« 政府がやるべき事(番外編) | トップページ | 政府がやるべき事(最終回) »

2019年1月18日 (金)

政府がやるべき事(後編)

Photo     

---移民政策/消費税増税 /カジノ解禁に断固反対! ---

ブログランキングに参加しています。

前々回からの続きになります。日本の名目GDPは残念な事に95年を境に殆ど上がっていません。これをみて日本の国際競争力が下がったせいだ、などと間抜けなことを言うエコノミストがいるので呆れますが、もう少し勉強しろと言いたいです。

Gdp

(日独中のGDP推移、なぜか敗戦国のGDP伸び率は低い。同じような運命を辿っているのか。)

この問題、そんな単純な話ではないのです。まず、日本は先進国の中でも高齢化社会に向かう最右翼です。つまり生産年齢人口が減っているのです。95年の8726万人をピークに今は1000万人も減りました。つまり働ける人が減ったのですから付加価値生産力も比例して落ちて当然です。

にも拘らずGDPが現状維持なら生産性が上がった事を意味し、やるべき事はしっかりとやってきた事になるのです。実際に生産年齢人口一人当たりで見れば2000年代の10年間は平均して実質1.5%も成長しています。これは先進国中トップです。

Photo

次に、実質1.5%と言いましたが、なぜ実質かと言えば名目だと絶対値が下がるからです。日本は長年デフレなので、名目の数字は低くなります。その数字とインフレ分膨らませた国の数字を比較する意味はありません。しかも日本以外は皆基本インフレなのです。

なぜそんな理不尽なことが起こるのでしょうか。その要因も色々ありますが、大きいのは為替レートです。80年代、日本の破竹の勢いと言える高度成長に恐れをなした米を始めとする先進各国がプラザ合意で日本に円高を強いたのです。

そこからのドル円レートは恐ろしい程上がっていきました。1年程で倍になったのですから、普通の国なら万歳するしかありません。これはお手上げという意味です。(笑)

余談ですが、私もビジネスで大きな影響を受けました。85年の独立当初、海外に対する、ある仕事のデザイン料を1200万円とかなり高めに設定したのですが、特に抵抗なく通ったのです。値引き交渉がある事を想定していたので、これには拍子抜けました。うれしい誤算だったのです。

ところが1年後には600万円でも通り難くなりました。今にして思うとレートが変わったのですから当然と言えます。最初のケースは当時の日本の実力以下の1ドル250円時代ですから、海外から見れば割安感があったのです。

それが1年ちょっとでレートが120円まで上がったのですから、とても1200万円は払ってくれません。もちろん強気の円建て契約とは言え、ここまで極端だと結果はドル建てと大差ないのです。為替変動の波をもろにかぶったという訳です。

当時国内との売り上げ比率がフィフティヒフィフティだったので、仕事内容が前年と同じなら売り上げが25%も下がる事になります。それを避けるには仕事量を増やすしかありません。人件費は簡単には下げられないので会社としては大打撃です。

これではドル建ての輸出産業は大変だろうなと思いました。私のケースと同じで経費を削るしかなくなります。これが自動車メーカーなどの協力企業に対する値下げ要請で、イコール国全体で人件費が下がったのです。デフレの最初の要因でした。

もう一つの要因はマネーの量、すなわちマネーストックです。これが90年を境に激変する事になります。絶対量の変化は大してありませんが、伸び率が激減したのです。90年以前の平均6〜7%から政府の無策で90年以降は2%程度まで下がるのですから成長しろという方が無理です。

今もその傾向は変化していません。あれだけ金融緩和をしてマネタリーベースを増やしても何の効果もないのです。その原因を頭のいい人が大勢いる日銀や政府、特に財務省が知らない筈はありません。つまりサボタージュ?とまでは言いませんが、ある国の内政干渉に逆らえないのでしょうか。

そのマネーストックが伸びない要因は地価が一番大きいと思われます。日本全体で見れば年々下がっているのですから借り入れの担保としての余力は無いに等しいと言えるでしょう。人口減少がその原因と政府は言いたいのでしょうが、そこをカバーするのが政府の仕事です。

人口が増えなくても地価を上げる方法はいくらでもあります。例えば固定資産税です。この、庶民苛めとさえ言える悪法を廃止するだけで地価は上昇に向かうでしょう。明らかな税法違反の二重課税である相続税も高過ぎます。

さらに地方創世と言いながら大都市、特に東京集中は増々酷くなっています。その他、地価の件で言い出すとキリがないのでやめておきますが、意識的に地価を抑える政策を採っているとしか思えません。

Photo_2

(消費税を上げても税収全体では増えない。景気が悪くなるからだ。)

もう一つのデフレ要因は消費税です。給料が増えない中で税負担が大きくなれば消費が減るのは自明の理です。実際その影響は数字にも表れています。だと言うのになぜ財政赤字問題という見え透いた嘘をついてまで増税に舵を切るのか、我々国民は深く憂慮しなければいけないのです。

日本に財政問題がないのはIMFも認める、世界から見れば公然のデタラメです。特に異次元緩和以降はリスクが減っていて、既に政府全体のバランスシート上は黒字転換しているのです。という事はプライマリーバランスの黒字化は意味がない事になります。

考えてもみて下さい。日銀が保有する国債残高等の資産は500兆円を超えます。ところで日銀はどこの機関でしょうか?民間?違いますよね。当然ですが政府の一機関です。という事は政府全体のバランスシートで見れば、その分の借り入れ残高はない事になります。

と言うより日銀が持つ国債は資産の部に計上されていますが、これが例え負債だとしても一体誰に返済するのかという事になります。返済相手がいない借金て・・恐ろしく間抜けな話ではないでしょうか。(笑)

しかも日本政府の場合は他にも資産を巨額保有しています。それが650兆円もあるのですから、トータルでとっくに黒字化しているのです。それが分かっているからこそIMFも日本の財政に関しては世界一健全だと太鼓判を押す訳です。

これに関しては、いつものような私の独断と偏見によるものではありません。何度も言いますが、この程度の事は経済では常識の範疇なのです。対外純資産世界一でデフレの先進国が、戦争や大災害なしに、どう転べば財政破綻するのか、どなたか明解に解いて頂きたい。。

このシリーズ想定外に長くなりましたが、次回最終回をやります。

 共感いただければクリックをお願いします。

|

« 政府がやるべき事(番外編) | トップページ | 政府がやるべき事(最終回) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

いわゆる「国の借金がー、」というののでたらめさは少しは知られるようになってきましたが、今回の地価や生産性向上のの話は私も初めてでした。いい勉強になりました。

投稿: 八丈島 | 2019年1月16日 (水) 14時57分

内容に殆ど同意で勉強になります。

ただ、プライマリーバランスの黒字化についてよく分かりませんが、だから、日本国は安泰だ!と納得は出来ません。

国債が負債だとすれば、外国なり投資家なりに負債を抱えているのではありませんか?僅かであればまだ問題ないと思いますが。確か2ー30年前から日本国は国債を発行し始めました。それが年々膨れ上がっているのですから。金融関係について全く素人ですから馬鹿な考えかもしれませんが。


戦争は財政破綻を救済するものであったのでは?日本然り。諸外国は棚からぼた餅的に。

現在中東で内紛が続く。アフリカについてほぼマスコミは書かないが、内紛のある所もあるだろう。又は中国資本により苦汁をなめている国も・・・。戦争は、金融関係者にとってとても美味しい饅頭でしょう?それが、グローバル化の弊害で原発も毒饅頭がばら撒かれました。沖縄の基地の反対派に対立する人間も毒まんじゅうを食らっているのではないかと思っています。

財政破綻するのが嫌さに先の戦争は起こったかもしれませんが。

投稿: nao | 2019年1月17日 (木) 00時45分

政府がやるべき事

・・・消費税率を5%に戻す
・・・国賊財務省を改革  以上です。

投稿: | 2019年1月17日 (木) 01時10分

naoさん、naoさんの疑問に対する答えはこのブログ記事で再三にわたり書いて来ましたので、コメント欄で細かい事は書きませんが、一言だけ言いますね。

世界に絶対に安泰な国など存在しません。その中でも日本は最も安泰な国だと言えます。但し、政治力、軍事力を除きます。

逆に言えばその二つが手に入れば絶対に安泰だと言えるでしょう。

戦争と財政破綻の関係は説明が長くなるのでやめておきますが、金本位制の時代にはおっしゃるような事があったかも知れません。特にアメリカは。。

投稿: 田中 徹 | 2019年1月17日 (木) 12時18分

田中様、返信ありがとうございます。

ただ今回は感想のつもりのコメントで疑問ではありません。田中様と私の考えは違う所があるので、私はこう考え中と披露しているだけです。?はつけているけれど考え中の事柄をこういう文章にする事が私は多いです。今後、田中様への質問の時は、 質問します。と前か後ろに書きます。


投稿: nao | 2019年1月18日 (金) 00時01分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 政府がやるべき事(番外編) | トップページ | 政府がやるべき事(最終回) »