自動車

2017年10月26日 (木)

これでいいのか、トヨタの新タクシーキャブ

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 最近、心底驚いた事があります。トヨタが発表した東京オリンピックに照準を合わせたというタクシーキャブですが、このデザインのつまらなさ凡庸さは特筆ものです。日本の街にあわせたと言いますが、本気でそう思っているのでしょうか。だとすれば日本の街も見くびられたものです。唖然としてものが言えません。

しかし、ここまで不細工にするのはある意味難しいと言えます。新米が普通にスケッチを描いても、もう少しましな絵が描けるでしょうに。レトロを意識したのかな? それにしてはランプなどが妙に新しいし、腑に落ちません。

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四代目プリウスなどを見ても最近のトヨタデザインが、少しやり過ぎではないかと思っていましたが、これはこれでまた違う意味でやり過ぎです。何をどうすればこうなるのか、説明して欲しいくらいです。これは各方面からブーイングの嵐が起こるのではないでしょうか。

私がタクシードライバーなら乗りたくありません。従来のキャブも、やる気の感じられない、決して優れたデザインだとは思っていませんでしたが、普通である分、まだましです。

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(従来のキャブはいかにもコスト優先という感じか。)

さて、かなり厳しく言いましたが、ではなぜ私がそこまで言うのか、素人の皆さん向けに、クルマのデザインについて話す必要があります。クルマと他の工業製品のデザインに対する考え方が大きく違うという訳ではありませんが、クルマは動き廻るし、安全性の確保という至上命題があるだけに少し趣を異にします。

まず、こういう目的がはっきりしたクルマの場合は、機能が前面に出る必要があります。ぱっと見てタクシーだ、と識別出来る必要があるのです。そういう意味では形だけでなく色も大事です。

米などで少しどぎつ目のイエローがタクシーカラーの代名詞になっていますが、それなりの理由があるのです。そういう点で言えば、今回のタクシーは形上的には比較的分かり易いが濃紺という色が中途半端という事になります。そこまでシックにする必要はどこにもありません。

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(ず〜とこのデザインという事に意味がある。ロンドンで乗った時に、あまりの広さに驚いた。荷物と一緒に乗るタイプ。)

真っ黒なロンドンタクシーを意識したというのなら大きな間違いです。あのクルマの場合は歴史があって、既に認知度が半端ではありません。思い切り背も高いしロンドンで見ても差別性が十分です。古くてしぶいロンドンの街に合わせるなら、丁度いい感じかもしれません。あれにイエローを塗ったなら犯罪的と言えるでしょう。(笑)

次にデザインの役割の中で大きいのは提案性です。タクシーに提案も何もないだろうと思われるかも知れませんが、そうではありません。従来の概念を超える新しい使われ方や時代に対応したサムシングがあった方がいいに決まっています。

乗り易い、広い、頑丈、荷物もたっぷり積め、快適な居住空間が確保されている、等々に従来にない機能が付加されれば価値が倍増します。そういう点で言えば、スライドドアやハイルーフ、大きな窓等の工夫があり、そこも一応合格と言えるでしょう。専用のキャブにしただけの事はあるという、最低限の提案性はあります。

しかしながら、折角のそれらの処理が生すぎるのです。要素を並べた、あるいはくっつけただけという感じが拭えません。そこに知的な処理がなされた形跡が認められないのです。コストのためだなんて言い訳をしてはいけません。それでは何のための工業デザイナーかという事になります。

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(NV200 バネットベースのニッサンのタクシーキャブ、デザインも今風だし、使い勝手のよさそうなタクシーに見える。)

実は提案性にはもう一つあります。もっと抽象的なところ、言わばイメージですが、見る人に新しい世界、使い方を連想させる事が出来れば大成功なのです。例えば凄くセクシーでカッコいいスポーツカーを見て、そこに美人とドライブするカッコいい自分をイメージする、これは妄想です。(笑)

しかし、その時に着る服をそのクルマに合わせて今風のお洒落なものにする?あるいは先進的な小道具を携帯するなどなど、ユーザーのライフスタイルにまで影響を及ぼす、言うなれば使い方の可能性に広がりを感じてもらえたならデザイナー冥利に尽きるというものです。

そういう意味では、やはり全く新しいデザイン提案をするからには最低限の先進性や未来感は必須という事になります。よくレトロや復刻版のデザインを見て面白いと評価する人もいますが、デザイナーから言わせると怠慢の極みです。

ニュービートルや新しいマスタング、カマロは処理を新しくしただけで何の提案性もありません。それにこのケースだと、次はどうするの?という問題があります。また違う何かをコピー、あるいは参考にするのでしょうか。

特にビートルの場合ですが、RRをFFにしてまでムリコヤリコに昔のデザインを乗せるという暴挙には何の正当性も提案性もないのです。この場合は正常進化にしか道がありません。アイデンティティを守りつつ、時代の要請に応える形での正常進化なら昔のデザインの踏襲、延長線は認められます。

翻って、何の脈絡もなくいきなり表れた、このキャブを見てお客は何を思うでしょうか。素敵だわ、一度乗ってみたい、と思うでしょうか。これで東京の街を見て回ったら楽しそう、と感じるでしょうか。そもそも、どちらかと言えば未来感や先進性とアジア的混沌が入り交じった東京の街に合っているとは思えません。

むしろ東京の悪い方である混沌、カオスに拍車をかけるデザインと言えます。そうではなくて、この混沌とした街並を少しでもましな方向に引っ張って行くような、何かそういう工夫が欲しいのです。デザイナーには志を高く持って頂きたいと言うしかありません。

日本的でありながらも使い勝手がよく、近未来を予感させるような爽やかで知的な・・言うのは簡単ですが(笑)そういうデザインは出来ないものでしょうか。残念というしかありません。語り始めると止めどなく長くなりますので、これくらいにしておきます。

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2017年9月28日 (木)

どう考えても明るい未来しかイメージ出来ない自動車の未来(後編)

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 大変遅くなりましたが、9月20日の記事からの続きになります。

 例えばですが、100年後東京に住むある四人家族が九州への観光旅行を計画したとしましょう。その場合コミューターEVで近くのモビリティサービスのモータープールに行き長距離用ミニバンと交換します。サイズは今のマイクロバス程度で簡易キッチン、トイレ付きです。勿論多彩なシートアレンジによって食卓やベッドも用意出来ます。

キーはスマホに入っているアプリが代わりをします。決済も電子決済ですから面倒な書類の手続きも一切ありません。希望する車は画面上で予め予約しますから人為的ミスによる手違いもないのです。それにしてもこの頃は紙のお金を見る機会がめっきりなくなりました。

もちろんこのミニバンは区間内完全自動運転ですから、基本的には予約の時に計画した通りに動きます。もちろん途中での休憩や若干の計画変更は口頭で指示すればいいだけです。その点柔軟に対応します。こうして九州までは快適な旅が約束されるのです。

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           (イメージ画像)

さて目的地に着きました。そうなるとこの大きなミニバンは邪魔です。そこで予め予約しておいた現地のモータープールで観光用ミニバンと交換します。今のアルファード程度のサイズでパノラマ視界のその観光用ミニバンはAIによるガイド付き自動運転車である事は言うまでもありません。どんな無理難題にもすらすらと答える事でしょう。

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           (イメージ画像)

この話に出て来る車は全てEVですが、その時代、全国津々浦々まで整備された高速道路中心の長距離用や観光地用は当然そうなります。肝心な電力ですが、爆発の心配がなく、年間1万トンのトリウムで100万kWeの原子力発電所を1万基稼働できてしまうと言われる安全な原発「トリウム熔融塩炉」が日本の○○製作所によって開発され、供給はほぼ無限になりました。

ここでEVが爆発的に普及するのですが、幹線道路に於ける走行しながらの非接触電力供給技術も確立され、搭載される全固体電池は長距離用ミニバンの場合でも今の半分以下です。このミニバンは基本的に幹線道路中心ですから、それで問題ありません。

観光地用ミニバンは、立ち寄る先々に非接触充電設備がありますから、お客が観光中に、車が自分でさっさと充電します。これも航続距離で言えば200キロもあれば十分です。家庭用コミューターはさらに航続距離が短くても問題がありません。100キロも走れば十分な軽量小型EVは日常の足にはうってつけです。

ところでガソリンエンジンですが、改良に改良が重ねられ、効率が今の2倍近くにもなりました。しかも有毒ガスは殆ど出しません。途上国だけでなく、先進国では一部のマニア向けスポーツカーとして存在感を発揮しています。さらに、そのエンジンベースのハイブリッド車も高級車やスーパーカーには欠かせません。

こちらはややマニアックな年輩富裕層がオーナーです。自動とマニュアル(この場合人が運転するという意味)が選べ、例えばドライバーが脳溢血などで気を失ったとしても、自動的に病院直行の自動運転に切り替わります。

コネクテッドカーのいいところで、オンラインで簡易診断、病院の指示、さらに応急手当すら出来るのです。救急車(ヘリ)との連携ももちろん可能で最善の救命手段を瞬時に選択する事は言うまでもありません。交通事故死?そんな言葉は死語になって久しいです。

ディーゼルエンジンはと言うと、マツダの努力もあって2030年頃までは生き残りました。それ以降は技術的な事はともかく、コストの点で折り合わなくなり乗用としては徐々に姿を消す事になります。ただ、大型車と船舶などには残り、石油精製の過程で一定量は出る軽油の消化に貢献するという訳です。

こちらの排ガスも今との比較では飛躍的に浄化されています。CO2だけはどう頑張っても減らす事が困難でしたが、その頃にはCO2による温暖化がインチキだとバレていて、それより寒冷化問題の方が顕在化しているのです。いかに地球寒冷化を遅らせるか、その話題がメディアをにぎわすようになりました。

さて、完全自動運転で飛躍的に伸びたモビリティサービスですが、コストの70%を占めていた人件費分安くなった事もあって需要が劇的に増え、トータルでの走行距離はむしろ延びる事になります。つまり当初心配されたような販売台数の減少はなく、むしろ鉄道やバスなどの公共交通機関のテリトリーを侵食する事になったのです。

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その結果長距離輸送は、時速100〜200キロ域が高速ミニバンEV、300キロ〜600キロはリニアモーターカーが受け持ち、それ以上は航空機となりますが、狭い日本ではドメスティック航空便がほぼ絶滅する事になりました。

自動運転とEV化が、環境破壊や地球温暖化レベルで言えば、自動車の比ではないと言う航空機による成層圏への排出物低減に大きく貢献したのは怪我の功名と言えるでしょう。

顧客のニーズはさらに多様化し、その情報を持つモビリティサービスは車の開発に口を出すようになります。言うなれば携帯電話に於けるキャリアとメーカーの関係です。共同開発というパターンも定着し多機種少量生産が常態化します。

それを見て21世紀初頭のガラケー化を恐れたメーカーは、自らの販売網を大型化、モビリティサービス併用とし、ユーザーのニーズをより取り込む事に血道を上げる事になります。その結果は多様化の波が押し寄せ、地産地消でしか対応出来なくなった事は言うまでもありません。ミイラ取りがミイラになった瞬間ですが、これも怪我の功名と言えます。

当然グローバル化の波は引いて行き、超ローカル化、ガラパゴス化が進みます。そうなると輸出での現地対応はまず不可能です。相手国に任せざるを得ない状況が生まれます。現地生産さえ旨味がなくなって、各国とも自国のニーズ、つまり内需中心の経済体制へと変貌せざるを得ません。

いずれにしても自動車の革命的大変革によって自動車へのニーズが一気に膨らみ、生産台数はうなぎ上りです。その相乗効果でより一層豊かな社会が実現し、我々が三種の神器プラス車をあっさり手に入れたように、人類は想像もしなかった黄金の未来を手にするのです。

どうでしょうか? 思い切りふわっとしていますが、(笑)根拠がまるでない訳ではありません。それはまたその内少しづつ勉強し書いていきたいと思います。

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2017年9月20日 (水)

どう考えても明るい未来しかイメージ出来ない自動車の未来(前編)

 

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 今日は自動車の未来がどうなるかという事がテーマです。と言っても何の根拠もない占いをやろうという訳ではありません。かと言って根拠がありまくるとも言い難く、私がこれまで得た決して豊富とは言えない知見を元に、私の拙い想像力でイメージするだけの事です。

従って責任を持てと言われても困ります。(笑)ふわっとした他愛の無いファンタジーとして読んで頂ければ幸いです。

話は私の少年時代に遡ります。物心ついた頃から自動車が好きで絵ばかり描いていました。4~5歳の頃のバスの絵は細かいところまで描写が行き届き、色彩等の表現力も自分で言うのもなんですが大したもんです。今見ても天才かと勘違いする程です。(笑)

その割には普通の人間になったようです・・・そんな話はどうでもいいのですが、当時は豪華絢爛でデカいアメ車が世界中で憧れられていました。欧州映画にも主役で出て来るくらいです。

題名は忘れましたがコンバーティブルの白いアメ車がパリを走り回る映画には感激しました。リー・レミック主演の保険金詐欺の映画に出て来るリンカーン・コンチネンタル・コンバーティブル、バニシングポイントでのダッジ・チャレンジャー等々、車が目的で映画館に通ったものです。

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(バニシングポイントでのダッジ・チャレンジャー、衝撃的結末が何とも暗示的だった。)

私にとっては、「いつかはクラウン」などでは決してなく、いつかはアメ車だったのです。エアコンの効いたデカくて豪華で格好いいアメ車を所有する事が夢で、それこそが明るい未来の象徴のように思えました。

時代は移り、今やあの素晴らしかったアメ車に昔日の面影はありません。代わりにジャーマンスリーと言われるドイツ車や、最近元気を取り戻しつつある英国車が憧れの対象に変わりますが、豊かになった現代、それらに昔のようなきらびやかさ、天にも昇る感動は伴わないのです。

若者はスマホ命のようになり、車への関心は薄れいくのみです。それが販売台数に表れ、じり貧状態は続きます。ただ救いは売上高に関しては、このデフレの時代、逆行するように伸びている事です。

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(国内新車販売台数はピーク時から見ると300万台も減らしている。)

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(しかしながら、売上高は確実に伸ばして来た。輸送用機器のGDP推移にそれは表れている)

薄利多売型の量産商品としては画期的ではないでしょうか。家電のようにデフレの犠牲になったという痕跡は部分的にしか認められません。なぜでしょうか。それを話し始めると長くなるし、今回はそれがテーマではないのでパスします。(笑)

いずれにしても基幹産業と言われるだけの事はあって国の屋台骨を支えているようです。しかも世界での生産台数(日本ブランド車)は2800万台(30%弱)にも上りドイツ、アメリカの2位グループを大きく引き離しています。

さらに、日本が日米貿易摩擦から苦肉の策で始めた、生産拠点を海外に多く持つという多国籍製造業のビジネスモデルは世界を一変させました。つまり日本だけでなく、日本自動車産業は世界も豊かにしたのです。その証拠に自動車産業のある国は皆栄えています。

ところが最近妙な噂が巷に溢れているのです。地球環境問題から有毒な排ガスを出す車、特に内燃機関の車には未来がないとか、EVは魅力がないので大して売れないだろう、あるいは完全自動運転になりカーシェアリングやモビリティサービスが主流になれば、販売台数は減っていく等々です。まるで自動車産業が斜陽産業に堕して行くかの如くです。

今は100年に一度あるかないかの大変革期である事は確かでしょう。そのせいか情報が錯綜し混乱しています。上記のような話がまことしやかに噂される事もある程度やむを得ません。

しかし、私に言わせれば、そんなバカな話はないのです。車はいつも夢の中心で主役でした。人類の未来が明るいなら、それは車の未来も明るい事を意味します。いや、その逆かも知れません。いずれにしても車の未来が暗いなら人類の未来も暗いのです。

考えてもみて下さい。人間は基本的に孤独な生物です。一人で生まれ一人で死んでいきます。そのせいかどうか、たまには一人になりたい事だってあるのです。そういう時には移動出来るプライベート空間が快適であるに決まっています。少なくとも私はそうです。

それがお洒落でリッチで先進的で安全で、さらに凄く便利ならこれ以上の事はありません。遠距離の出張だって人が大勢乗っている公共交通機関より、プライベートな空間を独占出来ればいいに決まっています。あるいは家族と、また仲間と出かけるにしても、排他的空間が望ましいのは自明です。

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  (ルノー・トレゾア スーパーカーEV/レスポンスから拝借)

つまり望めば新幹線の役割を果たしてくれて、あるいはビジネス空間にもなり、邪魔の入らない家族との楽しい旅行、一人での冒険の旅、その全てが自動車というデバイス集合体によって手に入る未来がすごそこにあるのです。

その中で所有は一台でいいでしょう。それはその人、あるいは家族のニーズによって決めればいいのです。タウンユースの買い物車だけは常に身近に欲しいと言うならEVのコミューターです。

後はカーシェアリングかモビリティサービスでその都度調達します。その頃にはIoTやコネクテッド技術は勿論、完全自動運転が実現し、EVの普及も爆発的になっている事でしょう。あの、移動しながら電力供給を受けるという技術も確立されている筈です。

また長くなりそうな予感。。この話は未だ続きます。

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2017年9月17日 (日)

EV化によって再構築される日本包囲網(後編)

 

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 安倍首相は連立する公明党の山口代表に、9月28日の臨時国会冒頭で衆議院を解散する可能性を排除しないと伝えたそうです。

あの、暑い夏はどこへ行ってしまったの?というような短い夏も終わり、秋風が吹き始め、世間がにわかに気忙しくなって来た昨今、私も何か書きたくてウズウズして来ました。何でそうなるのかは私自身も分かりません。(笑)

いずれにしても保守の多くの人が渇望していた解散総選挙、にわかに現実みを帯びて来ました。支持率が回復基調にある今がチャンスなのでしょうか。安倍さんがこの気を逃す筈がありません。一気呵成に魑魅魍魎の闊歩する野党を蹴散らし憲法改正に持っていく機が熟したと思ったのでしょう。

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(北朝鮮のミサイル発射に関する取材に答える安倍首相、北は安倍さんに援護射撃でもしているのか、憲法改正には追い風になり得る。)

しかし、それには大義が必要です。大した争点もなくいきなり衆議院を解散する事は総理大臣と言えども出来るものではありません。下手をすると負け戦だってあり得るのです。では、何をテーマに解散するのでしょうか。

考えられるのは憲法改正と消費増税再延期です。今の劣化した報道姿勢や一般世論を鑑みて、憲法改正では、むしろ敵を蘇らせかねません。安保法制や対北朝鮮政策の意義を問い直す、あるいは日米安保の強化を訴えたい意向もあるのでしょうが、こういう右寄りの発想では薮蛇にもなりかねないのです。

従って私は個人的願望も入って(笑)消費増税再延期と見ます。その場合、当然財務省からの抵抗はすさまじい事が予想されますのでタイミングが大事です。つまり、奇襲攻撃をやるタイミングを探っていたのです。そういう意味でも今回を逃すと機を失います。

安倍さんとしてもポンコツではありますが、アベノミクスで折角多少ましになって来た経済の腰を折る訳にはいきません。それには消費増税の再延期、あるいは5%への減税は必須です。そこまで出来れば大したものですが、今回の解散総選挙、彼が本物の大物保守政治家だったかどうかを計る試金石になりそうです。

 さて、本日のメインテーマ、「EV化によって再構築される日本包囲網」の後編に入ります。前回中国の原発がネガティブな意味で脅威であると書きましたが、一事が万事で、背伸びするのはいいのですが内容が伴わない事が悩ましいです。

自動車にしても他力本願な姿勢は変わりません。海外から会社丸ごと買うか、それが出来ない場合は部品を買い、技術者を連れて来て形を整えます。自分たちで一からやろうという気はさらさらないのです。しかし、それはある意味無理もありません。

日米欧との科学技術力が決定的に差が開いている現在、無駄な事は出来ないのです。つまり一から技術者を育てていたのでは半世紀以上も開いている差を埋める事など到底不可能です。共産主義一党独裁体制もそれを阻みます。

つまり結果が全てなのです。いい数字を出さなければあっさり更迭されてしまう体制で何が出来るでしょうか。さらに、お金だけは親方日の丸で、ふんだんに使える環境ですから、人も物も海外から買って来るのが手っ取り早いと考える事はむしろ合理的です。

ただ、そういうシステムだと海外勢が引いてしまったらお終いです。何も残らないのです。それを知ってか知らずか、一生懸命嫌われる事をするというのは理解出来ません。それでも追従して中国に今なお投資する企業はもっと理解出来ませんが。。(笑)

そういう訳で中国の推進するEV化は眉につばをつけて見守る必要があります。原発がセットだけに色々な意味で無視は出来ませんが、肝心な最先端技術は先進国が出さないので周回遅れになるのは必至です。いずれにしても脅威にはなり得ません。

次に米国ですが、この国くらいEV化に不向きな国はありません。考えても見て下さい。砂漠の真ん中で電欠状態になったなら死活問題です。おまけに治安も悪いと来ています。充電している1時間程だって油断も隙もならないのです。

ガソリン車やハイブリッド車に比べ航続距離が致命的に短く、しかも電力の減り方が不安定なEV程恐ろしい商品はありません。従ってテスラが売れているだなんだと言っても、メジャーにはなり得ないと思われます。メーカー各社とも排ガス規制に厳しいカリフォルニアだけチョロッと売ってお茶を濁すのが関の山です。

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(フランクフルトモーターショーに出展されたベンツのEVコンセプトカー)

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(フランクフルトモーターショーに出展されたアウディのEVコンセプトカー/やはりデザインは優れていると言わざるを得ない。)

その点、やはり日本の脅威となり得るのは欧州勢ですが、如何せんインフラも、裾野を形成するサプライヤー群も質的量的に不足しています。今から整えて行っても10年、電力インフラも含めればそれ以上かかるのではないでしょうか。そのため本筋ではなく、プロパガンダも含めた総合的対日作戦が必要になります。

悪知恵だけは働きますから油断が出来ないのです。排ガス不正露見後は言うなれば手負いのトラですから余計に気をつけなければなりません。一連のEV化宣言も、大きな意味で対日作戦の一環と言えます。何の具体化プランもないのが実情です。

日欧EPAも上から目線ですが、自動車部品の即時関税撤廃は電動化のための部品が喉から手が出る程欲しい欧州勢の都合でしかありません。人のいい日本人は有利な展開とでも思っているようですが、ライバルを利するだけのとんでもない話です。

さらにドイツの前首相であるシューダーが唐突に日韓間の歴史問題に言及するようになりましたが、これなども明らかな日本揺さぶりです。散々こき下ろしておいて日本を不利な状況にし、例えば然る後に救いの手を差し伸べ恩を売るような、そういうあざとい作戦でも考えているのでしょうか。

それとも本格的に日本潰しに出て来たのだとすれば、それはそれで応戦する必要があります。敵に塩は送れません。今だって日本が部品の供給を止めて窮するのはドイツです。いずれにしても善意が通じる相手でない事は歴史が証明しています。日本は何事にも慎重に対応しなければなりません。

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2017年9月15日 (金)

EV化によって再構築される日本包囲網(前編)

 

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【まとめ】
・仏、2040年までにガソリン車、ディーゼル車販売禁止。
・中国、インドもEVシフト鮮明に。
・日本の自動車メーカーはこの潮流に乗ることができるか岐路に差し掛かっている。

フランスではユロ・エコロジー相により2040年までに国内でのガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止する方針が示されました。

フランスに続いて英国もガソリン車の販売禁止を打ち出し、ヨーロッパのEV(電気自動車)シフトが急速に進み始めています。

Ulala(ライター・ブロガー)NEXT MEDIA

 このところ一時の自動運転騒ぎが嘘のように、猫もしゃくしもEV談義に明け暮れています。昨日のテレ東報道番組WBS でもフランクフルトモーターショーを取材してEV化の波が来ている、日本どうするってやっていました。EVのコンセプトカーを出しているだけなんですが。。ショーによく行かれる方はご存知でしょうが近年のモーターショーはどこもEVのコンセプトカーだらけです。(笑)

しかし日本のメディアや知識人は酷いもんです。中には日本が遅れている?のを政府の責任だと言う人まで出て来て、正にカオス状態と言えます。そんな大袈裟な話ではないと思うのですが、これも一時の熱病に過ぎないと気付くのに、どのくらいの時間を必要とするのでしょうか。

そもそも政府が介入するには知見がなさ過ぎます。未だ不確定な部分も多く、欧州のように断定するには時期尚早と言わざるを得ません。EV化によるインフラ整備へのコスト(特に電力)も冷静に見積る必要があります。

従ってこういう、パリ協定にどう対応するか、等も含め、曖昧模糊とした将来事案は大きな指針だけを示しテクニカルなところは民間に任せるのが賢明です。またそれしかありません。政府が音頭をとって成功した例があるでしょうか。

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[パリ協定をベースにした日本のCO2排出量と目標値(出所:日本エネルギー経済研究所)これによると1960年ころのレベルまでCO2排出量を減らさなければならず、非現実的だという声が大半だ]

もちろん段階的に排ガス規制を強化するのは環境問題として喫緊の課題だと言えるし反対する理由もありません。従って政府はそこだけを示せばいいのです。あとはメーカーがどう対応して行くかです。それには技術的な見通しが不可欠ですが、そこが確定しない今、トヨタなどの大メーカーとしても莫大な投資をする筈がありません。決して遅れているから動きが鈍い訳ではないのです。

いずれにしても今の段階で、完全なEV化を決めるのは危険すぎる賭けと言えます。途上国の中国やインドならいざ知らず、先進国の言うセリフとも思えません。という事は政治的色彩が濃いブラフかポジショントークかという事になります。責任を持った大人の見解でない事だけは確かです。

尤も、明確にEV化と言っているのは中国くらいでしょうか。あとは電動化と言っているので、分かりやすく言えばハイブリッド化なのです。拙ブログで何度も言っていますが、ハイブリッド化と言ってしまえば日本の軍門に下る気がして言えないだけでしょう。

そもそも今のEVがかろうじて存在を許されているのも、日本が開発した家電用のリチウムイオン電池があるからです。これのエネルギ-密度がニッケル水素電池などと比べて飛躍的に上がったのでEVの可能性が広がりました。

勿論ハイブリッドカーにしてもリチウムイオン電池を搭載する事によるメリットは同じで、燃費が段違いに向上します。そういう点で言えば現段階ではハイブリッドカーに一番適しているマテリアルかもしれません。

EVとしてはせいぜいコミューターレベルまでです。とても高級車に適したものではありません。なぜなら電池代が他の高級にするべき部品の予算を食ってしまうからです。その結果まともな走りをさせようとするとテスラ モデルS のような1000万円超のモンスターになってしまいます。

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(異次元の加速性能を実現した日本仕様のテスラ モデルS)

テスラ モデル S がなぜ高いのかと言えば、早さと航続距離を追究するあまりバカ高くなった電池代と、少量生産故の効率の悪さが主要因で、高級装備やクオリティに十分なお金をかけているからではないのです。いずれにしてもそんな車がドイツや欧州各国では高級車と見なされません。

そもそもアウトバーンで1時間も200キロ走行が出来ないような車は高級車として失格なのです。環境と性能を両立させ、価格もある程度に抑えるなら、その解は先日も言いましたようにハイブリッドしかない事は自明です。ところが、ドイツ人はあそこまでバカにしていたハイブリッドカーにするなんて口が裂けても言えないのです。(笑)

ところで肝心な電池の性能アップの見通しですが、トヨタが2022年以降に全固体電池搭載のEVを発売すると言っています。(但し、同社内でそのタイミングを否定する声もある)エネルギー密度は2倍で出力特性が3倍といいますから、かなりなものです。

これまでのように充電時間も長くなく、気温も気にしなくてよいと言いますから、何とかまともな商品になり得るところまで来ました。しかしながらエネルギー密度が2倍程度では、そのマージンを重量減に使えば航続距離は従来EVと殆ど変わりません。

航続距離を倍にするなら重量が変わらない事になり、既に重量と航続距離を両立させているハイブリッドカーには太刀打ち出来ないのです。私個人の考えとしては、基本的に電池を航続距離や動力性能のために積んでいる限り見通しが暗いという事です。

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        (E5系のパンタグラフ)

じゃあ、EVの未来はないかと言えばそんな事はありません。新幹線のように走行中に外部から電力供給を受ければ無限の航続距離が実現出来ます。重量軽減にも大きく貢献するでしょう。ただ、自動車の場合はパンタグラフという訳にはいかないので非接触供給になります。ジャンルは違いますが、iPhone も新型では非接触充電になるようです。

その場合、幹線道路などに電力供給インフラが必要になりますが、お金の問題を除けば実現不能な話ではないと思われます。そこまでいけば言うまでもなく100%近いEV化が実現出来るでしょう。新幹線のように時速200キロ以上での長時間巡航も夢ではないのです。それがいつになるかは誰も知りません。(笑)

さて、ここで恐ろしい話をしなければなりません。深刻な大気汚染というやむにやまれぬ事情からEV化に舵を大きく切った中国ですが、電力をどうするかという基本的問題が立ち塞がります。従来の石炭による発電ではEVを作れば作る程汚染はむしろ悪化するという報告があるくらいです。

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[中国では273基もの原発建設が計画され、沿岸部を中心に各地で建設ラッシュが起こっている(REUTERS/Aflo)]

その為に習近平国家主席は自ら音頭をとり原子力発電に大きく舵を切ろうとしているのです。英国から原発輸出契約を取りまとめた程ですから自信の程がうかがえます。2050年までに4億kW分の原発を建設する計画もあるようで、1基100万kWとして原発400基分ですから吃驚です。

現在、世界で運転中の原発すべてを足しても4億kWに満たないことを鑑みると中国がいかに原子力に注力しているかが分かります。ところがその技術たるや、お粗末の極みで、視察した日本の技術者は、現地技術者も作業内容もデタラメだと言っているのです。

その証拠に英国と契約した原発建設が上手くいきそうもないと、日本に泣きついて来ました。韓国と同じパターンじゃないですか。(笑)開いた口が塞がりません。出来ないくせに注文を取る?この体たらくで何百も原発を作られた日にゃ近隣国はたまったものではないのです。

恐らく途中で深刻な事故を起こしEVどころではなくなるのではないでしょうか。しかし日本は風下です。放置すればとばっちりを受けかねないので泣く泣く支援をする事になるかもしれません。つくづく困った国です。

この話は未だ続きます。

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2017年9月12日 (火)

フェークなニュースに惑わされないで。

 

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 前回更新してから、気がつくと2週間も経っていました。公私共に忙しかったのと、8月に一気に言いたい事を書き尽くした事もあって、少しモチベーションが下がっていたのは事実です。その、大して書きたい事がないという状況は今も変わらないのですが、そろそろ書かないと忘れられてしまいます。(笑)

それにしてもその間、実に色々なことが起きました。ハリケーン・イルマにメキシコでは大きな地震もあったようで、被害が規模の割に小さいのが不幸中の幸いと言えますが、我々地震国の人間にとっては人ごとではありません。謹んでお見舞い申し上げます。

地震と言えば一番驚いたのが、このタイミングでの北朝鮮の水爆実験です。しかも人工地震としてのマグニチュードは5.6だと言いますから、中くらいの自然地震に相当します。そこまでの技術力がいつの間についたのか、自前なのかどうなのか?そんな訳はないので、どこかの支援がある筈ですが、一体何処の国が・・・いずれにしても謎の多い国です。

しかし、トランプ大統領は形だけの制裁で、軍事的には今回もスルーするつもりのようです。スルーしない場合は、それはそれで大変なのでしないに越した事はないのですが、その事なかれ主義が北朝鮮をここまで増長させた事も事実です。どこかで線引きは必要ですが、米はどこまで我慢するつもりなのでしょうか。

実は・・ここだけの話ですが、ここ10日くらいの間、我が家の上空、見たところ米軍の戦闘機(艦載?)と思しき航空機の往来が激しくなって来ています。ここ数日は主に夜間の飛行が頻繁で、轟音のためTVの音が聞こえません。

9月初旬には夜間離発着訓練をやるのやらないのという情報もあったようで、北と直接関係ないのかもしれませんが、ちょっと物々しさ、不気味さを感じています。なにしろ飛行頻度が異常なのです。

ところで、あれだけ騒いでいた「もりかけ問題」も収束したのか飽きたのか、あまり話題にならなくなりました。支持率もじわじわ戻して来ているようです。人の噂も75日と言いますから安倍さんとしては、なるべく目立たないようにして時間を稼ぎたいところでしょうか。民進党のオーンゴールに救われている感もなきにしもあらずです。。(笑)

話はコロコロ変わりますが、そう言えばニッサンリーフ(EV)が新しくなりました。写真を見ると、一見よくなったように見えますが、詳しく観てみると・・新型プリウスなどと同じように、ちょっと小細工が過ぎるようです。先進性やハイテク感を無理矢理出そうと苦労をした痕跡がうかがえます。ちょっと気負い過ぎか。。

性能的には新たに40kwh の二次電池を搭載した事によって加速性能や航続距離が延びたようです。特に400キロという航続距離は旧モデルとの比較で、ほぼ倍増なので期待が持てそうです。価格は300~400万円の間に収まっているので、悪評だった旧モデルよりは売れるかも知れません。

欧州勢が一気呵成にEV化を進めていくという与太話もタイミング的には絶好でした。ここで一気に流れを引き寄せ、採算ベースに持っていきたいところではないでしょうか。月3千台という強気な販売予想(妄想?)も出るというものです。

それでも私に言わせれば、旧モデルでついてしまった不信感を拭い去るのは困難です。売り方にもあざとさを感じます。EV だけでは自信が持てないのか、今やどのメーカーもやっている限定自動運転や車庫入れ機能等をパックにしてハイテクイメージを演出しようとしているのはいただけません。そこはまるでテスラです。価格相応のバリューがない事を糊塗したいのでしょうか。

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        (新型ニッサンリーフ)

「ニッサン インテリジェント モビリティ」

・最先端のe-パワートレインにより航続距離が400kmに

・ドライバーの運転時の負担を軽減するe-Pedal(イーペダル)を搭載

・プロパイロットを搭載

・進化した自動運転技術「プロパイロット パーキング」を搭載

・Vモーショングリルの採用と低重心でスリークなプロポーションを実現

・空間性と機能性を両立した内装を実現

・「Apple CarPlay」を搭載するなどコネクテッド技術の搭載

私はここで何度も言っていますが、リーフに限らずEVは未だ未だ発展途上の商品です。ターボ付きのダウンサイジング・ガソリンエンジン車やハイブリッド車のように、高付加価値型商品としての確立した世界はありません。従ってどうしても無理な売り方にならざるを得ないのも確かでしょう。

しかし人を騙すようなやり方は余りにも誠意がないし、持続可能とも言えません。チャラいおやじに軽々しく「やっちゃえニッサン」などと言わせてはいけないのです。第一品位が損なわれます。大企業としての矜持にも関わるのではないかと思うのですが、トップは何を考えているのでしょうか。

さて、その新型リーフ、その実力はいかほどのものか、プリウスと最廉価版同士で比較してみる事にします。これはあくまでも偏見のない中立公正な比較です。(笑)

Photo

車両のサイズはほぼ同等です。全長はプリウスが60ミリ長く、全幅はリーフが30ミリ広いです。全高は床下にバッテリーを積んだ分リーフが70ミリも高くなっています。大きな差があるのは重量でプリウス1310キロ何に対し、リーフ1490キロと180キロ(大人3人分)も重いのです。ひとえに電池を多く積んだ事が原因です。

ただ動力性能に関しては110kwのモーターを積んだリーフの方がモーター特性も手伝って中速域以下ではキビキビ走ると思われます。プリウスは燃費のために出力はギリギリまで絞っている感じです。但し高速での性能は逆転するのではないでしょうか。街乗りのリーフ、遠出のプリウスという棲み分けが出来ます。

大差がつくのは航続距離です。カタログ値で行くとリーフ400キロ、プリウスは38リッターのタンクにJC08、40.8キロ/リッターの燃費ですから1550キロとなります。実際にはその60%として240キロ対930キロというところか。それにしても4倍近い差です。

プリウスは年に1万キロという日本人の標準的な使い方をすれば月に一回給油すれば十分という事になります。対するリーフは、自然放電もあるので頻繁に夜間充電をしなければならず、さらに遠出したなら最低でも一回は充電が必要です。

その場合急速充電でも40分かかると言いますからかなり厄介です。しかもいつも充電機が空いているとは限りません。せっかちな人や忙しい人には向かない商品と言えます。

気になる価格はリーフ315万円、プリウス243万円で70万円の差です。いくらガソリン代より電気代の方が安いからと言っても3~5年の間で挽回出来るものではありません。さらに電池交換費用やリセールバリューでも今のところプリウスが圧勝です。経済性という点ではプリウスに敵い様がないというのが実態です。

肝心なエコロジー性能ですが、ここも微妙なのです。CO2排出量だけで言えば、日本のように大半が化石燃料ベースでの電力使用という条件下では、ガソリンエンジン車の実質燃費がリッター30キロにもなればEVと同等と言われています。

つまりプリウスはカタログ値リッター40.8キロなので、実質でその75%も走れば環境負荷はEVと同程度という事になるのです。現実問題として実走行でリッター30キロを走るのは余程の名人でもない限り難しいと思われますが、それでも思った程の差はつかないようです。

これらを総合的に判断して、あなたならどちらを選びますか? 私は他に選択肢がある限り、EVを選ぶ事はありません。

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2017年8月 7日 (月)

トヨタが発表したとされる重大ニュース

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 2015年に発覚したVWの排ガス不正疑惑だが、同様の疑惑はVWにとどまらず、仏ルノー、仏グループPSA、米ゼネラル・モーターズ(GM)、日産自動車、スズキなど、国を超えて広がっている。ディーゼル車の終焉は近い。

  ヨーロッパだけではなく、アジアの主要な都市部の大気汚染は深刻であり、ディーゼル車の命運は尽きたのではないだろうか。そこに、PHVという伏兵が現れた。時代はエンジン車から離れ、電動車へと向かっている。

この記事は日本のある有名自動車評論家が書いたものです。その方はVW排ガス不正問題が起こるまでは「これからはクリーンディーゼルの時代だ」ドイツ車が素晴らしい、と散々言って来ました。

それが排ガス不正問題に伴う、今回のEU諸国の方針大チェンジに呼応するように、恥ずかしげもなくディーゼルは限界だと言い、欧州はEVやPHV技術で日本よりも進んでいると言うのですから開いた口が塞がりません。(笑)

何を以てそういう意味不明の事を言うのでしょうか。おまけに排ガス不正グループにニッサン(恐らく三菱の事?)やスズキを道連れにするのですから悪質です。こちらも開いた口が塞がりません。

三菱の場合は誤摩化したいという意図があったのかも知れませんが、国内という事と抵抗データの10%程度の改竄ではVWなどと悪質さで比較になりません。さらにスズキの場合は未だ黒と決まった訳でもないのです。

悪意の全くない排ガス制御ソフト使用でも、一般走行では誤差は出ます。それは全ての走行条件を網羅出来ない検査の性格上ある程度やむを得ないものなのです。そんな事も知らない筈はないのですが、なぜかこの方、常に欧州の肩を持つ発言をします。限りなく怪しいと言わざるを得ません。(笑)

さらに上の記事では「ディーゼルの命運がつきて、そこにPHVという伏兵が現れた」と述べています。これまたおかしな事を言うものです。PHVはとっくの昔から日本メーカーが作っています。伏兵でもなんでもなくEVとハイブリッドカーの間隙を埋めるバリエーションに過ぎません。その存在の必然は明白です。

こういう人に騙されるマスコミは間抜けなだけですが、メーカーも大人し過ぎるのではないでしょうか。日本車下げ記事に対しては堂々と反論すべきです。評論家だけに後が怖いとでも思っているとすれば情けない限りです。

それとも日本のメーカーもすねに傷でもあるのでしょうか。(笑)昔評論家を豪華接待していた話は聞いた事があります。カーオブザイヤーも純粋に車の善し悪しで選んでいたかと言えば・・・いずれにしても、この手の評論家、誰も反論しないので今も大手を振ってドイツ車上げ、日本車下げ記事を書いているようです。

実際には、
「ドイツ勢はトヨタに電動化で遅れた事を深く反省している」(独部品大手の開発担当者)皮肉にもディーゼル車は元々、トヨタのプリウスに燃費効率で遅れを取ったドイツ自動車業界の秘策だった。(東洋経済オンライン)

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(リチウムイオン電池の有機溶媒を固体材料に置き換えた全固体電池、仕組みがよく分かりませんが、ノーベル賞ものの発明ではないだろうか)

さて気を取り直して、今日はトヨタのEVに関する重大発表を取り上げます。新聞報道によると、トヨタは2019年に中国で現行「C-HR」をベースにした全固体リチウムイオン電池搭載のEVの量産化を予定しており、さらに2020年の東京五輪に向け、新たに同社初となるEV専用車を開発、2022年の量産を目指していると言うではありませんか。

その電池、安価で充電時間が数分で済み、エネルギー密度が2倍、出力特性が3倍といいますから、かなり画期的です。さらに、

・大気圧下での充放電が可能

・液漏れの心配が無く安全性が高い

・発熱による可燃性ガスの発生が無い

・極薄0.3mmの電解質を積層して大容量化

・-40~100℃の広い温度環境下で利用可能

・7年後も90%以上容量維持するなど長寿命

といい事尽くめなのですが、本当であればトヨタがまたHVやFCVに続いてEVの分野でもリーダーシップをとる事になります。マツダは絶妙のタイミングでトヨタと資本提携しました。従来のリチウムイオン電池に大投資をしている韓国や中国の電池メーカーの青ざめる顔が見えるようです。(笑)

しかし、だからと言って全固体電池搭載EVが、従来のHVやPHVに取って代わる事が出来るかと言えば、現時点の情報の範囲では懐疑的と言わざるを得ません。リーフクラス以下のコミューター的EVにとっては朗報ですが、それ以上の高価格帯クラスでは商品力として完成の域に達したHVに及ぶべくもないのです。エネルギー密度が2倍程度では一番肝心な航続走行距離は限られます。

もちろんグランドツアラーやスポーツカー用としてももの足りません。という事はむしろHVやPHVに搭載した方が商品力が上がり、よりそれらの完成形に近づくと言えるのではないでしょうか。

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(プリウスPHV EV走行を前モデルの倍以上としたが、意見が分かれるところだ)

例えばトヨタの現行プリウスPHVが120キロものリチウムイオン電池を搭載していますが、EV走行距離を同じ68キロ程度とすれば単純計算で半分以下の重量になります。

今の車両重量が1530kgですから1470kgまで下がる訳です。HVプリウスとの比較でプラス110キロ、このクラスのガソリン車との比較でも遜色ないものになります。問題は価格ですが、安価という事は言っていますので、同クラス比較であればプリウスPHV 1.8A の380万円より下がる事は間違いないと思われます。

その価格で航続距離1000キロ、さらに出力特性3倍というパワーも期待出来るとすれば、商品力は圧倒的となる可能性があります。尤も、個人的にはデザインは嫌いですが、(笑)もう少し普通の車にしてもらえば、私のような保守的熟年層にも受けるのではないでしょうか。

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(なぜか人気爆発のテスラ・モデル3 こちらも好きになれないスタイリングを採用している)

因に25万台の予約を取って人気が先行しているテスラのモデル3と現行プリウスPHV を比較してみます。サイズ的にはモデル3の全長4694に対しプリウスPHVは4645なのでほぼ同じ大きさです。

全幅は90ミリもテスラが大きいようですが、逆に全高はプリウスが37ミリ上回ります。参考までに少し小さい車ですが、航続距離を伸ばした新型リーフも加えました。

                         価格   航続距離   車両重量
プリウスPHV 1.8A     380万円    960キロ    1530kg
モデル3スタンダード  385万円  354キロ  1611kg
新型リーフ30kw X    365万円  280キロ  1460kg

価格は1ドル110円として計算します。航続距離に関してはプリウスの場合68キロEV走行後40リッター(タンクは43リッター)のガソリンを消費してのHV走行(JC08 の60%の実燃費として)のトータルです。

テスラとリーフの場合はカタログ値なので、電装品の使い方次第で半分程度になる事はあっても、これ以上という事は考えられません。プリウスが全固定電池搭載なら軽量化分燃費向上が望めるのでさらに差がつきます。

さあ、環境負荷が同程度の3車、あなたならどれを選びますか? 私は遠出する事が多いので迷わずプリウスを選びます。デザインがどうあれ、電欠は切実な問題なのです。

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2017年7月27日 (木)

テスラ・モデルSが高級車とは言えない、これだけの理由

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 前回、テスラ・モデルSは高級車とは言えない、ときっぱり書きましたので、今日はその説明から入ります。その前に高級車の定義を独断と偏見で決めなければいけません。

高級車とは
1)まず確立されたエンブレムが周知されて久しい事。車全体を見る必要がない。つまり歴史の積み重ねが必須である。

2)その中で、ある程度の大きさを持つ事、全長4700以上、全幅1800以上、つまりDセグメント以上の大きさが欲しい。

3)確立された技術の、信頼性が高いエンジンを搭載する事、まず高性能ガソリンエンジン車が対象。モーターのみの駆動が高級車なんてブラックジョークか。

4)その存在を否が応でも認めざるを得ない特別な存在感がある事。つまり格調高く説得力のあるデザインでなければならない。当然フォーマルな場所にも通用する。

5)バックミラーで見て、瞬時に判別出来るアイデンティティを有する事。簡単に言えば顔のデザイン。

6)質感の高い内装を有する事。メーター廻りのハイテク感プラス高級家具を思わせるシート、トリム類、ハイセンスなイルミネーション等。

7)触感も大事。精度の高い部品同士で構成された各機能部品から操作時にスウィートな感触が手に伝わる。

8)雑音を徹底的に排し、計算された耳障りのいい音だけが社内に伝わる。それも極繊細に。

9)形状的には3ボックス4ドアセダンが中心で、バリエーションとして2ドアクーペ、ステーションワゴン、コンバーティブルなどがある。

まあ、言うまでもありませんが、テスラがこれらのいくつを満たすのかと言えば、せいぜい二つでしょう。そもそも車の成り立ちとしておかしいです。普通に考えて、加速や最高速、航続距離などの目標性能が達成出来ないからと言って、強引に電池の量を増やすというのは乱暴です。安易に過ぎます。本末転倒と言えるでしょう。

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(ヘンテコなテスラのインパネ廻り、モニターはデカければいいというものでもない。アメ車らしいと言えばそうかもしれない。)

ご存知のように車の設計は軽量化との戦いです。グラム単位で設計者は日夜苦心しているのです。なぜなら重くていい事なんて何もないからです。まず燃費(電費)に悪影響を与えます。走行性能にも色々な害があり、耐久性にも問題が出ます。それをカバーするためにはオーバースペックの部品が必要になり、さらに重くなるという訳です。正に悪循環です。

従って現状のEV技術ではAまたはBセグメント程度がやっとで、それ以上大きい車をEVにするというのは無理があります。欠点をカバーするために電池を多く積まざるを得ず、デカい、高い、という商品としての存在価値を失いかねない方向にいかざるを得ません。つまり単純思考=頭が悪いという事です。

ユーザーはメーカー都合でバカデカくなった高価格車を買わされる訳ですから、いい面の皮です。それなら半分の500万円も出せばはるかに高性能で安心が出来るハイブリッド車が買えます。環境性能に関しても、デカくなったEVに大したアドバンテージはありません。WELL TO WHEEL (油井から車まで)でのCO2や有毒ガスの排出量ならむしろハイブリッド車(PHV)に分がある程です。

EVを安易にゼロエミッションヴィークルと呼びますが、化石燃料による電力供給では説得力がありません。EVは再生可能エネルギーによる電力 プラス スマートグリッドがセットになって始めて存在価値が発揮出来るというものです。従って単独での価値は限定的と言わざるを得ません。まして高級車?ノンノン(笑)

テスラを既に買われた方にはお気の毒ですが、そもそも加州からの補助金や国からの助成金を何十億ドルも受け取り、黒字になった事がないビジネスモデルによって生産されたものとは、誰かの税金と犠牲の上に成り立っているのであって、決して胸を張って所有を誇れるものではないという事を付け加えておきます。

ここからは自動車の根源的な話をします。
まずサイズに関してですが、人の大きさに差があるので国によっても最適サイズは異なって来ます。5人乗りセダンとして合理的に考えればDセグメント程度というのが目安になるのではないでしょうか。安全性と快適性、走行性能、環境省エネ性能を総合的にバランスさせると、それ以上のサイズが必要とは思えません。

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(メルセデスベンツCクラス/Dセグメントのど真ん中)

ホンダが合い言葉にしていたメカミニマム、マンマキシマムの思想でいけば、Dセグのキャビンをそのままにして、前後を少し削りたいくらいです。量販が宿命づけられたカテゴリーの車としての最大モデルは、将来的にはそのくらいのサイズに収斂していくのではないでしょうか。

そのサイズの車が安全で快適に走れるだけの安全/快適装備、動力性能を持つべきである事は言うまでもありませんが、そこはあくまでも技術主導ではなくコンセプト主導で考えられるべきです。技術はコンセプトに従って開発され磨かれるのものであって、その逆をやってはいけないのです。FCV(燃料電池車)などは技術主導の悪しき例と言えます。正に宝の持ち腐れです。

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(技術者の自己満足では意味がない。国がインフラのサポートをするには視界が不鮮明過ぎる。このまま消えていくか、将来日の目を見るか・・)

次に自動車の存在が許される条件ですが、ご存知のように交通事故で年間に世界で何十万人も亡くなっています。日本は1万数千人から数千人単位にまで減りはしましたが、それでも中くらいの戦争レベルです。あってはならない事ではないでしょうか。通学児童の群れに突っ込むような悲惨な事故は絶対に無くすべきです。

自動車の排ガスによっても年間に何十万人も亡くなっています。原因の特定が困難なので意外に騒がれませんが、中国を見ても分かるように、途上国では悲惨な事になっているのです。欧州もインチキ・クリーン・ディーゼル車による排ガス汚染が深刻の度を増しており、途上国の事を言えません。

さらに、本当かどうかは疑わしいのですが、排ガスはCO2による地球温暖化の犯人にまでされています。それでも存在が許されるのは、それを上回る利便性、魅力があるからです。しかし人の意識は移り変わります。環境運動家からの要求レベルもエスカレートして来るのは自明です。

かと言って地球上の車の全てをクリーン電力によるEVに置き換える事など不可能です。途上国での電力不足は今なお深刻なのです。先進国でさえ現状を見る限り不可能に近いと言わざるを得ません。原発を容認しない限り夢物語に思えます。

再生可能エネルギーがあるではないかと言われるかもしれませんが、少量だからこそ成り立つ世界です。補助金で何とか成立させている現状を見るにつけ、持続可能とは思えません。50年後の世界は知りませんが、すぐにどうこうなるものではないと言えます。

ではどうすればその辺りの一筋縄ではいかない問題と上手く折り合いをつけ、自動車を存続させる事が可能なのでしょうか。先ほども言いましたように利便性、快適性に関しては既に十分なレベルに達しているので、未だ足りないのは地球との共存(環境問題)と安全性に集約されます。

その二つを高い次元でクリアする事が要求されますが、両方とも自動車メーカーに押しつけるのは酷な話です。どう考えてもインフラとの絡みが避けられないからですが、そういう点で先進国の場合はまだ見通しがあります。

地球との共存、つまり環境問題に関しては、このまま規制を強化していけば時間が問題の希薄化を進めるでしょう。メーカーの意識改革が進んで不正を完全に排除する事が条件ですが、そうすれば十数年後には先進国からは喘息や肺がんが激減していると思われます。こちらはコストとの戦いと言えるでしょう。

但し、途上国の空もきれいにしなければ地球全体として意味はありません。範を見せるだけでなく技術的支援が欠かせませんが、社会インフラが整わない途上国なりのやり方を模索する必要があります。そういう点で日本の果たせる役割は大きいのですが、日本に政治的動きと連動したオペレーション能力があるかどうかが問題です。

いずれにしても、そういう前向きな取り組みがあれば、自動車の存在価値が問われるような事態は避けられるのではないでしょうか。それでも途上国が対象では数十年かかるかもしれません。こちらは時間との戦いです。

一方の安全性に関しても答えは出ています。不確かな人間に頼らないシステムを完成させればいいだけです。つまり自動運転技術に集約されるのですが、今でもぶつからない車を作る事は可能です。それを広めるには政府が自動ブレーキの標準装備を法制化すればいいだけです。それだけでかなりの命が救われる事は過去のデータからも間違いありません。

さらに安全を求めるなら自動運転のレベル4が要求されますが、これはメーカー各社で競うようなものとは思えません。どこが開発したとしても技術は開示されるべきです。あるいは今から共同開発でも遅くはありません。単独開発ではコストと時間の無駄です。今も事故は起き続けています。

人の命をビジネスのネタにしてはいけないのです。勝負すべきは車としてのコンセプトやデザインを含めた基本性能であるべきです。ただ、やはりこちらもインフラが絡みます。さらに車(ハード)としての基本性能を満たしていない場合は折角の自動運転技術も絵に描いた餅になります。

従って、まずは日米欧の先進国から実践という事になりますが、日本の場合はまず歩行者が安全に通行出来ないような道路を何とかするのが先決ではないでしょうか。現状を見ていると気が遠くなります。・・・ちょっと竜頭蛇尾になりました。(笑)

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2017年7月24日 (月)

日本は猫をかぶったトラなのか?

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 前回の日欧EPAの話の続きのようになりますが、自動車(乗用車)に限って言えば日本は遠の昔から関税ゼロです。対するEUは10%、因に米国は2.5%、但し、販売台数の大半を占めるSUVやピックアップトラックは25%とかなりな高関税になります。

これが意味する事は自動車に関する限り日本は何も恐れていないが、欧米は日本を脅威に思っているという事です。自動車といえば先進国では基幹産業に当たりますから、そう簡単に海外からの侵食を許す訳にはいかないのです。現地生産なら話は別ですが、その場合は日本にメリットが殆どありません。

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ある英国人官僚に言わせると「日本は自分の事を猫だと勘違いしているが、外から見ればトラにしか見えない」そうですから、海外から見る日本は、日本人の思っている日本とはかなり差があるのです。それが関税や非関税障壁に現れていると言えます。

尤も、これは80年代以降の話で大戦前からそうであったかと言えば、そんな事はありません。軍事力を強化し大陸へ進出する日本に対し、ハルノートで最後通牒を突きつけた米国なども、それ自体を見ても随分日本を侮っていた節があります。

真珠湾には空母こそ避難させていたものの、無警戒な主力艦が10隻近くもいたし、フィリピンで待ち構えるマッカーサー指揮する守備軍は15万人もいて、日本を敵とは思っていなかったようです。実際15万人対4万3千人の戦いでは、どう考えても守る方に分があります。

ところが初日の攻撃で大戦果をあげる日本軍航空隊を見て、焦ったマッカーサー本人が「日本の戦闘機はドイツ人パイロットが操縦していた」と本部に報告する有様です。それはそうかも知れません。この時が日米初の戦闘ですから敵の実力を知る由もないのです。

逆に当時日本人は欧米をどう見ていたかですが、ある程度正しい見方をしていたのかも知れません。零戦開発には無理難題を押し付け、真珠湾攻撃前の航空隊の訓練なども、歌にも歌われた「月月火水木金金」でも分かるように軍上層部からの要求は熾烈を極めました。自分より強い相手に立ち向かっていく心構えはあったのではないでしょうか。

その甲斐あってか開戦から1年近くまでは、ただ一国で南太平洋地域とインドシナ半島に於いて米英蘭豪の連合軍を圧倒しています。半年目のミッドウェイ海戦こそ破れはしましたが、それでも未だ十分な戦力を有していたのです。ただ、この戦いはそれまでと違って不手際が目立ちます。連戦連勝による驕りがあったのかも知れません。

前置きが長くなりました。さて、今現在の日本人が欧米をどう見ているかですが、敗戦のトラウマからか、戦後自虐史観教育の成果か、かなり過大評価をしている節があります。自動車評論家を見ても、とにかく欧州車、とりわけドイツ車に関しては白旗状態ですからお金でももらっているのではないかと勘ぐりたくなります。

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(ドイツ車と言えば、泣く子も黙るメルセデスベンツ、写真はその旗艦とも言えるSクラスのクーペ)

実際そういう例もあったようですが(笑)大昔からという事は考え難いし、全員が全員という事はないと思うので、欧州車に対しては何か特別な感情を抱いている事は確かなようです。かく言う私も欧州車は嫌いではありません。特にドイツ車は機能的で高品質な中にも骨太の車造り精神がしっかりと宿り、信頼感、安心感を抱かせます。未だに大いに見習うべきところはあるのです。

また、どちらかと言えば野暮なドイツ車に比べ、英国車の度派手ながら絶妙に品位を損ねない意匠の技、洗練度には圧倒されます。ジャガーやアストンマーチン、ベントレーなどは日本人にいきなり似たものを作れと言われても無理な相談です。それだけ歴史の重みを感じさせるのですが、貴族文化の国ならでは、と言えるのではないでしょうか。いい悪いではなく庶民文化の日本などとは根本的に考え方が違うのです。

同じ欧州でもイタ車はまた趣が異なります。とにかくセクシーなのです。言うなればナンパ車でしょうか。見るもの触るもの聞くもの、5感にダイレクトに訴えて来るものがあります。私も、あの耐えられないラフさを除けば嫌いではありません。フランス車はおしゃれ、ハイセンスで、特に内装に見るべきものがあります。これも我々には真似が出来そうもありません。

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(最新型ボルボV90、ステーションワゴンはリッチさの象徴)

スウェーデンは、今は実質ボルボ一社になりさびしい限りですが、どちらかと言えばドイツ車の流れを汲みます。プラクティカルとでも言いましょうか。骨太で実質本意なのです。そう思っていましたが、先日最新のV90 に試乗して驚きました。

とにかくカッコいいのです。知的でおしゃれで高級車然としています。乗ってもドイツ車との差がにわかには判別出来ないレベルです。車格がいきなり二つくらい上がりました。売れるのではないでしょうか。侮れないですよ~。(笑)

因みに米に対してはどうかと言いますと、60年代のアメ車は大きく豪華で子供達の憧れの的でした。パワーウィンドーにパワーステアリング、エアコンはもちろんで、油圧で開閉するソフトトップまで完成していたのです。一度は持ちたいと思った人は多いのではないでしょうか。

その米もオイルショックあたりからおかしくなり、日本車の怒濤の輸出ラッシュを許します。貿易摩擦等、すったもんだの末、結局直接投資まで受け入れ全面的に日本車の軍門に下る事になりました。米国でのシェアは40%近くにもなり、ビッグスリーの40%強に迫ります。ただ、今は棲み分けも上手くいっているようで、ライバルとしての存在感はありません。

ところで最近日経、電子のバーンを見ていて高級車に関する記述に出会いました。ドイツ3強も危機感、テスラが突きつける高級車「再定義」 という題名で、なんとTeslaの躍進は、高級車ブランドの醸成が「時間」の問題ではないことをはっきりと示す。とまで言い切っているのです。

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(全幅2M以上とバカでかいテスラ・モデルS、頭悪そう)

全く意味が分かりません。(笑)テスラを高級車としたところに私などにはどうしても受け入れられない溝が存在します。記事が言っているのはテスラモデルSの事ですが、いつからあれが高級車になったのでしょうか。確かに価格は高いです。高価な電池を沢山積んだモデルは1000万円を悠に超えるのですから高級車と錯覚しても仕方がありません。

では同じ1000万円クラスのジャーマン3が擁する高級車群と比較すればどうでしょうか。ベンツはSクラス、BMWは7シリーズ、アウディはA8です。まず貫禄が違います。何十年も同じテーマで積み上げて来た歴史の厚みも比較になりません。

何よりテスラは車として、高級車としての条件を満たしているかどうかさえ疑わしいのですから、同じ土俵にあげるのは適切とも思えないのです。むしろ気の毒になります。そこでちょっと突っ込んだ話をしたいのですが、例によって長くなりそうな予感がします。今の時点では未だまとまってもいないので次回へ続く、とさせて下さい。

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2017年7月 7日 (金)

EV化の真の意味とは?( Ⅰ )

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 今日は久々自動車の話題です。

EVが遠い将来、例えば500年とか1000年後の世界で、メインのパッセンジャーカー(乗用車)になる事はあり得るのかも知れませんが、私は幸か不幸か、その時にはこの世にいないので関係ありません。(笑)

では我々が生きている間に何が起こるかですが、どうもEV化を推進するひとつの大きな要因であるエネルギー問題はなくなりそうです。シェールオイルが出現してからこの問題大きく動きました。従来化石燃料と言われ、埋蔵量に限りがあって枯渇が時間の問題だと思わされて来たのは真っ赤な嘘で、実は無尽蔵にあるかもしれないのです。

少なくとも我々の目が黒い内は大丈夫そうで、100年、200年単位でみても問題ないかもしれません。という事は増税以外で、ガソリン価格は今後大きく上がらないという事になります。むしろ徐々に下がって行くかもしれません。枯渇がデフォルトでインプットされている頭には少々酷です。フリーズしてしまいそうです。(笑)

他のEV化推進要因であるCO2地球温暖化説も非常に胡散臭いし、また切実な問題であった排ガスの低公害化もどんどん進んでいます。ディーゼルエンジンがネックにはなりますが、燃費が最大のメリットというのでは存在根拠は弱いと言わざるを得ません。この方面、日本メーカー(特にマツダ)の努力は称賛に値しますが、乗用としてはそう遠くない将来消える運命と思われます。

つまり、誤解を恐れずに言うならば、乗用車に関する限り従来言われて来た程、環境省エネに神経質になる必要はどこにもないのです。但し、それは今のところ日本だけの話です。他の国は未だ危機的なところが多いので余談は許しません。

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(スズキワゴンR マイルドハイブリッドでもリッター 33.4Km を達成)

日本の規制がこの調子で進んで行けば、数十年後にはかなりクリーンな環境が実現出来ます。(外的要因を除く)その個別評価はともかく、ニッサンノート e-Powerや、スズキの軽自動車のマイルドハイブリッド化等、ハイブリッドのバリエーションが続々出て来るのを見るにつけても、メーカーの意識、技術レベルは昔に比べ飛躍的に高くなっています。期待出来るのではないでしょうか。

次にアメリカですが、ここも排ガス規制は日本以上に厳しくなります。原油が安くなってからは大排気量のガスがぶ飲みSUVが売れまくっている事は確かだし、環境問題に対する政府の姿勢も凄く前向きとは言えませんが、日本の次ぎに期待出来るのはここしかありません。特に日本車が多く規制も厳しいカリフォルニアが有望です。

問題は欧州です。もちろん先進国の中でという意味です。途上国は論外で、そこは先進国がどう対応して行くかにかかっています。従来の株主優先、利益最大化の考え方では持続可能でないのは自明です。なんらかの対策が必要である事は論を俟ちません。

その一端を担わなければいけないはずの欧州が、実は頭痛の種なのです。(笑)VWの排ガス偽装で揺れたのは2年前ですが、当該メーカー達も、共犯であった国家も真摯に反省している様子はありません。どうも今でもその不正な排ガスを出す車を平気で売っているらしいのです。

巨船の舵は急には切れません。生産台数の50%以上にも達するディーゼル車をいきなり全て性能を変えずにクリーンエンジンにする事など不可能なのです。取りあえずガソリンエンジンに替えればいいのですが、供給が間に合う筈もないし、ディーゼルに投資した費用を回収するという経済的理由も足枷になります。

もちろん排ガスの制御ソフトを正常化した上で、浄化装置を奢ればクリーン化は可能ですが、そんな事をすれば走らない、燃費悪い、高い、で誰も買いません。欧州では大衆車程ディーゼル比率が高いので当然です。とにかく欧州だけでも膨大な生産台数なので、次のモデルチェンジの時に何とかするのが精一杯と思われます。

それまでは残念ながら欧州の汚染は酷くなる一方です。それが原因で命を落とす人もうなぎ上りに増える事は避けられません。米でさえその犠牲者は年間5万人を超すと言われています。しかし現実問題、その時が来ても低コストのマツダ方式にするには特許料を払わなければならずマツダが大儲けします。(笑)

そこで苦肉の策で言い出したのが総EV化です。ドイツは何と2030年までに、フランスは40年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止すると言い出しました。他のEU諸国も追随する構えを見せていますが、どう考えても変な話でしょう。

Etron

(アウディの試作車 E-TRON 航続距離500キロというが、暖房を使わない事が条件では寒い国では困るのです)

日本の、数少ないまともな自動車評論家の池田直渡氏は、この米も含めたEV化への流れを20年代の米の禁酒法になぞらえて、バカバカしくも、あり得ない試みだと一蹴しています。マスキー法案などと同じで、どこかで覆されるのがオチでしょう。トヨタやホンダが一気にEV化に走らないのは、そういう理由があるからです。

それにしても、ディーゼルエンジンならともかく、あれ程優秀でアドバンテージのあるガソリンエンジンを廃止するなんて気が狂っているとしか思えません。お得意のダウンサイジング化は上手くいっているではありませんか。ファンの一人として禁酒法同様、EV化計画の早期頓挫を祈ります。

実はこの陰に日本車の気配を感じるのです。今、日欧EPAで日本からの自動車輸入関税10%を撤廃するとかしないとか騒いでいますが、EUが一番恐れているのは日本の優秀なハイブリッドカーが入り込む事です。当局が排ガス規制(ユーロ6)を厳密に履行するなら、日本のハイブリッドカーが欧州市場を席巻しかねないのです。それが日本にとって良いか悪いかは取りあえず置いといて。。

ドイツにとっては悪夢でしかありません。そもそもドイツ車は近年日本の影響をずっと受け続けて来ました。生産技術ではベンツがトヨタ方式を導入し、日本製製造用ロボットはVWの工場を埋め尽くしています。電子制御技術も日本の後塵を拝し、自動車用半導体は日本からの空輸頼みなのです。燃料噴射装置もパクったり買ったりで苦労しています。

ドイツが得意とするところのトランスミッション等の精密機械部品にしても日本製品なしでは成り立たないところにまで来ているのです。本当はとっくの昔に日本車に席巻されているところを、関税とインチキ・クリーンディーゼルで誤摩化して来たというのが実態です。

それらが崩れたなら欧州車の生き残る道は一部のプレミアム・ブランドしかありません。それをいやという程感じているドイツが、苦肉の策で出して来たのがインチキクリーンディーゼルと同じ、その場凌ぎに過ぎないEV化という訳です。

しかし、実はこの方面でも日本がアドバンテージを持っています。技術的には20年も経験のあるハイブリッドシステムの枠から一歩も出ず、その簡略化に過ぎませんから欧州に勝ち目がある筈はありません。BMWあたりが出しているハイブリッドにしてもトヨタが指南したものなのです。

つまり、もう勝負はついているのです。白旗を揚げる事を潔しとしないので総EV化などと出来もしない事を言い出しました。日本車と互角に戦えるのはEVしかないと踏んだのでしょうか。あるいは白人お得意のルールーチェンジで日本のハイブリッド車を閉め出すつもり? そこまで落ちぶれてもらいたくありません。

しかし、だからと言って悔し紛れに日本の自動車評論家を買収するのはいかがなものでしょうか。ドイツ車の優秀性を宣伝するだけならまだしも、日本車を嘘で貶めるのは人の道に反します。

未だに欧州車を絶賛して日本車にケチを付けている日本人自動車評論家は、そういう敵の捨て身とも言える作戦に与した、いわゆるBKDと言われるタイプの人達ですから、皆さんくれぐれも騙されないようにして下さい。

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