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2018年10月14日 (日)

果たしてタコは、自らの足を食って成長するのだろうか?

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---日米 FTA消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

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 前回の記事に対する反応としては説明の下手さも手伝って、やはり分かり難いというコメントがありました。それはそうでしょう。あれを読んだだけで金融の仕組みを全て理解したなら天才と言うしかありません。専門家でもなく、家計の論理で生活されている一般の人にとっては、分からなくて当然です。

私も最初は全く理解出来ませんでした。政府には莫大な借金があって、その内破綻するのだと信じていたのです。リーマンショック後に色々調べて徐々に理解度を深めたのですが、今日に至るまでには本を買ったり経済ブログを読みあさったりして多くの時間を費やしました。

しかしながら経済学というのは本当に難しいようで、テレビに出て来るような有名エコノミストでさえ怪しい人は五万といます。いや、むしろテレビに出ない人の方に正しい経済論を言っている人が多いさえ言えるのです。日本の七不思議です。

今日は前回に続き、そのあたりの話を追加でします。我々庶民は例外なくお金が好きです。いや大好きと言った方がいいでしょう。これが沢山あると文字通りリッチな気分になり精神的にも安定します。下手な精神安定剤より効き目があるのですから万能薬です。

さらにこれを巡って払う払わないで大騒動に発展したりします。中には人を殺してまで奪う人がいるのですから、もの凄い価値だと言わざるを得ません。ところがそれを発行する政府からすると、たかだか何枚かの紙っ切れの事で何を庶民は騒いでいるのかという事になります。

政府という存在に人格があって、それが身勝手な独裁者でなく庶民思いの篤志家であれば、そんなものは欲しけりゃなんぼ刷ってやるわい。てな事にもなり得るのです。そういう点で言えば、緊縮財政を進める現政府は独裁者系と言った方がいいかも知れません。決して庶民の味方とは言い難いです。

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(美しい金のインゴット、金本位制の時代には、お金が減る、消えるという概念はなかった)

金本位制の時代と違って、今はさしたる根拠なくいくらでも刷れるのですからケチる理由が分かりません。ではなぜバンバン刷って庶民に配らないのかというと、庶民が堕落する事を恐れるからです。お金だけあって働かなくなると国が保ちません。それこそハイパーインフレになり最後は対外負債が膨らんでデフォルトするのがオチです。

つまり、政府は庶民が堕落するちょっと手前までお金を配るのが腕の見せ所なのですが、そういう点で言えば今はかなり足りない気がします。庶民が真面目に働いている証拠にデフレになっているではありませんか。そのデフレ分が政府の無能さを示す指標なのです。

しかし政府はそれを認めたがりません。やれ生産性が諸外国より低いとか人口が減ったせいとか、適当な嘘をでっち上げてまで、我々庶民のせいにしようとします。挙げ句の果ては緊縮財政や消費税アップを平気でぶち上げて、国民は大人しく受け入れろという威丈高な態度で接して来るのです。マクロ経済が今一分かっていない国民は、やむなく受け入れてしまいます。いわゆる泣き寝入りですね。

その政府が作るお金ですが、今は政府自身が勝手に増やして自分の懐に入れないように歯止めがかかっています。増やすためには国債という将来のお金を発行するしかありません。政府は、歳入不足の場合、国債発行で国民のお金を吸い上げて歳出に使います。という事は吸い上げたお金は全て国民の元に戻って来るのですが、それだけでは国民のお金は増えません。

ではどうやって増やすのかと言えば、日銀が企業や庶民の持っている発行済みの国債を買い上げるのです。金融緩和ですね。日銀は銀行を通し国民が持つ国債を買ってその銀行が日銀に持つ当座預金残口座の残高を増やします。その資金がどこから来るのかという質問をよく受けますが、空中からとでも言っておきましょう。

国債という資産が日銀に移る代わりに円という負債を銀行が持つ日銀当座預金に振り込むのです。と言っても印字するだけです。将来のお金である国債が根拠ですから、それで何も問題がありません。日銀のバランスシートが膨らむ(資産と負債が同額増える)だけです。という事は間接的にはなりますが、政府はお金を刷って国民の側に渡している事になるのです。

問題はその折角増やしたお金が我々庶民の懷には来ない事です。銀行は手持ちの有価証券を減らして現金(当座預金残高)を多く持つだけで、その現金を積極的に貸そうという事にはなりません。なぜならBIS規制や、それを基にした金融検査マニュアル等の足枷があるからです。

庶民のお金というのは、今の日本では企業や個人が金融機関から借りる事でしか増やせません。誰かが借金をしないと使えるお金は増えないのです。ここを理解していない人が多いので借金を嫌うのです。住宅ローンなど負担でしかない借金は返済してしまってスッキリしたいというのは人情ですが、返済イコール日本人が使えるお金の減少なのです。

マクロ経済ではそういう事になります。お金という亡霊は日本人全体の借り入れ残高を維持しない限り消えて行く宿命なのです。日本人全員が全ての借金を返済し終わったなら日本人の使えるお金はゼロになります。もちろん金融機関も存在がゼロになるのですから恐ろしい話ではないでしょうか。働けど働けど我が暮らし楽にならず、の実践です。

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(実はタコは人懐っこいらしい。人間は天敵とも知らずにたわむれるタコ)

という事はもうお分かりでしょうが、政府が庶民から徴税でお金を取り上げて政府の借金を返すなどという事は、タコが自分の足を食うようなもので、いかにバカげているかが分かります。

全部食ったなら動けなくなってお終いです。そんなバカな事をする訳がないし、また前回も言いましたように、物理的にも出来ないのですが、今の政府を見ていると本当にこういう原理的な事が分かっているのか、不安になります。

銀行だって同じです。中小企業に融資した資金に対し、いきなり全額返済を迫るなどという話をよく聞きます。これは明らかにタコ足物語です。返済されたお金は融資残高という銀行の資産と帳消しになるだけで銀行の資産は増えません。

日本全体で見ればマネタリーベースの残高は変化しませんが、預金(負債)と貸し付け残高(資産)が減って銀行全体のバランスシートが縮小します。従って貸し剥がしは自分の首を絞めるだけなのです。ミクロしか見ない愚かな行為ですが、各種規制がそういう事態に追い込んでいきます。

逆に追い貸ししていけば倒産も減り国全体が経済成長して庶民は豊かになります。どこかの銀行のように、不正融資をするのは論外ですが、ある程度信用調査をして担保もあるなら貸し剥がしは論外と言うしかありません。もちろんそれでも倒産する企業はありますが、成長がそのマイナス分を埋める事は明らかです。

政府はその銀行や庶民の足を引っ張らない政策を時代に即応する形で打ち出さなければいけないのですが、どこかの国から干渉を受けて銀行や庶民の手足をどんどん縛っているのが日本の実情です。

 

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コメント

田中様大変分かりやすい説明ありがとうございます。ただ一つピンとこないところがあります。(日本全体で見ればマネタリーベースの残高は変化しません)この辺りを具体的に説明していただけるとありがたいです。マネタリーベースやマネーストックと言う言葉が出てくるとわかりづらくなるようです。それにしても財務省の罪は重いです。殺意すら感じます。

投稿: 八丈島 | 2018年10月15日 (月) 21時24分

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