イラストは実写より奇なり
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[東京 4日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3営業日ぶりに急反発した。昨年11月9日に付けた取引時間中の昨年来高値(2万3382円15銭)を更新。終値は1992年1月7日以来26年ぶりの高値水準だった。大発会の上げ幅としては96年(749円高)以来の大幅上昇だった。
年明けの米国株が最高値を更新したほか、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が「新年の辞」で韓国との対話に柔軟な姿勢を示唆したことにより、過度なリスク警戒が後退した。3日発表の米経済指標が良好な内容だったこともあり、新年相場に対する楽観的なムードが広がった。後場は上げ幅が拡大し、この日の高値で取引を終えた。
新年早々景気のいい話がめじろ押しですが、特に大発会での日経平均大幅上昇は今年の日本経済を象徴するようで悪い気はしません。年末には3万円越えもあり得るのではないでしょうか・・と言うような声もちらほら聞こえますが、私には素直に受け取れないのです。世の中そんなに甘くはありません。(笑)
そもそも日銀のバカの一つ覚え的金融緩和以外、大した経済政策は何もしていない・・と言うより逆の政策しかやっていないのですから、今の状況、そういう意味ではバブルです。やがて来る消費税増税の日までの命と言って差し支えないでしょう。しばしこの状況を楽しむだけです。
さて、今日はそんな辛気くさい話ではなく、もっと夢のある話をします。3日に「君の名は」を観ました。私はアニメには大して興味がある訳ではなく、ジブリの作品なども斜に構えて観ている方なのですが、「君の名は」は久々飽きる事なく最後まで集中出来たのです。
昔にもあった、男女の中身が入れ替わる尾道が舞台の映画「転校生」の焼き直しかと思っていたら全く違っていました。意外にも宇宙的スケールで展開される壮大な話が裏にあるようで、もっと深い映画だったようです。
言うなればナイト・シャマラン監督、メル・ギブソン主演のハリウッド映画「サイン」に近いかも知れません。こちらはやや宗教臭い点が鼻につきましたが、「君の名は」にはそういういやらしさはありませんでした。割合素直に感情移入が出来たのです。もちろん突っ込みどころがない訳ではありませんが、それらを無害化してくれるだけの光るものがありました。
上手くは言えませんが、作者は、人は気付いていはいないけど皆そういう結びつきで関係しあっている、という事が言いたかったのかもしれません。つまり、廻りにいる人は凄く大切で、深い縁があるから一緒にいる訳で、出会いは単なる偶然ではないし無意味なものでもない、という事が言いたかったのではないでしょうか。
そういう意味では20代の頃に読んだ、輪廻転生がテーマの三島由紀夫の小説「豊穣の海」に近いかも知れません。聡子と清顕の時空を超えた純愛物語りに酔いしれ思わず涙したものです。
こちらはバッピーエンドとはいきませんでしたが強く印象に残る不思議な内容でした。映画化もされましたが、主役のイメージが違った事もあって感情移入出来るような出来とは言い難かったのが残念です。いずれにしても2時間程度の映画では再現不能と思われます。
「君の名は」のもう一つの観るべき点、それは映像美です。背景のイラストのクオリティは特筆ものと言えます。東京の現実の風景をファンタジーな世界にまで昇華させました。実際にはアジア的混沌が散見出来る大して美しいとは言えない景色でも、こういう風に変えられるところがイラストの強みと言えます。
私もイラストを描くので分かりますが、存在するものを忠実に再現するなら写真でいい訳です。しかしそれでは面白くありません。写真で自分の持つ世界観を表現するのは困難です。いや不可能なのです。
現実をベースにしながらもモディファイし、色も微妙に変える事によって描きたいものを再現する、そこに意味があります。そういう点では今後も二次元アニメに生存空間はありそうです。三次元では表現し難い世界が描けるのです。
ただ、人物描写には難がありました。少女漫画から出て来たような主人公に、この歳になったおやじに感情移入しろと言う方が無理です。(笑)そこはもう少しリアルにしてほしかった、と言わざるを得ません。
いずれにしても世界的にヒットするにはそれなりの理由があります。去年同じようにヒットしたシンゴジラの方は未だその気にならないので観ていませんが、観た人の話を総合するとつまらなさそうです。能書きの多いのは・・裁判ものだけでいいです。(笑)
(日本はお笑い芸人が表に出過ぎる感がある。報道番組にも出て来て、いっぱしの事をしゃべる国なんてあるのだろうか。)
ついでに夢のない話も一点、テレ朝の「朝まで生テレビ」でウーマン村本というお笑い系の御仁がバカな発言をしたというのでネットが騒いでいます。
それにしても「敵が攻めて来たら大人しく降伏すれば良い、例え殺されても構わない」と嘯き、その考えの根拠が何もない幼い思考の人を公共の電波で、しかもある程度権威のある番組に出すというのは制作者側の見識を疑います。もう少し真面目に人選をすべきです。
しかし何と、その御仁に加担する人もいるようで、ホリエモンの「日本なんてどうなってもいい」的発言には驚かされます。彼は前から国境なんていらない、尖閣諸島も中国に差し出せばいいと言っていました。
今回もブレないスタンスのようですが、あれだけ世間を騒がせ臭い飯を食ったりしても、この人は自分の立っている位置や、バカな事でも自由に言える有り難いシチュエーションが分かっていないようです。
日本というバックグラウンドなくして、どうやって生きていくのかという事に想像力が及ばないのでしょう。日本の恩恵を人一倍受けていながらこの体たらくです。GHQ主導による戦後民主主義の弊害でしょうか。
こういう精神的に堕落した、将来に対し何の展望、希望も持たず、国への帰属意識が薄い若者?が増えている事に危機感を持たざるを得ません。三島由紀夫がいみじくも昭和45年、自決する前に日本を憂いて語った、その状況さえかなりましに思えて来るのです。
「私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま行つたら「日本」はなくなつてしまうのではないかといふ感を日ましに深くする。日本はなくなつて、その代はりに、無機的な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであらう。それでもいいと思つてゐる人たちと、私は口をきく気にもなれなくなつてゐるのである。」
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コメント
三島由紀夫がいみじくも45年程前、自決する前に語った言葉がズバリ現在の日本の状況・世相を予言していましたね。
日本の国柄:新渡戸稲造が世界に発信した武士道的思想がそろそろ復活する事が世界平和に繋がるのではないでしょうか!
投稿: AZ生 | 2018年1月 6日 (土) 14時49分