大きく動き出した世界
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スマホメーカー世界3位で法人向け通信機器事業も手掛ける中国・ファーウェイ(華為技術)。同社が3月末に公表した2017年12月期決算の売上高は、前年比15.7%増の約6036億元(約10兆2000億円)、純利益は同28.1%増の約475億元(約8000億円)だった。売上高は日産自動車、純利益はNTTに匹敵する規模だが、中国では好調な業績以上に、決算資料で明らかになった「従業員平均年収1100万円超」という数字が注目されている。
ファーウェイの資料によると、2017年末時点の同社の従業員は160カ国以上からなる約18万人。従業員にかかる人件費は前年比15.11%増の1402億8500万元だった。中国メディアは人件費総額から退職金を除き、給与、ボーナスなど従業員1人あたりの平均年収を算出。その額は68万8900元(約1170万円)で、2016年から約10万元(約170万円)増えた。
(環境か経済かで板挟みの中国、アッチを立てればコッチが立たず)
今話題、と言うより米から目の敵にされているファーウェイですが、2017年に日本の新卒エンジニア向けの求人広告で初任給40万円を提示し大きな話題になりました。それを見た人が大変驚いて、中国は凄い!日本企業は足下にも及ばないなどと言っていたのを思い出します。
私はその時、非常に違和感を感じたのですが、通信機器ビジネスはそんなに儲かるものでしょうか。ファーウェイの端末は日本でも随分安く売っています。iPhone などとは比べ物になりません。しかも売り上げ10兆円規模と言えば、サムソンなどと比べても大したものはないのです。驚く程の売り上げや利益でない事は確かです。
さらに国内に産業の裾野が育っている訳でもなく、日本のような優秀で安定感のあるサプライチェーンを持たないので中身の重要部品は日本や他の先進国の生産財に依存します。
今年の日本企業からの部品調達額は、なんと6800億円にも達するのです。しかも年々増えていると言います。つまり人件費以外で安く作れる要素はないというのに、その肝心な人件費が先進国よりはるかに高い???謎です。(笑)
パクリが得意な中国故、開発費が殆どかからないとは言え、人件費がこんなに高くては話になりません。それは私も経営者の端くれとしてよく分かります。安定した経営を考えると、そんな大盤振る舞いは出来ないのです。不可能と言った方がいいでしょう。
よく中国を大した根拠もなく持ち上げる人をマスコミなどで見かけますが、自動車産業の実態をつぶさに見て来た私などは、何を寝言を言っているのかと言いたいです。我々が常識とする基本的な事さえ知らない、出来ない、というレベルなのです。自動車産業の体をなしていません。一事が万事で通信機器産業だけは特別なんて事は考え難いです。
発表されている真実味が乏しいGDPの数字にしても一人当たりで見れば日本の4分の1程度です。それで日本の倍の給料が払えるなら対極に極端に所得の少ない層が半端ではない数存在する事になります。実際中国内には二つの国が存在すると言われるくらいアンバランスで不平等ですから、それを裏付けるだけの事です。
さらに意外な事に、株式の時価総額を国全体で見ると日本の方が上です。14億人もいて1億3千万人の国より時価総額が低いのですから、大した経済活動をしているとは思えません。余程巧妙なプロパガンダでもやらない限り、日本と比べ中国には勢いがあるとか凄い国だ、などという事にはならないのです。
そう考えると、新卒日本人エンジニアを40万円(本国の50%増し)で釣るというのも納得出来ます。投資としては悪くないのでしょう。何しろ一説によるとファーウェイには1000人の日本人スタッフがいて、日本研究所には100名近いエンジニアがいると言いますから、そこが開発中枢なのかもしれません。もちろん世界中から技術を取り入れている事も事実です。
中でも日本人エンジニアはサービス精神が旺盛です。一部の人は元働いていた企業の企業秘密に触れる技術を惜しげなく教えます。韓国が発展したのもそういう理由です。かつてサムソンの李会長は開発費は日本が出す、とまで豪語していたのは有名な話です。(笑)
(今頃かい、と言いたくなるが、やっとまともな方向に行き始めた)
そこまでではないにしても、先進国の技術者を大量に雇えば開発費はかなり安上がりに出来る事は確かでしょう。さらに政府の支援(補助金)も侮れません。恐ろしい事にファーウェイは設立当初から人民解放軍と国家安全部との軍警合弁と言われていた程です。
日本人でありながら、そんな会社に勤めるという事は、自国を売るに等しいと思うのですが、お金のためなら目をつぶるのでしょうか。理解不能です。もそも中国に純粋な民間企業はありません。
国営でなくてもユーザー(顧客)からの情報を提供する見返りに色々な優遇を受けるというのは当然あるのです。そこは潔癖?と言うより新自由主義経済に毒されている?日本企業とは決定的に違う点です。
今回の件、米は軍に絡む情報漏洩という事で、前政権時代から調査をしていました。トランプ政権になってアメリカファーストが唱い文句になれば、疑わしきが閉め出されるのは必然です。しかも今回はアングロサクソン系の国が束になって中国敵視を始めています。
これが意味するのは貿易戦争なんて言う牧歌的なものではありません。本格的に中国潰しに着手したと考えるべきです。かつて日本が自動車や半導体技術で米を追い越し、GDPが肉薄した時にやられたように、徹底的に潰されます。日本としては複雑ですが、それを座視する手はありません。西側先進国の一員として米側に与すべきは明らかです。
とは言っても制裁に恐れおののく中国べったりのドイツ、フランスはスタンスが違います。今回の件は中立という立場をとらざるを得ません。米英加豪新のファイブ・アイズ+日 対 中露で、独仏は今のところどっち付かずという構図でしょうか。
中国は分断作戦で露骨に日本へ摺り寄って来ますが、安倍さんもやんわり敵視政策を開始したように見えます。となれば当然の事ながら民間企業もファーウェイやZTE製品は使えません。
政府御用達から外されれば右へ倣えするしかないのです。そうなるとなし崩しで個人レベルまで波及するでしょう。大手キャリア3社も慎重にならざるを得ません。未だにファーウェイのCMをやっているドコモ???事の重大さが認識出来ていないのか?
蛇足ですが、中国好きのSB社もやり難くなります。有利子負債は膨らむ一方で現在19兆円と言いますから、むりこやりこ子会社を上場させたり、投資価値のない韓国の会社に巨額投資(マネロン?)したりと胡散臭い動きを見せています。(笑)
少しましな方向に動き始めた世界と日本、こういう外圧なら歓迎です。どんどんやって下さい。取りあえず、という注釈は付きますが。
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