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2020年5月 7日 (木)

一人勝ちは許されない


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---移民政策/消費税増税/カジノ解禁に断固反対!---

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 今回はコロナ関連経済ネタです。

新型コロナ騒動は6日は東京で38人と4日連続で100人を切り、ようやく収束の兆しが見えて来ました。ピークアウトしてから1ヶ月ですからそんなものかも知れません。街の雰囲気も心なしか明るくなって来た感じがします。

今回のコロナウイルスは第一波が昨年クリスマス休暇の12月~1月(春節)に中国人観光客によってもたらされた武漢タイプです。

第二波が3月末辺りから4月にかけて、欧米からの旅行者や日本人旅行者が持ち帰った欧米タイプとされています。株は全部で5種類という事で、その内の二種類が日本で感染拡大したようです。

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これで第三波が来なければ人的被害は軽微だと言えるのですが、秋にはまた流行するのでしょうか? そう言って脅かしている人もいますが、もし来るならまた違うタイプかもしれません。そんな気がします。

まあ、そんな先の事よりはまず足元です。宣言が地方では緩和されたものの「特定警戒都道府県」ではほぼそのまま延長になった事で、これまで必死に耐えて来た人達の中にも限界を超えた人は多いのではないでしょうか。

中小企業や個人事業主は甚大な被害を被っています。2ヶ月分の損害を取り返すのは並大抵の事ではありません。この状態を知らない筈がない政府は、次の手として何をやってくれるのでしょうか。

既に新しい補正予算を組む動きもあると言いますが、真水をどれくらいに想定しているのかが全てです。今の財務省が存続する限り、個人的には大して期待が出来ないような気がします。

と言うのは、そもそも日本は海外から常に忖度を強いられる立場だからです。行き過ぎたグローバリゼーションは政治力、軍事力のない日本にとっては最悪でした。実力があるにもかかわらず、独自の政策、生き方が許されないのです。

その典型的なものが構造改革であり、年次改革要望書などで日本独自の商習慣、文化、伝統が破壊されていきました。さらに金融の自由化、ビッグバンという、キラキラしたいかにも儲かりそうな言葉にも騙されます。

国際金融資本は自分たちの利益のために活動するのであって、日本のためになる訳がありません。当然日本は草狩り場になって折角貿易などで稼いだ外貨が吸い上げられるという訳です。

これで長年の努力の結晶である富が流れていきました。日本人はぼんやりしているので気がついていませんが、90年以降、海外に流失した富は有形無形で一京円以上、自ら減らした富も数千兆円に上ると思われます。

ざっとした数字で申し訳ありませんが、決して大袈裟ではなく世界のGDPから逆算するとそんな感じでしょうか。特に韓国や中国始めとするアジア諸国と米国が増えた分の何%かは日本から流れたものであるのは自明です。

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それはフローですが、ストック(国富)の方でも普通に成長していれば現在5000兆円くらいには達していたので2000兆円程マイナスしている事になります。

死んだ子の歳を数えても仕方がないので現実に戻りますが、今回のコロナ騒動で世界は深い傷を負いました。特に発源地の中国、最大被害国アメリカ、高見の見物のつもりが想定外の感染者を出した欧州などは想像以上に大変な事になりそうです。

まず中国ですが、天文学的賠償金を欧米諸国から請求されています。一ヶ月間も情報を隠蔽したせいで感染爆発が起きたのですから、訴訟社会の欧米としては当然そういう事になります。

中国としては絶対に否定しますから、この賠償金が支払われる事はありません。そこは双方織り込み済みでしょう。トランプさんもまさか払ってくれるなどとは思っていません。第一そんなお金は中国にはないのです。

では何がまずいのかというと、まず信用です。これまで、かなりいかがわしいものの、かろうじて騙して来られた最後の薄〜い皮が剥げ落ちました。これプラスコロナで資本や生産拠点の引き揚げが相次ぎます。貿易でさえこれまで通りと言う訳にはいかなくなるでしょう。

それは既に資本逃避で外貨不足だった中国に取っては泣き面に蜂です。これは誤摩化し様がありません。先頃発表されたコロナ対策費にも既に現れていました。リーマンショックの時のように大盤振る舞いが出来ないのです。

当時は外貨もたっぷりあり、経常収支も黒字でしたから60兆円程の対策費が工面出来ました。今回は何とその10分の一なのです。これに関してはエコノミストの田村秀夫氏が言及しているようにドルペッグの弊害なのかもしれません。

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つまりこれまでは獲得したドル分の元を刷って来た訳ですが、もうそのドルがないのです。増える見通しも立っていません。そうなると元暴落を恐れ、非常に控えめな対策しか打てないのです。

さらに今後米中摩擦が激化するのは自明です。その結果、そもそも借金経済だった中国ではドミノ倒しを招き、想像を絶する事態になりかねません。金の切れ目が縁の切れ目で、習政権も風前の灯です。それは国家分裂の危機を意味します。

次に欧州ですが、ドイツ以外は経常収支赤字国です。フランス、イタリア始め国際水平分業が進んだ借金経済の国は厳しいです。政府が国民を援助をしようにも自国でユーロは刷れませんから丸ごと借金になります。

ドイツさえもユーロはECBに頼るしかないので、ふんだんにという訳にはいきません。他国よりは少し長く保つが、第二波に耐えられるだけの体力はないのではないでしょうか。

米はドルがいくらでも刷れるので安泰かと思われるかも知れませんが、そうではありません。FRBは民間銀行なので今回のように大盤振る舞いをすれば、政府の負債は限りなく膨らんでいきます。

さらに資源価格の下落もタイミングが悪いです。自国産業のシェールオイルは採算割れになると言います。貧富の差は開く一方だし、どう考えても明るい未来図は描けません。

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先進国がほぼ全滅の中、キラキラと輝く国があります。そう、日本です。身びいきで言っているのではありません。日本は民間が大幅な黒字なのです。企業は莫大な内部留保を持ち、国民の金融資産は1800兆円を超えます。

さらに国としては対外純資産が340兆円と世界一の債権国です。マネタリーベースも500兆円と国民一人当たりで言えば世界ダントツなのです。これは政府が負債を増やして来たからに他なりません。

1000兆円を超す借金大国などとデタラメを言われて来ましたが、それこそが国富の源泉だったのです。怪我の功名でもありますが、今回はそれが吉と出ました。アベノミクスでの金融緩和でいくら円を刷っても株高にこそなったものの金利やCPI(消費者物価指数)の低値安定は実証済みです。

つまり政府さえその気になれば経済対策資金として、いくらでも円が刷れるのです。そんな国は世界広しと言えども日本しかありません。だから困るのです。

軍事力も政治力もない国が米中の上に立てばどういう事になるか、想像力を働かせましょう。バブルのときのように寄ってたかって潰されるのがオチです。

必死になって米並に経済を悪化させなければ、また何をされるか分からない。そう考えて安倍さんは断腸の思いで宣言を継続したのです。(笑)信じるか信じないかはあなた次第です

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

田中様

こんにちは。
いや〜、これは一理ありますね。以前に申し上げましたが、欧米が機能していないので、今後彼らは必ず日本に理不尽なことを押し付けてくると思います。ここで本来ならば政治家の腕の見せ所なのですが、今の日本には外交を上手く交わせる人がいないですね。目立たないように足並みを揃えるだけなのでしょうか。そんなことしても、必ず押し付けてきますよ、特にお金の面でだと思います。はっきりとNOと言える政治をしてほしい。アビガンも上手く売りさばけば良い。オリンピック延期にかかる費用も負担してもらえば良い。もらえないなら東京では行わない、中止だって言えば良い。困るのは協会の方だから。

国内情勢ですが、私は安倍政権の中にもアンチ安倍がいて足を引っ張っているとしか思えません。本来総理が知っておかなければいけない事も知らないようです。それとコロナ一連で政府の対応が遅いのは、やはりこの壊れた憲法のせいだと思います。これに尽きます。そもそもこれは国家安全保障問題だと思います。自衛隊やバイオテロに対応できるプロが指導するべきだったと思います。厚生省が仕切るのでは無理です。専門家の意見と言いますが、彼らは大学教授なので勿論PRC検査を勧めます。左巻きや野党が「プライバシーの侵害だ、個人情報だ」と騒いでいるので国家が国民のデーターを一律化出来ていないのも問題です。韓国が上手く対応出来たのはPCR検査の数が多いからではありません。国が個人情報を徹底してGPSで追跡したからです。日本もそうすれば良いのです。でもプライバシーと騒ぐでしょう。

もう一つ気になるのは中国です。悔しいけど一人勝ちです。加害者なのに被害者ぶって、マスク外交して偽善者ぶっています。強かな汚い奴らです。皮肉なことに日本が見習わなきゃいけないところが沢山あります。新大久保では売れ残りの中国産マスクが大量にあるらしいです。衛生上問題のあるマスクばかり。それでも手に入らない国にとっては助かるとのことで中国様に頼っています。こんなバカな話はないですよ。

投稿: 女性読者 | 2020年5月 9日 (土) 15時58分

女性読者さん
中国は追い詰められています。そんな余裕はありません。外貨がなければ成り立たない国で、どんどん逃避しているのです。

そのために自国通貨も刷れません。私はもう最終的段階に来ていると見ますが、尤も、その時が一番怖いです。

何が起きるのか予想不能です。

投稿: 田中 徹 | 2020年5月10日 (日) 17時38分

田中様
 こんばんは。
大国も日本が優位に立つのはわかっているのですね。出る杭は打たれるですね。
 米国兵も感染し、中国も尖閣諸島をうろついているようですね。米国のもたつきを狙った、あるいは危機的状況をごまかすパフォーマンス?
 日本は収束しても経済政策、憲法改正など内憂外患ですね。
 田中様に一つお尋ねしたいのですが、デジタル人民元、リブラは今後どうなるのでしょうか?日本もその手を打つ必要あるのでしょうか?
 5Gも乗り遅れ?たような気がして、日本の動きの鈍さを心配しています。6Gに着手しているともききますが…。
 コロナ後は海洋国家群と大陸国家群に大きくわかれるのかなあ…。

投稿: みかんばな | 2020年5月10日 (日) 19時34分

みかんばなさん
私はデジタル通貨や仮想通貨と言われるものに興味がありません。なぜなら詐欺師が考えそうな事だからです。

通貨は一国一通貨が基本で、それ以外は必要ありません。通貨は基本的に主役ではないのです。

脇役が幅を利かすようになってから世の中おかしくなりました。

5Gも似ていますね。あくまでもテクノロジーは脇役です。人間が豊かになる為のツールに過ぎないので、コンテンツが充実してなんぼなのです。

従って豊かさの指標であるGDPにも大して影響は出ません。つまり人間にとって大騒ぎする程のものではないのです。

要はそういう目新しい事で商売をしようとする人がいて、何とかして我々の財布の紐を緩めさせようとしているのです。

そういうものには簡単に乗らないのが賢明ではないでしょうか。

投稿: 田中 徹 | 2020年5月10日 (日) 21時14分

田中様
 早速のお返事ありがとうございます。
 デジタル通貨自体、私も全く興味はありません。ただ、強引にこういうことを戦略として考える人達がいるのでは?という心配からです。
 5Gに関しても一部の人達が騒いでいるだけでしょうね。
 5G乗り遅れたー、日本だめ論的なことを言いたい人達なのでしょう。
 あくまで心配からきた質問です。
 胡散臭いもの、やたら便利さをうたう物は手を出しませんのでご安心を。
 この読者の一人として自信を持って行動、学ばせていただきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。

投稿: みかんばな | 2020年5月10日 (日) 21時45分

みかんばなさん

こちらこそ宜しくお願い致します。大した事は書けせんが、何かの参考になれば幸いです。

投稿: 田中 徹 | 2020年5月11日 (月) 17時30分

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