Back to the past.
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現在、日本は言うまでもなく、ロシアもアメリカも厳しい。中国はバブル崩壊した日本と似た状況と私は捉えています。なら、自国の経済活性化を狙うなら、雇用の保証や最低賃金の上昇をしないとどっちみちインフレにするのは無理では無いのか?とほとほと疑問です。
中国の経済に関して読者の方から質問がいくつかありましたので、今日はそれにお答えする形で書きます。と言っても私は経済学者ではないので、あくまでも自分の中小企業経営者としてアジア諸国とビジネスをしてきた経験と勘(笑)感性をベースとした独断と偏見に満ちた記事しか書けません。その点、悪しからずご了承下さい。
まず「日本は言うまでもなく、ロシアもアメリカも厳しい。中国はバブル崩壊した日本と似た状況と私は捉えています。」という下りですが、それぞれ問題の質が違います。十把一絡げにするには無理があるのではないでしょうか。
日本の問題はあくまでも政治の問題です。アメポチを続ける限り宗主国には逆らえないので、昔のような高成長は望めません。これは何度も繰り返されて来た内政干渉や因果関係が確定する前の日本企業叩きを見れば明らかです。出る杭は打たれます。
安倍さんも就任前と今とでは政策自体が180度変わった事からも、米からの圧力を否定する合理的根拠を発見するのは困難と言わざるを得ません。そのため私のような経済重視の保守層からの支持が維持出来なくなっています。
ロシアは資源価格が下がった事で割を食っていますが、狙い撃ちの感があります。つまり西側諸国からのプーチン大統領への嫌がらせが原因なので、体制が変わらない限り厳しい状態は続くのではないでしょうか。
アメリカは構造的な問題が原因です。つまり金融による支配と格差、それに加えてグローバル化の弊害で自ら首を絞めています。トランプさんはそれに挑戦していますが、どこまで出来るかは疑問です。ですから別に実体経済が悪い訳ではないのです。そういう点では日本も同じで、実体経済に死角は見当たりません。
ロシアと中国は共に独裁政権による共産主義国という点では同じで、上手くやれば非常に上手くいくかもしれないが、下手をすれば元も子もなくなるというやつでしょうか。まあ、結局はトップが天才でも聖人君子でもないので、上手くいきようがないという事になります。(笑)
(中国のGDPが米に肉薄し、数年後には抜かれる恐れが出て来た。日本もかつて米の70%と異常接近した時があったが、米から貿易戦争や超円高を仕掛けられ凋落した。中国もそうなるのだろうか。)
中国に関してはおっしゃるような「バブル崩壊した日本と似た状況」というのはちょっと乱暴です。私は個人的には全く違うと捉えています。日本の場合は人為的なバブル崩壊でした。日銀の方針が180度変われば当然ああいう事態は起こり得るのです。
その証拠に歴代日銀総裁(特に前川、三重野、福井)は同じ考え方で、日本をグローバル化して新自由主義経済の国にすると言って憚らなかったのです。いわゆるティピカルアメポチと言える小泉さんも大好きだった構造改革です。
米からは再三再四要求されて来ました。あの一党独裁の覇権主義国家中国で誰がそんな事を考えるでしょうか。(笑)ですから中国では急激な崩壊は起き難いと考えるのが妥当です。
原則論ですが、神(?)の見えざる手は決して急激な変化など望んでいないのです。急な変化はイレギュラーを無理矢理ねじ込むという人為的要因によります。ただ、中国と日本の致命的な違いは前にも言いましたように為替操作を繰り返し元安に甘んじたため、製品の高付加価値化が遅れた事です。
これによって次のステップに上れていないのです。リーマンショック後がそのチャンスでしたが、繰り返された巨額国内投資が仇となって無数の鬼城とシャドウバンキングによる不良債権の山を築きました。その額何百兆円(?)
次に「自国の経済活性化を狙うなら、雇用の保証や最低賃金の上昇をしないとどっちみちインフレにするのは無理では無いのか?」という箇所ですが、インフレにするのは別に難しい事ではありません。
その証拠に途上国は皆基本的にインフレです。インフレを抑える方が10倍難しいと言えるでしょう。そもそも管理通貨制の時代にデフレの国なんて日本以外ないのですから。。
中国も基本インフレです。ところが独自の問題があって資金流出が止まらないのです。例の政府高官が持ち出す資金(外貨)もバカにならないし、それでなくても莫大な債務返済等で金融収支は近年大赤字です。
米中の金利差縮小もそれに拍車をかけます。それらから生じる外貨不足を埋めるために政府当局は外貨準備を解放するしかありません。近年1兆ドル単位でどんどん減っている訳です。
(金融収支は対外規制緩和と海外への投資規制強化で持ち直しているという。さすが一党独裁の国だ。これがあるから容易には崩壊しない。)
さらに恐ろしいニュースが先日駆け巡りました。「2018年1-3月期における中国の経常収支は▲341億ドルとなり2001年4-6月期以来の赤字に転落した。」というものですが、唯一好調で頼みの綱だった経常収支が赤字になったとなると赤信号です。
爆買いなどによって旅行収支などサービス収支が大幅赤字という事らしいのですが、最早世界に投資している場合ではなくなりました。その点、買われまくっていた日本や米国には安心材料です。(笑)
その問題を解消するには技術革新(要するに製品の高付加価値化)と金利アップが必須と言われていますが、前者は技術的蓄積のない国に一朝一夕には成し遂げられません。後者はやり過ぎるとそれこそバブル崩壊を引き起こすので、これも軽々には出来ないのです。さらにトランプさんが貿易戦争を仕掛けて来ています。正に泣きっ面に蜂状態です。
となると・・残された道は Back to the past?でしょうか。緩やかに衰退して昔のような貧困国へ逆戻りし一から出直す(?)いずれにしてもここ数年が正念場の中国経済である事は間違いなさそうです。
日本ですか(?)ご存知のように対外純資産が世界一で万年経常収支黒字国です。さらにマネタリーベースが世界トップクラスで、マネーストックもハンパなく巨額です。技術的蓄積もあり、アイデア豊富で勤勉な労働者が未だ五万と存在しています。
時々大規模な自然災害こそあるものの緑が豊かで安心して飲める水も無尽蔵にあるではありませんか。このように生産要素の全てが完璧なまでに揃っている国なんて他にあるとは思えません。
そんな国が低成長に喘ぐなら、余程政治が悪いか、外圧に弱いか、はたまたその両方か・・いずれにしても我々国民のせいでない事だけは確かです。日本もBack to the past で、一億総中流といわれた時代に経済システムだけ戻して出直しましょう。現在のファンダメンタルスがあれば中国の場合と違って面白い事になりそうです
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コメント
ありがとうございました。経済用語をいちいち調べながらで半分程度の理解は出来たように思います。
もう少し読み込み理解に努めますが、中国が過去に戻り一からやり直すは、中国の現在の状況や、経済意識の面でも庶民の意識の面でも厳しく選択不可能で決して選択しない方法のように思います。
また、アメリカの金融による支配と格差、グローバル化による弊害で自身の首を絞めるの内容はそのまま日本にも当てはまる気がするのですが(アメリカがくしゃみすると日本が風邪ひく?)日本はそれに加えて外圧に弱いが加わり、政治家も感心できないと思うし。経済視点でのこの内容を読むとだから政府はシャカリキに金持ち優遇経済界優先政策ばかりゴリ押ししたいのかと少しだけ理解できた気がします。
そして、一億総中流の経済システム(具体的に想像できませんが)に戻る事も不可能な気がしています。経済格差は2000年頃から差を拡大し続け、日本独自の雇用形態や方法が残っているのは公務員の世界のみな気がしますし、職種や業務内容も高所得を得られるのは、一握りのごく少数になって来ており政治も行政もそれにはほぼ無関心な印象しかありません。
投稿: nao | 2018年7月17日 (火) 11時02分
結局グローバル金融資本家のために都合がいいようになっていっているのではないでしょうか。米国は経済状態は悪くないが格差が大きく、普通の米国民の生活は決してよくない。中国はこのあたりで頭をたたいておかないと、後々やっかいなことになる。日本は潜在能力が高いから日本のメディアや財務省を支配して、牙を抜いておかなかればならない。トランプさんもどこまでこの支配者と戦えるのか、米国民ファーストにできるのか見ものです。ただ暗殺されると二度とグローバル金融に逆らうことのできる人が出てこなくなるではと私は心配します。安倍さんもどこで妥協して何と取引するのか、憲法改正なのか、それも安倍さんの能力と世論のバックアップしだいだどと私は思います。
投稿: 八丈島 | 2018年7月17日 (火) 22時26分
…アメリカはクリントンさん辺りから共産中国への警戒が薄れ、安い消耗品の輸入を際限なく輸入拡大を行い、国内の軽産業の衰退を招き、オバマさんはノーベル平和賞を受賞してリベラル気取りで他国への警戒が更に薄れてきてはいますが、国際金融機関の自国への破壊(一部の金持ちとその他の低所得層との格差拡大)に対しての危機感を持った多数の国民の支持を受けて大統領に就任した様に理解しております。西部開拓時代のアメリカ合衆国への回帰…200年前のコンセプトの再現。Back to the past.
中国のBack to the past. 共産党という5%(推定)の特権階級が13憶Plus Alphaの人民をこき使い、毛沢東時代の国家運営コンセプトの再現を図っている様に見える・・・もっと言うと元寇時代の覇権国家を建築する意図が窺える・・・700年前のユーラシア大陸を制覇する考え→世界制覇が最終目的。日本(沖縄・尖閣諸島・・・九州・北海道を手始めに)アメリカ・ドイツ・イギリスその他全ての支配。米中ジャイアンの対決が表面化してきましたね。願わくば中国本土が日米欧州豪州東南アジア諸国と友好関係が深まれば一番望ましいです。日本は両国の金融・政治経済・軍事・洗脳報道による日本支配の日常化から脱出し、自立自尊の意識を一人一人が(自分自身を含めて)持たないと我が国は消滅致します。
明治維新の頃のSAMURAI JAPANへ Back to the past.
投稿: AZ生 | 2018年7月23日 (月) 09時18分
一億総中流といわれた時代に経済システムだけ戻して出直しましょう。現在のファンダメンタルスがあれば中国の場合と違って面白い事になりそうです
・・・大々賛成致します。
投稿: AZ生 | 2018年7月25日 (水) 05時33分