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2018年10月22日 (月)

アメリカはなぜ破綻しないのか(その2)

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---日米 FTA消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

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世界経済フォーラム(WEF)が10月17日に発表した「国際競争力レポート」で、日本の総合順位は前年より3つ上がり、5位になったことがわかった。分野別では「ヘルス」で1位、「イノベーション力」で6位に付けている。

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各国の総合ランキングでは、米国が85・6ポイントで10年ぶりに首位に返り咲いた。世界の平均スコアを25ポイント以上、上回っている。2位以下は、シンガポール、ドイツ、スイスと続く。(時事通信)

何を根拠にランクを付けているのか、今一分かり難いのですが、私に言わせてもらえばチャンチャラ可笑しい。そんなややこしい事をしなくても国 としての競争力が一番分かるのは何と言っても為替です。米ドルに対してここまで高くなった(優位に立った)通貨が円以外、他にありますか?

ある訳ないじゃないですか。という事は世界一競争力がある事になるのです。国際競争力のない国の通貨が一時的にせよ米ドルの5倍の価値を持つ筈があ りません。いい加減に、こういうまやかしに右往左往するのはやめて欲しいです。シンガポールが2位・・・言葉がありません。寝言は寝てから言えってなもんです。たいがいにしときや。(笑)

日本人は基本的に権威ものには弱いのですが、頭に「世界」(グローバル)や「ノーベル」あるいは「国連」などが付くと何でも権威があると盲目的に信じてしまいます。白人エリートが自分達の都合のいいように色々画策しているだけです。

さて、アメリカの話をするつもりが色々脱線していますが、脱線ついでにもう一つ、対外純資産の話をします。

財務省が25日公表した2017年末の対外資産・負債残高によると、日本は27年連続で世界最大の債権国の座を維持した。日本企業が海外で「稼ぐ力」を着実に強化してきた表れである一方、投資先としての日本の魅力が乏しいことも示している。

 政府や企業、個人が海外に保有する対外資産残高は前年末比2.7%増の1012兆4310億円と、初めて1000兆円の大台を突破した。海外勢の対日投 資を示す対外負債残高は5.2%増の683兆9840億円。この結果、資産から負債を差し引いた対外純資産残高は2.3%減の328兆4470億円だっ た。

 対外資産の増加は、企業の合併・買収(M&A)や現地工場建設を海外で積極化している日本企業の戦略がある。海外直接投資残高は174兆6990億円、 このうち対米投資は55兆4000億円で、いずれも過去最高を更新した。また年金や銀行・証券など機関投資家のマネーは、国内の低金利を嫌って、海外株 式・債券に向かった。

 半面、国際的に見れば、対日直接投資は依然として低水準が続く。外国企業が日本への投資に及び腰なのは、「成長が期待できる第三国の方が(低成長が続 く)日本よりも魅力的に映ってしまう」(財務省国際局)ためだ。世界最大の債務国である米国は、裏を返せば、それだけ米国が投資先として魅力的であること を示す。

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この記事は突っ込みどころ満載です。まともなのは「世界最大の債務国である米国は、裏を返せば、それだけ米国が投資先として魅力的であること を示す。」このフレーズくらいでしょうか。

まず、日本が投資先として魅力が乏しいというのは誤解を与えます。魅力はあるのです。何と言っても世界3位の経済大国ですから、その分市場規模が大きい訳です。ではなぜ直接投資をしないのかと言えば、いえいえちゃんとしているのです。

投資はしたけど商売が上手くいかないので撤退した結果が今の状態という訳です。韓国の現代自も鳴り物入りで上陸して来ましたが、さっぱり売れずに10年程で撤退しました。そういう例が後を絶ちません。

なぜかと言うと、いくら安く売っても国産品には勝てないからです。現代自などは同クラスを3分の2の価格で売っていました。V6、3リッターのクラウンクラスが300万円もしなかったのです。

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(ヒュンダイ・グレンジャーXG 堂々たるボディに個性的なデザイン、日本市場での目玉商品だったが、今一人気が出なかった)

この事実は裏を返せば日本製品に国際競争力があるから、という事になりませんか(?)世界中に日本製品が溢れかえると困る国が多いので為替が変動相場制に変更され、さらにプラザ合意で超円高を呑まされたのです。(円高はペナリティ)

次に日本が海外に保有する対外資産が1012兆円との事ですが、この言い方だと日本人が海外に何か具体的な、例えば不動産などの資産をその分持っているように聞こえます。もちろん実際にも持ってはいるのですが、それが1012兆円だという事にはなりません。

そもそも対外資産とは日本が持つ外貨建て金融資産の事です。従って海外(現地)に保有するとは限りません。反対に対外負債とは外国が持つ円資産の事です。それが684兆円で、差し引きの対外純資産が328兆円になり、27年もの間世界一の座を維持しているという訳です。ところがこれは経常収支の黒字の累積額と一致します。

もっと正確に言うと対外純資産とは経常収支プラス キャピタルゲイン・ロスの累積という事になり、円安で経常黒字が続いているにも関わらず対外純資産が3年連続で減っているのは株で莫大なお金を海外投資家に献上しているからに他なりません。経常収支の累積額より91兆円も対外純資産が少ないのはそのせいです。そういう意味では稼ぐ力は決して強くありません。

つまり折角真面目に働いて稼いでも、日本人投資家を通し巨額のお金が海外へ毎年流れているという事で、喜んでばかりはいられないのです。(笑)自分だけは負けていないと豪語するあなた、時間の問題です。インサイダー取引まがいの事を平気でやる連中には勝てません。

話が横道にそれましたが、では経常収支以外の対外投資の累積の数字(金融収支の残高)はどこに表れるのかと言うと、本文中直接投資残高は174兆円と書いています。他には証券投資が463兆円、外貨準備142兆円となり、その他が200兆円ちょっとという訳です。表向きの計算上はそうなります。

トータルで1012兆円は経常収支の黒字累積額を含む数字となります。要するに経常収支黒字で得た外貨は何らかの形で投資に廻ったり、あるいはその他200兆円の中に含まれるのです。

国際収支で言うと、経常収支以外、つまり金融収支はプラスマイナスゼロなので、対外資産と対外負債の差は常に経常収支 + キャピタルゲイン・ロスの数字に帰結する訳です。その直接投資等で得た外貨(利益)は所得収支に表れ結果として経常収支に反映されます。

対外投資(直接)ではっきり言える事は、対外直接投資の売り上げがフランス一国のGDP程もあるという事と、対外投資は外国による対内投資との間で収支はゼロ、行って来いの関係だという事、つまり、いくら海外に投資しようが、そのために対外純資産が増える事はありません。そこを勘違いすると上のような記事になります。

さて、その国際収支、日本と違って米の場合株式投資では絶対に儲けるので(笑)財政以外で対外負債が増える要因は貿易だけという事になります。だからトランプさんは巨額の貿易赤字に神経質になり焦っているのです。実は彼の場合、極度の経済音痴で間違った認識から中国叩きをしているのですが、それは日本の為には悪くありません。(笑)

Fxforum

(経常収支の累積額と対外純負債との差が2.9兆ドルもあるアメリカ、株で稼ぐのが大得意と見える。そんな国とまともに稼ぎっこするだけアホらしい)

米は長年双子の赤字に悩まされて来ました。貿易赤字と財政赤字です。両方とも通貨安圧力がかかります。逆に経常収支の内でも所得収支は日本以上の黒字です。昨年のデータでは日本の20兆円に対し22兆円もあると言います。

対外資産より対外負債がはるかに多いというのに不思議です。さらに所得収支には株取引などで得たきゃプタルゲインは含みません。余程効率のいい直接投資をしている事になります。

しかしトータル(国際収支)で見れば毎年大赤字を垂れ流しているので、その分を何とかしなければ増々通貨安になり、基軸通貨としての神通力を失う事になりかねません。それでも別に破綻する訳ではなく、ドルさえ刷れば最悪の事態は避けられます。

しかし世界での覇権だけは守りたい、そこで米がとった手段は二位の国を押さえつける事でした。常に二位の国を押さえつけてさえいれば、少々借金が増え ようが安泰という訳です。

最近中国が貿易摩擦などで槍玉に挙がっているのは、その考え方で、ようやく二位として認識し始めたのではないでしょうか。そこで思い出して下さい。日米の摩擦がどれだけあったか、数えきれない程です。以下コトバンクからの抜粋

1960年代末から 70年代初めにかけての日米繊維交渉以来,今日まで日米間の貿易収支の不均衡が政治問題化するようになり,いわゆる日米経済摩擦あるいは通商摩擦と呼ばれるようになった。

カラーテレビ,鉄鋼,牛肉・オレンジ,自動車などの問題を経て,近年は単に貿易にとどまらず金融市場,ハイテク,土木・建設市場,原子力,電気通信市場,投資,コメの輸入自由化などから,政府調達,規制緩和,自動車・部品まで多方面で顕在化している。

またハイテク安全保障論,食糧安全保障論などのように,防衛・安全保障問題にまで連関させて論じられるのが特徴で,さらには個別分野における日本市場への参入の度合を測る「客観基準」の導入なども要求している。

年次改革要望書などの内政干渉で、これらを片っ端から飲んだのが日本政府や当時の通産省です。さらにプラザ合意では大幅円高を受け入れました。これで一位を脅かせるかと言うと・・実は未だ脅かしているのが実態です。(笑)少なくとも米はそう思っているでしょう。だから内政干渉や不当な圧力は緩みません。当分の間は続く事になります。

今日もアメリカの話が少しだけになりましたが、また次回に続きます。

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コメント

やはり(ニヤリ)。

読み始めから二位は中国でしょ?と思っていましたが。当たりました。

内容についてはすんなりわかる部分と、経済用語の絡む内容にはもう少し読み込みと理解力が必要と言う感じです・・・。

内政干渉や圧力に関しては同感する事が多いですが・・・。今後の事を考えると、米国との連携や意思疎通も大事だが。中国との連携や意思疎通や交渉も重要で今後は、米に中国が成り代わる懸念はありそうな気がしています(感覚的な感想でヘンだったらスミマセン)。

投稿: nao | 2018年10月22日 (月) 20時57分

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