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2020年6月10日 (水)

ショックドクトリン


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 麻生さんが今回の新型コロナに関して、日本の感染者、死亡者が他の先進国に比べ圧倒的に少なかったのは民度の違いだと言ったそうです。さらに個人の人権を無視してまで感染経路を追った「韓国とは一緒にせんで下さいよ」と言ったのには笑いました。

なかなか公の場では言えない事ですが、麻生さんならではの一言に溜飲を下げた人も多いのではないでしょうか。私も少し見直しました。最近怪しい言動が多かったので宗旨替えでもしたかと思っていたのですが、そうでもなさそうです。

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ただ、その民度ですが、今回は違う気がします。民度でそこまで差がつくのなら同じ部類の感染症であるインフルエンザ被害が他国並みという事実が説明出来ないのです。従って何か他の特別な要因があった事は明らかですが、それは今後の調査結果を待つしかありません。

個人的には日本人の民度は賞賛される程ではないにしても、世界で言えばましな部類だと思っています。詐欺師や泥棒だらけの国が世界には相当数あるし、数ある先進国を見ても犯罪発生率は決して低くはありません。その点、日本は珍しい部類と言えるでしょう。

話は変わりますが、先日オンデマンドTV Netflix を観ていて興味深いシーンに遭遇しました。飛行機が二機住宅街の上空で衝突し、死体や破片がバラバラと落ちて来るという凄惨な話です。

幸い住民の被害は殆どなかったのですが、心理的な後遺症、いわゆるPTSD に悩まされる人が続出するのです。特に子供に多く、親はどうする事も出来ないというストレスを抱えます。

舞台はアメリカです。こういう場合、学校が全校生徒を集めて話を聞くというシーンをよく見かけます。自分だけで悩まず、気持ちを正直に他人に聞いてもらうというのは、有効な治療法の一つなのかもしれません。

その学校は高等学校のようでした。体育館に集まった生徒達が自分の体験と率直な気持ちを吐露していきます。先生達は生徒の気持ちに寄り添った言葉で応えていくという訳です。

麻薬中毒患者の更生施設でよく見られるような、傷口の舐めあいごっこ的なあれです。(笑)私はまた始まったのかと、ちょっと引いて観ていたのですが、ある先生がコメントを求められてから面白くなりました。

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(ブレーキング・バッド/高校講師である末期の肺がん患者が高い治療費を稼ぐために麻薬を製造するという荒唐無稽な物語)

その先生曰く、「悪い面だけを見るのはよくない、結果として良かった面も見る必要があるのではないか、例えば今回の死亡者数は航空機事故の中では決して大きくなく50番目くらいだ、しかも住民に被害はなかった。」さらに続きます。

「人類は昔から、そういう不幸な事故や災害に遭って来たが克服して来たからこそ今があるので、もっと前を向いた方がいいのではないか、つまりこういう後ろ向きな場でグズグズと感傷に浸っていても決していい結果は生まない」と、そこまでは言いませんでしたが、そういう内容にさしかかった時の事です。

一人の先生が発言を遮ったのです。見れば先生達は不愉快そうに見えます。反対に生徒達の顔には明るさが戻っていました。目が明るく輝いて来たのです。現実には、そこまでの即効効果は期待出来ないにしても、いつまでも過去にこだわるよりは良さそうです。

そこまで観て、似たようなシーンに思い当りました。今回のコロナ騒動とこれとを一緒にするのは適当でないかも知れませんが、生徒と先生の関係は国民対政府マスコミ連合に似ている気がします。

つまり先生にとっては、こういう非日常的出来事がチャンスなのです。日常では埋没していても、非常時に存在感を出す事によって株を上げようという魂胆が垣間見えます。

その先生方はコロナ騒動で言えば政府やマスコミです。露出が増えるので、ここでひとつ存在感を示したいと思う政治家やコメンテーターは多いのです。媒体としても煽った方が好都合です。こういう非日常は美味しいのです。

情報の乏しい国民(生徒)はただ聞き入れるのみです。そこに先ほどの前向きな先生はいません。もしこの前向き先生がいたとすれば何と言うでしょうか。私がその先生なら次のように言うかもしれません。

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(嬉々として横文字のキャッチフレーズを考えたり、何とかしてこのチャンスを長引かせるために数字まで改竄した緑妖怪)

皆さん、よく考えてみて下さい。季節のインフルエンザでは毎年1000万人以上が感染し、超過死亡を加えると1万人もの人が亡くなっています。犠牲者は年寄りだけでなく若い人も多いのです。特に小さな子供も少なからず犠牲になっている点は見過ごせない悲しい事実です。

一方の新型コロナはどうでしょうか。ワクチンも治療薬もないのに1000人も死んでいません。超過死亡も今のところ出ていないようです。と言うか、呼吸器系疾患での死亡者総数は例年より少ないのです。

さらに嬉しい事には子供は死にません。重症化したり亡くなったりするのは主に70歳以上の老人です。そういうのは全て緊急事態宣言と国民の自粛のおかげだと思われるかも知れませんが、その根拠はデータからはうかがえません。

他国を見てもロックダウン効果は限定的なのです。感染国からの入国を遮断した事も大して意味をなしているとは思えません。大量の感染者が既に入国済みだったからです。つまり昨年末から半年間、日本中このウイルスが蔓延した事は紛れもない事実で、その結果としてのあっけない収束なのです。

恐らくですが、特に何をしなくても結果は大して差がなかったのかもしれません。それは今となっては証明出来ませんが、逆もまた言えるのです。そういう客観的事実を一切言わない政治家やマスコミは、生徒の不幸に乗じて存在感を示したい高校の先生と同じはないでしょうか。

結論としては、民度という不確かなものを過大評価は出来ないという事、世の中は存在感を示してなんぼのマイノリティと、それらにすがりたい弱い立場のマジョリティによって構成されているという事です。

その間に入るべき、客観的事実を分析して正しい情報を伝える人がいるかいないかで未来は大きく変わります。つまり本来それはメディアの役目だと言うのに、その機能を放棄しているのが大問題なのです。

従って、この先もコロナの影に怯えながら後ろ向きに生きていく人が大半なのかもしれません。ウィズコロナと言った人はコロナによって存在感を出したい人の典型で、マジョリティである都民の不幸を食い物にする妖怪です。

残念ながらメディアは国民の味方ではなく、むしろその妖怪をのさばらせる存在でしかありません。

 

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コメント

僕も全く同感です。さすが田中様うまいこと表現しています。
死亡率は若年層ではインフルエンザのほうが高いようです。

投稿: 八丈島 | 2020年6月12日 (金) 18時57分

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