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2017年4月14日 (金)

40年後の日本は・・

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(4月13日時点、しだれ桜が満開です。/茅ヶ崎市)

誰でも想像できる40年後の日本はこんな感じ・・

2053年、1億人割れ=65年に高齢者4割弱-出生率は小幅改善・厚労省推計 時事通信

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は10日、2065年までの日本の将来推計人口を公表した。15年に1億2709万人だった総人口は、53年に1億人を割る見通し。65年には8808万人に減り、65歳以上の高齢者が占める割合は、15年の26.6%から38.4%に上昇する。

近い将来の日本は相当悲惨な事になっていると言いたい人が後を絶ちません。その根拠は人口が減る事と、それ以上に生産年齢人口が減るため、と言いたいのでしょうか? 私にはなぜそう短絡的に悪い方にのみ結論づけるのかが分かりません。

今日は40年後の日本が果たしてどうなるか、という事をテーマに考えていきます。近年晩産化によって出生率が上がって来たと言われています。と言っても1.45程度ですから大した事はありません。人口を増やすには、やはり若者の婚姻率を上げる事が喫緊の課題かと思われます。

まあ、それは置いといても、人口が減る事がそんなに大問題なのか、よく分からないのです。むしろ土地や天然資源などの、有限で増える事が望めないものに関しては、取り分が増えて、むしろいいのではないかと思うのですが、私が間違っているのでしょうか。

過去の例を見てみます。今から20年程前の1995年の実質GDPは455兆円でした。その時の生産年齢人口は8717万人もいたのです。直近の例でいくと2015年の実質GDPが529兆円、生産年齢人口が7682万人です。・・・

あれっおかしいですね。1035万人も生産年齢人口が減ったにも関わらずGDPは74兆円も増えています。この場合の総人口は殆ど同じなので無視させて下さい。なぜ増えたかというと、生産年齢人口一人当たりの生産力が522万円から689万円と20年間で32%も増えたからなのです。

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今後の20年もそのペースで増えるかどうかは知りませんが、仮に半分のペースとして、40年で32%くらいなら、頑張れば達成出来そうな気がします。AIやIoT、その他ハイテク駆使なら可能ではないでしょうか。

その場合、生産年齢人口一人当たりGDPが909万円となります。40年後、つまり2055年の生産年齢人口が4706万人ですから、909X4706=実質GDPは428兆円となり、それを総人口9193万人で割ると465万/一人で、2015年の418万円より47万円も増える計算になるのです。

そうなれば再分配だけの話だという事になりませんか。いくらリタイヤ組が多かろうが、生活保護受給者が多かろうが関係ありません。必要十分な資金は生産によって作り出せるのですから話は簡単です。つまりこの問題は経済の話ではなく、いかにして年金や生活保護の受給額を増やすかという政治の話にシフトするのです。

上記、話を分かり易くするために控えめな数字を例にしましたが、実際は生産性向上が上手くいって、もっと生産量が増えるかもしれません。例えばですが、今後の日本に足りない生産要素は生産年齢人口(労働力)だけなので、それを他で補えば一定の右肩上がりの成長軌道が確保出来るかもしれないのです。その場合、総人口自体は先ほども言いましたように減った方が一人当たりの取り分が増えます。

例えば工場のAI 化、ロボット化、合理化を推進した場合、ただという訳にはいきません。それなりにコストがかかって下手をすれば人件費の方が安いというケースさえあるのではないでしょうか。

という事は仕入れに余計にコストがかかるという事ですから最終の製品価格もそれを反映し高くなります。もちろん人口が減って絶対量は減りますから、コストアップ分と相殺される事はあり得るでしょう。

いずれにしても製品の価格は三面等価の原則からも所得に反映されるのは明らかなので、いくら高くても自国内で生産されるなら購入が可能です。その仕入れが海外からならそうはいきません。その為には国内の技術力がキーになります。

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 (快晴の空との対比が何とも言えない満開の桜)

単純に人口が3割も減るんですから、ものは全然売れなくなります。サービスの利用者も激減します。つまりお金が回らなくなります。商店やサービス業の売り上げが3割落ちて、しかも働いていない高齢者比率が物凄く上がってますのでみんなお金がありません。

お店はめちゃくちゃ潰れるし、遊戯施設やスポーツ施設は高所得者用しか残らないでしょう。高齢者比率は爆増していますが40年後に60~70歳の人はいま20~30歳という「お金のない若者」ですから、貯金もありません。年金制度はとっくに崩壊していると思いますが、仮にまだ残っていたとしても

2015年は2.3人の働き手が1人の高齢者の年金を負担していたが
2060年には1.3人で支えないといけない!


「ものは全然売れなくなります。」というのは変です。衣食住などの、生活必需品は必要な分だけ確保出来ればいいので、今並に売らなければならない必要性はありません。商店やサービスの売り上げも、店舗数を調整して1店舗当たりの売り上げを減らさなければいいだけです。それなりにやればいいのです。

今お金がない若者が未来永劫お金も貯金もないと決めつけるのも気の毒です。(笑)管理職になれば給料も増えるだろうし、そうなれば貯金も増えます。年金制度も、先ほど言いましたように供給量が必要十分に確保出来るなら再分配だけの問題になるので、年金生活者一人を何人の若者で支えるかなどとセンチメンタルに言うのはナンセンスです。

再分配が利権などによって上手くいかない最悪のケースでも、それこそ国債を刷って日銀が引き受ければいいだけです。一度金融機関を迂回するかどうかはともかくとして、最終的に日銀がファイナンスすれば財源に窮する事がないのは証明済みです。さらに多少のインフレならむしろ歓迎なので財源には何の問題もありません。

要は、生産性向上のための技術開発力が国内にあって、供給量が未来に渡って維持出来るか、あるいはその時の人口に見合った分以上に確保出来るかが課題なのであって、人口が減るから、また高齢者の比率が増えるから大変だというのは、いかにも想像力が欠如していると言わざるを得ません。

このように日本の将来の問題を資金的問題と捉える人が多いのですが、それは大間違いです。資金(円)なら日本が主権国家である限り何とでもなります。何とでもならないのは供給力の方なので、そちら側の視点から話をしないと説得力がありません。

30%も人口が減った40年後の日本は、食料自給率が50%以上になり、一人当たりの住宅敷地面積は30%増、建物の延べ床面積も30%増のインテリジェンスハウスに住み、クルマはハイテクスポーツカーと自動運転車を必要台数所有し、レジャーには空いた高速道路やリニアモーターカーを使ってお気に入りの温泉でのんびり。。そんなリッチな未来しか見えないのは楽観的すぎるのでしょうか。

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(染井吉野も今年は寿命が長いです。未だ満開のところが多い。)

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コメント

<やはり若者の婚姻率を上げる事が喫緊の課題かと思われます。> 僕もそう思います。婚姻している夫婦はたしか出産率が2を超えていました。女性が子供を産みたがらないというより、婚姻率の減少が原因です。それは結婚適齢期の男性の所得が下がっているからです。男性の年収が300万くらいでは結婚に二の足を踏むのは当然ではないでしょうか。ここで外国人労働者や移民を入れてしまうと、若年層の所得が上がりません。少子化による労働力不足→外国人労働者の受け入れ→若年層の賃金の低下→婚姻率の減少→少子化、という悪循環です。すでに台湾はこの悪循環にはまっています。

<日本の将来の問題を資金的問題と捉える人が多いのですが、それは大間違いです。>国家の富はお金ではなく、物やサービスを生産する力のことだと僕も思います。お金は紙切れか電子データーで、これ自体には価値があるのではなく、その通貨を支える国家の生産性に価値があるからその国の通貨に価値があるのでしょう。ここのところ一般の人が誤解しやすく、そこを財務省がうまく利用して国の借金がーと危機をあおっているのです。

投稿: 八丈島 | 2017年4月14日 (金) 23時26分

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