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2017年2月16日 (木)

緩やかに衰退していく成熟の国、日本(前編)

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BLOGOSを眺めていて気になった記事がありましたので今日はそれをネタに書きます。あるブロガーが、ある女性が新聞に書いたコメントを見て感想を述べているのですが、結論の導き方は違っても結局コメントを書いた女性の言っている事が正しいという結論になりました。

以下、感想を書いたブロガーの記事からの抜粋

先日、中日新聞に掲載された社会学者のU氏のコメントが話題になっている。「平等に貧しくなろう」というドキっとさせられる見出しで、賛否両論が巻き起こっているようだ。

 U氏のコメントを手短にまとめると「今後の日本は人口が減る事は避けがたい、移民の受け入れも治安が悪化する事を考えれば難しい、そうであれば経済成長を無理に目指すことはあきらめた方が良い、再分配機能を強化してみんなで平等に貧しくなればいいのではないか」といった内容だ。

 この内容にU氏と立場を同じくする人は「移民の受け入れで治安が悪化するなんて多様性を尊重してきた人の発言とは思えない」と反発をしている。あるいは勝ち逃げ世代の上野氏がこんなことを言うなんて許せない。という人がいるようです。

(中略)

 主観的な観測としては、移民は日本にとってツケが大き過ぎる。トランプ米大統領は「アメリカ・ファースト」と言いましたが、日本は「ニッポン・オンリー」の国。単一民族神話が信じられてきた。日本人は多文化共生に耐えられないでしょう。

確かに、日本の場合、移民の受け入れは賢明とは言えません。特に中国や韓国のような反日国からの移民は安全保障上も重大問題です。従ってそこだけは同意です。優秀で日本を愛する人を、少しだけなら受け入れてもいいというのが大多数の日本人の考えではないでしょうか。

しかしながら、移民を受け入れれば経済発展し、受け入れなければ貧しくなるという考え方は明らかに間違っています。移民を受け入れれば人口ボーナスと言ってGDP自体は増える可能性が高いのですが、一人当たりで見て増えるとは限りません。むしろ生産性が悪くなって貧困化する危険性さえあります。

まず、この議論で前提になるベースの数字がGDPですが、今はデフレなのはご存知の通りです。内閣府の数字は当てになりませんが、信用出来る、バーゲンなども加えた東大指数によるとデフレ脱却とは程遠いのが現状です。

という事は当たり前の話ですが、名目GDPは実質GDPより低くなっているのです。実質とは文字通り実力を現します。しかし実はその実質で言えば、日本のGDPはそう悪い数字ではありません。さらに、前にも書きましたが為替を考慮すると30年前との比較では大幅なGDP増なのです。

85年の1ドル240円から今の110円前後になった訳ですから世界からドルベースで見れば3.4倍にも増えている事になります。もっと言えば今のレートは金融緩和の結果であって実態は反映していません。実質実効レートで補正すれば80円以下なので、もっと大幅な増加をしているというのが実態なのです。

難しいかもしれませんが、ここはよく考えてみる必要があります。為替レートが米ドルに対して3倍以上(一時4倍)と、ここまで高くなった国はありません。ドイツマルクでさえ2倍ちょっとです。尤も今はユーロなのでマルクのままであったら、どうなっていたのかは分かりません。

ともあれ米国は世界一の経済大国で覇権国家です。世界から何でも買えるドルという基軸通貨さえ持っています。その通貨より円の方が高い、即ち価値がある、という事は何を意味するのでしょうか。さらに何ゆえそこまで円が高くなったのか、と言っても、そこはここに来られる皆さんはよくご存知なので省略します。とにかく円は価値があるのです。(笑)

まあ、思い切り簡単に言えば円高は経常収支の黒字の結果ですが、世界と貿易をする限り避けられません。その場合の問題点を整理します。メリットは海外旅行の時に物価が安く感じられるくらいで、デメリットの方が多いのは明らかです。

まず円高だとデフレ圧力が強まります。人件費を下げなければ競争力を失いかねないので、給料が増えない=物価が下がる、になっていく訳です。そうなると資産デフレを併発し株や地価が下がります。地価が下がると担保としての価値も下がり借り入れが困難になっていきます。

大企業から絞られ乾いたタオル状態の中小企業には常に資金需要があるというのに、借り入れが出来なければ設備投資も減るというものです。さらに輸出で儲けている大企業は儲けた外貨を対外投資に使います。決して協力企業に還元する事はありません。(笑)これでGDPを上げろという方が無理です。

つまり、円高は中小企業から大企業へと所得が移転する事を意味するのです。消費税がそれに輪をかけます。その結果国全体(民間)で見れば借入額より返済額が多くならざるを得ません。大企業は借り入れる必要がないくらい儲かり、中小企業は借り入れたくても、既に抱えている借金の返済が進まないと貸してもらえないのです。

その場合国民の財布であるマネーストックが減っていくというのは意外に知られていません。お金(貯金/マネーストック)は借金の結果です。借金が減っていけば市場からお金が消えていきますから、今貯蓄がいくらあると威張ってみても空しいです。

給料や年金が減れば、その内貯金に手を出さざるを得なくなり最後には今は莫大にある個人の貯蓄も消滅するのです。それを防いでいるのが政府の借金、つまり国債発行です。これで何とかマネーストックが減るという最悪の事態だけは食い止めて来ました。

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(日銀黒田総裁 マネタリーベースと国債保有残高は4倍近くになったが物価はさっぱり上がらなかった)

じゃあ、どうすればその悪循環、デフレスパイラルから逃れられるのかと言えば、インフレにする事が一番手っ取り早いです。だから日銀は2%インフレターゲットと言って異次元の金融緩和に踏み切った訳です。そこまでは絶対的に正しいと言えます。

それは市場にある国債などの有価証券を大量に買う事です。そうすれば銀行の日銀内当座預金が増えて銀行が貸出しをし易くなり、市場にお金が流れ有効需要が生まれて個人消費が進むという考え方です。その原資は何と空から振って来ます。日銀は打ち出の小槌を持っているのです。(笑)国家というのはすごいんです。

ところが現実は厳しい。。300兆円以上も国債を買ったのに一向にインフレになりません。なぜでしょうか。非常に簡単に言えば地価が下落したままだからです。担保価値のない不動産に投資はしてくれません。従って政府は金融緩和と同時に地価が上がる対策、固定資産税廃止など、をしなければいけなかったのですが片手落ちでした。

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(ピーク時から見て半減してしまった公的固定資本形成)

さらに公共投資などの財政出動の援護射撃も必要でしたが、なぜかそこはあの悪名高きミンスの時代より減らすという暴挙に出ます。(笑)財政出動は呼び水なので、そこを涸らすと後が続きません。もっと酷い事に政府は内需拡大と言いながら外需依存策に拍車をかけます。これを矛盾というのです。生産年齢人口が減っていく中、二律背反する二つの命題、外需依存と内需拡大は両立しません。

350兆円もの世界一の対外純資産を持つ国がこれ以上外貨を貯める意味は全くなく、むしろ海外を利するだけです。。内需拡大というならその資源をマイナスさせてでも国内に振り向けるべきなのです。

従ってインフラ輸出、観光立国なんて真逆の政策、アホノミクスと言えます。あ〜とうとう言っちゃった。(笑)浜矩子女史と同列にだけはなりたくなかった。。

悪い癖で、横道にそれたまま長くなる予感、続きは次回という事で。。

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