EVを増やす事で起きるリスク
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EV関係の話をもう少しします。日米欧などの先進国はEVやPHVを今後増やしていく政策を採っていますが、途上国にとってそれらは高価なので、先進国並にという訳にはいきません。当面は今の先進国の排ガス、燃費規制レベルのガソリン車を増やすのが妥当です。
ポテンシャルとコストの点で大型車以外でのディーゼルエンジンの選択肢は近い将来消滅するでしょう。ダウンサイジングのガソリンエンジン車なら比較的排ガスはきれいだし、燃費もこのところ飛躍的に上がって来ています。
燃費のキーになるのは、やはり軽量化とトランスミッションです。一昔前は4速しかなかったトルコンも今や10速の時代になりました。ホンダが世界で始めて量産化を予定しています。2リッタークラスがリッターあたり20キロ(JC08)というのも夢ではありません。
(ホンダが開発した世界初10速ATが凄すぎるきめ細かい変速で燃費は6%改善 変速ショックや騒音も/カートピ)
その途上国でいつも一番問題になる中国ですが、先進国との合弁会社製はもちろんまともです。中国の規制である国6(ユーロ6相当)に適合出来る事は言うまでもありません。問題は民族資本系メーカーです。
ただ、これも基本敵には現地生産の三菱製(合弁)エンジンを使っているので最悪ではないと思われますが、ユーロ6には適合していないと言います。そこも実質周回遅れくらいにはして欲しいところです。
その上で少しマイルドハイブリッドやスズキが採用しているエネチャージ方式(広義でのマイルドハイブリッド?)を増やしていけば、排ガス対策として十分とは言えないまでも、容認出来るレベルにはなるのではないでしょうか。
そんなイメージでいたのですが、実は中国政府はとんでもない事を考えていました。何と2020年までにEVとPHVを累計で500万台、生産能力200万台と言うのです。単独ではまともなHVすら持っていないのによく言うよって感じですが、本気かもしれません。
その中身ですが、二次電池に関しては、2020年での目標が、エネルギー密度300 Wh/kg コストは1.5 元/Wh以下としています。因にリーフの電池(AESC製)は 157Wh/kg で ¥600/Wh (推定)テスラのパナソニック製が250Wh/kg コスト$1. 9/Wh だそうですから、努力すれば届かない数字でもなさそうです。リーフがなぜそんなに高いのかはよく分かりません。(笑)
しかし実は困った問題があります。何と言っても中国の大気汚染の主役は工場からの排煙と火力発電です。特に火力発電の場合、燃料は質の悪い石炭が75%と言われています。もちろん浄化装置がない訳ではないのですが、経済性を優先して国の検査のとき以外は使われません。PM出し放題というのが実状のようです。
その一番問題とされる火力発電、言うまでもなくEVが増えると発電量を増やさなければならないのです。つまり、EVが増える事によって大気汚染はより深刻になりかねない訳です。少し前にはEV一台でディーゼルエンジンのバス一台分と言われていました。(笑)
(ドイツの自動車大手のダイムラーと、中国BYD(比亜迪)が立ち上げた新ブランド、「デンツァ」/RESPONSE)
さらに北京など、冬にはマイナス10度以下にもなる地方ではEVは全く使えないと言います。暖房がネックになるのと、寒すぎて充電さえおぼつかないのです。最悪充電不能というケースもあると言います。
という事はこの計画、絵に描いた餅に終わる可能性が高いという事です。つまりゴールポストを後ろに移動するか、無くしてしまうのかのいずれかになるかもしれません。実際、政府の補助金を狙った詐欺も横行しており幽霊EVが沢山排出されているようです。(笑)
ただ不気味な話もあります。EVの為だけではなく大気汚染の抜本的解決法としての中国の原発増設計画です。2020年までに80基を運行したいと言っていますが、そんなに一気に増やして大丈夫でしょうか。安全性に不安が残ります。その為にも東芝の原発事業は国内に残すべきです。
その東芝の半導体事業ですが、今朝のニュースで朗報が入りました。
東芝が売却する記憶用半導体フラッシュメモリー事業の入札に、日本と米国の企業やファンドが組んで参加する「日米連合」が官民で浮上していることが16日、明らかになった。日本政策投資銀行と米投資ファンドなどが組む構想がある。スマートフォン向けなどに成長が見込めるメモリーは日本が保持したい重要技術。入札で高額提示が予想される中国、台湾、韓国勢への対抗軸を形成するのが狙い。
複数の関係筋によると、日米連合は政投銀など日本の金融機関や企業と、米系の投資ファンドや半導体メーカーの組み合わせが模索されている。政府系ファンドの産業革新機構が加わり、日米連合を後押しする可能性もある。(時事通信)
やはりそう来ましたか。少し安心出来る材料です。
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