アメリカはなぜ破綻しないのか(その1)
---日米 FTA/消費増税 /カジノ解禁に反対します ---
ブログランキングに参加しています。
今日は一部の方お待ちかねの、アメリカはなぜあれ程までにドルを刷りまくって貿易赤字や財政赤字に補填しても破綻しないのかという話をします。例によって素人の独断と偏見に満ちた記事である事はご了承いただきたいと思います。
その前に前回の記事でマネタリーベースに関する質問がありましたので、そちらから始めます。マネタリーベースとはご存知のように、日銀内に市中銀行らが持つ当座預金残高プラス日銀券発行残高の事を指します。
日銀券は当座預金残高と交換する形で発行され、また銀行からの貸出しの根拠となる当座預金残高は、お金のベースという意味でマネタリーベースという名が付いている訳です。マネタリーベースはまたの名をハイパワードマネーとも言います。お金の中でも最も力があるからです。
一方のマネーストックとは国民(非金融企業含む)が金融機関に預けている預金残高=借入金残高プラス政府負債の事で、ここを使って買い物をしたり、企業の場合は給料を払ったり、また設備投資をしたりします。
さてその当座預金ですが、表向きは銀行など日銀に当座預金口座を持つ金融機関が企業や一般庶民から預かる預金の一部を預けなければならない事になっています。と言うと義務のような感じですが、ところが実際はそういうニュアンスではありません。
例えば我々が支払をする時、現金払い以外は銀行振込で支払う事が多いと思われますが、その決済は全て日銀当座預金を通して行われるのです。例えばA銀行の預金者がB銀行に口座を持つ業者から、スーツを買ったとします。
その場合、A銀行の預金が減る事までは誰もが理解出来ます。ところが、そのお金が直接B銀行に行く訳ではないのです。我々が預金している銀行の預金残高は銀行にとって、単なる借金の記録に過ぎません。
実際に動くのは当座預金残高の方なのです。すなわちA銀行の当座預金残高が減ってB銀行の当座預金口座に移動する、つまりB銀行の当座預金残高が増える訳です。もちろんスーツを売った人のB銀行での預金残高も増える事になります。
従ってこの場合日本全体で見たとき、当座預金残高と預金残高両方とも増えも減りもしません。当座預金残高が増減するのは日銀と各銀行間での貸し出しや利払いなどを除いて、国債等の有価証券を日銀が売買した時に限ります。
よく当座預金残高が減らないのは融資が増えていない証拠だ、などと訳知り顔で言う人がテレビに出るエコノミストにもいますが、大きな間違いです。融資と当座預金残高は直接関係ありません。
次に融資を受けた人がその銀行に返済する場合を考えます。その場合はその人の預金残高(銀行の負債)と銀行の貸し出し残高(銀行の資産)が同額減る 事になり、この場合も当座預金残高は増減しません。お金を返済したのだから銀行の現金資産は増えた筈だと考えがちですが、実は何も増えないのです。
(金融機関の資産は国民の資産とほぼイコールである。単位兆円)
銀行の資産とは大雑把に言って当座預金残高と保有する国債などの有価証券、貸出残高という構成になります。負債は国民や企業からの預金残高で、資産マイナス負債が銀行の純資産となり負債の側に記録されるという訳です。
これで日銀当座預金の性質がお分かりいただけたでしょうか。簡単に言えば、国がマネタリーベースを増やしたい時や公共投資などで国民に直接お金を渡したい時に利用するのが日銀当座預金口座で、逆に国債などを売ってお金を吸い上げる時にもそこを利用するという訳です。
と言っても先ほども言いましたように、そこから直接お金を引き出す訳ではありません。銀行間で移動させたり、あるいはその資金を根拠にして銀行が、 新たにお金を創出するのです。だから不正融資が後を絶たないのかもしれません。身銭を切っている感覚がないので簡単に貸し出せるのでしょうか。
さて、大変遅くなりましたがアメリカの話に移ります。米国の中央銀行はご存知FRBです。米ドルを刷って米政府が発行する米国債と交換します。直接 引き受けが出来るのでFRBの米国債保有残高は3兆ドル近くにもなるようです。ここまでは直接か間接かの違いを除けば日本と同じようなシステムに見えま す。
日本の場合は政府が国債を刷って、それを間接的に日銀に買わせてお金を創ります。そのお金は日本銀行券です。一万円札にははっきりそう書かれています。つまりれっきとしたお金です。ところがドルの場合はお金とは書かれていません。
(1ドル紙幣の一番上にFederal Reserve Noteと書かれている)
Federal Reserve Note と印刷されているのです。つまり無利子の小口国債と言えるものが米ドルの正体なのです。大口国債を小口国債と交換して利息という利益を得るのが米の金融シ ステムの根幹で、FRBやニューヨーク連銀等12の民間銀行がその権利を持っています。なぜそういう事をするのかと言えば、民間銀行がお金を印刷する事が 法律で禁じられているからです。
という事はFRBも??そうです。恐ろしい事に民間の機関なのです。つまり民間銀行が米国のお金と思われているドルを産み出しているのです。それが意味するのは、米国が赤字になればなる程ドルが必要となるので、銀行が儲かるという事です。
そのシステムを改革しようとした大統領は皆暗殺されたという説がありますが、それが事実かどうかは一日本人デザイナーに過ぎない私には知る由もありません。トランプさん?米の赤字を無くすために躍起になっています。
貿易問題だけでなく、FRBは自身にとって最大の脅威とまで言っているのですが、どういう意味なんでしょうか?敵を作らなければいいのですが・・中国にも狙われるかも知れないし、危ない橋を渡っているように見えます。
しかし一説によるとトランプさんには強力な後ろ盾が付いているいるとも言われています。何と言っても家族揃ってイスラエルの大ファンですから、そちら方面からの支持は絶大なのです。
安倍首相が大好きな娘のイヴァンカさんの夫クシュナー氏もユダヤ人大富豪だそうです。政権に入り大統領の上級顧問として活躍しているようですが、FBIから睨まれていると言います。こうなるとユダヤ人同士の縄張り争いでしょうか?
このブログで陰謀論を展開するつもりは全くありませんが、アメリカに関してはどうもキナ臭い香りが漂って来ます。また長くなりました。続きは次回にさせて下さい。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 円安で国が滅ぶと騒ぐ愚かな人達(後編)(2022.12.12)
- 円安で国が滅ぶと騒ぐ愚かな人達(前編)(2022.12.05)
- いまだによく理解されていないお金の話(2022.06.27)
- これだけ痛めつけられても何も変わらない基本的経済マインド(2022.06.15)
- 近況報告とEV その他(2022.05.19)
コメント
前半に関してはなんとなく分かった気がします。当座預金の増減で最も即効性を持つものが株価の値上がり値下がりに起因するような・・・要は国内で動くお金や当座預金に影響しないものは、国内で言えばイーブンになるので、マネタリーベースとかマネーストックを考えるうえで重要な要因になりにくいと言う事でしょうか?。
確か三・四年前、異次元の金融緩和と言われた国債発行や銀行が日銀に貸し受け?を受けた時のマイナス金利が大きくものを言っている気がするのですが。それは現在も変わっていないのでしょうか?(でも何年も経てば新たに異次元の金融緩和をしていない限りこの効果を効果なしとか効果ありとか、評価できるが難点や問題が出てきているetcの見方が出来る気がするのですが)結局、この異次元の金融緩和は日本経済の足を引っ張ってはいないのでしょうか?これがあったからこそ、今の状態で済んでいるという見方も出来ますが。庶民の生活は年々逼迫を余儀なくされ蔑ろにされているから、関係ない訳でも無いし、余計に迷惑を被った可能性もある気がするんですよ・・・。
後半の FRBについては日本中央銀行は政府の息がかりの公的な機関ですが、米は民間だからドル紙幣を刷れば刷るほど米の銀行が儲かるのはなんとなくそんな気がします。しかし、日本は中央銀行が公的機関であるが故のリスクや怖さがある気がしています・・・。
投稿: nao | 2018年10月19日 (金) 00時10分
naoさんからのご質問にお答えします。最初のは意味がよく分からないのでパスさせて下さい。
日銀当座預金の金利に関しては何も変わっていません。
中央銀行の件
日本のような先進国の場合に限りますが、中央銀行は政府の息のかかった機関でなければ存在の意味がありません。勝手に動かれたのでは経済政策の打ち様がなくなります。
投稿: 田中 徹 | 2018年10月20日 (土) 13時14分
お答えありがとうございます。
では、アメリカのドルを刷る会社が民間であるのは経済政策が打ちにくいと言う事なのでしょうか?その割には米ドルは安定していると長年高評価な気もしますが・・・。呆れる、分かってないなあ・・・と言う内容になっていたら申し訳ありません。
次の内容も楽しみにしています。
投稿: nao | 2018年10月21日 (日) 14時36分
リンカーンとかケネディーさんとかは、紙幣を政府発行にする・・・決意があったので、消されたのかもしれません・・・という噂を聞いた事がありあすが真相は判りません。。。
投稿: | 2018年10月21日 (日) 15時25分
naoさん、それ程的外れではないと思います。もう少しこのシリーズを読み進めて頂くと、疑問点が晴れるかも知れません。
投稿: 田中 徹 | 2018年10月21日 (日) 17時32分