いまだによく理解されていないお金の話
---ワクチンを打つ打たないを決めるのは個人の権利---
借金で首が回らなくなった政府は、最終手段として預金封鎖をするだろうと言うのですから穏やかではありません。そんな事をされたら皆餓死してしまいます。(笑)
物とサービスの供給が出来る限りそんな馬鹿な事は起こさないし何の意味もないのですが、その理屈が分からない人たちが大勢いて、相変わらず預金封鎖が大好きなようです。
もしそれが可能として、ではどういう機序で起きると言うのでしょうか。不毛な話ではありますが、一応考えてみたいと思います。
まず、国民の持っているお金マネーストック(M3)の残高ですが、5月末時点で1558兆円あります。簡単に言うと銀行預金と現金の残高がそれだけあるのですから、1000兆円以上あると言われる国の借金は、それで返済可能に見えます。
次にマネタリーベースと言われるお金ですが、日銀当座預金残高が560兆円、日銀券発行残高が120兆円で合計680兆円になります。
ここが混乱する原因と思われますが、政府が手を突っ込んで取れるお金は、この680兆円だけなのです。という事は1000兆円以上の借金をチャラにする事は現実には出来ないという事です。
なぜなら我々が持っている通帳の残高は単に銀行の負債の記録に過ぎず、それを担保するものは銀行が持っている債権(貸出証)のみだからです。政府がその債権を取り上げても、マネタリーベース残高以上の金額にはなりようがないのです。それこそただの紙切れです。(笑)
(信用創造「貸出」とは、無から有を生み出すから創造なのだ。だから返済で消えていく。)
もし銀行預金という制度がなく、お金が全部ゴールドなら国民の持っているお金を全て奪う事は可能ですが、管理通貨制度の今は銀行が創造する通帳に印字されただけの架空のお金が大半になるので、そもそも取り上げる意味が無いのです。
つまり、取れるお金は全て自分が発行したものなのに、それを全て取り上げるというのは自己矛盾以外の何物でもありません。預金封鎖が好きな人たちは、そのお金はどこから来たと思っているのでしょうか。
という事は、お金が欲しければまた自分で刷ればいいという事になります。つまり国債発行です。これが主権国家に認められた通貨発行権なのです。その国債を日銀が買った時点で本物のお金(マネタリーベース)になります。
でもこれまで、これをいくら刷ってもインフレにならず、経済が良くなる事もありませんでした。だから本物のお金である筈のマネタリーベースこそ絵に描いた餅という事になります。
ややこしい話ですが、銀行が作った架空のお金に過ぎない国民の通帳残高こそが経済発展に寄与するのです。だからコロナ禍であろうが何であろうが、マネーストックを増やしたというのは正しい政策と言えます。
後はそれが使える環境を整えるだけなのですが、どうも偏っているようで一般庶民のところに来ていないのが問題です。まあでも長い年月をかけて、そうなるように仕組まれてきた感は否めないので、正常化は程遠いと思われます。
(欧州連合(EU)が、暗号資産・ブロックチェーンとりわけステーブルコインに関する規制の枠組みを、2024年までに整備する方針であることを明らかにした。日本も24年に新札が出てくるが、何か関連があるのか?)
ついでに基軸通貨の話もしておきます。これもよく勘違いしている人がいて、日本円はドルやユーロに比べて世界での流通量が少ない、つまり円の価値は大した事がない証拠だと言うのです。
頭が痛くなります。(笑)なんでそんなに円を流通させたいのか分かりません。基軸通貨になれば何かいい事でもあるのでしょうか?何でも買えるようになる?
いや、別に円で買えない物など世界にはありませんし、それで困ったと言う話も聞いた事がありません。中東の石油はドルでしか買えないかもしれませんが、それは米が力でそういう仕組みを作っただけで、特に基軸通貨としてのメリットではないのです。
どうしても円を世界で流通させたいと言うなら、経常赤字国になればいいだけです。米のように毎年巨額赤字を計上していれば世界中がドルを持つようになり、それだけ流通するという訳です。
そんな事に何の意味もないと言うか、それはむしろ米のように政府債務を膨らませるリスクでしかないのですが、円の真の価値がよく分かっていない人が妄言を繰り返します。円の供給量が少ないという事は裏返せば世界にそれだけ価値があるものが少ないという事なのです。
買わなければいけないものが沢山あればあるほど、円を刷らなければいけないし、そうなると流通量は自然に増えます。それは日本が買われることを意味し、グローバル化がさらに進むのです。
日本が低迷した要因の一つにグローバル化があります。グローバル化は富の移動を促し、世界平準化が促進されます。つまり先進国ほど相対的貧困に陥るのは自明なのですが、グローバル化が大好きな人が大勢いるのも日本の弱点です。
今の日本はそのせいで価値の高いものを安く売り過ぎています。最も価値が高いものはその高付加価値を創造する上で重要な生産要素である日本人(技術)と日本の通貨(円)と日本の土地です。
これを外国に安く売る事が文字通り売国で亡国化なのですが、なぜか経団連や政府が一生懸命推進しています。世にも恐ろしい事が普通に実行されているのです。世界統一通貨やデジタル化?金本位性?全く日本には必要ありません。
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