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2020年4月 2日 (木)

優先すべきものが明確でない現代

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---移民政策/消費税増税/カジノ解禁に断固反対!---

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輸出が輸入より増えると円高になり良くない? 何故政府や企業は自由貿易を推進するのか。経営者なら、自由貿易をはじめて1回くらい壁にぶち当たっているはずです。その時に体勢を元に戻し「国内で」と考えられないのでしょうか。まともな経営者なら必ずこの結論にたどり着くはずです。

 今日も前回に続いて読者の方の疑問にお答えします。

 おっしゃる通りで、海外と仕事をする大企業の経営者なら為替で痛い目に遭った事は一度や二度必ずある筈です。ところが彼らは海外を諦めません。なぜなら彼らは企業の経営者だからです。企業の目的は利益を産み出す事です。

株式会社ならなおさらです。株主に利益を還元する義務があります。だから拡大再生産に走るのです。その場合日本市場には限りがあるので必然世界を目指す事になります。その時経営者の眼中にあるのは企業の論理だけです。

だから戦後色々な問題が起きました。水俣病や気管支喘息、アスベスト公害等数え上げればキリがありません。営利企業を放置すると大変な事になるという見本市です。だから誰かが規制しなければいけません。

それが政府の仕事ですが、日本と言えども迅速に動いたとはとても言えないのです。悲惨な過去がそれを物語ります。未だに色々ありますが。。(笑)今回(新型コロナ)もとにかく遅い・・・

よく日本人の民度は高いなどと言いますが、幻想に過ぎません。他国に比べれば多少ましなだけです。中国のように経済優先で走って来た過去をなかった事には出来ないのです。

自動車にしてもアメリカがマスキー法案などで騒ぎ出すまではやりたい放題でした。都会の空は汚かったし、ちょっと外にいるだけで鼻の穴が真っ黒になったものです。

当時既に輸出が売り上げのかなりの部分を占めるようになっていた自動車会社などは輸出先に従うしかありません。ついでに国内もという感じで排ガスがきれいになりました。

本家の方は厳しい目標が達成出来ず法制化を断念したという後日談はありますが、(笑)日本は必死でクリアしたのです。それは怪我の巧妙と言えども後々まで製造業に良い影響を与える事になります。

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(ホンダや日産は80%以上も海外で生産するようになってしまった)

相手国の規制は一種の外圧と言えますが、日本は外圧によってまともになり発展したと言っても過言ではありません。他力本願的で情けない話ですがそれは事実です。

しかし、経営者としては利益最優先が会社のため、日本のためと思っていたのです。日本は戦後しばらくは弱小国でした。輸出で外貨を稼がなければエネルギーなどの資源も買えません。だからある時期までは倫理的にも、それが悪いとは言えなかったのです。

為替も昔は固定相場制だったので輸出が増えれば国内の景気も良くなりウハウハでした。ご存知右肩上がりの時代です。これに危機感を持ったのがアメリカです。

折角大戦で痛めつけたのに、また日本がのし上がって来た。目障りなやつらめ、という事でニクソンショックが起きます。具体的に言うとゴールドの流出を抑えるための金本位制廃止です。

これは実はかつての米の敵である日本とドイツがそうさせたのです。この二国からの輸出攻勢でドルがどんどん出て行きます。当時はドル=ゴールドですから米も焦ったのです。

さらに、日独を疲弊させるのは為替を変動相場制に移行するしかないという事で、貿易黒字が増えれば増える程円高、あるいはマルク高になるような仕組みに変えました。そこがひとつの節目と言えます。

そこでちょっと立ち止まり、考え方を改めれば良かったのですが、日独は相変わらず輸出に精を出したのです。(笑)ではどうすれば良かったのでしょうか。

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(完成車の輸出は現地生産が増えるに連れて減る傾向にあるが、部品や生産財の輸出は増えている)

輸出額と輸入額が均衡するなら、それは価値があります。いわゆる物々交換ですからお金も動きません。実際には動きますがプラマイゼロなら動かないのと同じです。お互いがないものを補完し合ってハッピーです。

ところが均衡は崩れるのです。付加価値をより多く生産出来る日本のような先進国はそうでない国より輸出を増やす事が出来ます。その結果お金(外貨)が入って来るようになり一見儲かったように見えるのです。

例えばドルを銀行に持っていけば円に交換してくれるのですから、企業は確かに儲かります。その何がいけないの?と思ってもムリはありません。

しかし国単位で見た場合はどうでしょうか。この場合、ドルなどの外貨は溜まるものの、折角の資源と英知を満載した自動車などの付加価値生産物は自分たちのものにならず外国人のものになるのです。不条理ではないでしょうか。

ここで一度おさらいをしますが、国が豊かになる、あるいは個人の生活が豊かになるという事はお金を沢山保有する事ではありません。沢山の価値ある創造物(製品)や良質なサービスが手に入る事が豊かさを推進する第一条件なのです。

お金は使わなければ価値がゼロです。そうです。日本人がよかれと思って一生懸命働いた結果はお金(外貨)を腐る程持つ事になりました。対外純資産(経常収支の累積額)は何十年も世界一を誇ります。

ところが、お金と引き換えに貴重な生産物を海外にどんどんあげてしまったので、海外が豊かになり日本はと言えば、意に反して貧困化する事になりました。

それだけではありません。円高というペナルティがあったので日本はデフレに苦しむ事になります。それは前回も言ったように給料が下がる事を意味するのです。最悪のパターンではないでしょうか。

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(日本の直接投資は圧倒的に中国が多い。アメリカの4倍近くにもなるのだから驚く)

対外借金超大国のアメリカが繁栄して、対外資産大国の日本が没落したのですからバカみたいな話です。しかしながら、それを経営者に分からせるのは至難の業です。

グローバリズムがデフォルトでインプットされている人の目を醒させるのは非常に困難です。政府がイケイケどんどんで輸出を推奨しているのですから無理もありません。

日本政府のグローバリズム信仰は世界でもトップレベルと言えます。だからアッチに行ってただで技術を教え、こっちに行ってお金をバラまいたりしているのです。一種の撒き餌でしょうか。

一方国内に対しては冷たく、インフラ整備にさえお金をケチるようになりました。その代わりと言っては何ですが、海外から留学生をただで招聘し、外国人労働者にも規制緩和などでどんどん門戸を開放しています。海外資本の日本企業買収に対しても大らかです。

残念ながら官民一体となって日本解体作業に邁進しているとしか思えません。もちろんこうなったのは外圧のせいもあります。しかしここまで露骨になって来ると最早日本は民主主義国家とは言えません。

民主主義というのは誰かさんの口癖ではありませんが、国民ファーストの事です。日本はどうみても外国ファーストです。二番目に経団連等の財界、3番サード長島、4番ワーストレディ昭恵でしょうか。(笑)

冗談はともかく、国民ファーストとは持てる資源を最大限国内に活かす事です。今はどう見てもそうはなっていません。いつの間にか日本人の日本人による日本人のための政治、ではなくなっています。

しかし今回千載一遇のチャンスが訪れました。怪我の功名から国境を封鎖したのです。自給自足経済を確立するチャンス到来です。

こういう外的要因というチャンスをものにして発展して来た日本の歴史を思うと、不謹慎と言われるかも知れませんが、新型コロナは正に神風です。尊い国民の犠牲を無駄にする事なく、自立の芽を育んでいきたいものです。

新型コロナに関する情報

BCGを接種している国とそうでない国、あるいは別のタイプを使う国では大きな差がでている。中でも日本型のBCGが優れているのか、人口比で見た死亡者の数が断然少ない。(黄色が接種をしている国、赤がしていない国、青はタイプ違い。)

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コメント

田中さま
お忙しい中ありがとうございます。

外国ファースト、外国資本、グローバリズムを取り入れて以来、英語が必須となり、学校も企業も力を入れ始めましたが、これも大間違いだと思ってます。日本人の意識を必然的に欧米化させたと思います。利益目当てで企業が海外進出し、政府がそれを後押しし、政経界だけでなく、教育や文化まで外国ファーストが浸透して、英語が出来ると偉いみたいな勘違いが生まれたり。自分の国なのに何か小さくなって生きている気がします。

中国が直接投資先1番なんて驚きました!直接投資って確か殆ど日本には利益ないですよね?技術を伝授して雇用も生産も現地ですよね?間違っていたら教えて下さい。

コロナが良い方向に傾いてくれれば良いですが、頑固な経営者達は考えを変えるでしょうか。たとえ日本が変わらなくても世界が変わり、「行きすぎたグローバリズムは良くない」となる事を願います。

投稿: 女性読者 | 2020年4月 3日 (金) 17時19分

女性読者さん
中国は直接投資相手国としては圧倒的一番の国です。日本が成長に大きく貢献している事は間違いありません。

直接投資とは基本的に現地の雇用と現地での消費が前提です。もちろん技術を導入しないと何も出来ませんから垂れ流しです。

そこから得られた利益は現地に再投資され拡大再生産への道を歩みます。

特に中国の場合、利益の海外持ち出しは出来ませんから現地に再投資するしかありません。

従って日本国に貢献する事は全くなく、相手に奉仕する一方と言って差し支えないと思います。

それでいて反日行為をされるのですから、日本人はどこまでお人好しなの?と言うしかありません。

投稿: 田中 徹 | 2020年4月 3日 (金) 21時50分

ランキングの所在を探すのに苦労しました。嬉しい苦労でしたが。もっと多くの人に読んで頂きたいです。

投稿: アスカ | 2020年4月 4日 (土) 10時10分

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