消費税の増税は神への冒涜?
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先日ブロゴスを覗いていたら「日本には経済成長は必要ない。」と堂々と言っている野党議員の記事に遭遇しました。なぜこういう勘違いが起きるのかよく分かりません。常識で考えてあり得ないではありませんか。原始時代から連綿と続いて来た人類の生産性向上の歴史ををなんだと思っているのでしょうか。
人間は常に進化する動物です。それが我々の時代に急に止まったりしません。今後何千年、何万年と半永久的に進化し続けるという事に想像が及ばないのは、単に思い上がりです。未来の人類を愚弄するにも程があるというものです。
さてそこで今日は自分自身の頭の整理もかねて経済の基本を考えてみたいと思います。いつも言うように、あくまでも素人の独断と偏見に満ちた話である事はご了承下さい。
人間が生きて行く上で必要とするものは何をさておいても食が一番です。次に衣と住は同じくらいの重要度でしょうか。どれもなくては生きていけません。これらが持続的に満たされる環境が確立されたなら次は他の事に興味が移るという訳です。余暇の過ごし方と言ってもいいです。
例えばスポーツ、あるいは絵画彫刻などの美術、音楽、その他色々、娯楽の世界までが花開いて行くのです。それらがある程度のレベルにまで達すると文化と呼ばれるようになります。もちろんその快適な環境を守るためには防衛も欠かせません。
中には軍備は無駄という人もいるようですが、とんだ平和ボケです。人類の戦いの歴史を知らないのでしょうか。侵略と防衛を一緒くたにして評価してはいけないのです。ただ、防衛に見える侵略、侵略に見える防衛がある事も事実ですが、後世の歴史家が正しい評価を下してくれる事でしょう。
話が明後日の方に行きかけました。(笑)いずれにしても、そこまでが一国の経済の基本で、それ以上はおまけという事になります。つまり海外との付き合い(貿易)は本質ではありません。あくまでもプラスαと考えるべきです。その国の人の生活をより豊かにするため余剰物資を交換する、それ以外の何ものでもありません。
しかし、これら基本的な事を現代の人は忘れてしまっているように見えます。日本は製造業を卒業して、サービスや金融の分野で一旗揚げろと言う人や、ITやAI こそ生きる道と言って憚らない人までいるのです。挙げ句の果ては上記のように日本に経済成長は必要ないとまで言い出す始末です。どんだけ間抜けかと言いたいです。
人類は存在する限り、色々な意味で成長して行きます。動物のように同じ事の繰り返しという循環には入らないのです。またそれが人類の人類たる所以です。神が何を思ってこういう生き物を作ったのかは知りませんが、この事実は覆し様がありません。従ってそれを定めと受け入れ粛々と従うしかないのです。
まず衣食住ですが、ここも随分進化して来ました。最初は洞窟に住んでいたのです。食べるものはそのあたりにある物、果物や獣、魚などです。着るものに至っては餌の動物から剥がした毛皮だったりします。何と安直な世界でしょうか。これでは人口が増える事はかなり難しかったと思われます。
その証拠に1万年以上続いた縄文時代の末期に至っても20数万人しかこの列島に住んでいなかったのです。その後稲作がもたらされる事により飛躍的に人口は増えますが、それでも大した増え方ではありませんでした。
(縄文代の服装/見方によっては今と大差ない?)
そこで経済の話になります。稲作前の原始時代の生活は動物と大して違わなかった訳ですが、ひとつだけ違う点は衣服を身に着けていた点です。これは何らかの加工をしなければいけません。体のサイズに合わせる、あるいは夏と冬とでは当然材料や量が変わって来る筈です。
これが付加価値なのです。すなわち人が原料を加工する事、それが文字通り付加価値と言われるもので人類にしか出来ない技です。次に人は火を発見し、動物を捕るための道具を発明します。住むところも工夫をして、より住みやすい住居に変えていくのです。
安定的に食料を得るためには不確実な狩猟より穀物や野菜などを栽培する方が有効だと気付いた人類は田畑を作るようになります。これにはシステムが必要なので大勢が協力しあいチームを作って取り組むようになりました。
付加価値がどんどん上がって行く様子が伺えます。量的なものが安定すると今度は質です。より良い味にするための工夫をします。そこまでいけば次は料理です。これによってバリエーションが増え価値が決定的になりました。
なんだ、そこで進化は終わるじゃないか。なんて言ってはいけないのです。(笑)それは原始人に毛が生えた程度の我々の結論です。未来の人類がそんなレベルに満足する筈がありません。より刺激的な結果、付加価値を求めて日夜努力する事は明らかです。
その将来は、原始人が今の状況を想像出来なかったように我々も想像出来ません。付加価値が本格的に創造され始めてたった数千年です。その程度で今後何億年続くか知れない人類の進化が今止まったなんて誰に言えるでしょうか。
確かに基本中の基本と言える衣食住に関しては今後革命的な変化は起きないかもしれません。しかしながら、その基本が高い次元で安定すると人間は別の付加価値を求めて彷徨うのです。つまりIotやAI 等により生活基盤が安定し余暇が加速度的に増えて行くと人は趣味の世界に生きるようになります。
ここの付加価値は無限なのです。それこそ我々が想像も出来ないような未来が次々と表れては消えて行く事でしょう。自然災害や大きな戦争がなければという注釈は付きますが、普通ならそうなります。
ところが残念な事にそれを阻害する要因が戦争や災害以外にも少なからずあるのです。もちろん人為的なものですが、まず政府が邪魔をします。その一番が緊縮財政です。それを後押しでもするように、政府関係者がよく給料を上げれば経済成長するなどと言いますが、大嘘です。
マネーストックに大して変化がない状態で無理に給料を上げても、どこかに皺寄せが行くだけです。結果として380万もあると言われる中小企業の経営が圧迫され行き詰まってしまっては何にもなりません。
給料が上がるのはあくまでも結果です。銀行が誰かに投資して初めて使えるお金(マネーストック)が増えます。あるいは政府でも構いません。政府が新たに通貨を発行する、あるいは国債を発行して日銀に買わせ、得た資金を公共投資等で市場に投入すればマネーストックは増えます。
逆に増税で投資した資金を回収してしまうとマネーストックが減るのです。これを緊縮財政と言います。付加価値創造が使命と言える人類を相手に節約を促すのでは進化の芽は摘まれるしかありません。それは人類に対する反逆で、人類を創造した神への冒涜です。愚かと言うしかないではありませんか。
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コメント
「マネーストックに大して変化がない状態で無理に給料を上げても、どこかに皺寄せが行くだけです。」おかげ様でこのあたりの話が理解できるようになりました。ところでまた質問なのですが、いわゆる量的金融緩和はマネタリーベースが増えるだけで、ストックは増えないのにどうして円安になるのですか。それとも安倍政権で円安が始まったのはこれとは無関係なのですか。
投稿: 八丈島 | 2019年7月12日 (金) 17時06分
八丈島さん、
マネタリーベースが増えるという事は、銀行が扱える円が豊富にあるという事です。マネーストックがいくら増えても円安にはなりませんが、銀行はドル円等の交換業務があるので、外貨とのバランスが変わると為替の変動が起きます。
交換すべき外貨に対して円がやたら多いのが現状です。つまり銀行が必死になって円を調達しなければならない状況ではないという事です。
言い換えれば政府系金融機関が政府の代わりに円を刷って、その資金でドルを買っているのと同じ事になります。
つまり為替操作と見られても仕方がない事をやっている訳です。だから一時米が日本にイチャモンをつけたのです。実際はもっと複雑ですが簡単に言うとそういう事です。
投稿: | 2019年7月12日 (金) 18時02分
ありがとうございます。市中に流通する円の量が多いとドルとのバランスで円安になると思っていました。実際に交換するのは金融機関ですから金融機関は交換のための円には困らないからだと。それと「政府系金融機関が政府の代わりに円を刷って」とは、「日銀が国債を買って円を供給して」と同義ですね。
投稿: 八丈島 | 2019年7月12日 (金) 20時06分
八丈島さん
そうです。金融緩和の事です。金融緩和とは政府の代わりに日銀が円を供給する事です。
買い入れた国債などの資産と同額の円を銀行などの金融機関に供給します。それは当座預金残高が増える事を意味します。
だからと言ってマネーストックが増える訳ではありません。
投稿: 田中 徹 | 2019年7月12日 (金) 21時10分