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2019年7月 3日 (水)

日本の問題は教育なのだろうか?

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日本の最大の問題は人口減少ではなく「教育」

ある有名投資家のブログからの抜粋です。

まず「お金=汚いもの」「投資=バクチ、危険」という思いこみが子供の頃から刷り込まれています。これは教育に原因があるのです。学校の先生は、マネーリテラシーを学ぶことなく、子供に教育しています。自分が幼少時代に受けた教育を疑うことなく、伝えている。これではお金に対するネガティブなイメージはいつまでたっても変わることはありません。

お金を稼ぐことについても同様にバイアスがかかっています。日本では、労働によって汗水たらして稼いだお金は尊いが、投資でお金が働くことによって得られるお金は不労所得と呼ばれ、何か悪いことのように思われています。二宮金次郎の世界です。

大いに異論があるところですが、もう少し読みましょう。

しかし、投資とは自分の頭を使ってお金を働かせて、世の中に価値を提供し、その対価を投資のリターンという形で受け取る高度な知的労働です。体を使って汗はかいてないかもしれませんが、頭には脂汗をかいたり、時には冷や汗をかいたりすることもあります。

投資行為(デイトレーダー?)そのものが高度な知的労働という点では紛れもなく正しいでしょう。私もそう思います。ただ、脂汗や冷や汗はギャグか!と言いたくなります。(笑)しかもあまり上手いとは言えない。

ところが、どちらのお金の稼ぎ方も等価であり、優劣はないはずです。と来ては黙っていられないのです。

全く等価ではありません。付加価値を生む仕事と付加価値と等価である付加価値の対価、つまり報酬をピンハネする作業が何で等価なのでしょうか。言葉は悪いですが、投資は発展分の上前をはねる作業なのです。従って投資家が儲け過ぎると発展が阻害されます。日本のような低成長の先進国ではなおさらです。

基本的に投資家は分母となる投資用資金は多い程有利です。そのため稼いだ資金は莫大に溜め込まれます。それはマネーストックの中で移動するだけですが、逆に言うと付加価値を消費する資金の比率が少なくなる事を意味するのです。儲けたお金をバンバン使ってくれるのなら未だましですが、殆どの場合大半がプールされてしまいます。

お金に対する誤った認識がメンタルブロックとなって、資産運用を始める時のハードルになってしまっているのです。

いいえ、誤った認識ではありません。あなたの認識がおかしいのです。

日本は、これまで製造業で稼いできた資産を資産運用によって守り増やしていくサイクルに入ります。真面目に働いてお金を稼ぐフェーズが終わり、お金に働いてもらうフェーズに入らなければなりません。

これに至っては開いた口が塞がりません。資産は溜まったまま放置されているという認識なのでしょうか。ちょっと勉強をし直して欲しいです。しかも最も基礎的なところをです。

製造業でいくら稼いでも、それで儲かったお金で設備投資などの借り入れ返済が進んで行けば、銀行の貸出し残高は限りなくゼロに近づいて行きます。それは預金残高が同額減る事を意味するのです。稼いだ資金が残り続けるという認識は大きな間違いです。

つまり国民が労働で得た対価のみで一定の生活を維持しようとし、誰も借金をしなければお金は減っていく定めなのです。この人は投資でお金が増えるとでも思っているようですが、はっきり言って全く増えません。増えたような気になるだけです。つまりバブルなのです。錯覚して浮かれて使っていればいつか破綻します。

いずれにしても、金融システムがどうであろうが人間は永久に真面目に働くしかないのです。そうでなければ誰が物やサービスを提供するのでしょうか。お金だけでメシは食えません。働く人がいて、そこに投資する銀行があるからお金が増えて行くのです。

と書くと、あれやはり投資すればお金が増えるんじゃん。と言われるかも知れませんが、「銀行が」という注釈が尽きます。正確に言うなら日銀に当座預金を持つ金融機関なら信用創造が出来ますから、世の中のお金を増やす事が可能です。

しかしそれ以外の金融機関、サラ金、個人投資家に信用創造は出来ないのです。自分が持っているお金の範囲でしか貸す事が出来ません。つまり限界があるのです。ところが銀行の場合は限界がほぼありません。今なら保有している資金の100倍近いお金を貸し出す事が出来るのです。

にも関わらず、そのために必要な教育がまったく提供されていないのは大きな問題です。人口が減少し、労働力が不足してもお金の知識を持つ人がたくさんいれば、日本人は豊かに暮らすことができます。そう考えると日本の最大の問題は人口減少や少子高齢化ではなく、教育にあると気が付かされました。

いいえ、そんな教育は無駄です。何でお金さえあれば豊かになると考えるのか謎です。ものやサービスは海外から買えとでも言っているのでしょうか? 呆れてものが言えません。産業のない国に未来はありません。

日本の問題はそんなところにはないのです。日本の問題は前から言っているように政治です。政治が正しい経済認識を持てば日本経済はあっという間に復活します。もちろん日本が復活する事で困る国や勢力が邪魔をしますが、それらを黙らせるのも政治の仕事です。

誤解があっては困りますが、私も投資家には色々世話になった事もあって、投資を全否定している訳ではありません。ミクロの視点でで見れば必要な場合もあるのです。言いたい事は、この人が言うようなきれい事ではないという事です。増して子供に教育するなどもっての他です。

投資は言うなれば博打の世界ですから勝ち負けはつきまといます。しかもスポーツと違ってプロと同じ土俵で勝負する訳です。従って、まず負ける事の方が多いと考えるべきです。

タイガーウッズとマッチプレイをやっていると考えて下さい。1〜2ホールなら勝てる可能性はゼロではありませんが、18ホールやれば絶対に負けます。(笑)しかもこっぴどく。。

これらを正しく認識し、自分の実力をわきまえてやるのであれば誰も反対はしません。

次にこれと関連しますが、日本人が持つ金融資産は全て円に換金出来ると勘違いしている某経済学者の錯覚を読んで下さい。

2018年度末の国と地方の債務残高は1107兆円。これに対して家計金融資産は約1800兆円、対外純資産約300兆円を含めると2100兆円以上あるので、今のペースでそれをすべて食いつぶすには30年以上かかる。

本当に酷い認識といわざるを得ません、これで経済学者の看板が出せるのですから日本もゆるい国です。金融資産には株等の有価証券が含まれますが、それらを全て換金したならマネーストックの残高に収束するという事が分かっていないようです。特に対外純資産は既に換金されています。

経常収支の黒字分の外貨は、そのままでは国内で使えないので殆どの場合円に交換されます。その時点でマネーストックに数字がプラスされますから、対外純資産という独立した資産はないのです。

それも含めた額が1800兆円の金融資産です。その内マネーストックはM3で1300兆円程になります。これが使えるお金の全てです。その額なら、この方の計算で言えば10数年で食いつぶす事になります。でもよく考えましょうよ。

その間今並の負債(国民の側の)の増え方なら、本当に食いつぶしてしまいます。そんな事をすれば、それこそハイパーデフレになり、国民はバタバタと破産してしまうでしょう。全く身に覚えのない瑕疵によって。。

前提としてあり得ないことを言うのは・・プロとしていかがなものでしょうか。日本の問題はそんなところにはないのです。本当にバカバしい。

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(これまで日本に対し散々非常識な事をしておきながら、常識に反するとはよく言えたものだ。WTOだって呆れて相手にしないでしょう。)

ところで話は変わりますが、安倍政権がようやく重い腰を上げ韓国制裁へと踏み切るようです。遅めではありますが、やらないよりはやった方がはるかにましです。内容はフッ化水素など三品目の生産財の輸出規制(事実上の)です。

それらは日本がほぼ独占して生産している、半導体や有機ELを生産するのに必要なものです。フッ化水素は韓国が世界でトップのシェアを持つ半導体生産に欠かせないものですが、日本が輸出をしなければ成り立ちません。これは効果が絶大でしょう。音を上げるのは時間の問題と思われます。

日本に対して不誠実な事をすれば日本だって黙っていないよ、という事を世界に示しました。ロシアや中国は少し驚いたのではないでしょうか。日本に対して言いたい放題、やりたい放題でしたから少し歯止めがかかるかも知れません。

日本にもブーメランが帰って来ると言って批判的な人もいるようですが、これまでのようにやられ放題の方がはるかに国益を損ないます。今回の措置は日本さえその気なら皮を切らせて骨を断つくらいのインパクトがあるのです。

当然今後のやり取りも含め、そのあたりのシミュレーションは済んでいるものと思われます。韓国の出方が注目されますが、長引けば長引く程いい事はありません。

 

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