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2017年7月10日 (月)

自動車評論家による驚きの経済論

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---日米 FTA消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

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 当時の米政府は、政府自身のプライマリーバランス不均衡による財政赤字と、貿易超過による国際収支の赤字を主因とする深刻なインフレに苦しんでおり、伝統的手法、つまり市場金利を引き上げて通貨の流通を抑制することで鎮静化を狙っていた。

 しかし、その政策の結果、固定された為替レートが他国の金利に比べて米ドルが突出して高金利という状況を生み出し、金の流出を招いてしまった。この場合最も有用な防衛策は、為替レートをフレキシブルに変動させて金利差を打ち消す手法だ。ところがブレトン・ウッズ体制で為替レートは固定されている。だから投機家は、政府を一方的になぶり者にできてしまう。これは経済システムのエラーだ。

 限定された状況で、政府の採れる金の兌換レート変更は小幅かつ一方向、投機家は政府の逆を突けば必ず勝てる。そして勝てばボロ儲けできる。この戦いの果てに、アメリカは膝を屈して金本位制を諦め、以後世界の通貨はドルに対して変動相場制へと変わっていく。

 ブレトン・ウッズ体制を引き継いだスミソニアン体制では変動相場制移行に際し、為替の安定、ひいては世界経済の安定のためのさまざまな試行錯誤が繰り返された。現在の世界経済は、決して成功したとは言えないこの時代の無数のトライアンドエラーから生み出されたものだ。

そして、85年がやって来る。言わずと知れたプラザ合意だ。米国政府はかつての金の代わりとして円を指名したのである。ドルと円、つまり日米の財務当局は互いに協力して世界経済のためにドル円のレートを決めて維持する。言ってみれば、日本が米国の連帯保証人になったような形だ。

 単純化して言えば、ドルの信頼性が円によって保証される体制が確立されたのがプラザ合意である。他国通貨はこの基軸通貨たるドル円レートの上に積み上げられる形でレートが推移する。戦後、国連憲章で敵国条項に規定されていた日本が、米国の無二のパートナーとして認められた瞬間でもあった。

 さて、ここまで読むと、まるで米国だけが得をしているように見えるかもしれないが、逆もまた真なりで、円がドルの補完通貨となったことで、日本経済は、マーケットから米国経済の重要な調整要素と位置付けられたのである。そして世界の信頼を取り付けた円を求めて、世界中の投機マネーが日本に押し寄せバブルが始まるのである。

 上の記事、誰が書いたと思われますか? なんと、最近私が注目している自動車評論家、池田直渡氏の最新記事「ガソリンエンジンの燃費改善が進んだ経済的事情」からの抜粋なのです。メディアに露出しているエコノミストより余程しっかりした内容です。実はこの記事を読んでいて大変驚いた記述(以下)があります。

「米国政府はかつての金の代わりとして円を指名したのである。」中略「ドルの信頼性が円によって保証される体制が確立されたのがプラザ合意である。他国通貨はこの基軸通貨たるドル円レートの上に積み上げられる形でレートが推移する。」

これは私が長年ここで言って来た事と見事に一致します。経済に関して、かなり近い考え方を持つ人に出会い正直驚きました。私はこの円による保証体制を金本位制になぞらえて円本位制と揶揄したのですが、正に円が自らを犠牲にしてドルの価値を支える体制になったのです。

奥ゆかしい日本人の大半の人は日本を過小評価していますから、何を言っているんだろうと思う人も多いのではないでしょうか。アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪をひく」などというのは正にその典型です。ところが事実は全くの逆なのです。

実際は80年代に態勢は決まっていて、このままでは日本に覇権が移りかねないと危惧した米がなり振り構わず日本に抱きついて来ました。Japan as No.1.とまで言われていた時代です。つまりクリンチに持ち込んで自ら(ドル)の価値を下げる代わりに日本の成長を止める毒薬を飲ませたのがプラザ合意という訳です。

その後凄まじい円高でデフレ不況に喘ぐようになるのは周知の歴史的事実ですが、円高はデフレを誘発させます。それは円ベースでの成長が止まる事を意味するのです。すなわち日本が創る付加価値が円高によって凝縮されていく訳です。聞こえはいいのですが、筋萎縮症にかかったようなもので、成長が止まってしまうのです。

実はそれでもバブル崩壊後の95年までは惰性もあって成長はしていました。それを止めたのが消費税です。これによって決定的に中産階級の可処分所得が減っていきます。ご丁寧にもそれは財務省の思惑とも一致し5%、8%と上がっていくことになるのです。

一億総中流時代が終わりを告げ、格差社会の到来です。その後はご存知の通り金融自由化や、それに伴うBIS規制などで護送船団方式がなし崩しにされ、明らかな内政干渉である日米構造協議、年次改革要望書などによって細部に至るまでパラダイムチェンジを余儀なくされました。これで経済成長しろという方が無理です。

そこは私と池田氏の違いで、池田氏はプラザ合意によるメリットは日本にもあったとするスタンスです。「世界中の投機マネーが日本に押し寄せバブルが始まるのである。」これなどは正に好意的に見ていますが、実際は日銀が窓口指導で銀行からの貸し出しを拡大させたのがバブルの原因です。不動産価格の暴騰が何よりの証拠ですが、そうなるよう仕向けたのです。

勿論株価も4万円近くまで上がりましたが、こちらは池田氏の言われるように海外からの投機マネーが中心だったでしょう。ただ、株価の実体経済への影響力はそれ程でもありません。あくまでも土地を担保にした貸し出し増によってマネーストックを増大させたのがバブルの正体です。

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(90年にはマネーストックM2が13%も対前年比で増えている。85年くらいから急激に増やしているが、これがバブルの正体、91年以降との差が歴然)

91年にはその窓口指導も廃止し、総量規制をして金利を高止まりさせました。それを主導していたのは日銀で、バブル崩壊を導いたのは日銀本人と言って間違いありません。もちろん米の圧力に屈したからです。

前川、三重野、福井元日銀総裁が隠し砦の三悪人ならぬ、隠れ日銀の三悪人と言われています。米の主張、圧力をそのまま取り入れたのが前川レポートで、三重野、福井ラインが忠実に実行に移したという訳です。

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その事実は元日銀の客員研究員であるドイツ人経済学者、リチャード・ヴェルナー氏によって著書「円の支配者」で明らかにされています。日本人必読の書と言えるでしょう。それに続く「なぜ日本経済は殺されたか」もお薦めですが、こちらは日本人経済学者、吉川元忠氏との共著になります。

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(露骨に日銀批判をしているが、名指しされた当人からの反撃はない。ここまで言われても、だんまりを決め込むのはなぜか?)

従って日本が米国の無二のパートナーになったという事実は金輪際存在ありせん。米の貢ぐ君に堕したのがプラザ合意であり、日銀が必殺仕置き人を演じ、同胞を裏切って自殺者を量産したのがバブル崩壊です。反対に、その後の日米金利差は米国に莫大な富をもたらしました。

米が90年からの日米構造協議で日本に要求した10年で430兆円似も上る公共投資は日本の内需拡大のためなどではなく、それによる国債の大量発行でデフレと低金利を継続させるためのものだったと考えると辻褄が合って来ます。全ては日本封じ込めの為に画策されました。

発行されたのが国債などではなく、もし現金であれば少々のデフレなど跳ね返した事は言うまでもありません。狡猾な米は低金利と日本の政府債務拡大の一挙両得を狙ったと思われます。

しかし、クリンチの状態をいつまでも続ける事は、それはそれで楽ではないと思うのですが、なかなか離してくれません。(笑)アベノミクスでデフレ脱却と内需拡大を唱っていましたが、それが頓挫したのも抱きついて離さない米に遠慮したという理由以外見つからないのです。

国土強靭化計画にしても、いつの間にか死語になってしまいました。今回の雨による災害などを見る度に思い出します。さらに、このところの野党、マスコミだけでなく党内からも安倍叩きが加速し、安倍政権のレイムダック化は避けられない様相を呈して来ました。

こういう、小さなガラスコップの中で日本人同士?が罵りあい足を引っ張りあうような事をしているようでは当分日本の復活はないでしょう。まさに不倶戴天の敵である米や近隣反日諸国の思うつぼです。情けない限りです。

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コメント

金融の話は難解です。今回は特に難解です。
プラザ合意は日本が為替介入をして円安に導いていたのをやめさせたのだと聞いています。また円高がデフレをもたらすのは輸入物価が安くなるからですか。すると国内で作るより買ってきたほうが手っ取り早いから国内が成長しないということでしょうか。また貿易も不利で今もそれが続いていると。

バブルが崩壊したのは日銀の総量規制で、それがなければあんなに激しく破裂せず今もいい具合に経済成長が続いているはずだと私は理解しています。

また、「米が90年からの日米構造協議で日本に要求した10年で430兆円似も上る公共投資は日本の内需拡大のためなどではなく、それによる国債の大量発行でデフレと低金利を継続させるためのものだったと考えると辻褄が合って来ます。全ては日本封じ込めの為に画策されました。
発行されたのが国債などではなく、もし現金であれば少々のデフレなど跳ね返した事は言うまでもありません。狡猾な米は低金利と日本の政府債務拡大の一挙両得を狙ったと思われます。」

ならば公共投資はしないほうがよかったのですか。また国債を大量に発行すればお金が増えるのだからインフレになるように思うのですが。しかも国債ではなく現金ならよかったと??

米も抱きついているのもそれはそれで苦しいというのはどうしてでしょうか。

もとに戻りますが、金利差が米に利益になったのは投資資金が日本から大量に米に流れたというこでしょうか。

などなど疑問点だらけです。ちょっと大変でしょうが解説お願いします。

投稿: 八丈島 | 2017年7月12日 (水) 00時27分

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