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2017年7月17日 (月)

敵に塩を送り続ける人のいい日本人

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---日米 FTA消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

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 暑いのでボーッとしているうちに時間が経っていました。(笑)今年は関東地方、特に神奈川県は空梅雨のようです。熱い夏は嫌いではありませんが、やはり梅雨明けのすかっとした感じがないと気持ち的には今一納得出来ません。

【ブリュッセル=地曳航也、竹内康雄】日本と欧州連合(EU)は6日、ブリュッセルで首脳会談を開き、経済連携協定(EPA)の締結で大枠合意した。チーズや自動車などの関税の撤廃・削減で折り合い、通関手続きの円滑化や知的財産権の保護といった貿易ルールも統一。2019年中の発効をめざす欧州側に足並みをそろえ、日本は自由貿易の重要性を世界にアピールする。

自由貿易がその国にとって一概にメリットがあるとは言えない、という話は散々して来ましたので繰り返しませんが、日本ほど何不自由のない国がなぜ取り憑かれたように、やれTPPだ、FTAだ、EPAだと必死にならなければいけないのでしょうか。

日本のように全てがそろった先進国の場合は貿易をすればするほど、あるいは海外に投資をすればするほど、つまり経済分野で国際的関係を深めれば深めるほど相対的弱体化、貧困化を招くのですが、国のトップは分かっていないようです。

産業界からの突き上げに簡単に折れてしまうのは何か裏があるのかもしれないと勘ぐりたくなります。

続いて日欧EPAの肝の部分、自動車関連記事です。

 日本から欧州への輸出では、EU側が日本の乗用車にかける10%の関税を7年かけて引き下げ、8年目に撤廃。日本から欧州へ自動車が売りやすくなる。自動車部品の92.1%(貿易額ベース)は即時撤廃する。日本政府によると、発効済みの韓国とEUの自由貿易協定(FTA)より高い水準だ。(日経新聞電子版)

なぜ欧州が日本とのEPA早期締結に固執するのかがここで分かります。そこにはしたたかな計算があるようです。日本人は人がいいので、こういう国際的な条約、協定などはフィフティフィフティと勘違いしていますが、そんな筈はありません。

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(日本人が勝つと何度となくルールーが変更され、体格差が不利になるようにされた)

スポーツ競技ひとつみても、日本が勝ち始めるとルール変更を恥ずかしげもなくするのが白人国家です。これで随分泣かされて来ました。大東亜戦争なども白人国家の身勝手から黄禍論を唱え、日本に対して厳しいルール、条件を突きつけたのが、そもそもの発端です。

多勢に無勢の日本は自衛の為に戦わざるを得ない状況に追い込まれました。彼らの間違いは日本が想定外に強かった事です。戦争終結までに4年もかかったのは大誤算と言えるでしょう。そのためか完膚なきまでに叩きのめされ原爆実験までされました。正に神を恐れぬ行為と言えますが、日本人を人と思っていなかった証拠ではないでしょうか。

そのため死ぬ必要のない戦闘員230万人、非戦闘員80万人もの尊い命が犠牲になりました。今年も終戦記念日が近づいてきましたが、8月15日に慰霊のための参拝と、今日本が置かれている立場を再確認するために靖国神社に行くつもりです。何千人もの機動隊が、毎年そこに集結しなければならない理由を日本人は知るべきです。勿論参拝の後は暑気払い会がセットになっています。(笑)

話が横道にそれました。今回のEPAで欧州の白人国家群がどのようなずるい事を企んでいるかですが、自動車の劣勢を跳ね返す絶好のチャンスと思っている節があります。殆どの自動車用部品はEPA発効後即関税撤廃です。完成車は8年かけてゼロにする、ですから分かり易い構図ではないでしょうか。

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(完成車だけでみると3000億円の日本側黒字です。部品も3400億円くらいの差ですが、分母が全く違います。この部品の差をさらに拡大する目的が欧州側の狙いです。つまり部品が欲しいのです。)

これが意味する事は、その8年間で体制を立て直す事にあります。つまり日本製完成車(主にハイブリッド車)の侵入を出来り食い止め、その間に日本の優秀な自動車部品を安く調達し、価格的優位性のある商品造りを展開する、という事です。

ドイツは2030年まで、フランスは2040年までにガソリンエンジンだけ、あるいはディーゼルエンジンだけで走る車は全廃すると言っています。すなわちハイブリッド車とEVだけの生産に切り替えると言っているのです。

ところが、それらの優位性は依然として日本にあります。ハイブリッドを長年作って来た経験からモーターや二次電池、またその関連電子部品、ECU等の扱い、ノウハウの蓄積は量的にも質的にもはるかに先を行っているのです。

対する、ディーゼルでミソをつけたドイツ始めとするEU諸国は、その点度素人集団に過ぎません。ここでは圧倒的な差をつけられているのです。とてもゼロから始めるようでは勝ち目がありません。そこで目を付けたのが日本の部品メーカーです。

先日の記事にも書きましたが、これまでも随分日本から電子部品やトランスミッション等、重要部品を購入して来た実績があります。そのせいで欧州車の故障が劇的に減りました。親会社(完成車メーカー)の縛りがあまりなく、しかも間違いのない優秀な製品を期日にきちんと納品する日本の部品メーカーは有り難いです。

おまけに円安ですよ。(笑)実質実効為替レートで計算すれば1ドル70円台でもおかしくありません。対ユーロでも割安感は圧倒的ではないでしょうか。10%の関税どころでないのは明らかです。

もうお分かりでしょうが、日本政府が金融緩和や外需依存策を積極的に繰り広げる事によって海外メーカーに塩を送る構図が出来上がりつつあるのです。産業界(経団連)はEPAが自分たちのメリットになると思い込んでいるのかもしれませんが、逆です。敵を強くし、味方を不利な状況に追い込んでいるに過ぎません。

オーンゴールで篭城せざる得なくなった敵に、日本から弓矢や刀を大量に安く送り、日本勢の攻撃は8年かけてのんびりやると言っているようなものです。(笑)そんな協定なら今のままの方が日本にとって、はるかにましではないでしょうか。

これは交渉下手で済まされるような問題ではありません。無知蒙昧レベルです。極楽とんぼにも程があるというものです。

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コメント

そうですねぇ~日本から敵に塩送っているのですね。
彼らの技術ってそれなりですよ。ダイムラーのリコール沙汰見ればわかります。

投稿: go to | 2017年7月19日 (水) 09時01分

(経団連)はEPAが自分たちのメリットになると思い込んでいるのかもしれませんが、逆です。敵を強くし、味方を不利な状況に追い込んでいるに過ぎません。
・・・経団連会長はあっち系の人物です。ワザと日本の弱体化を計っている様です。

投稿: | 2017年7月19日 (水) 20時40分

部品の関税がなくなることでどれだけのメリットが実際あるのでしょうか?私は素人なので憶測の域をでませんが、結局たいしたことがないような気がします。専門家の田中様から見てどうなんでしょう。意見をお聞かせください。

投稿: 八丈島 | 2017年7月19日 (水) 21時17分

彼らには作る事の出来ない、性能が良くて壊れない部品が手に入るという事は世界での競争力を維持出来るという事です。EPAによって、安く無制限に手に入れる大義名分が出来ます。

そうでなければ彼らがわざわざ日本製の部品を買う意味はありません。逆に日本には、どうしても欧州から買わなければならない部品はありません。

特にハイブリッドやEVの部品は質、量に於いて日本の独壇場ですから。

投稿: 田中 徹 | 2017年7月19日 (水) 23時51分

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