一見成功したかに見える、テスラというビジネスモデル
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最近東京の街を歩いていると、見慣れないマークの車に遭遇する機会が増えた事に気がつきます。米製EV、テスラが随分と目につくようになったのです。その、ちょっと先進的で無国籍なデザインは日本人にも受け入れられたように見えます。
今はデカいセダンのモデルSと、さらにデカいSUVのモデルXだけですが、近い内に日本車に近いサイズ、いわゆるDセグのモデル3も加わるようです。モデル3は500~700万円程度で比較的割安ですが、モデルSは1000万円前後、Xだと1300万円前後というベンツの最上級にも匹敵する高額車です。色々な意味で驚きを禁じえません。
私の想像に過ぎませんが、この車のユーザーは恐らく、環境性能、自動運転?などの先進性、あるいはEV独特の加速や乗り味が気に入っての購入だと思われます。イーロン・マスクのファンもいるかもしれません。特にIT系企業の経営者ともなれば、そのライフスタイルにうってつけの車かもしれないのです。
これまでの、高級車と言えばベンツ、BMW、アウディ、国産ではレクサスあたりがポピュラーでした。それらが持つマンネリ感、おやじ臭さがない事も新鮮で、十分選ばれる理由になり得るのです。驚くべき事に米ではモデルSがベンツSクラスを抑え、そのクラストップの売れ行きだと言います。(下の表)
これは画期的です。ベンツ神話の崩壊と言えるのではないでしょうか。日本では長年ダサイ、ガス爆食い、派手、などの理由で敬遠されて来た米車ですが、このままうまくいけば失地回復に繫がるのかもしれません。
往年のアメ車は素晴らしく立派でした。私なども子供の頃には憧れたものです。デカくて豪華なアメ車を所有するような身分になりたいと単純に思っていました。何と言っても真夏のクーラーの効きには驚嘆したのです。こんな贅沢な世界があるのかと。(笑)
時は流れ、二度のオイルショックや幾度かの経済危機を経て、デカさや派手さは影を潜めました。経済性が選択理由の上位を占める時代となり日本車が世界で活躍する条件が整ったのです。あの自動車王国のアメリカで日本車がシェア40%も占める時代が来るとは誰も予想しませんでした。
ところがさらに時代は動きます。オイルサンド等の出現で、今は経済性よりむしろ安全性に重きが置かれるようになったのです。次に環境性能でしょうか。特に米では大型化が進み、販売の主役はSUVがセダンに取って代わりました。そのシェアは60%にもなり、さらに勢いは増しています。
(テスラのSUV モデルX 5Mを越す全長に2Mの全幅、重量は2.5トン、正にモンスターだ。)
環境問題に関してはカリフォルニアのZEV規制や中国のNEV規制などでEV化が急速に進んで来る事は間違いありません。欧州の主要国も電動化を宣言して方向性を明確にしました。その波は日本にも怒濤の如く押し寄せるのでしょうか。
ここまで読まれた方は、お前もついにEV化路線に宗旨替えしたか、とガッカリされたかも知れません。(笑)否、そんな事はないのです。ず~っと先の将来の事は分からないし考えたくもありませんが、少なくとも私の目の黒い内はEVの時代にはなりません。自信を持って言えます。
尤も、政治家達がおかしな選択をしなければという注釈は付きます。内燃機関廃止!とか言い出すとややこしいのです。そうではなく賢明で妥当性のある判断を、これからしていくだろうという前提での話です。
まず、この問題は地球単位で考える必要があります。それには非現実的な理想論でしかないパリ協定はともかくとして、実現可能な範囲で高い次元の妥協点が求められるのです。その先の事はその時に決めればいいのであって、今の時点で不確定な遠い未来の事を云々する意味はありません。
恐らくですが、今一番いいのは乗用車の個人所有をあるレベルで規制し、日本の様に公共の交通機関を充実させる事です。カーシェアリングも合理的な解と言えます。それでも人口増加や経済発展によって増えるであろう絶対量(CO2や汚染物質)をいかに抑え込むかという問題が残ります。
先進国の方向性は、好むと好まざるに関わらず電動化がある程度見えてきましたが、途上国はそういう訳にはいかないのです。ただでさえ供給が不足している電力を車に使う訳にはいかないので、ガソリン車メインにならざるを得ません。
途上国で電動化するにしても車外から充電の必要がないものに限ります。つまりハイブリッドです。それもストロングは技術、整備、インフラ等で非現実的なので、マイルドハイブリッドにいかざるを得ません。さらに今後熱効率が50%を超えるなら従来型内燃機関も未だ未だ使えます。
今後増々需要が増える電力に関しては期待の再生可能エネルギーは不安定さやコストがネックになるので、全てをそれに置き換えるとなると時間がかかります。それまでの繋ぎをどうするかによっては車の方向性も大きく変わって来るのです。
人命を尊重するなら脱石炭、脱石油しかありません。出来れば化石燃料系では一番クリーンで発電コストも低いと言われる天然ガス発電が望ましいのですが、搬送や冷凍保存には液化が必須で、そのために電力が大量に消費されるというパラドックスを解決しなければなりません。
(発電別の大気汚染や事故による死亡率、圧倒的に石炭発電が不利である。天然ガスはバイオマスより死なないようだ。原子力が一番安全だというのに差別されているようで、新規の需要は少ない。)
ちょっと話が大きくなり過ぎて実は後悔しています。(笑)悪い癖とは言え、どうまとめるか不安になって来ました。こればかりは独断と偏見で、という訳にもいきません。少し時間が必要なので続きは次回とさせて下さい。
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