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2018年12月13日 (木)

過ちて改めざる・・・

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---移民政策/消費税増税 /カジノ解禁に断固反対! ---

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 ゴーン氏の逮捕が、どちらに転んでも(=有罪判決が出ようと出なかろうと)、大きな違和感を日産とルノーの間に残すだろうと私は感じていましたが、それどころか、この事件は日本の「失われた30年」からの復活を遅らせることになりかねないと感じさせる、厳しい記事がCNNに書かれていました。

記事が鋭く指摘するのは、日本企業の外国人CEOに対する拒絶反応のことで、「あたかも他人の身体から移植された臓器に拒絶反応を起こすかのようだ」と表現しています。

これが結果として双方にとってトラウマとなり、日本企業は外国人CEOをこれまで以上に拒否し、外国人もゴーン氏の二の舞を避けるために日本企業のCEOのポジションを避け(日本の司法システムに対する信頼度は、今回の件で地に落ちました)、結果として、日本企業の再生にもっとも必要なグローバリゼーションが大幅に遅れる可能性があるのです。

私は、長年、米国と日本の間を行き来して常々感じてきましたが、日本人の外国人に対する感情は、「人種のるつぼ」で暮らす米国人(特に西海岸で暮らす米国人)とは大きく違います。

その結果として、外国人に対しては、「尊敬と憧れ」というポジティブな感情と同時に、「嫉妬や蔑視」というネガティブな感情も持つ、シスター・コンプレックスのような感情を持っています。

日産のV字回復は、ゴーン氏が(日本人特有の)しがらみを持たない外国人CEOだったから出来た奇跡であり、そこに疑いを投げかけるのは大きな間違いです。にも関わらず、ゴーン氏が逮捕されただけでいきなり犯罪者扱いし、「会社が購入した海外の家をゴーン氏が使っていた」「家族をコンサルタントとして雇っていた」など、大企業で成功したCEOであれば誰もが普通にしているようなことまで事細かに取り上げて批判する日本のマスコミの姿は、許せるものではありません。(MAG2 NEWS)

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 人の記事を取り上げて一々批判するのは好きではありませんが、こういう酷いのを見ると看過出来ません。つい言いたくなります。(笑)何が酷いかと言うと、とても日本人目線とは思えないところです。一言で言えば中国人がよく使う言葉、崇洋媚外、つまり欧米コンプレックス以外の何ものでもないのです。

まず三流メディアCNNの記事を真面目に読んでいるところが情けないです。失われた30年?あんたがよく言うよってなもんです。米だって大して褒められたものではありません。経済が好調と言っても実体がないではありませんか。いいのは金融だけです。

後は兵器と、ITやそれに絡むソフト関係で少し美味しい目を見ているかも知れませんが数字にすれば大したものではないのです。製造業も日本などからの直接投資に頼っているし、増えたと自慢するGDPだって海外から流入した人口ボーナスによるもので、一人当たりのGDPを実質で見れば日本と大差ありません。

と言うより、そもそも日本をダメにしたのはアメリカです。85年のプラザ合意に始まり、日銀にバブルの崩壊を起こさせ、金融の自由化で日本を国際金融資本の草狩り場にし、90年代からしつこく続く年次改革要望書等の内政干渉で日本型経済システムをズタズタにした結果が現在です。

それを思えば日本はよくやっている方ではないでしょうか。アメリカに逆らえない日本政府はもちろん褒められたものではありませんが、逆らうと何をされるか分からないという怖さは常につきまといます。つまりGHQが布いた手足を縛られたままの状態、体制の中で出来る事は限られるのです。

安倍さんが首相になる前と後とでは言っている事が180度変わったのも、これらと無縁ではありません。誰がやっても大して日本を変える事など出来ないという証明を我々日本人は目の当たりに突きつけられている訳です。そうでないとすればとんでもない売国奴だという事になります。その話は長くなるので終わりにします。(笑)

上記記事で最も問題の箇所は次のフレーズです。「日本の再生に最も必要なグローバリゼーションが大幅に遅れる」というのは何を指しているのかさっぱり分かりません。なぜ日本にグローバリゼーションが必要なのか、論理的に説明が出来るのかと問いたいです。むしろ逆です。

米主導でグローバリゼーションを進めた結果が失われた20年であり30年です。それまでの好調な時代は護送船団方式と揶揄されていた程の日本式やり方でした。当時、胡散臭い日本異質論がマスコミによって吹聴されます。

産業も国内メインの系列重視垂直統合型が主流で、今のような国際水平分業型ではありませんでした。この時代にJAPAN AS NO ONE と米から恐れられたのです。その結果、戦前のように米中主導で日本包囲網が布かれます。

その日本型経済システムを解体したのがBIS規制であり、金融自由化等のいわゆるグローバル化です。デフレと相まって海外資本による日本企業買収をやりやすくしました。その犠牲が日産でありシャープで、東芝です。もちろん経営陣のだらしなさは褒められたものではありませんが、日本国内で処理出来るものをわざわざ海外に売り飛ばすのですから言語道断です。

米にしろドイツにしろ自国の基幹産業が危機に陥ればさっさと国が出て来ます。間違っても中国企業に売り飛ばしたりはしません。そのための規制も強化します。日本だけなぜ逆行するのか。それがグローバリゼーションだと言えば聞こえがいいから皆黙っていますが、現実にはグローバル化は日本解体への道ではないでしょうか。

今回の日産の件も、恩人を裏切ったとか、恩を仇で返すなどと一部の海外メディアが情緒に訴える発言で日本を揺さぶりますが、とんでもない話です。彼らは恩人でも何でもありません。単なる商売人です。新自由主義経済学がベースのグローバリズムは営利活動こそ正義なのです。

つまり日産なら将来的に儲ける事が期待出来るから投資したのであって、そうでなければお金は出しません。株主を納得させなければクビが飛ぶのですから企業の犠牲的精神は悪とさえ言えるのです。

そのドライさは3.11の時のフランス、アレバ社を見れば分かります。汚染水の浄化装置をいち早く売り込んだところまでは良かったのですが、結局何の役にも立たず、そのフォローもせず、一説によると数兆円も日本から巻き上げただけと言います。正に火事場泥棒です。困っている相手を救おうという気持ちなどある訳がありません。

その証拠にルノーも日産に寄生して、今回さらに完全吸収合併で全て奪い尽くそうとしていました。それを見れば明らかなように日本の事など眼中にはないのです。恩人と言うなら日産を再生させた時点でさっさと引き揚げればいいのです。それなら日本人も心から感謝したかもしれません。

ともあれ今回の事は言うなれば今世界で起きつつある脱グローバル化の流れの中にあると言えます。トランプさんのアメリカファーストや英国のブレグジットが示しているのは明らかな反グローバリズムです。自国の利益を最優先すれば当然そういう事になります。マクロンさんだって国益のために動かざるを得ません。

日本は未だに外需依存経済のまっただ中にあって政府が率先して海外依存率を増やそうとしています。観光立国、インフラ輸出、移民政策等は一企業の売り上げやグローバル化に貢献しても国益には結びつきません。内需拡大こそが日本の国益に叶うのであって世界との付き合いを程々にすべきは自明です。

内需と外需を両立させればいいのでは、と言われるかも知れませんが、そんな美味い話はないのです。それこそが世界の富を収奪する植民地主義に繋がりかねない重商主義であり、いつか通った戦争への道です。日本はその生け贄にされましたが、再び生け贄になるのだけは避けなければなりません。。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

『 「会社が購入した海外の家をゴーン氏が使っていた」「家族をコンサルタントとして雇っていた」など、大企業で成功したCEOであれば誰もが普通にしているようなことまで事細かに取り上げて批判する日本のマスコミの姿は、許せるものではありません。 』

 この人、正気でしょうか?
 あるいは、会社法の条文をチェックし忘れたのでしょうか?
 其れとも、全部分かった上で、国民を誤誘導する悪事を働こうとする積もりなのでしょうか?


【 (取締役等の特別背任罪)
会社法第九百六十条  次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
三 取締役、会計参与、監査役又は執行役   】

 技術取得の為の投資会社を設立し、その投資会社が投資と偽り、ゴーン氏しか使わない様な超高額の豪邸を世界中に複数購入し、使っているのはゴーン氏のみ、「自己若しくは第三者の利益を図」って居るのは明らかで、「株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし」、豪邸など日産の利益に貢献しないのは明らかで、「当該株式会社に財産上の損害を加えたとき」豪邸は現金に比べれば、使い道も限られ、購入時より、価値が低下したり、投資の回収率が低く成る虞が在ります。
 よって、株式会社に財産上の損害が発生して居ると言えそうです。

 証拠が海外に有る事から、特別背任罪の成立を立証するのは簡単ではありませんが、「大企業で成功したCEOであれば誰もが普通にしている」とは、御門違いも甚だしい!

 MAG2 NEWSに当たって見ましたが、筆者は一芸天才の様ですね。

 敢えて、言いますが、筆者は100%の確率で、会社法の条文をチェックしていないでしょう?

 条文も見ないで、こんな事決め付けても良いんでしょうか?
 天才の傲慢さを感じます!

投稿: 三角四角 | 2018年12月14日 (金) 23時37分

三角四角さん、コメントを有り難うございます。
こういう、同じ日本人(?)でも日本サイドに立ったものの考え方ができない人が多いことに驚きます。いえ、私が言いたいのは、何も盲目的に日本のやり方を肯定しろと言うのではありません。

世界の一員として、また世界への貢献度が高い日本の国民としてのプライドと良識を持てと言ってるのです。

つまり、世界の常識、価値感と日本のそれを照らし合わせてバランスをとりながらも、日本に寄り添った考え方、やり方をしていけばいいのです。過度に外国人や海外に忖度する必要はありません。

それは日本という国が海外に媚びたり、依存しなければやっていけない程の低レベルの国ではないという事と同義です。

投稿: 田中 徹 | 2018年12月16日 (日) 11時31分

内容に関しては御尤もと思う点とその持っていき方はやや強引ではと思う点がありますが・・・。うまく書けそうにないのでそれは置いといて・・・。

フランスのアレバ社が出てきたので一応。確かに日本から数兆円巻き上げただけのドライな会社かもしれませんが。一番の問題点はそれ以外何の対策も行動や準備もしていない東電です。アレバ社を使ったのも対応しているふりや国民?へのアピールの為・・・に利用したと捉えていますが。その上、出鱈目で危険な原発運営を続けさせている政府や官僚・金持ちなど。問題は全て先送りにしたり隠蔽したりする原発利権に関わる(責任をとらなくても許されている)日本人では?アレバ社以上に糾弾するべき非道ではないかと思います。

投稿: nao | 2018年12月16日 (日) 12時20分

もはや鎖国以外に日本を守る方法はないと思います。日本という国は国を開けば開くほど損をする。世界一の資産を持つ金持ち国家でありながら、幸福度が低く、自殺者が毎年2万人も出るのは、日本人の富が海外へ流出しているからでしょう。
アメリカとの付き合いも最低限にするべきです。防衛と引き換えに主権を明け渡すのであれば、そもそも何のための防衛なのか?
エネルギーと食料自給率の問題、さらに日本だけで自主防衛できるのか?という問題はありますが、日本人なら「やれる」と思います。

投稿: ミク | 2018年12月17日 (月) 23時32分

ミクさん、コメント有り難うございます。

かなり心を痛められているようですが、おっしゃるように日本人なら自立して独自でハイレベルな自給自足経済を構築し、さらに世界から侮られない軍事力を持つ事も可能です。と私は思います。

ただ、そのためには世界との繋がりは最低限必要です。確かに鎖国というのは一つの選択肢であって、魅力的な響きがありますが、ここまでグローバル化が進んだ世界では現実的ではありません。日本にない良いものも取り入れる必要があります。

ですから、海外とは国益重視の考えの下に付き合えばいいのであって、国益に反するものに対しては規制という名のバリアを張り巡らせばいいのです。

それより、むしろ問題は国内にあると思っています。反日左翼や偏向メディア、特亜系の在日外国人が癌になって日本を蝕んでます。ここをきれいにするには政治に頼るしかありません。

我々日本人が選挙等で間違った選択さえしなければ、日本はよくなって行く筈です。つまり全ては我々日本人一人一人にかかっているのです。

投稿: 田中 徹 | 2018年12月20日 (木) 08時58分

鎖国して自給自足の経済? 素朴な疑問ですが無理では?

日本の食料自給率を見れば、日本だけで自給自足など出来るわけが無い。経済に関しても現状況で輸出も輸入もせずなんて無理だし?日本の工業系を国内向け商いだけにすると現在の十分の一以上に市場は縮小するのでは?。知的財産権だけで渡れるほど日本の企業の企画力は優れていたとしても。圧倒的に無職が増え自殺率は急上昇しても低下は見込めない。

日本だけの自主防衛も荒唐無稽な理想論であり暴論では?

半日左翼や偏向メディア・在日外国人(アジア系?)と偏見で決めつけると見えるものが見えてこない気がしますが?。

投稿: nao | 2018年12月23日 (日) 00時49分

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