実は鶏が先だった(?)
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「日本は借金大国である」と言うフレーズは耳タコですが、逆に周辺国がスワップやODA、円借款、直接投資などで無心に来るのも日常茶飯事です。これを見て日本は借金大国だと思っている人はどう思うのでしょうか。一度聞いてみたいものです。(笑)
常識的に考えてお金のない国には誰も借りに来ません。韓国にどこかの国から無心に来たなんて話は聞いた事がないでしょう。という事は日本は金余り大国だという事になりませんか?少なくとも長年に渡る経常収支の黒字から使える外貨はたっぷりあると言って間違いないのです。
そこでそのお金の定義ですが、国際社会でのお金とは基本的に基軸通貨であるドルを指します。ドルさえ持っていれば世界のどこへ行っても買い物が出来るのですから、皆ドルを欲しがる訳です。
その次にユーロや円が控えていますが、ドルと比べ流通量が圧倒的に違います。それでもハードカレンシーであるユーロや円は問題なくドルに替えられるので準基軸通貨と言って差し支えないでしょう。その点、ローカルカレンシーでしかないウォンなどとは信用度が違うのです。
つまり借金大国なんて言うのは真っ赤な嘘で、日本には世界に通用する円やドルがうんとあるという事です。ではなぜそんな国がインフレでなくデフレになるのかと言うと、そういう政策を採っているからです。インタゲ2%と言いながらも、その気がない事はこの数年で証明されました。
一方、韓国の場合は世界に通用しないウォンと、あるとは言っているがその存在が確認されていない外貨準備が少々という事になるので貧乏国という事になります。
(対外純資産も多ければいいというものでもないが、なさ過ぎると途上国にとっては死活問題になる。)
この場合対外純資産がどれくらいあるかで外貨準備の中身も伺えるのですが、2016年時点で2780億ドルという事は3兆ドルを超す日本の10分の一以下という事なので、彼らが自慢する程ではない事が分かります。
世界で商売をするには余りにも心許ないので嫌いな日本とでも通貨スワップをして外貨を調達したいという事になるのです。韓国ばかりを例に出して恐縮ですが、比較しやすい隣国なので勘弁して下さい。(笑)
ただ言える事は世界有数の大企業であるサムスンや現代自動車を擁し、輸出で食っていると言われている韓国でさえその程度なので、他の新興国は推して知るべしです。皆基本的には貧乏なのです。一見リッチそうに見えるのは日米欧など先進国からの直接間接の投資によります。
そこを勘違いしてはいけないのですが、よく途上国に行った人が、上辺だけを見てあの国は凄い、発展しているなどというのは錯覚でしかありません。先進国がお金を引き揚げればすぐにパニックになります。時々途上国で通貨危機が起きるのはそのせいで、国際金融資本の草狩り場という位置づけでしかないのです。
そこで我が日本ですが、草狩り場の一つである事は論を俟ちません。(笑)ただスケールが大きすぎるので、パニックを起こすところまでには至らないだけです。過去にも何度か仕掛けられましたが、小火(ぼや)程度で収まっています。政府さえその気になれば、もっと軽症で済ませる事は可能です。
それでも、何度もここで言っていますように金融資産が1800兆円もあるというのも錯覚でしかないのです。株他の金融資産をグロスで積み上げているだけです。実際はマネーストックM3の1300兆円が国民が持っているお金なのですが、これも実はあってなきが如しと言えます。
これは借金の結果であって、恐ろしい事に返済すればゼロになってしまうのです。これはどの先進国でも同じです。じゃあ返済しない方がいいのかと言うと、そうではありません。返済しながら新しく投資(借り入れ)をして負債と資産を両方増やして行くのが健全な姿です。
返さなくてもいい本当のお金は日銀の当座預金口座にしかありません。そこには異次元の金融緩和の結果だとしても400兆円もあって、世界でもトップクラスです。しかし、これにはさすがの日本国民も手が出せないのです。
金融機関同士でなければ取引が出来ないようになっているからですが、いくら取引をしても資金が移動するだけで減る事はありません。政府が国債などを発行して吸収しない限りは減らないのですから最強です。ハイパワードマネーと言われる所以です。
実はもう一つだけ当座預金残高を減らす手はあります。日銀券などの現金化です。日銀券に替えれば減らすことは可能なのです。ただこれも、いくらでもと言う訳にはいきません。ない仮定ですが、新たに400兆円の日銀券を発行すれば当座預金残高はゼロとなり銀行はバタバタと倒産する事になるのです。
そういう点では預金する事は大事です。日銀券を銀行に預けると大半は日銀当座預金に預金され、銀行は貸出しが可能となります。これでお分かりのように、最初にお金ありきで、そのお金を我々が銀行に預金をするから銀行の貸出しが可能になるのではなく、日銀当座預金残高があるからこそ貸出しが出来、我々のところにもおこぼれが回って来るという訳です。
鶏が先か卵が先かの話に似ていますが、この場合あくまでも鶏が先だという事になります。つまり全ては政府次第だという事です・・・なんだか腹が立って来ますね。(笑)
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コメント
「周辺国がスワップやODA、円借款、直接投資などで無心に来るのも日常茶飯事です。これを見て日本は借金大国だと思っている人はどう思うのでしょうか。」これはおもしろい指摘です。今度どこかで言ってやりたいです。ところで韓国やその他の新興国には金融力がないことはよくわかりましたが、支那はどうなのでしょうか。
投稿: 八丈島 | 2018年6月22日 (金) 18時35分
C国・・・AIIBとか一帯一路等々、政策を打ち出してはいますが、覇道の国であり、周辺弱小国しか協力しないでしょう。水源・農耕地等の状態も真面に手入れをやって無さそう。。。公表GDPもホンマかいなっぽい。お金は印刷機でいくらでも出来ちゃいますから破綻が表面に出てきませんね。Pトランプさんが関税をアップするらしいからB国との摩擦が表面化するでしょう。どの国もスレスレでバランス取っているっぽいので、近未来での各国は運営がむずかしそうです。我が国は金を東や西にATMみたくばらまきっぱなしですね!
投稿: | 2018年6月23日 (土) 18時13分