« 2018年9月 | トップページ | 2018年11月 »

2018年10月

2018年10月31日 (水)

日本車の天下はいつまで続くのか。

Photo     

---日米 FTA消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

ブログランキングに参加しています。

サウジのジャーナリスト殺害事件に続き、これまた中東から生還した日本人ジャーナリスト(自分は韓国人ウマルだと言っている、二重国籍か?)の話題がマスコミをにぎわせています。しかしこちらは少し様子が違うようです。

安田氏お得意の政府批判は、どう見ても甘えているようにしか見えません。自分の身は安全なところに置いて、駄々をこねているようにしか見えないのです。

彼を英雄視しているのはお仲間のマスコミだけで、我々一般の日本人は彼の無責任さに呆れを通り越して腹を立てています。そもそも本当に捕虜だったのか大いに疑問です。命の危険に晒されながら3年間も狭い空間での拉致、監禁生活を余儀なくされていた人には見えないのです。

Photo_2

憎まれ口の叩き方も元気一杯です。ひょっとしてテロリストとグルなのでは(?)という疑念さえ浮かびます。そうでなければ渡航禁止で、しかも何度も捕まった危険極まりないところにノコノコ出て行くでしょうか。身代金目当ての商売に加担しているのなら話は別です。

結果的にはカタール政府が身代金を肩代わりしたようですが、表向きにはテロ集団支援が難しいカタールの苦肉の策に見えなくもありません。実際そのような事を言っている専門家もいます。人道的措置を隠れ蓑に資金援助をしているのでしょうか。従って日本政府に請求書が廻って来る事はなさそうです。

とにかく中東、特に紛争地は複雑怪奇なのでジャーナリストと言えども個人レベルでは近づかない事です。よく自己責任論と言いますが、そんな範疇ははるかに超えています。3億円も払ってもらって責任がとれる訳がありません。情報収集をするにしても国家レベルで対応するしかない問題です。

あれだけ政府に楯ついて、廻りに迷惑をかけまくり挙げ句はテロ集団に資金援助するのでは疫病神と言うしかありません。そんな人は渡航禁止、パスポート剥奪が妥当な扱いと言えます。ブタ箱に入れられないだけ有り難く思うべきです。

次に韓国の元徴用工訴訟問題も腹が立ちます。そもそも当時彼らは日本人だった訳で、戦時中に強制徴用されても文句を言える筋合いではないのです。実際には朝鮮人が朝鮮人を斡旋して日本に送ったようで、強制性など微塵もありません。豊かな日本に出稼ぎに来ただけです。

この問題、日本政府の対応のまずさが今日まで問題を引きずり、返って悪化させてしまいました。お陰で民間に大損害が発生しています。口先だけでなく本当に毅然とした態度をとりましょうよ。河野君だけが頼りでは情けないです。胸くそが悪いです。

さて気を取り直し、今日は久々自動車の話題です。破綻しない米シリーズはお休みします。

Photo

米国の有力専門誌『コンシューマー・リポート』が発表した自動車ブランドの信頼調査で、日本の企業が上位を独占したという。共同通信が配信した記事を、今日の産経などが取り上げている。

 それによると、首位がトヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」、2位が「トヨタ」で前年の1、2位が入れ替わった。3位には「マツダ」が前年12位から急上昇、「スバル」も前年6位から4位にランクアップしている。

 このうち、マツダの急上昇については「ロードスター(日本名)などの評価が高かったためとしている。

 自動車ブランドの信頼度調査は、50万台超の車のデータを集め、性能や品質などを分析。日本勢では日産自動車の高級車ブランド「インフィニティ」も前年の7位から6位に上がったが、日産の「ニッサン」は14位、「ホンダ」は15位にランクを下げたそうだ。(RESPONSEから)

相変わらず日本車の信頼度が高いようですが、順位が前年と比較して、いつも大きく動く状況が気になります。車自体は1年くらいで大きく変わる筈がないので、その原因は何だろうと思わざるを得ません。調査された車が50万台超と、かなりな分母なので余計謎です。

しかしアメリカで調査されたというのにアメ車はフォードの18位が最高で、テスラに至ってはビリから3番目の27位、キャディラックは28位ですから高級車の名が泣きます。そして最下位は何と、日本ではジャーマンスリーに次ぐブランド力を持つボルボですから驚きました。

やはり生産地というのが効いているのかもしれません。アキュラ(ホンダの高級ブランド)、ホンダが13位、15位というのも現地生産が多いせいという分析もあるようです。最下位ボルボも高級車のS90など、一部が中国製らしいので頷けます。

因に日本に入って来るボルボも今後は中国製が増えて行くと言います。それが吉利汽車(中国資本)を受け入れたボルボ社の方針ですから確かです。金は出すがボルボの開発方針には口を出さないという事に対する謝意でしょうか。

Volvos900

(急に2ランクくらいグレードが上がった最近のボルボ PHOTOはS90)

ジャガー・ランドローバーが元気がいいのもタタ(インド)が金を出しても口は出さないからです。今後も素晴らしい高級車ラッシュの予感がします。さらに日欧FTAで優秀な日本製部品が格安で手に入りますから欧州の巻き返しが恐ろしい事になる事は避けられそうもありません。

とにかく今の日本車はデザインがダメ!

中国での販売台数ベスト10(17年度総販売台数2900万台)

1位 フォルクスワーゲン(独) 314万台
2位 ホンダ 142万台
3位 吉利汽車(中)125万台
4位 ビュイック(米)122万台
5位 トヨタ 114万台
6位 ニッサン 112万台
7位 長安汽車(中) 
8位 上汽通用五菱汽車(中)
9位 HARVAL (中)
10位 フォード(米)

話を少し戻します。モデル3の量産化に手間取って赤字を限りなく膨らませて来たテスラですが、ようやく軌道に乗ったようです。それも週に5000台生産と言いますから驚きです。年間だと26万台にもなります。これだと量産メーカーそのものです。

01_l

日本国内で言えばホンダのN-BOX(上)が22万台(17年)でトップですが、それより多く売ろうというのは、テスラが本格的な量産メーカーを目指しているからに他なりません。それにしてもEVだけで目指すというのは、かなり無謀と言えます。

頼みの綱、トランプさんだってEVに対する補助金打ち切りを言い出しているご時世です。もしそれが実現すればテスラのような新参者はひとたまりもありません。数年後にはそんなカステラあったの?と言われるのがオチです。

冗談はともかく、EVの存在価値を疑われかねないコンセプトの製品をどんどん出して来るところがアメリカらしいというか、深く考えていない証拠です。とにかくEVのネガを力技で克服しようと言うのですから呆れてしまいます。

航続距離が伸びない、あるいはバッテリーを積む事による重量増等のハンデを克服するため、さらにバッテリー量を増やして解決しようとしました。その結果は決してエコカーと呼べるものではなくなっています。

まず価格がバカ高いものになり、WELL TO WHEEL で見たCO2排出量に至っては小型ガソリン車にも劣る程です。EV生産の当初の目標、理想からは程遠いと言わざるを得ません。ニッチ狙いだからこそ生存空間が存在したのです。

少量生産のニッチなら世界の名だたる高級車メーカー並にはなれたかも知れないというのに、何をトチ狂ったかトヨタを目指したがために自らを存亡の危機に陥らせました。

日本車もアメ車だけには負けそうもありませんが、気がつくと欧州車の足音がすぐ背後に・・・グローバリズムの罠に嵌った日本車の未来はいかに。

 共感いただければクリックをお願いします。

| | コメント (3)

2018年10月25日 (木)

なぜアメリカは破綻しないのか(その3)

Photo     

---日米 FTA消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

ブログランキングに参加しています。

 サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏が、イスタンブールのサウジアラビア総領事館で遭難、暗殺?されたらしいという事で、トランプ政権にも激震が走っているようです。相手が中国ならポーズだけでも批難すれば体裁は整いますが、同盟国となるとそうはいきません。

しかも今回は世界の火薬庫と言われる中東です。今後の展開次第では米の対中東政策の根幹を揺るがす事態に発展しかねません。日本だって原油を抑えられている訳ですから生殺与奪の権を握られています。対岸の火事という訳にはいかないのです。

ニュースを見ているとそういう感じがしないでもないのですが、ニュースそのものの信憑性に関してはどうでしょうか。洋の東西を問わず、100%信用する訳にはいかないのが悩ましいところです。

Gn2018072708_2

(石油に関して日本は過度に中東諸国に依存している。米を敵に回せない理由と言える。)

と言っても今日はそこを掘り下げる気はありません。王に権力が集中する絶対君主国家では、そんな事は日常茶飯事だからです。なぜかトルコが証拠を握っているようで今回の件は明るみに出ていますが、反体制派が闇から闇へ葬り去られるのはよくある事です。親兄弟でさえ油断が出来ません。

しかしこうして見ると、世界には民主主義でない国が多い事に気がつきます。人のいい日本人は世界の人々は皆自分たちと同じように個人の権利が守られているなどと錯覚していますが、実は日本のような個人の権利が公共の福祉より優先される国は希な存在なのです。だから左翼や在日外国人がのさばります。

ともあれ、平和ボケ日本人は国内旅行感覚で無防備にもどこへでも出かけて行きますが、実はパスポートで守られている筈の旅行者の権利なんて相手の気分次第で何とでもなるのです。ありもしないスパイ容疑で逮捕なんて朝飯前の国がめじろ押しです。それを知ったら怖くてとても海外旅行なんて出来ません。

近くで国交のある国の中では中国、ここは共産党の一党独裁ですから王制の国と大して変わりません。当局の思惑次第で国民はもちろん、外国人にだって害は及ぶのです。次に韓国、この絶対的反日国は、表向きは民主主義(法治国家)を標榜していますが、裁判の判決などを見ても明らかな人治国家です。

政策次第で国際的な約束事を反古にし、簡単に国民の感情に忖度します。法はTPOで変えられるものとでも思っているようです。(笑)国際法でさえ自分たちに都合のいい解釈をします。しかもその傾向はどんどんエスカレートしているのです。正に恫喝国家、ヤクザ国家です。

次に近いロシア、聞くだけで寒気がします。寒い国だからではありませんよ。心が寒いのです。特に日本人は近年酷い目に遭わされ続けて来ました。今でも北方四島を不法占拠して悪びれる素振りは微塵もありません。

Photo

(ザギトワとまさる、日本は外人によくサービスするが、逆は聞いた事がない。パンダなんてレンタル料が1年1億円! 秋田犬だって1千万円くらいの価値はあるだろう?)

芯からの悪党で嘘つきの国です。性根が腐っているのでしょうね。全く行きたいなどと思いません。。女性の美しさにはたまにクラっとする事はありますが、騙されませんよ。(笑)

比較的温和な人が多いと思われる東南アジアだって怪しいものです。王制以外の国でも信用は出来ません。トップが変わるとどうなるか予測も出来ない国が多いのです。そこを読み違えると大変な事になりかねないのですが、日本人は気にせず出かけて行きます。少なくとも親日国かどうかくらいは見極めてから行って欲しいものです。

結局まともなのは日本と一部のEU諸国(?)くらいで、後はとにかく安定感がありません。えっアメリカもあるだろうって、いえいえいえ、実はそこが一番恐ろしい。(笑)自由で人権が守られていると思わせていますが、本当は狡猾なだけです。私に言わせれば人の仮面を被った悪魔が統治する国です。人権なんて風の前の塵に同じと言えます。

人種差別も表向きはない事になっていますが、厳然と残っていると言わざるを得ません。黒人に対するポリスの態度やアラブ人への謂れなき嫌疑、それだけでなく東洋人、日本人に対する差別も明らかです。トヨタ車の欠陥騒ぎ、タカタのシートベルト不具合等、原因が特定される前に公表、犯人扱いにしているのはどういう事でしょうか。

一方の白人国VW排ガス偽装に対しては当局が3年もの時間を費やして証拠固めをしたのとは対照的です。その他、自動車に関して日本メーカーは幾度となく難癖を付けられ虐められました。セクハラ訴訟なども織りまぜ、罰金も払い放題です。これらは、どう見ても法治国家としてあるまじき振る舞いと言えます。

さて、前置きが長くなりましたが、ここから本題に入ります。例によって汚い手を使いまくって第二次大戦に勝利し、世界の覇権を握ってから束の間の繁栄を謳歌した米ですが、60年代には怪しくなります。製造業が得意な日本やドイツの台頭でドルの実質的価値が下がって来たのです。

そこで覇権を守るために色々画策する事になるのですが、ブレトンウッズ体制のままでは保ちません。まず米人の旺盛な消費(輸入)等によって金の流出が止まらない金本位制を廃止する必要に迫られます。ニクソンが諸外国相手にとった政策はドルと金の交換の拒否です。(ニクソンショック)

Dollaryenlongchart19712015

(変動相場制移行後のドル円レート推移、固定のままだと日本が米に代わって覇権を握っていた。少なくとも経済では。)

次いで為替の固定相場制を変動相場制へ移行させます。しかしこれだけでは底なしのドル安になる恐れがあります。そこで念には念を入れてあの手この手で日本叩きを加速させました。さらに、それだけでは心許ないので、二重三重の安全策を講じます。ドルの価値を保証するもの、つまり金に代わるものを見つけ出さなければならなかったのです。

もうお分かりでしょうが、金に変わる価値を有するもので簡単には枯渇しないもの、それは石油です。石油取引を全てドル建てとする、つまりドルと石油をリンクさせる事で覇権の維持を狙った、つまり石油本位制の確立です。そのアイデアはよかったのではないでしょうか。

米にとっては、CIAなどを使って亊あるごとに危機を演出し原油価格を高騰させ米ドルの価値を維持するのはそう難しい事ではありません。そのためにお仲間であるイスラエルとの連携も重要です。中東でしょっちゅういざこざがあるのはそのためです。平和では困るのです。

それらの代償として中東諸国の王制維持を認めたと考えると辻褄が合って来ます。当時米は赤化を恐れ、世界中を民主化する大事業に取り組んでいましたから特別待遇です。それが件のジャーナリスト殺害事件の根底にあります。だからトランプさんもサウジに対して強く言えないのでしょう。

米を拠点とする国際金融資本も石油では荒稼ぎをしました。つまり中東は米にとっては覇権を守る最後の砦であり金ずるでもあったのです。また長くなりました。この続きは次回となります。

 共感いただければクリックをお願いします。

| | コメント (3)

2018年10月22日 (月)

アメリカはなぜ破綻しないのか(その2)

Photo     

---日米 FTA消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

ブログランキングに参加しています。

世界経済フォーラム(WEF)が10月17日に発表した「国際競争力レポート」で、日本の総合順位は前年より3つ上がり、5位になったことがわかった。分野別では「ヘルス」で1位、「イノベーション力」で6位に付けている。

Photo

各国の総合ランキングでは、米国が85・6ポイントで10年ぶりに首位に返り咲いた。世界の平均スコアを25ポイント以上、上回っている。2位以下は、シンガポール、ドイツ、スイスと続く。(時事通信)

何を根拠にランクを付けているのか、今一分かり難いのですが、私に言わせてもらえばチャンチャラ可笑しい。そんなややこしい事をしなくても国 としての競争力が一番分かるのは何と言っても為替です。米ドルに対してここまで高くなった(優位に立った)通貨が円以外、他にありますか?

ある訳ないじゃないですか。という事は世界一競争力がある事になるのです。国際競争力のない国の通貨が一時的にせよ米ドルの5倍の価値を持つ筈があ りません。いい加減に、こういうまやかしに右往左往するのはやめて欲しいです。シンガポールが2位・・・言葉がありません。寝言は寝てから言えってなもんです。たいがいにしときや。(笑)

日本人は基本的に権威ものには弱いのですが、頭に「世界」(グローバル)や「ノーベル」あるいは「国連」などが付くと何でも権威があると盲目的に信じてしまいます。白人エリートが自分達の都合のいいように色々画策しているだけです。

さて、アメリカの話をするつもりが色々脱線していますが、脱線ついでにもう一つ、対外純資産の話をします。

財務省が25日公表した2017年末の対外資産・負債残高によると、日本は27年連続で世界最大の債権国の座を維持した。日本企業が海外で「稼ぐ力」を着実に強化してきた表れである一方、投資先としての日本の魅力が乏しいことも示している。

 政府や企業、個人が海外に保有する対外資産残高は前年末比2.7%増の1012兆4310億円と、初めて1000兆円の大台を突破した。海外勢の対日投 資を示す対外負債残高は5.2%増の683兆9840億円。この結果、資産から負債を差し引いた対外純資産残高は2.3%減の328兆4470億円だっ た。

 対外資産の増加は、企業の合併・買収(M&A)や現地工場建設を海外で積極化している日本企業の戦略がある。海外直接投資残高は174兆6990億円、 このうち対米投資は55兆4000億円で、いずれも過去最高を更新した。また年金や銀行・証券など機関投資家のマネーは、国内の低金利を嫌って、海外株 式・債券に向かった。

 半面、国際的に見れば、対日直接投資は依然として低水準が続く。外国企業が日本への投資に及び腰なのは、「成長が期待できる第三国の方が(低成長が続 く)日本よりも魅力的に映ってしまう」(財務省国際局)ためだ。世界最大の債務国である米国は、裏を返せば、それだけ米国が投資先として魅力的であること を示す。

20180525j02w380

この記事は突っ込みどころ満載です。まともなのは「世界最大の債務国である米国は、裏を返せば、それだけ米国が投資先として魅力的であること を示す。」このフレーズくらいでしょうか。

まず、日本が投資先として魅力が乏しいというのは誤解を与えます。魅力はあるのです。何と言っても世界3位の経済大国ですから、その分市場規模が大きい訳です。ではなぜ直接投資をしないのかと言えば、いえいえちゃんとしているのです。

投資はしたけど商売が上手くいかないので撤退した結果が今の状態という訳です。韓国の現代自も鳴り物入りで上陸して来ましたが、さっぱり売れずに10年程で撤退しました。そういう例が後を絶ちません。

なぜかと言うと、いくら安く売っても国産品には勝てないからです。現代自などは同クラスを3分の2の価格で売っていました。V6、3リッターのクラウンクラスが300万円もしなかったのです。

F598344972

(ヒュンダイ・グレンジャーXG 堂々たるボディに個性的なデザイン、日本市場での目玉商品だったが、今一人気が出なかった)

この事実は裏を返せば日本製品に国際競争力があるから、という事になりませんか(?)世界中に日本製品が溢れかえると困る国が多いので為替が変動相場制に変更され、さらにプラザ合意で超円高を呑まされたのです。(円高はペナリティ)

次に日本が海外に保有する対外資産が1012兆円との事ですが、この言い方だと日本人が海外に何か具体的な、例えば不動産などの資産をその分持っているように聞こえます。もちろん実際にも持ってはいるのですが、それが1012兆円だという事にはなりません。

そもそも対外資産とは日本が持つ外貨建て金融資産の事です。従って海外(現地)に保有するとは限りません。反対に対外負債とは外国が持つ円資産の事です。それが684兆円で、差し引きの対外純資産が328兆円になり、27年もの間世界一の座を維持しているという訳です。ところがこれは経常収支の黒字の累積額と一致します。

もっと正確に言うと対外純資産とは経常収支プラス キャピタルゲイン・ロスの累積という事になり、円安で経常黒字が続いているにも関わらず対外純資産が3年連続で減っているのは株で莫大なお金を海外投資家に献上しているからに他なりません。経常収支の累積額より91兆円も対外純資産が少ないのはそのせいです。そういう意味では稼ぐ力は決して強くありません。

つまり折角真面目に働いて稼いでも、日本人投資家を通し巨額のお金が海外へ毎年流れているという事で、喜んでばかりはいられないのです。(笑)自分だけは負けていないと豪語するあなた、時間の問題です。インサイダー取引まがいの事を平気でやる連中には勝てません。

話が横道にそれましたが、では経常収支以外の対外投資の累積の数字(金融収支の残高)はどこに表れるのかと言うと、本文中直接投資残高は174兆円と書いています。他には証券投資が463兆円、外貨準備142兆円となり、その他が200兆円ちょっとという訳です。表向きの計算上はそうなります。

トータルで1012兆円は経常収支の黒字累積額を含む数字となります。要するに経常収支黒字で得た外貨は何らかの形で投資に廻ったり、あるいはその他200兆円の中に含まれるのです。

国際収支で言うと、経常収支以外、つまり金融収支はプラスマイナスゼロなので、対外資産と対外負債の差は常に経常収支 + キャピタルゲイン・ロスの数字に帰結する訳です。その直接投資等で得た外貨(利益)は所得収支に表れ結果として経常収支に反映されます。

対外投資(直接)ではっきり言える事は、対外直接投資の売り上げがフランス一国のGDP程もあるという事と、対外投資は外国による対内投資との間で収支はゼロ、行って来いの関係だという事、つまり、いくら海外に投資しようが、そのために対外純資産が増える事はありません。そこを勘違いすると上のような記事になります。

さて、その国際収支、日本と違って米の場合株式投資では絶対に儲けるので(笑)財政以外で対外負債が増える要因は貿易だけという事になります。だからトランプさんは巨額の貿易赤字に神経質になり焦っているのです。実は彼の場合、極度の経済音痴で間違った認識から中国叩きをしているのですが、それは日本の為には悪くありません。(笑)

Fxforum

(経常収支の累積額と対外純負債との差が2.9兆ドルもあるアメリカ、株で稼ぐのが大得意と見える。そんな国とまともに稼ぎっこするだけアホらしい)

米は長年双子の赤字に悩まされて来ました。貿易赤字と財政赤字です。両方とも通貨安圧力がかかります。逆に経常収支の内でも所得収支は日本以上の黒字です。昨年のデータでは日本の20兆円に対し22兆円もあると言います。

対外資産より対外負債がはるかに多いというのに不思議です。さらに所得収支には株取引などで得たきゃプタルゲインは含みません。余程効率のいい直接投資をしている事になります。

しかしトータル(国際収支)で見れば毎年大赤字を垂れ流しているので、その分を何とかしなければ増々通貨安になり、基軸通貨としての神通力を失う事になりかねません。それでも別に破綻する訳ではなく、ドルさえ刷れば最悪の事態は避けられます。

しかし世界での覇権だけは守りたい、そこで米がとった手段は二位の国を押さえつける事でした。常に二位の国を押さえつけてさえいれば、少々借金が増え ようが安泰という訳です。

最近中国が貿易摩擦などで槍玉に挙がっているのは、その考え方で、ようやく二位として認識し始めたのではないでしょうか。そこで思い出して下さい。日米の摩擦がどれだけあったか、数えきれない程です。以下コトバンクからの抜粋

1960年代末から 70年代初めにかけての日米繊維交渉以来,今日まで日米間の貿易収支の不均衡が政治問題化するようになり,いわゆる日米経済摩擦あるいは通商摩擦と呼ばれるようになった。

カラーテレビ,鉄鋼,牛肉・オレンジ,自動車などの問題を経て,近年は単に貿易にとどまらず金融市場,ハイテク,土木・建設市場,原子力,電気通信市場,投資,コメの輸入自由化などから,政府調達,規制緩和,自動車・部品まで多方面で顕在化している。

またハイテク安全保障論,食糧安全保障論などのように,防衛・安全保障問題にまで連関させて論じられるのが特徴で,さらには個別分野における日本市場への参入の度合を測る「客観基準」の導入なども要求している。

年次改革要望書などの内政干渉で、これらを片っ端から飲んだのが日本政府や当時の通産省です。さらにプラザ合意では大幅円高を受け入れました。これで一位を脅かせるかと言うと・・実は未だ脅かしているのが実態です。(笑)少なくとも米はそう思っているでしょう。だから内政干渉や不当な圧力は緩みません。当分の間は続く事になります。

今日もアメリカの話が少しだけになりましたが、また次回に続きます。

 共感いただければクリックをお願いします。

| | コメント (1)

2018年10月18日 (木)

アメリカはなぜ破綻しないのか(その1)

Photo     

---日米 FTA消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

ブログランキングに参加しています。

今日は一部の方お待ちかねの、アメリカはなぜあれ程までにドルを刷りまくって貿易赤字や財政赤字に補填しても破綻しないのかという話をします。例によって素人の独断と偏見に満ちた記事である事はご了承いただきたいと思います。

その前に前回の記事でマネタリーベースに関する質問がありましたので、そちらから始めます。マネタリーベースとはご存知のように、日銀内に市中銀行らが持つ当座預金残高プラス日銀券発行残高の事を指します。

日銀券は当座預金残高と交換する形で発行され、また銀行からの貸出しの根拠となる当座預金残高は、お金のベースという意味でマネタリーベースという名が付いている訳です。マネタリーベースはまたの名をハイパワードマネーとも言います。お金の中でも最も力があるからです。

一方のマネーストックとは国民(非金融企業含む)が金融機関に預けている預金残高=借入金残高プラス政府負債の事で、ここを使って買い物をしたり、企業の場合は給料を払ったり、また設備投資をしたりします。

さてその当座預金ですが、表向きは銀行など日銀に当座預金口座を持つ金融機関が企業や一般庶民から預かる預金の一部を預けなければならない事になっています。と言うと義務のような感じですが、ところが実際はそういうニュアンスではありません。

例えば我々が支払をする時、現金払い以外は銀行振込で支払う事が多いと思われますが、その決済は全て日銀当座預金を通して行われるのです。例えばA銀行の預金者がB銀行に口座を持つ業者から、スーツを買ったとします。

その場合、A銀行の預金が減る事までは誰もが理解出来ます。ところが、そのお金が直接B銀行に行く訳ではないのです。我々が預金している銀行の預金残高は銀行にとって、単なる借金の記録に過ぎません。

実際に動くのは当座預金残高の方なのです。すなわちA銀行の当座預金残高が減ってB銀行の当座預金口座に移動する、つまりB銀行の当座預金残高が増える訳です。もちろんスーツを売った人のB銀行での預金残高も増える事になります。

従ってこの場合日本全体で見たとき、当座預金残高と預金残高両方とも増えも減りもしません。当座預金残高が増減するのは日銀と各銀行間での貸し出しや利払いなどを除いて、国債等の有価証券を日銀が売買した時に限ります。

よく当座預金残高が減らないのは融資が増えていない証拠だ、などと訳知り顔で言う人がテレビに出るエコノミストにもいますが、大きな間違いです。融資と当座預金残高は直接関係ありません。

次に融資を受けた人がその銀行に返済する場合を考えます。その場合はその人の預金残高(銀行の負債)と銀行の貸し出し残高(銀行の資産)が同額減る 事になり、この場合も当座預金残高は増減しません。お金を返済したのだから銀行の現金資産は増えた筈だと考えがちですが、実は何も増えないのです。

Bs

(金融機関の資産は国民の資産とほぼイコールである。単位兆円)

銀行の資産とは大雑把に言って当座預金残高と保有する国債などの有価証券、貸出残高という構成になります。負債は国民や企業からの預金残高で、資産マイナス負債が銀行の純資産となり負債の側に記録されるという訳です。

これで日銀当座預金の性質がお分かりいただけたでしょうか。簡単に言えば、国がマネタリーベースを増やしたい時や公共投資などで国民に直接お金を渡したい時に利用するのが日銀当座預金口座で、逆に国債などを売ってお金を吸い上げる時にもそこを利用するという訳です。

と言っても先ほども言いましたように、そこから直接お金を引き出す訳ではありません。銀行間で移動させたり、あるいはその資金を根拠にして銀行が、 新たにお金を創出するのです。だから不正融資が後を絶たないのかもしれません。身銭を切っている感覚がないので簡単に貸し出せるのでしょうか。

さて、大変遅くなりましたがアメリカの話に移ります。米国の中央銀行はご存知FRBです。米ドルを刷って米政府が発行する米国債と交換します。直接 引き受けが出来るのでFRBの米国債保有残高は3兆ドル近くにもなるようです。ここまでは直接か間接かの違いを除けば日本と同じようなシステムに見えま す。

日本の場合は政府が国債を刷って、それを間接的に日銀に買わせてお金を創ります。そのお金は日本銀行券です。一万円札にははっきりそう書かれています。つまりれっきとしたお金です。ところがドルの場合はお金とは書かれていません。

1usd

(1ドル紙幣の一番上にFederal Reserve Noteと書かれている)

Federal Reserve Note と印刷されているのです。つまり無利子の小口国債と言えるものが米ドルの正体なのです。大口国債を小口国債と交換して利息という利益を得るのが米の金融シ ステムの根幹で、FRBやニューヨーク連銀等12の民間銀行がその権利を持っています。なぜそういう事をするのかと言えば、民間銀行がお金を印刷する事が 法律で禁じられているからです。

という事はFRBも??そうです。恐ろしい事に民間の機関なのです。つまり民間銀行が米国のお金と思われているドルを産み出しているのです。それが意味するのは、米国が赤字になればなる程ドルが必要となるので、銀行が儲かるという事です。

そのシステムを改革しようとした大統領は皆暗殺されたという説がありますが、それが事実かどうかは一日本人デザイナーに過ぎない私には知る由もありません。トランプさん?米の赤字を無くすために躍起になっています。

貿易問題だけでなく、FRBは自身にとって最大の脅威とまで言っているのですが、どういう意味なんでしょうか?敵を作らなければいいのですが・・中国にも狙われるかも知れないし、危ない橋を渡っているように見えます。

しかし一説によるとトランプさんには強力な後ろ盾が付いているいるとも言われています。何と言っても家族揃ってイスラエルの大ファンですから、そちら方面からの支持は絶大なのです。

安倍首相が大好きな娘のイヴァンカさんの夫クシュナー氏もユダヤ人大富豪だそうです。政権に入り大統領の上級顧問として活躍しているようですが、FBIから睨まれていると言います。こうなるとユダヤ人同士の縄張り争いでしょうか?

このブログで陰謀論を展開するつもりは全くありませんが、アメリカに関してはどうもキナ臭い香りが漂って来ます。また長くなりました。続きは次回にさせて下さい。

 共感いただければクリックをお願いします。

| | コメント (5)

2018年10月14日 (日)

果たしてタコは、自らの足を食って成長するのだろうか?

Photo     

---日米 FTA消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

ブログランキングに参加しています。

 前回の記事に対する反応としては説明の下手さも手伝って、やはり分かり難いというコメントがありました。それはそうでしょう。あれを読んだだけで金融の仕組みを全て理解したなら天才と言うしかありません。専門家でもなく、家計の論理で生活されている一般の人にとっては、分からなくて当然です。

私も最初は全く理解出来ませんでした。政府には莫大な借金があって、その内破綻するのだと信じていたのです。リーマンショック後に色々調べて徐々に理解度を深めたのですが、今日に至るまでには本を買ったり経済ブログを読みあさったりして多くの時間を費やしました。

しかしながら経済学というのは本当に難しいようで、テレビに出て来るような有名エコノミストでさえ怪しい人は五万といます。いや、むしろテレビに出ない人の方に正しい経済論を言っている人が多いさえ言えるのです。日本の七不思議です。

今日は前回に続き、そのあたりの話を追加でします。我々庶民は例外なくお金が好きです。いや大好きと言った方がいいでしょう。これが沢山あると文字通りリッチな気分になり精神的にも安定します。下手な精神安定剤より効き目があるのですから万能薬です。

さらにこれを巡って払う払わないで大騒動に発展したりします。中には人を殺してまで奪う人がいるのですから、もの凄い価値だと言わざるを得ません。ところがそれを発行する政府からすると、たかだか何枚かの紙っ切れの事で何を庶民は騒いでいるのかという事になります。

政府という存在に人格があって、それが身勝手な独裁者でなく庶民思いの篤志家であれば、そんなものは欲しけりゃなんぼ刷ってやるわい。てな事にもなり得るのです。そういう点で言えば、緊縮財政を進める現政府は独裁者系と言った方がいいかも知れません。決して庶民の味方とは言い難いです。

20181012_123433

(美しい金のインゴット、金本位制の時代には、お金が減る、消えるという概念はなかった)

金本位制の時代と違って、今はさしたる根拠なくいくらでも刷れるのですからケチる理由が分かりません。ではなぜバンバン刷って庶民に配らないのかというと、庶民が堕落する事を恐れるからです。お金だけあって働かなくなると国が保ちません。それこそハイパーインフレになり最後は対外負債が膨らんでデフォルトするのがオチです。

つまり、政府は庶民が堕落するちょっと手前までお金を配るのが腕の見せ所なのですが、そういう点で言えば今はかなり足りない気がします。庶民が真面目に働いている証拠にデフレになっているではありませんか。そのデフレ分が政府の無能さを示す指標なのです。

しかし政府はそれを認めたがりません。やれ生産性が諸外国より低いとか人口が減ったせいとか、適当な嘘をでっち上げてまで、我々庶民のせいにしようとします。挙げ句の果ては緊縮財政や消費税アップを平気でぶち上げて、国民は大人しく受け入れろという威丈高な態度で接して来るのです。マクロ経済が今一分かっていない国民は、やむなく受け入れてしまいます。いわゆる泣き寝入りですね。

その政府が作るお金ですが、今は政府自身が勝手に増やして自分の懐に入れないように歯止めがかかっています。増やすためには国債という将来のお金を発行するしかありません。政府は、歳入不足の場合、国債発行で国民のお金を吸い上げて歳出に使います。という事は吸い上げたお金は全て国民の元に戻って来るのですが、それだけでは国民のお金は増えません。

ではどうやって増やすのかと言えば、日銀が企業や庶民の持っている発行済みの国債を買い上げるのです。金融緩和ですね。日銀は銀行を通し国民が持つ国債を買ってその銀行が日銀に持つ当座預金残口座の残高を増やします。その資金がどこから来るのかという質問をよく受けますが、空中からとでも言っておきましょう。

国債という資産が日銀に移る代わりに円という負債を銀行が持つ日銀当座預金に振り込むのです。と言っても印字するだけです。将来のお金である国債が根拠ですから、それで何も問題がありません。日銀のバランスシートが膨らむ(資産と負債が同額増える)だけです。という事は間接的にはなりますが、政府はお金を刷って国民の側に渡している事になるのです。

問題はその折角増やしたお金が我々庶民の懷には来ない事です。銀行は手持ちの有価証券を減らして現金(当座預金残高)を多く持つだけで、その現金を積極的に貸そうという事にはなりません。なぜならBIS規制や、それを基にした金融検査マニュアル等の足枷があるからです。

庶民のお金というのは、今の日本では企業や個人が金融機関から借りる事でしか増やせません。誰かが借金をしないと使えるお金は増えないのです。ここを理解していない人が多いので借金を嫌うのです。住宅ローンなど負担でしかない借金は返済してしまってスッキリしたいというのは人情ですが、返済イコール日本人が使えるお金の減少なのです。

マクロ経済ではそういう事になります。お金という亡霊は日本人全体の借り入れ残高を維持しない限り消えて行く宿命なのです。日本人全員が全ての借金を返済し終わったなら日本人の使えるお金はゼロになります。もちろん金融機関も存在がゼロになるのですから恐ろしい話ではないでしょうか。働けど働けど我が暮らし楽にならず、の実践です。

C291eedb

(実はタコは人懐っこいらしい。人間は天敵とも知らずにたわむれるタコ)

という事はもうお分かりでしょうが、政府が庶民から徴税でお金を取り上げて政府の借金を返すなどという事は、タコが自分の足を食うようなもので、いかにバカげているかが分かります。

全部食ったなら動けなくなってお終いです。そんなバカな事をする訳がないし、また前回も言いましたように、物理的にも出来ないのですが、今の政府を見ていると本当にこういう原理的な事が分かっているのか、不安になります。

銀行だって同じです。中小企業に融資した資金に対し、いきなり全額返済を迫るなどという話をよく聞きます。これは明らかにタコ足物語です。返済されたお金は融資残高という銀行の資産と帳消しになるだけで銀行の資産は増えません。

日本全体で見ればマネタリーベースの残高は変化しませんが、預金(負債)と貸し付け残高(資産)が減って銀行全体のバランスシートが縮小します。従って貸し剥がしは自分の首を絞めるだけなのです。ミクロしか見ない愚かな行為ですが、各種規制がそういう事態に追い込んでいきます。

逆に追い貸ししていけば倒産も減り国全体が経済成長して庶民は豊かになります。どこかの銀行のように、不正融資をするのは論外ですが、ある程度信用調査をして担保もあるなら貸し剥がしは論外と言うしかありません。もちろんそれでも倒産する企業はありますが、成長がそのマイナス分を埋める事は明らかです。

政府はその銀行や庶民の足を引っ張らない政策を時代に即応する形で打ち出さなければいけないのですが、どこかの国から干渉を受けて銀行や庶民の手足をどんどん縛っているのが日本の実情です。

 

 共感いただければクリックをお願いします

| | コメント (1)

2018年10月10日 (水)

平然と嘘がつける電波芸者

Photo     

---日米 FTA消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

ブログランキングに参加しています。

 昨日のWBSに落合陽一というユニークな青年?が出ていました。その態度は不遜で、どうひいき目に見ても突っ張った偏屈者(失礼)なのですが、言う事はまともです。特に人口減少と高齢化は日本のテクノロジーを進化させるチャンスだというフレーズはテレビでは新鮮でした。

さらに高齢者、特にホワイトカラーは活用すべきというのも的を射てるというか、実に正論です。日本は高齢者の使い方が下手です。退職後の高齢者を安く使おうという時点で論外なのですが、長引くデフレが経営者のマインドまで貧しくしているようです。

ところがこの青年、経済に関しては疎いようで、政治家になったら何をしたいかという視聴者からの質問に対しては煮え切りません。社会保障問題に手をつけたいと言いながら、背に腹は替えられないと言い出す始末です。もちろん背に腹は替えられない、というのは財政問題を指すものと思われます。

このように日本には優れた考えをもつ若者も少なくないと思われますが、マクロ経済までは理解が及びません。実はそこが肝なのです。日本中に渦巻いている緊縮財政論が全ての元凶になっています。何をやるにも資金がなければどうにもなりませんから、そこで話は終わってしまうのです。もったいない話ではないでしょうか。

その財政の問題に関して、また池上彰がやらかしてくれたようです。私は観ていなかったのですが、カミさんによると、あるテレビ番組で「国の借金は国民の預金でチャラに出来る」というような事を言ったそうです。

Db69c020723abeaa66d74f41a291b8d6_co

(某番組では政権批判のために子供を使ってやらせをさせたのではないかという疑惑が持ち上がっている。どうもこのところ評判が芳しくない池上氏)

この方は一見まともで話も上手く、インテリ然としているので騙されますが、テレビ局によって、あるいは時と共に言う事がコロコロ変わります。全く信用ならないのです。今回の発言は正に暴論です。日本国民としては看過する訳にはいきません。

第一そんな事が出来る訳がないのです。それは技術的にという事でも、国民感情に配慮して、などというような事でもなく、物理的に不可能なのです。それを今日は説明します。小難しい専門的な話ではなく、大人の常識論として読んでいただけると幸いです。

言うまでもなくお金は一般国民には作れません。それが出来るのは政府だけです。あるいはその政府から権限を委譲された政府系金融機関、お馴染みの日銀です。その日銀に当座預金口座を持つ金融機関も、日銀券は刷れませんが、お金を創出する事が出来ます。

いわゆる信用創造というやつですが、国民にお金を貸し出す事によってお金を増やす事が可能です。その限度は、その金融機関が日銀に持っている当座預金残高の70~1000倍近くにもなるのです。預金準備率がそれを決定します。それはどの国でも基本的には同じです。

日本の預金準備率は極端に低く0.1~1.3%(預金の種類や額によって差がある)ですが、例えば中国などは20%を越します。それは金融引き締めをしているという事になるのです。そういう点で言えば日本は全く引き締めていません。ただ、別の形で引き締めているのですが、それを言い出すと長くなりますので今日は割愛します。

つまり銀行は日銀当座預金残高を根拠にお金を貸すのです。技術的にはその金融機関が持っている資金以上のものが貸し出せる仕組みです。それは返済によって消えて行き、返済が終了した暁には資産も負債もゼロになります。

という事は政府や日銀が保有国債を売らない限りにおいて、消えないのは当座預金残高だけという事になり、それと日銀券発行残高がその国が持っている全てのお金という事になるのです。100円玉等の政府が発行する硬貨は額が小さいので省略します。

今日本には当座預金残高が400兆円程、日銀券発行残高が100兆円程あります。すなわち500兆円が持っている正味のお金という訳です。これは決して多ければいい、少なければ悪いというものではありません。その国の経済に適した量があればいいのであって、多ければいいのはGDPだけです。これだけが豊かさを示すからです。

さて、そこで件の池上氏の話に戻ります。日本政府が1000兆円以上ある借金を返済するためには国民の金融資産を召し上げればいい、という事ですが、国民の総預金残高であるマネーストックのM3 は1300兆円程あるので一件可能そうに見えます。

Ikegami2

(ここで言っている事は、事実を知りながら国民を煽動している(確信犯)とすれば反政府活動と解釈されても仕方がない)

しかし一斉にそれをやると銀行が対応出来ないのです。日本の金融機関全体で400兆円プラス日銀券100兆円、マイナス国民保有日銀券、しか持っていないのですから500兆円以上足りない事になり、出来る訳はありませんね。

難しいかも知れないので、もっと噛み砕いて説明します。例えば国民の誰かが100万円を政府に払うとしましょう。その場合その人の口座から100万円が減って、同時にその銀行の当座預金から100万円が減ります。

銀行の負債である銀行預金残高と資産である当座預金残高が同額減って釣り合うという訳です。で、その100万円は日銀内の政府の当座預金口座に移動する事になります。このやり方だと日本全体で400兆円払ったところで銀行の当座預金残高がゼロになりますから、それ以上は払えません。

しかもその場合は銀行から現金が消えますから、銀行そのものが取引不能になるのです。500兆円も持っている有価証券を売ればいいじゃないかと言われるかも知れませんが、そもそも、当座預金残高がゼロでは、どの金融機関も取引が出来ないのです。

例外として、唯一日銀だけが買う事が出来ますが、そんな事をしてまで限りなく現金を減らして行く意味があるとは思えません。日本全体がフリーズします。

池上さんの言っている事がいかに荒唐無稽かという事が分かりますね。いや池上氏は、そもそも金融の仕組みそのものが分かっていません。貸借対照表を見た事がないのでしょうか。資産の反対側には必ず負債があり、プラスマイナスでゼロになります。

という事は、政府がプラスになれば国民の側はマイナスです。それで国民が納得しますか?する訳がありませんね。(笑)また、そんな国はありません。(一部の独裁国等を除く)

だから今の、政府が大量に負債を増やして国民の側が大量に資産を持つという構図こそが正常で、何の問題もないのです。それにしても1000兆円は異常じゃないか、と言われるかも知れませんが、実は政府だって負債の反対側に資産を持ちます。

2018

     (日銀の貸借対照表/2018年3月期)

それは600兆円程あり、プラマイすれば400兆円程の赤字という事になるらしいのですが、その額以上の国債を日銀が保有(今は450兆円程)している事を忘れてはいけません。

日銀は政府の一機関ですから、政府が日銀に返済するのは妙な話です。民間企業なら連結決算でゼロにしてしまうでしょう。その程度のものです。つまり国の借金と言われているものの実態は、実は決算上は何も問題がないのです。増して将来世代の借金である訳がありません。負債の側だけを見て騒ぐなら、あの大トヨタだって問題になります。(笑)

しかも日本政府の場合は、借りている(国債発行)のは全て円ですから、例え決算書が大赤字だとしても政府は自らお金を刷って返済する事(法改正が必要)が出来るのです。だからIMFは日本の財政破綻リスクが世界で一番小さいと言っているのです。

これが海外からの借金なら話は違います。ギリシャや97年の韓国が返済に窮してデフォルト(破綻)しましたが、払える外貨がなければそういう事になりかねません。だから外貨(対外純資産)を潤沢に持つ日本に、中国でさえ通貨スワップをしてくれと泣きついて来る訳です。

ところで世界で一番借金(純債務)が多いのはアメリカですが、それなのにデフォルトもせず、経済が好調とは?どういう事なのでしょうか。その件はまた次回にでもやります。

 

 共感いただければクリックをお願いします

| | コメント (4)

2018年10月 7日 (日)

旭日旗が余程眩しいと見える魑魅魍魎共

Photo     

---日米 FTA消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

ブログランキングに参加しています。

 

【ロサンゼルス=住井亨介】米サンフランシスコ市の市長室は4日、大阪市の吉村洋文市長が姉妹都市提携を解消したことについてブリード市長の声明を公表した。

 声明は「1人の市長が、2都市の市民の関係を一方的に解消することはできない。サンフランシスコと大阪の姉妹都市関係は人々のつながりを通じてなお続いている」とした。

 サンフランシスコ市が慰安婦像などの寄贈を受け入れて公共物化したことをめぐり、大阪市との姉妹都市関係に亀裂が入ったことに関して、「サンフランシスコは両都市の絆が強まることを願っている」と表明した。

 その一方で、慰安婦像について「奴隷化と性的目的の人身売買の恐怖を強いられてきた全女性の苦しみを象徴するもの」と主張。「像によって忘れてはならない出来事と教訓を思い起こすことができる」と指摘した。(産経ニュース)

Photo

(世界中に嘘で塗り固めた慰安婦像を設置する韓国と、易々と嘘を受け入れる愚かな人達/恐らく買収か?)

大阪市長による大阪市とサンフランシスコ市の姉妹都市関係解消に関して喧々囂々と議論が巻き起こっています。サンフランシスコのブリード市長もコメントを発表しましたが、その内容のお粗末さには呆れるしかありません。

「奴隷化と性的目的の人身売買の恐怖を強いられてきた全女性の苦しみを象徴するもの」この文言そのものが世界中の国に対して言えるものです。奴隷化に関してはその最悪な例がアメリカ自身ではないですか。性が目的の人身売買も過去には世界中で行われて来ました。米も例外ではありません。

つまり人類全体の問題として反省するのなら、何も日本だけを悪者と決めつける政治的色彩が強い慰安婦像を受け入れる理由はありません。だから大阪市長やまともな日本人は怒っているのです。

日本は、そういう売春が合法の時代にあっても、慰安婦と言われる人達を、むしろ優遇してきた事実があります。日本人兵士よりはるかに高い収入があったのですから、その当時としては立派な合法ビジネスでした。

朝鮮人女衒による合法的とは言えない人身売買的行為はあったようですが、朝鮮総督府はそれを取り締まって来た事実があります。さらに官憲の80%以上が地元の朝鮮人です。という事はこの問題、実は朝鮮人同士の問題とも言えるのではないでしょうか。

そういう歴史的事実を知ってか知らずか、自国の人権に対する犯罪にはほおかむりして日本だけを責めるのですから、この米人市長、厚顔無恥にも程があります。おそらく韓国側からの何らかの利益供与があるのでしょう。そうとしか考えられません。

こういう薄汚い政治家こそ人類共通の敵です。胸クソ悪くなります。(笑)私は吉村大阪市長を断固支持します。こういう手合いには、それくらいやらないとダメ!!

参考

韓国人の対日無知に驚く ジェームズ・アワー米ヴァンダービルト大教授

防衛省は5日、韓国が11日に主催する国際観艦式への海上自衛隊の護衛艦派遣を見送ると発表した。韓国側にも、外交ルートを通じて伝達した。韓国は自衛艦旗「旭日旗」の掲揚自粛を求めていたが、日本側は拒否。双方の要求が折り合わないことから、派遣見送りを決めた。’産経ニュース)

Plt1810050018p1

(ナチのハーケンクロイツと同列に扱うセンスが意味不明だ。日本は特定民族を絶滅させようとした事はない。むしろ助けた。)

続いてこちらもお騒がせ国の韓国発、急に旭日旗を忌み嫌うようになって何年になるのか知りませんが、どんどんエスカレートしています。そもそも韓国国民の感情に配慮せよと言いますが、嘘の歴史を教えて来た韓国政府側にこそ責任がある訳で、やるべきは旭日旗叩きではなく、自国民への正しい歴史教育です。

それは別に難しい事ではありません。韓国は昔日本であったという事実、それは当時の朝鮮側が望んで実現した訳です。日本側には反対の声も少なくなかったのですが、その代表格である伊藤博文を朝鮮人テロリストが暗殺した事によって合邦(アネクセーション)は実現しました。

それは米英も認める平和的併合で、日本側に何の落ち度もありません。よく朝鮮は日本の植民地だったと言う人が日本人政治家にもいますが、大きな間違いです。米英でさえそうは思っていません。

日本の統治には、植民地(コロナイゼーション)とは一線を画すアネクセーションという表現を用いています。同じ日本人として待遇したのですから、搾取一方で奴隷扱いの欧米植民地主義とは全く違うのです。

遡る事一世紀、日清戦争で清の冊封国であった朝鮮を独立させたまではよかったのですが、日露戦争後もフラフラする為政者(李氏朝鮮)を見て危機感を持った朝鮮最大政党である一進会と日本が結びつきヤンバンによる封建体制を崩壊させました。

1910年の事です。アジアの一等国民になれた朝鮮人民のメリットがいかに大きかったかは、こぞって日本名を名乗った事でも計り知れます。日本統治の35年間で人口も倍に増えました。

つまり旭日旗は朝鮮人から見ても自由(清からの独立と独裁者からの開放、また虐げられていた女性の解放)と正義の象徴(清やロシアと、自らの血を大量に流して戦った日本軍の軍旗)であった訳です。

すなわち、朝鮮人の人権問題に多大な貢献をしたのが日本という訳で、大戦後米によって、強引にその恩ある日本から引き離されたとは言え、日本に対して逆恨みするのはお門違いというものです。愚かしいにも程があります。これも胸くそ悪い。

しかし、よく考えれば日本政府の弱腰外交が、こういういかがわしい国を増長させるのであって、安倍政権が保守だなどとよく言えたものです。その煮え切らない態度はむしろ韓国寄りではないかと疑ってしまいます。

体裁上保守を標榜してはいますが、歴史問題や領土問題で譲歩に譲歩を重ねる姿勢は売国的でさえあり、とても支持出来るものではありません。無能な野党群がもっと売国奴なので、仕方なく容認しているだけです。

いずれにしても、創価学会が支持母体の公明党とくっついている限りまともな外交、政治は出来ません。日本の闇は深いです。。やれやれ。

 

 共感いただければクリックをお願いします

| | コメント (2)

« 2018年9月 | トップページ | 2018年11月 »