かと胡散臭い世の中ではありますが、希望を持ってやっていきたいと思います。今後とも宜しくお願い致します。

ちょっと早いですが、良いお年をお迎え下さい。

投稿: 田中 徹 | 2016年12月27日 (火) 19時18分

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