EV化の真の意味とは?( Ⅰ )
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今日は久々自動車の話題です。
EVが遠い将来、例えば500年とか1000年後の世界で、メインのパッセンジャーカー(乗用車)になる事はあり得るのかも知れませんが、私は幸か不幸か、その時にはこの世にいないので関係ありません。(笑)
では我々が生きている間に何が起こるかですが、どうもEV化を推進するひとつの大きな要因であるエネルギー問題はなくなりそうです。シェールオイルが出現してからこの問題大きく動きました。従来化石燃料と言われ、埋蔵量に限りがあって枯渇が時間の問題だと思わされて来たのは真っ赤な嘘で、実は無尽蔵にあるかもしれないのです。
少なくとも我々の目が黒い内は大丈夫そうで、100年、200年単位でみても問題ないかもしれません。という事は増税以外で、ガソリン価格は今後大きく上がらないという事になります。むしろ徐々に下がって行くかもしれません。枯渇がデフォルトでインプットされている頭には少々酷です。フリーズしてしまいそうです。(笑)
他のEV化推進要因であるCO2地球温暖化説も非常に胡散臭いし、また切実な問題であった排ガスの低公害化もどんどん進んでいます。ディーゼルエンジンがネックにはなりますが、燃費が最大のメリットというのでは存在根拠は弱いと言わざるを得ません。この方面、日本メーカー(特にマツダ)の努力は称賛に値しますが、乗用としてはそう遠くない将来消える運命と思われます。
つまり、誤解を恐れずに言うならば、乗用車に関する限り従来言われて来た程、環境省エネに神経質になる必要はどこにもないのです。但し、それは今のところ日本だけの話です。他の国は未だ危機的なところが多いので余談は許しません。
(スズキワゴンR マイルドハイブリッドでもリッター 33.4Km を達成)
日本の規制がこの調子で進んで行けば、数十年後にはかなりクリーンな環境が実現出来ます。(外的要因を除く)その個別評価はともかく、ニッサンノート e-Powerや、スズキの軽自動車のマイルドハイブリッド化等、ハイブリッドのバリエーションが続々出て来るのを見るにつけても、メーカーの意識、技術レベルは昔に比べ飛躍的に高くなっています。期待出来るのではないでしょうか。
次にアメリカですが、ここも排ガス規制は日本以上に厳しくなります。原油が安くなってからは大排気量のガスがぶ飲みSUVが売れまくっている事は確かだし、環境問題に対する政府の姿勢も凄く前向きとは言えませんが、日本の次ぎに期待出来るのはここしかありません。特に日本車が多く規制も厳しいカリフォルニアが有望です。
問題は欧州です。もちろん先進国の中でという意味です。途上国は論外で、そこは先進国がどう対応して行くかにかかっています。従来の株主優先、利益最大化の考え方では持続可能でないのは自明です。なんらかの対策が必要である事は論を俟ちません。
その一端を担わなければいけないはずの欧州が、実は頭痛の種なのです。(笑)VWの排ガス偽装で揺れたのは2年前ですが、当該メーカー達も、共犯であった国家も真摯に反省している様子はありません。どうも今でもその不正な排ガスを出す車を平気で売っているらしいのです。
巨船の舵は急には切れません。生産台数の50%以上にも達するディーゼル車をいきなり全て性能を変えずにクリーンエンジンにする事など不可能なのです。取りあえずガソリンエンジンに替えればいいのですが、供給が間に合う筈もないし、ディーゼルに投資した費用を回収するという経済的理由も足枷になります。
もちろん排ガスの制御ソフトを正常化した上で、浄化装置を奢ればクリーン化は可能ですが、そんな事をすれば走らない、燃費悪い、高い、で誰も買いません。欧州では大衆車程ディーゼル比率が高いので当然です。とにかく欧州だけでも膨大な生産台数なので、次のモデルチェンジの時に何とかするのが精一杯と思われます。
それまでは残念ながら欧州の汚染は酷くなる一方です。それが原因で命を落とす人もうなぎ上りに増える事は避けられません。米でさえその犠牲者は年間5万人を超すと言われています。しかし現実問題、その時が来ても低コストのマツダ方式にするには特許料を払わなければならずマツダが大儲けします。(笑)
そこで苦肉の策で言い出したのが総EV化です。ドイツは何と2030年までに、フランスは40年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止すると言い出しました。他のEU諸国も追随する構えを見せていますが、どう考えても変な話でしょう。
(アウディの試作車 E-TRON 航続距離500キロというが、暖房を使わない事が条件では寒い国では困るのです)
日本の、数少ないまともな自動車評論家の池田直渡氏は、この米も含めたEV化への流れを20年代の米の禁酒法になぞらえて、バカバカしくも、あり得ない試みだと一蹴しています。マスキー法案などと同じで、どこかで覆されるのがオチでしょう。トヨタやホンダが一気にEV化に走らないのは、そういう理由があるからです。
それにしても、ディーゼルエンジンならともかく、あれ程優秀でアドバンテージのあるガソリンエンジンを廃止するなんて気が狂っているとしか思えません。お得意のダウンサイジング化は上手くいっているではありませんか。ファンの一人として禁酒法同様、EV化計画の早期頓挫を祈ります。
実はこの陰に日本車の気配を感じるのです。今、日欧EPAで日本からの自動車輸入関税10%を撤廃するとかしないとか騒いでいますが、EUが一番恐れているのは日本の優秀なハイブリッドカーが入り込む事です。当局が排ガス規制(ユーロ6)を厳密に履行するなら、日本のハイブリッドカーが欧州市場を席巻しかねないのです。それが日本にとって良いか悪いかは取りあえず置いといて。。
ドイツにとっては悪夢でしかありません。そもそもドイツ車は近年日本の影響をずっと受け続けて来ました。生産技術ではベンツがトヨタ方式を導入し、日本製製造用ロボットはVWの工場を埋め尽くしています。電子制御技術も日本の後塵を拝し、自動車用半導体は日本からの空輸頼みなのです。燃料噴射装置もパクったり買ったりで苦労しています。
ドイツが得意とするところのトランスミッション等の精密機械部品にしても日本製品なしでは成り立たないところにまで来ているのです。本当はとっくの昔に日本車に席巻されているところを、関税とインチキ・クリーンディーゼルで誤摩化して来たというのが実態です。
それらが崩れたなら欧州車の生き残る道は一部のプレミアム・ブランドしかありません。それをいやという程感じているドイツが、苦肉の策で出して来たのがインチキクリーンディーゼルと同じ、その場凌ぎに過ぎないEV化という訳です。
しかし、実はこの方面でも日本がアドバンテージを持っています。技術的には20年も経験のあるハイブリッドシステムの枠から一歩も出ず、その簡略化に過ぎませんから欧州に勝ち目がある筈はありません。BMWあたりが出しているハイブリッドにしてもトヨタが指南したものなのです。
つまり、もう勝負はついているのです。白旗を揚げる事を潔しとしないので総EV化などと出来もしない事を言い出しました。日本車と互角に戦えるのはEVしかないと踏んだのでしょうか。あるいは白人お得意のルールーチェンジで日本のハイブリッド車を閉め出すつもり? そこまで落ちぶれてもらいたくありません。
しかし、だからと言って悔し紛れに日本の自動車評論家を買収するのはいかがなものでしょうか。ドイツ車の優秀性を宣伝するだけならまだしも、日本車を嘘で貶めるのは人の道に反します。
未だに欧州車を絶賛して日本車にケチを付けている日本人自動車評論家は、そういう敵の捨て身とも言える作戦に与した、いわゆるBKDと言われるタイプの人達ですから、皆さんくれぐれも騙されないようにして下さい。
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コメント
EV化の真の意味とは?
・・・VW・その他のMBを含むドイツ勢の排ガスデータの嘘がバレたので、照れ隠しで内燃機関を否定してみただけでしょう。EVに宗祖変えしましたので宜しく~!!!
インディアンと日本人・日本のメーカーは嘘つきません。その他の人達とかメーカーとかメディア(反日◎HK/A日新聞等)は平気で嘘を毎日書いてますね~
投稿: AZ生 | 2017年8月 1日 (火) 11時17分