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2017年3月 5日 (日)

目には目を、保護主義には保護主義を

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 森友学園問題や豊洲移転問題でマスコミは相変わらず騒いでいますが、その陰で身の毛もよだつ奸計が進行している事を平和ボケした日本人は知る由もありません。気がついた時にはもう遅いのですが、それも日本の実力と思って諦めるしかないのでしょうか。

トランプ大統領は選挙戦のときと変わる事なく保護主義を打ち出しています。従来のグローバリズムをベースにしたアメリカの世界戦略とのパラダイムチェンジが一人の、政治にはずぶの素人と言える大統領によって行われようとしているのです。にわかには信じ難いと言わざるを得ません。

一方、EUなどを見ても、似たような流れはあるようで英国に続く国が出るのではないかとドイツなどは戦々恐々としているようです。ギリシャもまたデフォルトが目前のようで、EU離脱は時間の問題と思われます。世界的に見ても今後保護主義的な傾向は続くのではないでしょうか。

そんな中で日本は逆行、グローバリズムをさらに進めようとしてます。グローバリズムの概念から一歩も出ないアベノミクスがそのエンジンです。おこぼれ頂戴の途上国はグローバリズムの恩恵を受けるので関係ありませんが、先進国は経済だけで言えば決して得はないのです。

例えば意外に影が薄い東芝問題、破綻処理の結果次第では日本の将来に暗雲が立ち込めかねません。もう破綻すると決めつけているようですが(笑)、数兆円に及ぶと言われる子会社WHの破綻処理如何では親会社東芝も実質破綻は免れないでしょう。後は国がどう動くか、世界が介入して来るかどうかにかかります。

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経営危機に陥っている東芝をめぐり、シャープを買収した台湾・鴻海精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長は、東芝の一部事業への出資・買収について関心があることを明らかにした。(東洋経済)

と思っていた矢先、その懸念は現実のものとなりました。早速ホンハイのテリー・ゴウ董事長が半導体事業の買収に手を上げたのです。シャープ買収でさえケチりまくった買収資金をどう工面するというのでしょうか。今回兆がつくと言われていますが、スポンサーに当てがあっての発言と思われます。背後に中国の気配を感じざるを得ません。

豊富?な資金力にものを言わせて強引に話を進めるのでしょうか。ホンハイという会社、本社は台湾にあるかもしれませんが、実質中国企業です。その中国が国策で進めるのは先端技術の習得、導入である事は明らかで、買えるものは世界中から買い漁っています。

一昨年も東芝と半導体開発事業をコラボしている米サンディスク社を傘下に持つウェスタン・デジタル社に、中国・紫光集団が資本参加を画策したというのですから穏やかではありません。これは対米外国投資委員会の介入で頓挫しましたが、魔の手はそこまで伸びているのです。もし買収されていれば東芝の先端技術が漏れるリスクがありました。

中国は習近平国家主席が2014年に半導体新興を目指す「国家IC産業発展推進ガイドライン」を制定、そのため世界で大型買収が相次いでいます。そりゃそうです。今後はAI にしろロボット化にしろ、自動運転にしろ大容量の高性能半導体は不可欠です。さらに中国には軍事技術と宇宙産業で米国を凌駕したいという野望もあります。その主役となるのが、3次元(3D)構造のNAND型フラッシュメモリーという訳です。

この分野で世界トップクラスの技術を持つと言われる東芝半導体部門が1兆円で手に入るなら安いものではないでしょうか。私だって買いたいくらいです。(笑)冗談はともかく、ウェスタン・デジタル社の買収に失敗し、さらに韓国SK Hynixの買収にも失敗した中国が、本丸東芝がフラフラになっている今、食指を伸ばさない訳がありません。全力をあげて取りに来る事が予想されます。

テリー・ゴウ氏の発言の裏にはそういう背景があるのです。日本を敵だと公言する国が日本から垂涎の技術を得ようとしているのですから、日本はボーッとしている訳にはいきません。米のように政府が本腰を入れて技術流出に歯止めをかけないと将来に禍根を残す事は明らかです。

それにしても、80年代後半から続いている技術流出が未だ続いているというのはどういう事か、周辺国は手を替え品を替えて日本の技術を盗みに来ます。特にバブル崩壊後は早期リタイヤ組も含め国境を越えた人の流れが活発になりました。これで落ちぶれたのがご存知日の丸電機産業です。

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これを見て日本の垂直統合型ビジネスモデルが水平分業型に負けたなどと、まことしやかに言われていますが、問題のすり替えと言わざるを得ません。自動車の開発もそうですが、半導体も設計から500工程にも及ぶプロセスフローの構築にかけて高度な擦り合せ技術の集大成なのです。これを利害が必ずしも一致せず、価値を共有しない者同士が国際水平分業で行うというのは無理があります。

ところが既に開発済みのものに多少のアレンジを加えて製造するなら苦労はありません。つまりそういう邪な思惑を持った企業あるいは国が、日本のような平和ボケした国から技術者を連れて来て段取りさえ組ませれば、後は材料や製造装置を調達して作るだけです。それを水平分業と呼ぶのであれば製造業の名が泣きます。

例えば東芝で大容量NANDフラッシュメモリの研究開発に携わっていた著名な技術者が、2000年代にはMicronに在籍しており、数年後韓国Hynixに転職したことはフラッシュメモリ業界ではよく知られてる事です。さらに遡れば、80年代後半から90年代にかけては当時世界を席巻していた日本のDRAM技術が韓国に流出しました。

100名にも及ぶと言われる日本の技術者がチームを組んで、週末韓国に出かけ、製造技術や設計技術、テスト技術などを伝えたというのは有名な話です。2000年以前には陰も形もなかった半導体が突然韓国で製造されるようになり激安価格で日本企業を脅かしたのは、日本の善悪の区別がつかない、金に目が眩んだ技術者の売国行為が原因でした。

これの中国バージョンが東芝の半導体事業売却で再現されれば、半導体だけでなく今は圧倒的優位性を持つ自動車産業なども競争力を失う事になりかねません。何と言っても相手は国家ぐるみです。親方日の丸で、しかもお金は湯水のように刷りまくります。

それは最早、保護主義というより露骨な敵対行為と言うしかありません。都合のいいところだけグローバリズムを利用して世界中から投資を募り、肝心なところは鬼のように保護します。これではフェアとは言えません。

米中欧が保護主義に突き進む中、日本だけが自由主義、グローバリズムなどと言っていたのではいいようにやられてしまうのは自明です。そこに早く気がつかなければいけないのですが、森友が〜、豊洲が〜などと言っているようでは見通しが暗いと言わざるを得ません。

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コメント

東芝の半導体技術、流失しないでほしいですね。政府ができることはないのでしょうか。

投稿: 八丈島 | 2017年3月 6日 (月) 21時30分

政府が出来る事は山ほどあります。でも一番は保護主義に転換する事です。一時国有化して政府が管理し、虫下しを飲ませ隔離すれば立ち直ります。(笑)

何と言っても悪いものを出して、クリーンな状態に戻すのが一番でしょう。リーダーをどうするかという問題は残りますが。。

投稿: 田中 徹 | 2017年3月 6日 (月) 23時39分

私は良いのか悪いのか分かりませんが。東芝は破綻しないと思っています。
 政治家や官僚が大きい会社に絡んでいますので。憎まれ口はそこまでで、私が今まで見てきた限りでは東芝以外に原発機器を賄う会社があるのか分からないからです。
 少なくとも政府が原発を推進したり、廃炉作業を考えたら他に有力な会社は日立?二番手?詳しくは知りませんが、この先を見る目がある会社は原発関連に興味はないと思いますので東芝を潰して政府が困ることになりかねないと少し意地悪に私は見ています。

投稿: nao | 2017年3月13日 (月) 00時44分

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