日本の未来は暗いのか明るいのか?(前編)
---移民政策/消費税増税 /カジノ解禁に断固反対! ---
ブログランキングに参加しています。
先日ある飲み会で日本の未来の話になりました。ある人からの「日本の未来ってどうなると思います?」という問いに「真っ暗だね。何もかも悪い方向に向かっている」と応えた人がいたのです。
私は一瞬「おっと〜、そんな事はないでしょう。私はそうは思いません。」と言ってしまったのですが、その人の顔を見てたじろぎました。結構私を見る目が真剣なのです。本当に日本の未来を憂いているように見えます。
これは迂闊な事は言えないぞ、下手すると喧嘩になる(笑)と思って取りあえず控えめな表現に徹する事にしたのですが、そういう考えの人は結構多いのではないでしょうか。真面目な人程悲観論に陥りやすいと思われます。
確かに、日本のマスコミのいい加減な情報に日頃晒され、政府のしまらない外交やいつまで経ってもぱっとしない経済政策などを見ていると、そういう考えに陥っても仕方ないと思わせるものはあります。
しかし、その人はそんな事より、一番まずいのは日本人が劣化した事だと言うのです。特に今の若者がダメだと言います。中国で仕事をした事のあるその人は、中国には凄く優秀な若者が沢山いると力説していました。確かに個人レベルで優秀な人は多いでしょう。そこは私も否定しません。
彼はさらに、今の日本は過去の遺産で食っているだけだと辛辣に言うのです。では我々世代がその遺産を作った事になりますが、今の財界や一流企業の経営者達を見ても、凄く優秀な人が大勢いるようには思えません。
むしろ中国人がよく言うように「日本は上に行く程無能な人が多い」というのが正しい気もします。私も若い人に接する機会は多いのですが、我々の若い頃と比べて差があるとは思えないのです。見ているところが違うのでしょうか。
彼はさらにAIやITのような先端技術でも日本は遅れをとっていると悲しげに言います。何か新しい技術を作り出さなければ日本の未来はないと頭から信じ込んでいるようです。真面目なエンジニアとしては切実に感じているのかもしれません。
また財政問題でも日本は末期的なので近い将来必ず破綻するともその人は言います。そこは間違った情報によるものと思われますが、これは言い出すと膨大な時間がかかるのでやめておきました。
しかし、こういう真面目で理論的に積み上げて来るタイプの悲観論者を論破する事など到底不可能だと思われます。だからと言って、黙って手をこまねいているというのも癪です。(笑)
そこで今日はこの問題を例によって私個人の独断と偏見によって分析してみたいと思います。私はどちらかと言えば楽観的な方です。その点を考慮した上で読んで頂けると幸いです。
(円高が進んだ時は増えるが、今の様に実力以下の円安局面ではドル換算した場合に減ってしまう。さらに名目ベースというのも減る要因だ。実質ベースのGDPに置き換え、さらに実質実効為替レートで補正すれば全く違って来る。)
まずGDPです。私は生産年齢人口一人当たりの実質GDP伸び率に関しては先進国でもトップクラスなので、多少人口が減っても経済は問題ないと言ったのですが、その人は議論に値しないという態度でした。絶対値を問題にしているようです。
確かに、絶対値は国力の上で重要です。いくら一人当たりが高くても国としてのGDPが世界で10位くらいまで落ちてしまったのでは存在感が消えてしまいかねません。安全保障上も問題なので、ある程度のラインは確保する必要があります。
それにはまず人口ですが、私の考えは極端に言って今の半分、6000万人程度までなら何とかなるのでは?と思っています。もちろんすぐにという事ではなく100年単位で考えた場合です。
政治がまともであれば、という注釈も付け加えさせて下さい。これは特に素晴らしい政治を望んでいる訳ではなく、少なくとも民間の邪魔はしないという意味です。戦争や巨大自然災害も除外します。その前提での考察です。
人口が半分になる事はデメリットだけではなくメリットもあります。例えば土地は倍得られるのです。人口がいくら減っても日本の国土は半分にはならないので、今と同じコストで倍の面積が得られるなら万々歳ではないでしょうか。
しかもその頃はAIなどで生産性が向上して、一人当たりで言っても今とは比較にならない付加価値が作れる筈です。それはGDPが今と同じと仮定すれば一人当たり倍の収入(三面等価の原則)になるのです。
倍の土地に倍の収入なら、今100平米の住宅に住んでいる人は200平米(質的付加価値アップ分を含めない単純計算)になります。ウァオ〜ではないでしょうか。(笑)
いやいや、AIやITで劣っている日本はそんなに生産性が上がらない、とその人は言うでしょう。全くそんな事はありません。先端技術は例え後追いでも何とでもなるのです。韓国や中国を見れば明らかなように、10年前には何もなかった国がIT分野や家電で今は世界で存在感を示しているではありませんか。
AIやITは軍事技術由来です。そこに力を注げなかった敗戦国の日本やドイツに存在感がないのは当然です。しかし科学技術力が世界屈指のこの二国ならすぐにキャッチアップする事は可能ではないでしょうか。
と言うか、なければ買えばいいだけです。買う力がなければ問題ですが、それは十二分にあるのですから何の心配もいりません。製造業が健在な内は大丈夫と言えるでしょう。
さらにブレークスルーのためには何か新しい先端技術が必要だとエコノミストなども異口同音に言いますが、これもおかしな理屈だと言わざるを得ません。そんなもの身の回りにどれだけありますか?スマホやPCは確かに先端技術を搭載していますが、それにかかるコストは大したものではないのです。
GDPで言えば、個人消費300兆円の内、せいぜい十数兆円でしょうか?これを個人に置き換えて、例えば30〜40万円の月収の人がいて、その人がそれらにどれだけ費用をかけているかと言うと、月にすれば2〜3万円?多い人でも5万円くらい?そんなもんでしょう。
その中から通信料やアプリの購入他のサービス費用は除かなければなりません。それらは内需なので、海外へ持っていかれる分と分けて計算する必要があります。端末に関しては海外製の場合でも売り上げの全てが海外に行く訳ではありません。
さらに老人、子供も含めた国民一人当たりで言えばその数字はもっと下がります。ここが肝ですが、GDPの大半を占めるのは実は大したものではないのです。食料や衣料、雑貨等の生活必需品です。後は趣味や旅行でしょうか。医療や教育にもかなりかかります。その殆どは国内調達が可能なものばかりです。
耐久消費材の大物は家や車ですが、ここは日本の場合殆ど内需産業と言ってもいいくらいですから、これもどこの国にもお世話になる事はありません。もちろんそれらにもAI化、IoT化の波は押し寄せますが、海外に支払う額は大したものではないのです。
つまり日常生活の中で、最先端技術として海外にに払う費用なんて輸入額の内訳を見ても分かるように微々たるものなのです。むしろそれに付随する内需が圧倒的に大きい事になります。
だからという訳でもありませんが、外需依存でなく例え貿易収支が赤字になろうとも内需拡大に注力すべきと、本質が見えているエコノミストは口を酸っぱくして言っているのです。
また長くなりそうな予感がします。(笑)続きは次回になります。
最近のコメント