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2019年2月 8日 (金)

ダメなお母さんと賢いお母さんの話(後編)

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---移民政策/消費税増税 /カジノ解禁に断固反対! ---

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 前回の続きになります。一般会計予算(当初)の推移を見て行くと概ね右肩上がりなのが分かります。ところが補正予算を含めた全体で見ると16年以降は下がっているのです。

補正予算が突出して多かったのはリーマンショック後と3.11後ですが、賢いお母さんがやりくりをした形跡です。もう少しやればもっとよかったのですが、財政が厳しいという誤った概念がまかり通っている背景があり、十分とは言えないところで終わってしまったのは残念と言うしかありません。

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もっと悪いのはその分に関して、国民に税負担を強いた事です。未だに尾を引いています。国民の弱みに付け込む最悪の手と言えますが、非常事態なら相応の手段、奥の手でもなんでも使えばいいのです。

このように正しくない認識からいつも中途半端に終わるのが財政出動で、結局効果がなかったと野党から突っ込まれる材料にもなっています。まあ、仕分けや歳出の節約が経済対策になると思っているような連中ですから、何も期待は出来ませんが。。(笑)

尤も、財政出動が上手くいった例もあります。阪神淡路震災の時には7兆円の補正予算を組み、その分の大半を建設国債発行で賄いました。被害の規模の割にはかなり大型の支出と言えますが、震災のあった95年の実質成長が2.3%であった事を考えると正に賢いお母さんの面目躍如といったところでしょうか。

話を消費税に戻します。消費税の増税によって歳入が増えた分に関しては国債の発行が減る事になります。政府は赤字が続くプライマリーバランスを正常化したいと思っているのですから当然です。

その結果は補正も含めた一般会計予算(総額)が減る事になるのです。たった数兆円の事ですが、これが意外に効きます。今の日本の場合、これでは成長は望めません。ご存知のように経済成長とは端的に言うと国民の支出が増える事です。

その支出を増やすためには財布の中身を増やすしかありません。消費性向が一定ならそれしかないのですが、そこに考えが至っていないボンクラ議員が多いのではどうしようもありません。特に民間議員と言われるド素人集団が輪をかけています。

財政政策に手品は使えません。国民にお金を使えと言ってもない袖は振れないのです。よく、これまでにない新しい付加価値(製品)を作って需要を喚起せよなどともっともらしい事(無いものねだり)を言いますが、そんなものがあったとしても他の消費が減るだけです。

例えばお父さんがようやくガラケーからスマホに替えたとします。その場合5000円くらい出費が増えました。その分は・・お母さんは面倒見てくれません。しぶしぶお酒を減らす事にしました。あっ、そのせいで日本のビールの消費量が年々減っているのか。(笑)

冗談はともかく、政府が国民に対して「老後の生活資金も医療も全て面倒見るから安心してお金を使いなさい」とでも言わない限り貯蓄性向は下がらないと考えるべきです。つまり給料が増えない中で使えるお金(可処分所得)が増える筈もないのです。

じゃあどうやれば給料が増えるのかと言えば、国民の財布であるマネーストック(主に預金残高)を増やすしかありません。その方法とは国民が借金を増やすか、政府が増やすか、あるいは双方が増やすかの三通りしかないのです。

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(マネーストックの伸び率を表したグラフ、青はM3  90年を境に見事にマネーストックの伸びが止まった。経済成長率とリンクしているのは明らかだが、誰もこの事に触れない。失われた30年は、実は国民の使えるお金が供給に対して不足していただけなのだ。/日銀HPより)

(経常収支の黒字を増やすというのもありますが、ややこしくなるのでそれはない前提とします。)ところが今の日本は金余りです。企業の内部留保は440兆円もあります。金融や保険業を加えると507兆円と言いますからGDPにも匹敵する勢いです。どんだけ溜め込めば気がすむの?

これでは借金はなかなかしてくれないでしょう。国民も若い人がどんどん減っているので、住宅ローンを早く終わらせたいと思っている人の方が多い状態です。唯一中小企業には資金需要がありますが担保力がないので銀行は相手にしません。

つまり国民の側にもっと借金をしろと言っても無理なんです。だとすれば、そうです。政府が負債を増やすしかありません。この場合、国民から借りるより通貨発行権を行使する方が得策です。その理由はマネタリーベースを減らさないからです。

通貨発行権とは、今の日本では政府が国債を発行して日銀に引き受けさせる事を意味します。アベノミクスでは異次元緩和で日銀が銀行等から国債を買っていますが、そのプロセスを簡略化して政府が日銀から直接資金を調達するのが直接引き受けです。

その資金を使って、機動的で大胆な財政出動をすれば、それこそ有効需要が喚起されマネーストックが増えるという訳です。それを毎年続ける事で乗数効果も期待出来ます。GDPは力強く右肩上がりで伸びて行くでしょう。

日銀が引き受けるための財源は? などと野暮な事を言ってはいけませんよ。日銀は国債と引き換えに政府が日銀に持つ口座に数字をプリントするだけです。つまり財源は無限なのです。当然日銀は政府の一機関ですから政府が返済する必要もありません。

その場合のリスクはインフレですが、それを言うなら2%のインタゲを実現してからにしてくれと言いたいです。悔しかったら2%インフレになるまで国債を刷りまくってみろ!!(笑)

消費税は必要ないばかりか、日本の成長の邪魔をしているという理由がお分かりいただけたでしょうか。消費税を上げろなどという輩は日本人ではない証拠と言えます。少なくともマインドは。。

ところで先ほど経常収支の黒字もマネーストックを増やす要因だと書きましたが、ここでリクエストもありましたので、GDPに関する話をします。ご存知の通り国内総生産(GDP)を需要サイドで見た場合 GDP=家計支出+企業設備投資+政府支出+総資本形成+純輸出+在庫調整 となります。

この中で純輸出(輸出ー輸入)以外は内需(国内需要)です。単純に考えると貿易でGDPが増えるのは収支が黒字の時だけなので前々回記事でそう書きました。しかし厳密に言えば収支がゼロの場合でも内需に貢献する輸入がないとは限りません。

日本にない天然資源の場合は言うまでもなく、それを使う事によって産業が興り内需が拡大します。逆に日本にも存在する生産品の代替輸入は間違いなく内需を減らすので、収支ではプラスマイナスゼロ付近に落ち着く事もあり得るのではないでしょうか。従ってそこはないものとして考えるのが一般的だと思われます。

そもそも貿易がなければ経済活動自体が成り立たないのでは?と言われるかも知れませんが、それで全くGDPがゼロになる事はありません。ない仮定ですが、日本にあるものだけで自給自足をすれば、あるものは今より高く、またあるものは今より安くなるだけです。

それが国際的にどう評価(為替レート等)されるかはともかく、純粋な内需オンリーでも今並に近い生活レベルを維持する事は日本の技術力から言って不可能ではないと思われます。もっと豊かも知れません・・・

独断度と偏見度のボルテージが上がっていますが、ない仮定で推論する事の空しさを感じます。(笑)そこはご愛嬌という事でお願い致します。。いずれにしても、よその家との付き合いは程々にして、夫や子供をムチとアメで上手く躾け、家を栄えさせるのが古今東西を問わず良妻賢母と言えるのではないでしょうか。

えっ、ダメなお母さんですか?それは・・・言わぬが花という事で。(笑)

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