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2019年2月11日 (月)

日本が1000兆円の借金でも破綻しない理由

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「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」2月7日放送

 先週何気なくテレビを観ていたときの事です。「1000兆円の日本の借金は、実は何とかだから問題ない」という主旨のクイズをやっているではありませんか。

あれっ、テレビもやっとこういう正しい事を言うようになったのかと驚きながら注目していると、正解のところで渡邉哲也氏が出て来て下記のような事を言ったのです。 

1000兆円以上と言われている日本の借金で日本が破綻しない理由

1)日本の借金はほとんどが国民からの借金で、親子で貸し借りをしているようなものだから、いざとなれば借金を帳消しにできる。

2)さらに日本の借金は円建てのため、いざとなれば日本銀行が円を発行して棒引きにすることもできる。

う~ん。残念です。渡邉哲也氏は保守系論客として一目置いていたのですが、これでは財務省が言っている事と大差ありません。1)の国民からの借金だから帳消しに出来るというのは、国民一人当たり860万円の借金を踏み倒すという事になります。それは誰かが損をするという事です。

考え様によっては預金封鎖という最悪の手段まで想起させかねません。破綻しない、あるいは問題がないと言うには程遠いです。実際回答者からの反応は微妙でした。我々国民の預金を差し出すのか、という意味の事を言っている人もいたのです。

しかし、よく預金封鎖と言いますが、預金封鎖ってなんでしょうか。金本位制の時代でもあるまいし、政府が通貨発行を管理出来る管理通貨制度の現在、そんな事をする必要があるのか、また技術的にも成り立つのか、検証しなければなりません。

そもそも国民が1000兆円も持っていると考える事自体がナンセンスです。マネーストックが1300兆円(M3)もあるじゃないかと言われるかも知れませんが、前から言っているようにそれは民間の金融機関が創造した幻でしかないのです。

イッコーでもありませんが、まぼろし~~と叫びたくなります。(笑)冗談はともかく、マネーストックは景気次第では消滅する通貨なのです。ここで何度も言っていますが、不景気で返済が借り入れ(投資)を上回ればどんどん消えて行きます。

そんな不安定な資産に政府が手を出す事は考え難いのですが、ある日突然国民から1000兆円を奪うとして、どういう資金の流れになるのかを考えてみます。前にもやったかも知れませんがおさらいです。

M3_18

マネーストックの大半は現金ではない(日銀券は100兆円程)ので、資金を動かす場合は金融機関を通す事になります。全ての日本の金融機関の預金残高から合計1000兆円をマイナスするという事は、金融機関の日銀当座預金もその分マイナスしなければなりません。金融機関から見て預金は負債、当座預金残高は資産なので、バランス上同額が動きます。

ところがどうでしょうか。そんなお金は元々当座預金にはないのです。日銀当座預金残高は今現在世界で最も多いと言える400兆円程もありますが、600兆円足りません。

ではそれは誰が出すのでしょうか?残念ながらそんな人も機関もこの世に存在しません。(笑)これで分かるように物理的に不可能なのです。国民が折角その気になっても無理なものは無理です。話はこれで終わる筈です。

それでも執念深い人が、銀行などが資産として保有している有価証券から600兆円分売ればいいじゃないか、と言われるかも知れません。しかし当座預金残高がゼロの段階では国民の預金(印字されただけの通帳残高)は動かす事も使う事も出来ないのです。文字通り絵に描いた餅です。

唯一日銀だけが買えます。ない仮定ですが、有価証券を600兆円分日銀が買えば、金融機関の当座預金残高がその分増えるので、それを政府の口座に強引に移動させて1000兆円と記帳する事は不可能とは言えません。そうすれば政府の負債(国債)とチャラになり、政府の資産負債は各々ゼロとなります。

この場合先ほどのしつこい人は、国民の預金残高は1300−400なので未だ900兆円も残っているから、それだけあれば何とかやって行けるのでは?、と言われるかもしれません。(笑)

しかしよく考えると銀行の当座預金残高はなくなっているし、さらに有価証券まで差し出したので資産が殆どなくなっています。それでいくら国民の資産(預金残高)があると言っても、取引には応じられないのです。と言うか、その時点で自己資本比率がマイナスになっているので業務停止の筈です。

それは900兆円の幻の通貨が消えた事を意味します。ペイオフで預金者一人当たり1000万円までは保証されるので、その分だけは残るでしょう。しかしそんなもんでは圧倒的に足りません。

そうなると銀行だけでなく一般企業も給料が払えないし、仕入れも出来なくなるので倒産するしかありません。正に国家の自殺です。そんな事をする意味はどこにもないので誰もしません。

いざとなれば帳消しに出来るという意味は、国民の資産に手をつけなくても日銀が政府発行の国債を買って、その資産(国債)を帳簿上で政府の負債と相殺(連結決算)すればいいだけだと捉えればいいのですが、国民を巻き込むと話がややこしくなります。

2)で正にそういう事を言っているだけに1)は余計でした。いずれにしても日本程の供給力(ポテンシャル)がある国は破綻などしません。

回答者の中に、日本は米から借りているのか?という人もいましたが、全く逆です。日本は貸し手なのです。世界中に貸しまくっていて、そこからの収益である所得収支が年に20兆円前後も黒字なので有事に安全資産として買われる訳です。

つまり世界一信頼性が高いのが円という訳で、そんな国が破綻するならその前に世界中が破綻しています。いい加減にこのバカバカしい議論はやめにしたいのですが、正しい事が知れ渡ると世の中が180度違ってしまうので、都合が悪い人が多いのでしょう。

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