大手を振ってまかり通る誤った認識(後編)
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「日本人の清潔好きがコロナを防いだ」などという勘違いもかなり危険だ。 日本各地で県をまたいできた自動車に石を投げたり、あおり運転などの嫌がらせをしたりする「他県ナンバー狩り」が問題になったが、これから各国で渡航禁 止が解除され、外国人が仕事や観光で訪日するようになった場合、彼らに対して「不潔な外国人がコロナを持ち込むな」などと石を投げるような、「外国人観光 客狩り」が発生するかもしれない。 我々日本人が戦争や感染症の流行という社会不安が起きた際に、誤った知識や強烈な思い込みに基づいて、集団リンチのように差別や誹謗中傷をしてきたとい う歴史は、動かし難い事実なのだ。
物事がうまく進んだことを、国民性や生活様式、「みんな頑張ったから」といった抽象的な理由で片付けてしまうと、いざ事態が悪化したときにうまく対処が できないからだ。「国民の質が落ちたせい」「昔のやり方がよかった」などの非論理的な思考に囚われ、しまいには「頑張りが足りない」などという根性論に傾 倒し、事態を悪化させてしまう可能性がある。 「そんなことがあるわけがない」と思う人もいるかもしれないが、実はこの「事態の悪化」は、日本人の誰にでも目に見える形で進行しきた。よい例が「日本 の経済発展」だ。
突然だが、皆さんは日本がここまでの経済大国になった理由をどう考えているだろうか。「そんなもの、日本の高い技術力に決まっているだろう」という声が聞こえてきそうだ。「日本人労働者が世界一勤勉だからだ」という人もいるだろう。 だが、残念ながらそれは「コロナを収束させたのは日本人のマジメさだ」というのと同じくらい非科学的で、根拠のないものである。 一国のGDPに最も大きな影響を与えているのは、技術力や勤勉性という話ではなく「人口」だからだ。
ノンフィクションライター K氏
う〜ん、新型コロナに関する前半の記事はよかったのですが、後半一気に崩れました。ここにも誤った思い込み、認識があります。これはかつて勝間女史が言っていた事と同じで、この論理にこそ根拠がありません。
今日はいい加減面倒臭くなったコロナの話を避けて、久々経済の話をします。この方、そもそもGDPを何だと思っているのでしょうか。人口で決まるのはその国の基本供給力であって厳密に言うと世界基準で言うところのGDPではありません。
購買力平価換算のGDPと言うなら未だ分からないでもないですが、GDPとだけ言うと大きな間違いになります。だって為替レートというものがあって、そこで動かし難い差がついてしまうではありませんか。(^_^;)
購買力平価、つまり一物一価の原則をベースに計算するなら確かに人口がものを言います。ですが世界はそんなに甘くはありません。なぜなら同じものを作っても、そこには厳然たるクオリティの差があるからです。
そういう意味では日本の生産性が低いと言うのもトンデモ論で、全く木を見て森を見ず、と言うしかありません。
(昨日のブルーインパルス、久々に見ましたが、クオリティの高いアクロバット飛行は見る者を魅せます。東京上空では初めてか?)
例えばハンバーガーを1個作ったとします。同じ材料で同じマンパワーをかけて作れば、どこで作っても計算上の価格は同じになりますが、そこには品質の差が考慮されていません。
日本で作ったハンバーガーはパンもハンバーグも野菜も桁違いに美味い・・として(笑)一般論ですが、途上国ではそこまで品質にこだわらないのです。従って同じ価格なら当然日本製が売れます。
高付加価値商品である車も同じです。同じ材料で同じ時間をかけて作っても結果は大きく違う事になります。そこにはハンバーガー以上に色々な要素が介入して来るからです。
長い経験から来るノウハウに、改良に対する飽く事のない探究心が導く設計力、デザイン力含む感性の差、バックにある、要素技術を提供するサプライヤーのレベルの差と厚み、さらにこだわりの程度、その他色々ありますね。
それらを総合して技術力と呼ぶのです。その技術力が明らかに違うものを同じ市場で同じ価格で売るとどうでしょうか。誰も途上国のものを買わないのは自明です。そこで為替レートが必要になるという訳です。
これは途上国の産業を守るためのものです。これがないと壊滅します。逆に言えば先進国にとってはペナルティになるのです。そのペナルティはドル換算でのGDPを大きくします。
(日本は90年代からデフレに突入した。行き過ぎた円高が原因)
もうお分かりかと思いますが、日本のGDPが円では大きく変わっていないのに膨張したのはそのせいです。一時は1ドル70円台と、ドルの5倍もの価値を持ちました。米の5倍ですよ。(笑)
固定相場制だった昔の1ドル360円時代から見れば驚異的です。そんな国は他にはありません。それによって人口が米の三分の一でもGDPで上回りかねない状況が出現したのです。
一時米の70%までGDPは膨張しました。でも常識的に考えてみて下さい。それは恐ろしくも、あのスーパーパワーと言われた覇権国、米の地位を脅かしたのです。
実際、米の土地その他の資産が日本マネーによって買われました。Japan as No.1 とまでもてはやされたのです。今では考えられませんが、文字どおり旭日昇天の勢いだったのです。
その場合相手はどうするでしょうか。あの狡猾な米が指をくわえて見ているなんてあり得ません。当然潰しにかかります。色々ありましたね。プラザ合意に端を発して、各種貿易摩擦、日米構造協議、年次改革要望書等で内政干渉がシビアに間断なく行われたのです。
バブル崩壊自体もFRBで指南を受けた日銀の三悪人(三重野、前川、福井の各総裁)が引き起こした事は知る人ぞ知る既定の事実です。つまり日本は大東亜戦争に続いて再度、米のトラの尾を踏んで潰されたのです。
そして今、中国がその役をやっています。今回は大統領がトランプさんなので露骨です。(笑)非常に分かり易く崩壊させられているのです。
つまり技術力がGDPには決定的に効いて来るという訳です。ただ中国の場合は日本の場合とは違います。各国からの直接投資をベースに、不正な手段で得た技術力プラス桁違いの人口がGDPを拡大させ、さらに隠そうともしない領土的野心が米の逆鱗に触れました。
では日本の今はどうかと言うと、旭日昇天の時代より技術力は間違いなく勝っています。その技術を惜しげもなく世界にばらまいたので相対的地位は低下しました。
つまり日本の技術で世界を裕福にした代わりに自らは没落したという訳です。しかしながら復活は可能です。それは意外に簡単な話なのです。今回コロナ騒動でグローバル化に歯止めがかかりますが、それは日本にとっては千載一遇のチャンスと言えます。
(日銀のHPを見るとマネーストックが4月末に対前月比で19兆円も増えていた。これは政府主導による貸出しが増えているからと考えるしかない。)
面倒見る相手が減る訳ですから当然相対的地位が上がります。プラス、今回の財政出動次第ではデフレからも脱却出来ます。足りなかったのはお金なのですから、誰が借金するかはともかく、市場にお金を潤沢に供給さえすれば経済が発展して豊かになるのは明らかです。
こういう簡単な事が正しく認識されないで、トンデモ財政破綻論だけが一人歩きしているのも、日本潰しの一環と考えれば納得がいきます。
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