グローバル化の先に来るもの(その4/国力編)
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先日ある集まりで「世界で日本の存在感がどんどん薄くなっている」という話をある人がしていました。国際会議に出ても日本人は英語が満足にしゃべれないので、ただ参加しているだけなのだそうです。その人は国際会議とかで海外によく行っている人で英語ももちろんペラペラです。
かなり危機感を持っているようで、この先日本はどうなるのだろうと真顔で心配していました。他の人も基本的には同調しているようにみえます。それを聞いた瞬間、頭のどこかでスイッチがパチッと入り、咄嗟に身構える自分がいました。(笑)
続いて、それに関連しますが、国力とは何かという話になり、日本はGDPで言えば世界第三位だから国力がないとは言えないという人が出て来たのです。確かに日本は米中に続くポジションを有していて4位のドイツをかなり引き離しています。中国を超える人口を抱えるインドが台頭して来るまでは安泰そうです。
(イメージ画像)
しかしながら、国力をGDPで計るというのは乱暴な気がします。中国の場合で言っても、数字が真実だとしても中身が伴いません。国単位で見た場合の株式の時価総額が日本以下では説得力がないのです。多分にバブル分も含んでいるでしょうから、実際は円安で実力以下の評価しかない日本よりかなり低いと言えるのではないでしょうか。
いずれにしても13億人も人口がいて、その10分の一以下の日本より企業のポテンシャルが低いのでは、とても国力があるとは言えません。一部のスーパー大企業に目くらましされていますが、それらも政府のバックアップがあってなんぼです。その点、政府から完璧に見放されている日本企業は凄いと言えます。(笑)
世界への直接投資で見ても日本企業の海外法人の売り上げは製造業、サービス業の合計で200兆円を悠に超します。円安の今は300兆円近いのではないでしょうか。その企業群が大半を稼ぎ出す所得収支の黒字は18兆円(2016年度)にも達し、右肩上がりである事は言うまでもありません。
国内に大して投資せず、海外に一生懸命投資をしているのですから当然とも言えます。その海外資産を含む内部留保は何と450兆円、内、現預金が200兆円超と凄い数字になっているのです。正に金余り大国です。
所得収支の一位はもちろん世界中に投資しまくっている米ですが、国内誘致も盛んなので19兆円に過ぎません。日本と大差ないのです。三位がフランスで6兆円ちょっと、四位ドイツもフランスと似たようなものです。
中国はと言うと・・・あれ、韓国や香港より下のようです。と言うより168位(2016年)という事はマイナスです。尤も香港を中国の一部として計算すれば1兆円程?(正確なデータがない)のプラスにはなります。
本国がなぜマイナスなのかと言えば、そりゃ直接投資を受ける側だからです。つまり国内に強い産業、供給力がないので海外に依存せざるを得ない経済構造と言えます。そんな国に国力があるのかと問う方に無理があります。ないからこそ膨張主義、つまり何かにつけて海外との関わりを強く持ちたいのです。
これでお分かりのように、なぜ日本が世界で存在感がないのかと言えば、元々控えめな上に世界との関わりを持つ必要性にそれ程迫られていないからです。海外留学もどんどん減っているようだし、世界へ出ても英語が相変わらずしゃべれません。
なぜでしょうか。答は簡単、相手が日本語を話してくれるからです。私なども最初は世界で仕事をするからには英語は必須だと思っていましたが、実際にビジネスを始めてからは適当になりました。相手が皆流暢な日本語を話すのですから、それに英語で応えるのは失礼というものです。(笑)
それはむしろ誇れる事なのですが、ネガティブでグローバリズムに脳がやられている日本人は「英語が出来ない。語学力が弱い」などと自らを卑下してしまいます。街にも英語だけならともかく、中国語やハングルまで氾濫するのですから、どんだけ人がいいのか、ええ加減にしろと言いたくなります。日本に来たければ日本語を勉強しろ!!(笑)
結局、国力とは、まず人口がある程度多い事、英米などと同じく自国語だけでも何とかなる事、GDPが多い事(必須ではない)、経常収支が黒字である事、科学技術力があり、特許収支が黒字である事、文化的影響力が強い事、などが上げられます。
もちろん軍事力も強大である事に越した事はありません。その点だけが問題ですが、後はどう見ても総合で世界一二を争うと言って差し支えないのではないでしょうか。私の専門、自動車の分野で見ればもっと明らかで、生産量と技術、先進性(環境問題含む)部品や素材の供給体制、つまり裾野の質、量ではダントツです。足りないのはデザイン力、商品企画力くらいでしょうか。。
しかし、その分野までトップになったのでは可愛げがありません。増々日本嫌いのドイツ等、ゲルマン系に妬まれます。なので、そこはゆっくり進化していけばいいのです。このように、グローバル化によって、むしろ見え難くなっている国力ではありますが、私に言わせれば未だ未だ大丈夫です。
しかしながら今の、グローバル化を積極的に押し進める安倍政権の政治経済政策、外交では希薄化、劣化、貧困化は避けられません。世界に奉仕するのが日本の役目のようにさえなっています。恐らくですが、米からそういう指示が来ているのではないでしょうか。
(6メーター近い全長と2メーターの全幅を持つキャディラックのコンバーティブル、この時代の米は国力がダントツだった。それを象徴するような恐竜的アメ車/先週末のお台場で)
「米のポチになって、米の代わりに世界に奉仕しなさい。素直に言う事を聞けば、またゴルフに誘ってあげるよ」とでも言われているのです。・・・そうでなければ観光立国とか移民大国とか、インフラ輸出とか、さらに言うに事欠いてサマータイムなどと言い出す筈がありません。(笑)
バカじゃなかろうかと思います。かと言って与党内野党のような石破・・・う〜ん。頭が痛いと言わざるを得ません。人材がいないわ。。
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