政府がやるべき事(前編)
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最初に、ゴーン氏が久しぶりに公の場に出て無実を訴え自己弁護をしたようですが、特に目新しい事は言わなかったようです。息子が言う驚くような発言も特になかったのです。検察側としては想定の範囲内ではないでしょうか。
これに関して外野が何かとうるさいのですが、特に海外メディアの上から目線での検察批判はどうかと思います。内政干渉も甚だしいと言わざるを得ません。逆の立場なら「部外者は黙れ!」と一括される事でしょう。
誰が何と言おうが、ゴーン氏が強欲で日産を食い物にしたという事実は覆し様がありません。そこだけははっきりしています。法律的に無罪か有罪か、あるいは西洋の常識に照らして、日本のやり方が適切かどうかは全く無意味な論争です。
メディアを通じて入って来る彼に関する全ての情報が、彼の異常なお金への執着を物語ります。それが判断出来ないようではリテラシー力が疑われかねません。ところが弁護団はあろう事か嫌疑すらないと嘯きます。
いくら何でもそれはおかしいです。どう見ても嫌疑はあるのです。法律に照らして有罪かどうかは門外漢なので分かりませんが、嫌疑があるからこそ逮捕されたのではないでしょうか。それを嫌疑がないと言うのであれば世に正義はない事になります。
弁護士の役割は、明らかに悪事を働いたと思われる人を無罪にする事ではありません。法の下の平等性を確保するために存在するのであって、そこを逸脱するなら欧米のようにやった者勝ちの社会になります。
いずれにしても、後は裁判所がどう判断するか、ルノーや仏政府が今後どう動くかだけです。どう転んでもゴーン氏の経営者としての命運は尽きたと言えるでしょう。
(再婚式?をヴェルサイユ宮殿を借り切って行ったというゴーン氏と再婚相手、何と80億円もかかったというが、自分で払う訳がない。(笑)
さて本題です。強欲とは無縁の安倍総理ですが、発足時に内需拡大が重要だと言っておきながら、今は外需拡大に奔走しているように見えます。外国人観光客を4000万人に増やすなどと言ったり、インフラ輸出を推進したりと酷く積極的なのです。そのための規制緩和にも余念がありません。あれ?内需拡大はどうなったの?と言いたくなります。
観光立国と言うなら、そのための、内需拡大にも通じるインフラ整備をしっかりやるべきです。受け入れ態勢があまりにもお粗末です。そのため外国人観光客が京都などで公害化しています。既に飽和状態を越していると思えるのですが、オリンピックの20年にはもっと悲惨な事になるのは自明です。
先日家庭内でその話になりました。私が観光はドル等の外貨がたまるだけでマクロの視点で見れば決して日本の利益にならないと言うとカミさんが、外貨と言ってもどうせ紙切れだもんね。と相づちを打ちます。
息子は、外国人が日本で使うのは外貨と両替した円なので日本にメリットがないとは言えない、というスタンスです。話が長くなりそうな予感がしたので、その話はそれでやめましたが、いずれも間違いとは言えない気がします。
そこでお金の流れを考えてみる事にします。例えばドルを持ってやって来た中国人がいたとしましょう。今なら大半の中国人は自国や日本国内で元と円を交換すると思われますが、話を簡単にするために途上国時代のドル持参とさせて下さい。結果的にはどちらもほぼ同じです。
その中国人が持参したドルは空港で円に替えられます。1000ドルとしましょうか。今なら10万8千円程になります。その円で都内の家電量販店に行き日本製の電機製品を買いました。その量販店は日本人が買おうが外国人が買おうが関係ありません。製品と円を交換して売り上げになるだけです。
ではどこが違うのかと言うと、まず銀行での両替です。ドルを受け取った銀行はその日のレートを確認し僅かな手数料を引いた額を観光客に渡します。そのドルは普通は市場で売られる事になりますが、ある程度の額にまとめ、レートを睨みながらの取引になったりするのでしょう。
このとき日本全体で見れば1000ドルの外貨資産が増え10万8千円の円が取引された事でGDPがその分増えるのです。ただしこれは内需としてカウントされません。内需というのは日本に居住している人のみに適応されるので外国人が買うと外需扱いになります。
どこでそれを判断するかと言うと両替額です。もちろん帰国時に残った円が両替されれば、その分は差し引かれます。これが免税店での買い物であればパスポート提示が義務づけられているので簡単に外需と分かる訳です。
その両替の結果、外為市場で円が少し上がる事になります。という事は円が足りなくなる事を意味し、極端な場合は円を新たに刷る事になりかねません。その意味は日銀が銀行から国債などの債券を買う事です。いわゆる金融緩和ですね。
今は異次元緩和で円が当座預金に積み上がっているのでその必要はありませんが、金融引き締めのタイミングであれば新たに刷らなければならない局面があり得るのです。そうすれば元のレートに戻るのですが、やり過ぎて過度な円安を招くようだと、米などから為替操作国の烙印を押されます。
ともあれ、お金を新たに刷るという事は一般的に言うならば、国債発行残高が少なく、銀行も現金を必要以上に持たない状態、すなわち普通の状態だと、政府短期証券を政府が発行し銀行などに買わせる、つまり国の借金が増える事を意味します。
それは特定の産業(外需産業)優遇という事になり、内需産業に対して公平性を損ないかねません。特に国内の販売店を通さない輸出販売の場合などはそれが際立ちます。輸出産業にしかメリットがないのですから、そのために円を刷るとなると偏重と言われても仕方がないのです。
極端な言い方をすれば、補助金を輸出産業に渡しているとも言えるのです。これだと中国や韓国と同じで公正な取引とは言えなくなります。しかし、よく考えれば、国内にその補助金に見合う供給力があるなら、日本国民にその補助金を配ればいいじゃないかという事にもなるのです。
それなら国民が選択し公平な消費が行われます。つまり国内への有効需要に繫がって内需拡大となる訳です。乗数効果も期待出来ます。これを分かり易く言えば財政出動です。公共投資でも何でもいいのですが、現金が直接国民の元へ渡るのが内需拡大の近道という訳です。
そうなると外国人の代わりに日本人観光客が観光地へ出向く事になるでしょうし、電機製品も日本人が買います。企業も国内設備投資に積極的になるというものです。結果としてマネーストックも増えて何一つ悪い事はありません。
長くなりますので続きは次回という事にします。
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コメント
続きが楽しみです。強欲と無縁かどうかについては?と疑問符が浮かんでいますが。
写真のゴーン氏の周りの中世?風衣装の方々は列席者なのか、飾り(雰囲気を盛り上げるためのスタッフ)なのかと妙に気になりました(笑)。
投稿: nao | 2019年1月11日 (金) 10時36分