アベノミクスとは何だったのか(前編)
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更新が遅くなってしまいました。二つの長編物が終わって一息つき、何となく燃え尽き症候群でもあったのでしょうか。(笑)公私共に忙しかった事もあり、気がついたら1週間が経っていました。
その間、英国で再度テロが起きたり、国内では森友学園に代わり加計学園問題で相変わらず野党、マスコミが騒いでいます。平和ボケというか、バカ丸出しというか、他にやる事はないのでしょうか。この程度の知能レベルの野党やマスコミなら消滅した方が日本の為かもしれません。
さて、あらためてポンコツエンジンの再スタートです。前回の長編シリーズでアベノミクスの事にも触れましたが、そもそもアベノミクスが計画通りに遂行されていたなら、目的は達成されたのか、どうだったのか、今日はそのあたりのタラレバ論を素人なりに展開してみたいと思います。
第二次安倍内閣に於けるアベノミクスとは、まずリフレ派が喜ぶ異次元の金融緩和があり、国土強靭化計画を基にした財政出動が国債の発行を財源として行われ、内需を中心に経済を拡大していくというのが大きな骨子でした。第一と第二の矢です。
そこらから派生する形での成長戦略(民間投資の喚起)と合わせ三本の矢とし、政策運営の柱とした事は記憶に新しいです。この時点で文句のつけ様がありません。ようやくまともな国になったと期待が大いに膨らんだのです。
その結果として2%のインフレ目標を達成し、実質の1~2%成長を含め名目3~4%の経済成長を持続させるというのがアベノミクスの目的でした。それ程までにデフレを嫌いインフレを渇望していた訳です。
基本的には、そのまま進めれば、かなりな確率で目的は達成されたのでしょうが、なぜか道半ばで軌道修正が行われます。それは14年6月、米フィナンシャルタイムズ誌に寄稿された安倍総理の論文で明らかになりました。
そこには驚いた事に「経済再建なしに財政健全化はあり得ない」と述べられていたのです。その意味は構造改革の断行だと言いますから二度ビックリです。その例としては法人税の引き下げ、規制を撤廃して外資へ市場を解放する、外国人労働者の雇用等があり、消費税についても「増税の影響は限定的である」などと楽観的に述べられていたのです。
お分かりでしょうが、変節したとしか思えない明らかな論理の矛盾があります。日銀が買いオペをしている状態で財政の健全化を唱ってはお終いです。(笑)それでどうやって巨額の財政出動が出来るのでしょうか。さらに、それを当面無視しようという前提での三本の矢が台無しになります。
法人税の引き下げは消費税増税で補うしかなく、しかもこれはあからさまな外資へのサービスです。規制撤廃で市場を外資に開放するという考えにリンクしている事は言うまでもありません。それで内需拡大が出来るのか、あるいはデフレ脱却が可能か、中学生でも分かる矛盾ではないでしょうか。
この方向転換によって上げ潮ムードのアベノミクスが失速したのは明らかです。8%の消費税増税も追い討ちをかけます。残ったのは異次元金融緩和だけで、マネタリーベースが目的もなく膨らんでいきました。
実はそれにはやはり目的があった事は、5月5日の拙ブログ記事「異次元金融緩和、真の目的は?」で述べた通りです。安倍政権が外圧に屈し、誰かの代理人に堕した事を否定するのは、残念ながら無理があると言わざるを得ません。
話は戻って、では外圧がなければどうだったのでしょうか。異次元緩和は効果的で株の上昇を促し金利も下がって行きました。また円安が進み輸出企業の業績が上がった事で給料アップにも繋がり、いいムードが醸成し始めたのは事実です。
ところが2本目の矢でつまずく事になります。財政出動が計画通りには運ばないのです。折角公共投資用の資金を用意しても人手不足という問題にぶつかります。長年公共投資予算を絞って来た事で土木建築業から人が去っていたのです。
(東京の求人倍率が地方に比べて2倍以上も高いのは資金が豊富だからです。デフレの今は地方から人と資金を吸い上げます)
しかしこの問題は落札予定価格のアップで解決出来る問題でした。それを阻んだのは慣例です。つまりお役所が過去の例を重視し自ら制限した事で、折角仕事はあっても応札すらないという状況が生まれたのです。しかしそれは政治主導で変えられる筈です。それを為政者側が座視する正当な理由は見当たりません。
(外国人労働者の流入が急激に増えて来た東京、アベノミクスの負の効果と言える)
さらに妙な事に、デフレで人が余っていた筈なのに、いつしか有効求人倍率が上がり直近では人手不足という状況が定着して来ました。しかしなぜか国民の所得は上がらずGDPで微増という2%のインフレには程遠い状態が続きます。
今回は一回こっきりの完結編で終わらせるつもりでしたが、悪い癖がついたようで、また長くなりました。今回も長編ものになりそうです。(笑)
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コメント
本当にその通りと同意いたします!
ブログのアップを楽しみにしていますよ。
投稿: kaminari | 2017年6月 8日 (木) 14時44分