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2017年5月 5日 (金)

異次元金融緩和、真の目的は?

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---日米 FTA消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

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 日本には欧米に比べてマネタリーベースやマネーストックが国民一人当たりで見て異常と言える程に多いという話は前にしました。円安が過ぎて正しいとは言えない今の為替レートで計算しても米の2倍、EUの3倍ですから凄い金持ちです。(笑)

日銀が量的金融緩和を買いオペによって実行すると金融機関の資産の部、国債等の有価証券金融資産が減って金融機関が日銀に持つ当座預金の残高が増えます。今はその合計が355兆円(発行残高の42%)ですから随分買い進めたものです。安倍政権になる前と比べれば5倍にもなります。

ただこれは政府が政策的に増やしているだけで、必要がなくなれば、いつでも減らす事は可能です。自国の需要と生産力を見ながら決めればいいだけであって、そこに厳格なルールというものはありません。そこは金本位制の時代とは違うのですが、なぜかその時代の感覚でものを言う人がメディアには多いので混乱します。

では日銀は、異次元の金融緩和(量的)と言って4年程前からマネタリーベース(日銀当座預金+日銀券発行残高)を増やして来ましたが、その目的は達成されたのでしょうか。否、全くインフレにはならず、その気配さえ感じられないのですから一体どうなっているのかと言いたくなります。

政府や日銀がそこまで無策、無能なのでしょうか。私にはそうは思えないのです。むしろ最初からその気がなかったと思った方が納得出来ます。ではその目的はなんでしょうか? それが明らかになれば日本が今置かれている状況を正しく知る事が出来るのかも知れません。

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(リーマンショック後から他国はマネタリーベースを劇的に増やし始めたが、日本はそれから5年も経ってから突然異次元緩和と言い始めた)

そもそも、どんな経済大国でも経済活動をするためのお金(マネタリーベース)が、そこまで多い必要はないのです。例えば100万円の車を作る人がいて政府がそれを公用車として買い上げたとします。100万円もらった人はそのお金で同額のシステムキッチンを買いました。

システムキッチンを売った人はそのお金でオーディオセットを買う、という具合に次々とお金が回転し、1年間で5人の人が100万円相当のものを手にしたとします。その結果、その年のGDPは500万円増える事になるのです。

という事はGDPが500兆円だとすれば極端な話、日本人の一ヶ月分の平均収入である42兆円もあれば事足りる事になります。42兆円を12回廻せば済むのであれば、マネーストックが1000兆円(M2)近くもある事の必然性が説明出来ません。誰かが溜め込むにしても限度というものがあります。

さらに、その100万円の取引で、税額が一回の取引につき20万円だったとすれば、5回の取引で政府は最初の100万円の全て回収出来るのです。つまり政府が出した100万円は徴税によってチャラになります。結果的にはゼロ円で500万円相当の資産が増えるのですから大変な事です。(笑)

その徴収した100万円は次の年にまた政府が支出して同じ回転をすれば前年と同じGDPを産み出す事が可能です。横道にそれますが、これが海外に対して物を売るとどうでしょうか。当然ですが500万円分の資産は海外に出て行きます。

貿易黒字ならその分の外貨を日本は得ますが、万年経常黒字国では有効に使わずに溜まっていくだけという事になりかねないのです。国内での総生産から輸出分を引いたものが国内消費となるのですから、貿易黒字分の外貨だけはどうしても余る訳です。

為替の変動相場制はそれを調整して輸出ー輸入がゼロになるように働く、言わばスタビライザーですが、円高を嫌う政府のドル買い介入などで無駄な外貨が溜まっていく事になります。海外への投資からの配当や利息もそれに乗っかって来ますから、貿易黒字国日本は円高基調でなければおかしな事になるのです。

それを嫌うなら外需依存をやめればいいのですが、政府の方針、及び外圧により増々外需依存度を強めたため日本は円高デフレが長年続く事になりました。そのせいもあって円ベースでのGDPは伸びず、給料が減っていくという悪循環に陥ります。

話を戻しますが、GDPを増やすためにすべきは、上記で述べたようにお金の総量ではなく、肝心なのはマネーストックの増加率と回転数だというのに、日銀はマネタリーベースを増やす事しか眼中にないようです。

ところがその資金はブタ積みと言われ、マネーストックを増やす貸出しに貢献していません。金融機関の貸出し残高は微増に過ぎなのですから、もったいない話ではないでしょうか。

最近になって貸出し残高が伸びているという報道も耳にしますが、国内向けは決して増えてはいません。大きな流れではむしろ減る傾向です。マスゴミの言う事を真に受けてはいけないのです。

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(みずほFG の貸出し残高、みずほは国内より海外重視か?韓国への融資も積極的だし、どこの国の銀行だろう)

そこで的外れになるかもしれませんが、邪推を試みたいと思います。その莫大な資金の使われ方です。最近円キャリートレードという言葉があまり聞かれませんが、何十年も続いている日米の金利差で儲けている金融関係者は確実に存在する筈です。

異次元緩和で円安になって日本株が上がりキャピタルゲインを得ている海外資本が多いのは有名な話で、安倍政権になってから日本は対外的に100兆円規模のキャピタルロスを記録しています。それは対外純資産をドルベースで見れば明らかです。

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(対外純資産を円で表しても分かり難いのですが、経常黒字が続いているのに円ベースの対外純資産が減っているというのは尋常ではない)

最近は円ベースでも減っていると言うのに、誰もそれに言及しないのは不自然と言わざるを得ません。キャピタルゲイン・ロスは経常収支に表れないので、やむを得ない面もあるとしても100兆円規模ですからどうかと思います。(笑)

金融の話は難解で私も苦手なのですが、例えば日銀当座預金残高だけを見ても資金の流れは把握出来ません。大きく動いたとしても金融機関同士が日銀当座預金の中で移動させているだけで総額は変わらないのです。日銀には海外の金融機関も多数口座を持っていて、そこに移動した資金も当座預金残高として表されます。

例えばですが、日本のM銀行が海外の投資家Bに融資をしたとします。Bがその資金を何かに投資した場合、M銀行の当座預金残高(資産)と預金残高(負債)が減ります。一方Bの、日銀に当座預金口座を持つ、投資先の取引銀行Cの当座預金残高(資産)と預金残高(負債)が同額増える訳です。一見何もなかったかのように見えますが、C銀行が外資であれば話は違います。

あるいは、そのM銀行から借りた資金を直接に投資するのではなく、その円預金を担保にドルを調達(借り入れる)する事も可能だと言います。そのドルで利回りのいいドル建て金融商品を買ったなら、金利差によって何もしなくても利益が転がり込んで来る訳ですから笑いが止まりません。

この場合為替はハンデにならないのです。ドルが上がればドル建て金融商品を売って円に替えM銀行に全額返済すれば利益が確定します。反対に円が上がってもM銀行からの円による融資残高には変化がないので安心という訳です。

上がった分を担保にドルの追加融資さえ受けられるかもしれません。このように金融緩和して積み上がった円が国内で生きず、海外資本に利用され海外の企業を富ませているのだとすれば、日本の異常な金融緩和の目的、理由が分かるというものです。

しかし、その見返りが何なのか、そこは謎です。まさか見返りは安保で、株式、円キャリー等での利益供与は米に対するみかじめ料? いい加減な話は出来ませんが、そういう気がしない訳がないでもありません。(笑)

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コメント

海外勢が借りた円を担保にドルを調達するとリスクはないのですか。またそれがキャピタルロスとして表れいるのですか。大型の海外事業に日本の金融機関の資金があてにされているというのもどこかで読みました。それも関係していないでしょうか。とにかく100兆円とは驚きです。

投稿: 八丈島 | 2017年5月 9日 (火) 19時17分

八丈島さん。100兆円のキャピタルロスは株式だけです。これは日銀のHPで確認出来ます。

融資だけでも天文学的数字になるかもしれません。日本の資金が当てにされているのは確かでしょう。豊富にあってしかも金利が低いですから。。

さらに日本国内には貸し手がなく、日銀当座預金は余っています。日本は世界の金融奉仕大センターです。黒田さんの使命はそこでしょう。

投稿: 田中 徹 | 2017年5月 9日 (火) 19時39分

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