自動車

2020年3月27日 (金)

EV vs HV (後編)

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---移民政策/消費税増税/カジノ解禁に断固反対!---

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 前回からの続きです。クリーンディーゼル車に比べればEVは圧倒的に構造が簡単です。これなら何とかなるかもしれないと有象無象が飛びついても無理はありません。ところがそこには大きな落とし穴が待っていたという訳です。

まずEVは価格の点やメンテの点でも途上国向けでないのは明らかです。中国だって補助金とナンバープレートの優先的配布で急増させてきましたが、今後はそうはいきません。補助金は既に打ち切りでEV熱も冷めています。

先進国、特に欧米も政府の過保護とも言える後押しがあって何とかしてきましたが、何百万台もとなれば話は別です。他の産業とのバランスもあって無制限に支援は出来ません。

そもそも現システムでのEVなんてとても持続可能とは言えないビジネスモデルだったのです。それを知っていた日本企業のお尻が重かったのは当然と言えます。

欧州勢はディーゼルの嘘がバレて慌ててEVに飛びつきましたが、EUにはサプライチェーンさえ整備されていないのです。裾野を育てるのは生易しい話ではありません。そのため取りあえず中国や韓国を当てにしたと言う訳です。

しかしそんな事でブランド価値が維持出来ると本気で考えているのでしょうか。安全策として日本にもアプローチし、まんまと日欧EPAを締結しましたが、部品に関しては即刻関税ゼロというところに焦りが伺えます。

完成車は7年後にならないとゼロにはならないにも関わらずです。そういう付け焼き刃的その場凌ぎではいずれ立ち行かなくなるのは自明です。欧州は目論見通りにEVで食っていく事など出来やしないのです。そこは断言出来ます。

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(ホンダのEV こんな冗談としか思えない車が300万円以上だなんて、しかも200キロも走れない訳です。)

とは言ってもコミューターなどの小さな物や地域限定、あるいは公共トランスポーターとしては生き残るでしょう。従って一般的乗用車はガソリンエンジン車とそれをベースにしたハイブリッド車がメインという事になります。

法規がどうであろうが、それしかないのですからその方向に動くしかありません。でなければ産業自体が崩壊してしまいます。途上国に関しては熱効率がさらに上がった次世代ガソリンエンジン車&マイルドHVがメインになるのではないでしょうか。

その結果、EVの妥当な棲息空間は世界で10%にも届かない事になります。EVとガソリン車の欠点を併せ持つ、プラグインHVなどという中途半端な商品も消える運命でしかありません。

それをやるくらいならEVベースでEVの欠点を補うレンジエクステンダーで十分です。よほど分かり易いです。BMWのi3が良い例と言えるでしょう。

次に石油の価格ですが、今後も上がったり下がったりを繰り返すのは生産国の都合もあって致し方ありません。それでも莫大な埋蔵量があるのは既定の事実ですから基本的には下がっていくものと思われます。日本の場合はそれよりもガソリン税が問題です。あまりに高過ぎます。

軽油程度にまで下げたとしても咎められる理由はありません。さらにその上に消費税がかかるという二重課税という国家的インチキもやめるべきです。先進国として恥です。

そういう点も含め税制の抜本的見直しは必須と言えます。もちろん既得利権との戦いになりますが、国家財政の嘘も含め、もうそろそろ何とかしない事にはどうにもなりません。

次にトヨタですが、中国天津への投資を2月29日に決めたようです。えっ(笑)頭おかしいです。新型コロナ騒動の最中、経営者はとてもそんなモチベーションにはならないと思うのですが、もし本当に投資するようなら厳しい未来しかありません。本当にコモ被りになってしまいます。(笑)

私の考えですが、前回も言いましたように、このコロナ騒ぎが首尾よく収束したとしても今後はグローバル化の流れはかなり抑制され内需中心の考え方が主流になっていくと思われます。それから取り残されるメーカーは、それはそれで自己責任でやって下さいと言うしかありません。

今回の新型コロナ騒動で間違いなく世界は大きく変わります。一度こういうリスクを知ったなら、怖くて海外に投資なんて出来ません。その代わり国内に投資すればいいのです。それが生産性の向上に繫がっていきます。

人が足りなくても、海外からはおいそれとは呼べない状況ですから、そうならざるを得ません。日本にとって正に良い事尽くめなのですが、そこに気がついている経営者は今の段階では殆どいないのではないでしょうか。これに関しては国が方向性を示すべきは明らかです。

最後に温暖化と温室効果ガスと言われるC02の問題ですが、これは高々100年くらいのデータであれこれ言えるようなものとも思えず、中期的にみれば寒冷化だってあり得ると思っています。実際長期的には氷河期に向かっている訳ですから、温暖化よりそちらを心配すべきです。

CO2温暖化犯人説にも否定的な専門家の見解が多くあり、確定しているとは言えません。これからの時代、そういういかがわしい説に惑わされないようにする事が肝要です。今後エネルギーに対する常識は大きく変わり得ます。

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(日本の火力発電によるSOxとNOx の排出量は世界最低レベル)

日本の場合は化石燃料で発電しても、CO2はともかく、排出するPM、SOxやNOx はかなり抑える事が可能です。石炭でさえ世界トップレベルにあって2030エネルギーミックス計画が達成出来れば、当面それで十分だと思われます。

もちろんパリ協定の、根拠の薄いCO2削減目標は達成出来ませんが、万が一それで地球がどうかなったとしても日本の責任ではありません。米中や途上国の問題であり、日本はただ範を垂れるだけです。

ちょっと竜頭蛇尾かも知れませんが、EV とHV どちらが近い将来の主役かご理解いただけたと思います。万が一にもEV全盛となったなら、そこには大きな政治の力が働いたとしか思えません。

誤解なきよう言っておかなければいけませんが、私はEVを毛嫌いしている訳でもポジショントークをしている訳でもありません。然るべき時が来ればEV全盛は当然あり得ると思っています。

その第一条件としては、電車のように車外からの充電が可能になる事です。非接触で道路から電力の供給を受けるならEVは華麗に蘇ります。重たい電池を積まない訳ですからポテンシャルと魅力が倍増するのは明らかです。

何よりコストと走行距離の問題が解決するのですから鬼に金棒です。そのためには全国津々浦々にインフラ整備が必要ですが、巨額公共投資をすれば十分可能と言えるでしょう。

少しだけ電池を積んでラストワンマイルは自力でと言うなら、もっと実現性は高くなります。それはそれで楽しい未来ではないでしょうか。

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2020年3月23日 (月)

EV vs HV (前編)

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 今日は読者の方からのご質問にお答えします。最近さぼっているので自動車の話もとんとしていませんが、その間、特に何かが大きく変わったという事はありません。もちろん今回の新型コロナ騒ぎは抜きにしての話です。

それはそれで大きく世界が変わるかも知れないのですが。その話はもう少し時間が経ってみないと分かりません。日本に限って言えば夏までに収束してもおかしくないし、あるいは不測の事態に発展しないという保証もありません。

専門家が言うには日本のピークはこれからだそうです。欧米の悲惨さをみると説得力があります。日本だけがこのままというのはないのではないでしょうか。

いずれにしても世界規模で俯瞰するならば、最低一年を通してみる必要はありそうです。そういう意味では、現状の話というのは大して意味を持たないかもしれません。

従ってこの記事はコロナ後の世界が大きく変わらず、原状復帰が90%以上という楽観的前提で書きます。本当にそうなる事を祈らざるを得ません。

まず電気自動車関連ですが、結論から言いますとEVが今のガソリンエンジン車のように世界を席巻する事はあり得ません。少なくとも二次電池を積んで走るEVシステムという前提ではそう見ています。

その根拠は山ほどあって整理するのが困難な程です。専門家ではないので遠い将来の事は分かりませんが、まず二次電池には限界がありそうです。

基本的にはメーカーが巨額投資を嫌がります。未だ固定されたデバイスではなく、いつ何時革新的なものが出て来るか予測不能という点が悩ましいところです。

従って急速に伸びる需要には対応が難しいです。さらに向こう10年くらいで見てもリチウムイオン電池では何の解決にもならないし、大手がこぞって開発している全固体電池でも圧倒的能力不足と言わざるを得ません。

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(ポルシェよ、お前もか、と驚きを隠せない超弩級 EVスポーツカーのタイカン、失笑してしまうのは私だけ?)

全固体でもハイブリッド車との比較で、走行距離では実質半分がいいところです。強引に沢山の電池を積んで走行距離をカタログ上500キロ程度まで伸ばしているEVもありますが、これこそ本末転倒、愚の骨頂と言えます。自動車の本質が分かっていません。

今走っている車の大半は重量との戦いの成果と言っても過言ではないのです。設計者は日夜グラム単位で軽量化に血道を上げています。コストと重量がその商品の存在価値を決めるとさえ言えるでしょう。

軽量化は燃費や走行性能向上には切っても切れず、耐久性にも影響します。従って重量増がエコに反する事くらいは小学生にも分かる理屈ですが、テスラの経営陣はどうも理解していないようです。

闇雲に車をデカくし高コスト高付加価値化に励んでいます。本当に地球の事を考えるならミニマム指向、つまりマイナスしていく考え方で設定すべきは明らかです。

電力爆食いで際限なく電力需要を増やしていくビジネスモデルに勝算などある筈がありません。それでトヨタ並の大企業にするなどと夢を見ている訳ですから頭がおかしいです。

と言うか、ニッチ狙いならあり得たビジネスモデルを中途半端に安い「モデル3」を上市して量をとろうとしたのが間違いでした。そうは問屋は卸しません。

今は時価総額がバブル的に高いので誤摩化せていますが、実力相応の株価になった時が企業としての正念場でしょう。私はこういうヤクザな企業は近い将来に消える運命にあると見ています。

昔のような国内好事家向けのニッチメーカーに戻らない限りその運命しかありません。その点は欧州車も同じです。ジャーマンスリーの御三家と言えど高級車の市場は限られます。

そもそものEVの基幹部品である二次電池の材料、リチウムそのものが有限で、今分かっている埋蔵量ならすぐに底をつくのは自明です。とてもほぼ無尽蔵と言われる石油には勝てないのです。

従ってコストの点でも不利な戦いを強いられます。さらにリチウムイオン電池は工業製品としては例外的に量産効果が出難い商品と言われています。リサイクルシステムさえ確立されていません。

従って不完全と言えるこの商品を前提に量産を考えるなんてあり得ないのです。余程人件費の安い国で作るなら話は別ですが、品質に神経を使う製品故にそれも限界があります。

もっと悪い事にはリチウムの採掘は産出国を汚染しているという事実があるのです。リチウムだけでなく他の金属の採掘も含め土壌汚染、水質汚染等、掘れば掘る程環境汚染が進みます。

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(ボリビアのウユニ塩湖は世界の総埋蔵量の50%が眠ると言われる世界最大のリチウム鉱床である。)

EV生産国では問題がないかも知れませんが、先進国のエゴで途上国を汚染してしまっては元も子もありません。地球トータルで考えるべきという視点がない事に驚かされます。

EVを使用する先進国にもまた違った問題が発生します。肝心要の電力をどうやって作るかによって全く違う結果が導き出されるのです。今までのような火力発電で石炭を主に使う場合などは、国によってはガソリン車より汚染が酷くなる事もあり得ます。

少なくとも歴史が20年以上と長く低価格化が進んだハイブリッド車には一定の安定感があり、さらに同じ延長線上にもっと上を狙えるポテンシャルもあるのです。

それが分かっている欧米メーカーは自分たちでは上手く作れないストロングハイブリッド車で勝負をする気はありません。そこで何とか引きずり下ろしたいというのが本音なのです。

ところがこれから増々厳しくなる各国の排ガス規制を見た時に選択肢はそうはありません。欧米勢は多くの排ガス浄化装置に依存せざるを得ないディーゼルエンジンでは成り立たない事を知っているのでEVに向かいます。

デンソーがリードするコモンレールも燃料噴射の圧をどんどん高くせざるを得ないし、日産ディーゼルが大型のために開発したNOx除去装置の尿素SCRも小型車にはコストやメンテナンスがネックになります。

他のデバイスも同じで、とても小型車が堪えられる装備ではありません。そもそも重くてデカく高いディーゼルエンジンそのものが小型車には向いていないのですから何をか言わんやです。

当然欧州メーカーも全て承知の上で、行きがかり上繋ぎでしかない今は採算度外視して作っているものと思われます。かなり内情は厳しいのではないでしょうか。

長くなりました。続きは出来る限り早くアップする予定です。

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2019年3月15日 (金)

一見成功したかに見える、テスラというビジネスモデル(続編)

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 前回からの続きです。
簡単に電動化、EV化と言いますが、充電のための電力以外にもクリアすべき問題は山積しています。

1)肝心要なバッテリーに必要とされる天然資源の供給は十分見通せるのか、

2)バッテリーをリサイクルするための有効なシステムは構築されたのか、

3)大気汚染やCO2排出量削減が、EV化によって満足のいくものになるのか、

見えない点が多過ぎるのです。

まずバッテリーに必要な天然資源、リチウムやコバルトですが、致命的に足りないと言われるコバルトに比べれば、リチウムの埋蔵量は相当量ある事が分かっています。

コバルトを使わない技術も一部で確立されました。しかしながらリチウムの供給の方は全く目処が立っていません。急に沢山掘れと言われても追いつかないのです。

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(需要とほぼリンクしているリチウムとコバルトの価格、欧州勢が本格参戦すれば下がる事はないだろう。)

そのため中国がEV増産を始めた15年頃からリチウムの価格が急上昇し始めました。元々材料費が60%以上を占め、量産効果が薄いとされるリチウムイオンバッテリー、価格に関しては今以上に下がる要素は殆どありません。例え全固体電池が実用化に成功したとしても、その効果は限定的と言えます。

中国では既に安いバッテリーを製造しているではないかと言われるかも知れませんが、この国は政府がバックにいるので参考になりません。そもそも重要部品の大半はリチウムイオン電池の発明国、日本が抑えている訳ですから、中国以外の国で低価格を実現する事はあり得ないと言えます。

次にバッテリーのリサイクル技術ですが、未だ確立されていません。という事はリサイクル前提でバッテリーを作れば作る程価格が上昇します。今でさえバカ高いというのに、それで大衆車クラスの量産が成り立つとは思えないのです。

最後の環境問題に関しては、もっと悲惨です。今既に一部の地域では最悪に近い状態だと言うのに、今後新興国の電力需要増加に加え、さらに電動車分が急激に増えて来る事は避けられない状況です。

その増加分に関してはゼロエミッションにする以外、地球をクリーン化する事などあり得ない筈ですが、原子力発電に足枷が嵌っている今、その実現は非現実的と言うしかありません。

地球規模で考えると、人類は既に車など持てる状態ではないのです。酷くまじめに考えるとそういう事になります。しかし、残念ながら新興国や発展途上の大国(中国やインド)、あるいは覇権を維持したいアメリカなどは、自国の都合しか考えません。

PM2.5 などで環境汚染が酷い中国では石炭から天然ガス発電へのシフトが進んでいるとされていましたが、最近の石炭火力発電監視機関(米NGO)の報告では、中止されていた石炭発電所の建設が再開され、止めた筈の従来の石炭発電所も再稼働していると言います。

つまり経済優先で環境対策は逆行しているという恐ろしい現実がそこにあるのです。もう一つの発展途上大国インドはあまり騒がれていませんが、中国以上に酷いと言われています。

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 世界の石炭火力発電所13000以上を追跡している米NGOのCoalSwarmが、Planet Labs の衛星画像を使った分析によると、中国国内では、新設あるいは再稼働準備中の石炭火力発電所が合計46.6GW分に達してることがわかった。これらの胎動 分がすべて稼働すると、今年の中国の石炭火力による電力は前年比4%増すると推計している。

現実問題としてパリ協定は既に有名無実化していると言って過言ではありません。大国にやる気がないのですから他が従う筈もないのです。日本だってあり得ない数字が突きつけられていましたから、ハナから無理です。(笑)じゃあ、人類はどうなるのか? 地球は住めない星になるのかというと、そんな事もないような気がします。

大気汚染を含む環境問題では一部の地域や国は存亡がかかる程の大問題になるかも知れませんが、方向性を明確にしている先進国や未発展地域は多少余裕があるのです。今後改善が進めば、さらにマージンは増えるでしょう。従って汚染が進む国をどう抑え込むかだけが課題になります。

そうは言ってもC02問題だけはどうにもならないのでは?と言われるかも知れませんが、そこは非常にグレーゾーンです。実は確定されたものは何もないのです。事実1965年から2000年頃までは平均気温の上昇が見られましたが、それ以降はむしろ下がっているという報告もあります。

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だからと言って無制限に増やしてもいいというものではありませんが、現在大気中に0.04%しかないCO2が倍になったところで人体への影響は皆無です。温暖化にしても諸説あって定まっていません。この手の議論には政治的なものやポジショントークがあるので、今一信用出来ないのです。

いずれにしても温暖化に関しては人類にとっての喫緊の問題ではないと言えます。それより毎年何百万人も死んでいると言われる大気汚染を何とかする方が先決です。

そのためにしなければならない事は電力需要を直接増やすEV化ではなく、発電所や自動車、航空機、船舶から排出される有害物質の除去、つまりPMやNOX、SOX等の排出量規制である事は論を俟ちません。

それがある一定のレベルに達しないものは廃止するしかないのです。まず石炭火力発電はやめるべきです。次に石油、それらを天然ガスに置き換えるだけで、かなり改善されます。

その状態でのEVなら価値がないとは言いませんが、逆にそのレベルであれば汚染に関しては内燃機関も大差がないのです。むしろSOXでは圧倒的に有利です。但し、ディーゼルエンジンは除きます。

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結論としては、再生エネルギーによる発電や脱火力発電に成功した国はEV化が有効です。そうでない国は車外から充電をしない電動車、つまりハイブリッド車や天然ガスエンジン車を選択する事が大気汚染を軽減する近道なのです。

再生可能エネルギーや常温での核融合等の新技術が発電のメインになるまでは、発電は天然ガスがメイン、自動車はハイブリッド、特にエンジンを最も高効率で稼働出来るシリーズハイブリッドが、妥当な解ではないでしょうか。

シリーズハイブリッドの代表例としては日産ノート等の eパワー、ホンダ・アコード、インサイト等の i-MMDがあります。市街地走行が多い場合は日産方式、オールラウンドならホンダ方式が有効です。

テスラ? そうそう、最初はテスラのビジネスモデルの話でした。(笑)石炭、石油火力が総発電量の50%を超えるアメリカではEVは最新のハイブリッド車に劣ります。テスラのようなEVが増える程、大気汚染が原因で亡くなる人が増えるという訳です。

因に米国の発電による1kWh あたりのSOX 排出量は日本の8倍、NOX は2倍だそうです。他の先進国ではもっと酷いケースもあります。(東京電力の資料による)

EVは小型にすればする程そのメリットが増えるのですが、大型にしてしまってはコストと環境負荷が増えデメリットが増幅されます。存在意義が限りなく薄れるという訳です。

テスラより日本の軽自動車の方が余程クリーンだという事実を、東京でテスラに乗っている人たちは恐らく知らないのでしょう。アメリカで乗るよりは多少ましですが、バカ高い車両価格に見合ったものは何もありません。

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(テスラに近いコンセプトでデザインされたBattista / Pninfarina のデザイン 1900ps 2億円?のモンスターEV 限定150台の生産になる。)

そもそもあそこまでデカくして、さらに動力性能を誇りたいのであれば、数を取りに行くのは間違いです。上のスーパーEVのようなニッチマーケットで勝負すべきでした。それなら多少の生存空間もあるというのに、欲をかいては虻蜂取らずで滅亡あるのみです。

テスラというビジネスモデルは70年代までのアメ車を彷彿とさせます。爆食いの恐竜には絶滅の未来しかないのですが、同じ間違いは繰り返されるようです。

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2019年3月13日 (水)

一見成功したかに見える、テスラというビジネスモデル

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 最近東京の街を歩いていると、見慣れないマークの車に遭遇する機会が増えた事に気がつきます。米製EV、テスラが随分と目につくようになったのです。その、ちょっと先進的で無国籍なデザインは日本人にも受け入れられたように見えます。

今はデカいセダンのモデルSと、さらにデカいSUVのモデルXだけですが、近い内に日本車に近いサイズ、いわゆるDセグのモデル3も加わるようです。モデル3は500~700万円程度で比較的割安ですが、モデルSは1000万円前後、Xだと1300万円前後というベンツの最上級にも匹敵する高額車です。色々な意味で驚きを禁じえません。

私の想像に過ぎませんが、この車のユーザーは恐らく、環境性能、自動運転?などの先進性、あるいはEV独特の加速や乗り味が気に入っての購入だと思われます。イーロン・マスクのファンもいるかもしれません。特にIT系企業の経営者ともなれば、そのライフスタイルにうってつけの車かもしれないのです。

これまでの、高級車と言えばベンツ、BMW、アウディ、国産ではレクサスあたりがポピュラーでした。それらが持つマンネリ感、おやじ臭さがない事も新鮮で、十分選ばれる理由になり得るのです。驚くべき事に米ではモデルSがベンツSクラスを抑え、そのクラストップの売れ行きだと言います。(下の表)

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これは画期的です。ベンツ神話の崩壊と言えるのではないでしょうか。日本では長年ダサイ、ガス爆食い、派手、などの理由で敬遠されて来た米車ですが、このままうまくいけば失地回復に繫がるのかもしれません。

往年のアメ車は素晴らしく立派でした。私なども子供の頃には憧れたものです。デカくて豪華なアメ車を所有するような身分になりたいと単純に思っていました。何と言っても真夏のクーラーの効きには驚嘆したのです。こんな贅沢な世界があるのかと。(笑)

時は流れ、二度のオイルショックや幾度かの経済危機を経て、デカさや派手さは影を潜めました。経済性が選択理由の上位を占める時代となり日本車が世界で活躍する条件が整ったのです。あの自動車王国のアメリカで日本車がシェア40%も占める時代が来るとは誰も予想しませんでした。

ところがさらに時代は動きます。オイルサンド等の出現で、今は経済性よりむしろ安全性に重きが置かれるようになったのです。次に環境性能でしょうか。特に米では大型化が進み、販売の主役はSUVがセダンに取って代わりました。そのシェアは60%にもなり、さらに勢いは増しています。

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(テスラのSUV モデルX 5Mを越す全長に2Mの全幅、重量は2.5トン、正にモンスターだ。)

環境問題に関してはカリフォルニアのZEV規制や中国のNEV規制などでEV化が急速に進んで来る事は間違いありません。欧州の主要国も電動化を宣言して方向性を明確にしました。その波は日本にも怒濤の如く押し寄せるのでしょうか。

ここまで読まれた方は、お前もついにEV化路線に宗旨替えしたか、とガッカリされたかも知れません。(笑)否、そんな事はないのです。ず~っと先の将来の事は分からないし考えたくもありませんが、少なくとも私の目の黒い内はEVの時代にはなりません。自信を持って言えます。

尤も、政治家達がおかしな選択をしなければという注釈は付きます。内燃機関廃止!とか言い出すとややこしいのです。そうではなく賢明で妥当性のある判断を、これからしていくだろうという前提での話です。

まず、この問題は地球単位で考える必要があります。それには非現実的な理想論でしかないパリ協定はともかくとして、実現可能な範囲で高い次元の妥協点が求められるのです。その先の事はその時に決めればいいのであって、今の時点で不確定な遠い未来の事を云々する意味はありません。

恐らくですが、今一番いいのは乗用車の個人所有をあるレベルで規制し、日本の様に公共の交通機関を充実させる事です。カーシェアリングも合理的な解と言えます。それでも人口増加や経済発展によって増えるであろう絶対量(CO2や汚染物質)をいかに抑え込むかという問題が残ります。

先進国の方向性は、好むと好まざるに関わらず電動化がある程度見えてきましたが、途上国はそういう訳にはいかないのです。ただでさえ供給が不足している電力を車に使う訳にはいかないので、ガソリン車メインにならざるを得ません。

途上国で電動化するにしても車外から充電の必要がないものに限ります。つまりハイブリッドです。それもストロングは技術、整備、インフラ等で非現実的なので、マイルドハイブリッドにいかざるを得ません。さらに今後熱効率が50%を超えるなら従来型内燃機関も未だ未だ使えます。

今後増々需要が増える電力に関しては期待の再生可能エネルギーは不安定さやコストがネックになるので、全てをそれに置き換えるとなると時間がかかります。それまでの繋ぎをどうするかによっては車の方向性も大きく変わって来るのです。

人命を尊重するなら脱石炭、脱石油しかありません。出来れば化石燃料系では一番クリーンで発電コストも低いと言われる天然ガス発電が望ましいのですが、搬送や冷凍保存には液化が必須で、そのために電力が大量に消費されるというパラドックスを解決しなければなりません。

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(発電別の大気汚染や事故による死亡率、圧倒的に石炭発電が不利である。天然ガスはバイオマスより死なないようだ。原子力が一番安全だというのに差別されているようで、新規の需要は少ない。)

ちょっと話が大きくなり過ぎて実は後悔しています。(笑)悪い癖とは言え、どうまとめるか不安になって来ました。こればかりは独断と偏見で、という訳にもいきません。少し時間が必要なので続きは次回とさせて下さい。

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2019年1月26日 (土)

EV化というワードに踊らされる日本マスコミ

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今日は久々自動車の話をします。

先日のテレ東WBSでコメンテーター(エコノミスト)の一人が「EV化で出遅れたトヨタが・・」と言っていました。未だこんな事を言う人がいるのかと口あんぐりですが、日本のマスコミのレベルは世の変化とは関係なく何も変わっていないようです。

あの、いいですか。(笑)ハイブリッド車というのは一種のEVなのです。思い切り分かり易く言えば、EVにガソリンエンジンをプラスしたのがハイブリッド車で、EVとガソリン車双方のいいとこ取りをしている訳です。これは過渡期の技術などではなく既に確立された持続可能な先端技術と言えます。

と言うのは、シンプルで二次電池以外には発展の余地が大して残されていないEVと違って無限とも言える可能性を秘めているからです。分かり易いところでは燃費です。モデルチェンジ毎に改良されます。価格も低廉化が進んでEVとは致命的な差が開きました。その構造のバリエーションもデバイスの組み合わせによって無数にあります。

例えばロータリーエンジンとの組み合わせや、エタノールを使ったFFV(フレックス燃料車)とのマッチングもあり得るのです。その他、新しいアイデアは今後も日本を中心に続々と登場して来る事でしょう。

日産が販売好調で得意になっている e-POWERですが、実はこれもシリーズハイブリッドと呼ばれるハイブリッドシステムです。ハイブリッドで出遅れた日産はそう呼びたくないようで、レンジエクステンダーなどと嘯いていますが、ユーザーを欺くようで感心しません。

本来のレンジエクステンダーはEVベースで、航続距離の足りないところを補うために小さめのエンジンを積みます。あと100キロくらいは走りたいなあ、と言う気持ちに応えるのがこの方式です。従ってバッテリーの量がシリーズHVとは致命的に違います。BMWの i3がこれに相当します。

一方の e-POWERは重くて高いリチウムイオン電池の代わりに発電用エンジンを積みます。という事は出力も搭載するモーターに見合った大きなものが要求されるのです。この場合、殆ど発電しながら走りますからガソリンも普通のガソリン車並に積む必要があります。

ただ、日産ノート e-POWERのケースは既存のエンジンをそのまま発電用としているのでベストな仕上がりとは言えません。この割り切った方式の場合、発電専用エンジンにすればもっと効率を上げる事が可能だというのに、なぜか採用していないのです。

それを実直に実行し、発展させたのがホンダのアコードやオデッセイに搭載されている2モーター式ハイブリッドシステム、iMMDです。基本構造は e-POWERと似ていますが、より高効率にするために色々工夫が凝らされています。

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(内容は素晴らしいオデッセイ・・しかしデザインが・・)

モーターは得意な低速域のみを担当し、その時発電用に徹する専用のアトキンソンサイクルエンジンは80キロ以上の高速では駆動用に切り変わり駆動輪直結となるのです。正にいいとこ取りです。

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(iMMDは三菱アウトランダーPHEVと近い方式/静止状態での充電が可能かどうかと電池の量の差か)

この劣化板とも言えるのが日産の e-POWER方式ですが、後発なのになぜ?という疑問が拭えません。これだと80キロを超える高速では燃費がた落ちです。さらにブレーキペダルを踏んでもエネルギー回生はしないと言います。

要するに普通の走り方をしたのでは高燃費が維持出来ないのです。ユーザーにメーカー都合の走り方を強いるのでは車として一人前とは言えません。メーカーの姿勢にも疑問符が付きます。

付け焼き刃的でやっつけ仕事的なこの日産式シリーズハイブリッドは過渡的なものと言えるでしょう。進化版のモデルチェンジが待たれます。ゴーンさんのいない日産なら期待出来るのではないでしょうか。

ちょっと横道にそれましたが本題に戻ります。意外かも知れませんが、実は欧州がEVへの繋ぎとして本命視しているのはプラグインハイブリッド(PHV)とマイルドハイブリッドです。前者は限りなくEVに近く、後者はガソリンエンジン車に近い存在だと言えます。

素朴に今なぜそこ?という疑問が浮かびますが、トヨタやホンダのようなストロングハイブリッドが上手く開発出来ないので逃げているのでしょうか。PHVの場合はEVが持つ、高い、重い、充電が面倒というネガをそのまま持っています。これこそ繋ぎ技術と言って差し支えありません。

一方の簡便で低価格なマイルドハイブリッド(発電と駆動を兼ねる1モーター方式)はいずれ途上国の本命になると思われます。日本では小型車しか持たないスズキが採用し実を上げていますが、この構造も未だ未だ改良の余地がありそうです。

以上、ハイブリッドシステムのポテンシャルとメカとしての面白さがお分かりいただけたでしょうか。全てのカテゴリーに対して柔軟に対応可能なこのシステムの熱効率はトヨタによると55%(理論値)が目標だと言います。(今は40%前後か)

この数字を額面通り受け取れば、従来の電力インフラを使う前提だとEVのWELL TO WHEELでの熱効率と大差ありません。その意味はCO2排出量が同等という事なので、EVの唯一と言えるアドバンテージに赤信号が灯る訳です。

実はこれにはパラドックが隠されていて、折角EVを増やしたとしても、その分の電力を効率が最も悪い石炭発電に依存するのでは返ってEV全体の熱効率が下がります。EV増加分は再生可能エネルギー発電を増やす事によってのみ意味のあるものとなるのです。

いずれにしても電動化はEVと多様化するハイブリッド群の棲み分けによって進んで行きますが、10年以内に純ガソリン車が消えてしまう事はあり得ないし、EVが30%以上のシェアをとる事も考え難いと思われます。電動化全体で50%に達したとしても、その大半はハイブリッド車になるでしょう。

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( EVの製造コストの3分の1から2分の1を占めるとされるリチウムイオン電池。その電池を構成するのが、正極材、負極材、電解液、セパレーターといった主要4材料だ。それぞれの材料において、日本メーカーが存在感を発揮している。

正極材でトップを走るのが住友金属鉱山。電池を高容量化することが可能なニッケルの含有率が高いニッケル酸リチウムを使用し、原料からの一貫生産を手掛ける。

 2018年中にも約40億円を投じた磯浦工場(愛媛県新居浜市)の設備能力増強が完了し、従来比約3割増の月産4550トン体制となる。パナソニックと共同で開発しており、最終的には米テスラ向けに供給されている。)

さらに電動化に関してはは技術だけでなく、そのための部品供給インフラ、サプライチェーンを必要としますが、それが質量共に確立しているのは日本だけです。国内に電動化のための部品製造会社が山のようにあるのです。

ドイツなどは長年ディーゼルに傾倒して来たツケが廻り、国内にEV化のための部品インフラを持ちません。メンテナンスのためのサービスインフラさえないのです。全てこれからなのですが、昔からEV先進国だったような顔をしています。(笑)

肝心なリチウムイオン電池さえないので、取りあえず中国から調達するなどと言っているのです。他の重要部品は日本からになりますが、それを見据えての日欧EPAでした。ここでも日本は手玉に取られています。

しかし、それで高級ブランドとしてやっていけるのか人ごとながら心配になります。韓国製リチウムイオン電池はよく燃えると定評がありますが、中国の電池は韓国経由と思われます。燃える高級車ではシャレにもなりません。

これでお分かりのように、出遅れではなく、世界で最も電動化が進んでいるのがトヨタであり日本メーカーとその部品供給インフラ、サービス網なのです。これ程明々白々な事実は滅多にあるものではありません。EVは時期尚早として期を伺っているだけです。

今のEVでは賢明な日本人ユーザーは一部のもの好きを除いて誰も買いません。それが分かっているからこそ日本メーカーは慎重なのです。それにしても、あのWBSの人、出遅れていないのはどのメーカー(国)をイメージしていたのでしょうか。全く謎と言うしかありません。

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2018年11月20日 (火)

絵に描いた餅か?

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=ベトナム初の自動車会社の新モデル 日本車と遜色ない出来か=

(前略)

 ビンファーストには母体がありました。それがベトナムの大手不動産企業である「ビングループ」です。近年ではリゾート施設やショッピングモール、病院や学校経営まで行うなど、事業の多角化を図っています。そして、今度は自動車です。

 しかし、彼らの進める自動車ビジネスは本気も本気。「プロトタイプを出品して、様子を見る」とか「話題となって、何か続きができるといいな」とか、そういうレベルではありません。

 すでに2017年からハノイ郊外のハイフォン経済特区に15億ドルの費用をかけて335ヘクタールの工場を建設しているというのです。起工式には、ベトナムの首相も参加。相当に期待されているようです。

CEOに元GMのジェームス・デルーカ氏を起用。プラットフォームとエンジンは、古いBMWのものを使います。BMWだけでなく、マグナ社、ボッシュ社、シーメンス社など欧州の有力企業の協力も得ることに成功しました。

 また、新しいクルマのデザインは、イタリアのデザインハウス「ピニンファリーナ社(Pininfarina)」と共同で設計しました。そんなベトナム&欧米の協力の元に生まれたのが、今回のパリで発表された「LUX A2.0」(セダン)と「SA2.0」(SUV)の2台の新型車です。

 パワートレインは、2リッターの4気筒ガソリン・ターボ・エンジンとZF製8速AT。セダンは後輪駆動、SUVは後輪駆動と4WD。最高出力はセダンが130kW(175馬力)/170kW(231馬力)、SUVが231馬力だそうです。

そんなパリのモーターショーでビンファーストは「ニュースター賞」を獲得。さらに本国では販売店を募集中で、2019年には販売を開始する予定とか。さらに、乗用車だけでなく、電動バスなどの電動車両の開発も行っていると報じられています。

(別記事)
ベトナム政府は2018年1月から、主要な自動車部品の関税をゼロにする。東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体の完全実施で域内からの輸入車の関税が撤廃されることに合わせ、国内の自動車組み立て産業を保護する。ベトナムの新車販売は16年に過去最高の30万台となった。

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 日曜夜にBSカーグラテレビでパリサロン(モーターショー)特集を観ていると、ベトナムから二台の乗用車の出展があったとレポーターが物珍しそうに伝えていました。日本車と遜色ない出来映えだと他のメディアも伝えています。カルチャーショックでも受けたのでしょうか。(笑)

いえいえ、何をおっしゃるウサギさん。二台のショーカーだけを見て何が分かると言うのでしょうか、「日本車と遜色ない?」気は確かですか?と言いたくなります。そもそも一人当たり名目GDPが2500ドル(28万円) 日本の20分の一程度の国でEセグメントの車を開発して販売する??

う〜〜ん、日本車でもそのクラスは300万円以上はします。そんな車をベトナム国内で作って売るなんて事を本気で考えているのだとすれば、その経営者は頭がおかしいとしか言いようがありません。

自動車生産では先輩格のインドだって、タタが20万円台の国民車ナノを10年程前に投入しましたが、大赤字になり結局上手くいきませんでした。

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(安いのはいいが、装備が充実していないなど、ユーザーからの不満が多かったタタ・ナノ)

車ビジネス(開発、販売、その後のサービス)は本当に一大事業なんです。GDPがベトナムの比ではない台湾やタイだって自国オリジナルは作れていません。中国のように国ぐるみで資金力にものを言わせてもあの程度です。謎だらけで突っ込みどころ満載の上記記事、今日はこの件を少し分析をしてみたいと思います。

ともあれ、この手の無責任記事は結構あって、10年程前にも中国某メーカー生産の乗用車をアメリカの某企業が輸入販売するという話をセンセーショナルに伝えるニュースがありましたが、いつの間にか立ち消えになっています。

その中国メーカーはかなり大手で中国内の実績もありますが、先進国へ輸出するなんて言うのは10年早いというか、あれから10年以上経っても実現する気配すらないのですから、30年くらい早かったのかもしれません。(笑)もっとか?

先進国以外で曲がりなりにも先進国へ輸出が出来ているのは韓国しかありません。なぜ韓国にそれが可能だったのかと言えば日本が傍にあって、最大限の協力を惜しまなかったからです。三菱自動車などがグループぐるみで手取り足取り教えた過去があり、その結果としての現在があります。

しかし、それも最近になって電動化等の技術的立ち後れから失速が目立つようになって来ました。おまけに最近の度を過ぎた国を挙げての反日ですから、見通しは暗いと言わざるを得ません。つまり半導体などと同じく重要部品を日本に頼っている立場で、何を血迷ったかという事なのですが、本人達は気がついていないようです。

翻ってベトナムはどうでしょうか。ボディはイタリアの名門カロッツェリア、ピニンファリナのデザインと言いますから、確かにそういうところに依頼すればあるレベルのボディ設計は出来ます。スタイリングもお洒落で悪くないでしょう。

元GM経験者をトップに据え、プラットフォームとエンジンはBMWから供給されれば格好はつきます。部品の調達も欧州メーカーからの協力で問題ないと思われます。

しかしながらこのクラス(E セグメント)では輸出は無理です。途上国では高過ぎるし、例え数々の難問をクリアして先進国に輸出が出来たとしても名もないブランド、先進国では誰も買いません。ではベトナム国内で売れるかと言うと、これも無理があります。こんな高級車、公官庁を除いて誰が買えると言うのでしょうか。

そこでふと気がついたのですが、ベトナムに世界で一番投資をしている日本の姿がどこにもないではありませんか。これは全く腑に落ちません。今後必要とされる電動化や自動化技術の殆ど全てで先頭を走っている日本の姿が見えないというのは不可解です。

だからと言う訳ではありませんが、この話も近い将来立ち消えになるでしょう。いや絶対になります。(笑)その理由は主に金銭面からですが、テスラを見ても分かるように赤字続きでは会社は保ちません。

大赤字のテスラを何とか保たせているのは政府からの補助金と錯覚した一部の新しいもの好きのファン、さらにトップ、イーロン・マスク氏の詐欺師的錬金術のお陰で、普通ならとっくに潰れています。莫大な市場を持つ米国でさえ新参会社は大変なのです。

ベトナムの場合も今回の新型車開発にテスラ同様莫大な費用がかかる事は言うまでもありません。協力してくれる相手が皆世界の一流企業ですから技術にせよ部品にせよ安く売ってくれるなんて事はあり得ないのです。むしろ足下を見ます。

さらに彼ら欧州企業は技術移転など全く眼中にないでしょう。そんなお人好しな事をすれば今後継続するかも知れないお得意さんを失うのですから、する筈がありません。

その辺りは全く日本人とは違うのです。日本の場合は企業としてその気はなくても、派遣されたエンジニアが一生懸命地元のエンジニアを教育したり情報提供したりします。ゴルフと同じで、教え魔が多いのです。(笑)損得関係なくそれをやりますから日本が協力している国は皆繁栄しているではありませんか。

韓国、台湾、中国等、近いという事もありますが、日本企業が入り込んだ国は払った金額以上の恩恵を受けるのです。倍返し?それ以上でしょう。遠くではタイ、これは親日国だし料理や国民性が日本人好みなので得をしています。

反対に欧米企業が入ると国であれ企業であれ、まず草狩り場になります。中国よりはましかもしれませんが、元々植民地主義の国々です。時代が変わった今、露骨な事は出来ないとは言えメンタリティは昔と大して変っていないのです。

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(スズキジムニー・シエラ 原点回帰で大成功した例。一目で車の性格が分かる。やはりシンプルで骨太コンセプトが一番。欲しくなる一台だが、買い物等の街乗りでも威力を発揮するだろう。疫病神のVWと分かれてから元気がいいスズキ車。こうでなくちゃ。)

日本の例で言えば、VWとの別れ話に手こずったスズキ、ダイムラーに現在進行形で痛めつけられている三菱ふそう、上から目線で対等な立場に立たせてもらえません。ニッサンもそうです。どんどん利益や技術が海外へ移転しています。(この件、ゴーン氏の逮捕によって歯止めがかかるかも知れません。ニッサンにとっては千載一遇のチャンスが巡って来たと言えます。今後を注視しましょう。)

そういう強欲な人達を相手にして自分がのし上がるには相当な資金力と精神的しぶとさが必要です。さらに将来展望がないと話にならないのですが、一人当たりGDPが2500ドル(28万円)ならナノクラスでも国民車として難しいかもしれません。

日本は一人当たりGDPが3000ドル(今の為替レートの3分の1の円安時代なので100万円くらいか)を超える頃から車が爆発的に普及し始めました。つまり年収の半分くらいが普及の分岐点と言えるのかも知れないのです。

そう考えた時に、ベトナムは時期尚早と言えます。しかも、国民車を作る条件としては、普及し始めた頃の日本の様に部品のサプライチェーンを国内に持つ必要があります。部品の大半を海外に依存して低価格は実現しません。

つまり裾野(生産要素)を充実させなければならないのですが、その資金や人的リソースを考えると気が遠くなります。途上国が日本の協力もなしに一朝一夕に実現出来る話ではないのです。

そんな事より現実問題として鉄道やバスの交通インフラを充実させるのが先決ではないでしょうか。それによって生産性を上げ内需を拡大し経済力をつけてからでも遅くはありません。いずれにしても日本なしで実現出来る話ではないのですが、そこに気付かない限りベトナムに明日はないでしょう。(笑)

絵に描いた餅は食えないのですから、叶わぬ夢を追うのはやめるべきです。まあ今回の件、一言で言うと金持ちの道楽ですかね。ビジネスモデルとしてはあり得ないと言っておきます。もっと地に足をつけなきゃ。

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2018年10月31日 (水)

日本車の天下はいつまで続くのか。

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サウジのジャーナリスト殺害事件に続き、これまた中東から生還した日本人ジャーナリスト(自分は韓国人ウマルだと言っている、二重国籍か?)の話題がマスコミをにぎわせています。しかしこちらは少し様子が違うようです。

安田氏お得意の政府批判は、どう見ても甘えているようにしか見えません。自分の身は安全なところに置いて、駄々をこねているようにしか見えないのです。

彼を英雄視しているのはお仲間のマスコミだけで、我々一般の日本人は彼の無責任さに呆れを通り越して腹を立てています。そもそも本当に捕虜だったのか大いに疑問です。命の危険に晒されながら3年間も狭い空間での拉致、監禁生活を余儀なくされていた人には見えないのです。

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憎まれ口の叩き方も元気一杯です。ひょっとしてテロリストとグルなのでは(?)という疑念さえ浮かびます。そうでなければ渡航禁止で、しかも何度も捕まった危険極まりないところにノコノコ出て行くでしょうか。身代金目当ての商売に加担しているのなら話は別です。

結果的にはカタール政府が身代金を肩代わりしたようですが、表向きにはテロ集団支援が難しいカタールの苦肉の策に見えなくもありません。実際そのような事を言っている専門家もいます。人道的措置を隠れ蓑に資金援助をしているのでしょうか。従って日本政府に請求書が廻って来る事はなさそうです。

とにかく中東、特に紛争地は複雑怪奇なのでジャーナリストと言えども個人レベルでは近づかない事です。よく自己責任論と言いますが、そんな範疇ははるかに超えています。3億円も払ってもらって責任がとれる訳がありません。情報収集をするにしても国家レベルで対応するしかない問題です。

あれだけ政府に楯ついて、廻りに迷惑をかけまくり挙げ句はテロ集団に資金援助するのでは疫病神と言うしかありません。そんな人は渡航禁止、パスポート剥奪が妥当な扱いと言えます。ブタ箱に入れられないだけ有り難く思うべきです。

次に韓国の元徴用工訴訟問題も腹が立ちます。そもそも当時彼らは日本人だった訳で、戦時中に強制徴用されても文句を言える筋合いではないのです。実際には朝鮮人が朝鮮人を斡旋して日本に送ったようで、強制性など微塵もありません。豊かな日本に出稼ぎに来ただけです。

この問題、日本政府の対応のまずさが今日まで問題を引きずり、返って悪化させてしまいました。お陰で民間に大損害が発生しています。口先だけでなく本当に毅然とした態度をとりましょうよ。河野君だけが頼りでは情けないです。胸くそが悪いです。

さて気を取り直し、今日は久々自動車の話題です。破綻しない米シリーズはお休みします。

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米国の有力専門誌『コンシューマー・リポート』が発表した自動車ブランドの信頼調査で、日本の企業が上位を独占したという。共同通信が配信した記事を、今日の産経などが取り上げている。

 それによると、首位がトヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」、2位が「トヨタ」で前年の1、2位が入れ替わった。3位には「マツダ」が前年12位から急上昇、「スバル」も前年6位から4位にランクアップしている。

 このうち、マツダの急上昇については「ロードスター(日本名)などの評価が高かったためとしている。

 自動車ブランドの信頼度調査は、50万台超の車のデータを集め、性能や品質などを分析。日本勢では日産自動車の高級車ブランド「インフィニティ」も前年の7位から6位に上がったが、日産の「ニッサン」は14位、「ホンダ」は15位にランクを下げたそうだ。(RESPONSEから)

相変わらず日本車の信頼度が高いようですが、順位が前年と比較して、いつも大きく動く状況が気になります。車自体は1年くらいで大きく変わる筈がないので、その原因は何だろうと思わざるを得ません。調査された車が50万台超と、かなりな分母なので余計謎です。

しかしアメリカで調査されたというのにアメ車はフォードの18位が最高で、テスラに至ってはビリから3番目の27位、キャディラックは28位ですから高級車の名が泣きます。そして最下位は何と、日本ではジャーマンスリーに次ぐブランド力を持つボルボですから驚きました。

やはり生産地というのが効いているのかもしれません。アキュラ(ホンダの高級ブランド)、ホンダが13位、15位というのも現地生産が多いせいという分析もあるようです。最下位ボルボも高級車のS90など、一部が中国製らしいので頷けます。

因に日本に入って来るボルボも今後は中国製が増えて行くと言います。それが吉利汽車(中国資本)を受け入れたボルボ社の方針ですから確かです。金は出すがボルボの開発方針には口を出さないという事に対する謝意でしょうか。

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(急に2ランクくらいグレードが上がった最近のボルボ PHOTOはS90)

ジャガー・ランドローバーが元気がいいのもタタ(インド)が金を出しても口は出さないからです。今後も素晴らしい高級車ラッシュの予感がします。さらに日欧FTAで優秀な日本製部品が格安で手に入りますから欧州の巻き返しが恐ろしい事になる事は避けられそうもありません。

とにかく今の日本車はデザインがダメ!

中国での販売台数ベスト10(17年度総販売台数2900万台)

1位 フォルクスワーゲン(独) 314万台
2位 ホンダ 142万台
3位 吉利汽車(中)125万台
4位 ビュイック(米)122万台
5位 トヨタ 114万台
6位 ニッサン 112万台
7位 長安汽車(中) 
8位 上汽通用五菱汽車(中)
9位 HARVAL (中)
10位 フォード(米)

話を少し戻します。モデル3の量産化に手間取って赤字を限りなく膨らませて来たテスラですが、ようやく軌道に乗ったようです。それも週に5000台生産と言いますから驚きです。年間だと26万台にもなります。これだと量産メーカーそのものです。

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日本国内で言えばホンダのN-BOX(上)が22万台(17年)でトップですが、それより多く売ろうというのは、テスラが本格的な量産メーカーを目指しているからに他なりません。それにしてもEVだけで目指すというのは、かなり無謀と言えます。

頼みの綱、トランプさんだってEVに対する補助金打ち切りを言い出しているご時世です。もしそれが実現すればテスラのような新参者はひとたまりもありません。数年後にはそんなカステラあったの?と言われるのがオチです。

冗談はともかく、EVの存在価値を疑われかねないコンセプトの製品をどんどん出して来るところがアメリカらしいというか、深く考えていない証拠です。とにかくEVのネガを力技で克服しようと言うのですから呆れてしまいます。

航続距離が伸びない、あるいはバッテリーを積む事による重量増等のハンデを克服するため、さらにバッテリー量を増やして解決しようとしました。その結果は決してエコカーと呼べるものではなくなっています。

まず価格がバカ高いものになり、WELL TO WHEEL で見たCO2排出量に至っては小型ガソリン車にも劣る程です。EV生産の当初の目標、理想からは程遠いと言わざるを得ません。ニッチ狙いだからこそ生存空間が存在したのです。

少量生産のニッチなら世界の名だたる高級車メーカー並にはなれたかも知れないというのに、何をトチ狂ったかトヨタを目指したがために自らを存亡の危機に陥らせました。

日本車もアメ車だけには負けそうもありませんが、気がつくと欧州車の足音がすぐ背後に・・・グローバリズムの罠に嵌った日本車の未来はいかに。

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2018年3月14日 (水)

EV化は魔法の杖ではない

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 前回の続きのようになりますが、今日もEVの話です。と言うのも数日前にテレ東WBSでEVに関するいかがわしい話を聞き、看過出来ないと思ったからです。いかにも自動車の最先端分野で中国が先頭を走り、他を引き離しているかのような印象操作と、中国上げ日本下げ風の話の持って行き方に、私でさえ一瞬騙されそうになったのです。(笑)

何度も言いますが、中国製のEVはあくまでも国内専用で輸出は無理です。電力や充電設備等のインフラが脆弱な途上国向けにはハードルが高く、先進国では安全基準等の規制にひっかかります。さらに品質問題、商品魅力の問題があって国内以外では通用しない代物と言って差し支えないでしょう。

莫大な補助金と、公官庁やタクシー等への半ば強制的な販売で、確かに世界一数はこなしていますが、それでも80万台にも届きません。2500万台も売っている国の3%にも満たない訳ですから、これを見て何かを判断するのは早計と言うものです。

Byd

 (BYD の EVタクシー、長い充電時間に休憩を取る?)

そもそも世界全体で1億台にもなろうとする自動車販売の1%程度が今のEVのシェアですから、そんなものを評価するだけアホらしいと言えます。経済の成り行き、あるいは政策次第でどう転ぶか全く分からないというのが実態です。

そんな不確かなものはともかく、現実的には、より実態に近く厳しい国際統一ルール(WLTP)になると言われる燃費排ガス規制下で、リッター20キロ程度が要求されるCAFE(各社ごとの平均燃費)問題をどうするかでメーカーは頭が痛い筈です。これをクリアして行くには既に商品として確立されているハイブリッドカーの数を増やすしかありません。

そのため満足なストロングハイブリッドが作れない欧州勢は48ボルトのマイルドハイブリッドとPHVに舵を切ったのは明白で、それらの関連部品に全く存在感のない裾野しか持たない欧州勢は、サプライチェーンの確立に血道を上げている最中と言えます。

驚いた事に、先日も韓国や中国からリチウムイオン電池を調達するとの報道がありました。大言壮語した割には内容が薄いと言わざるを得ません。人ごとながら心配になります。

つまり欧州が言うEV化というのは一種の目くらましに過ぎず、主流にはなり得ないのです。それが例え全固体二次電池が完成したとしても大して変わるとは思えません。2030年を過ぎても世界シェア10%程度が限界と見るのが妥当ではないでしょうか。実際日本の各メーカーはそういう見立てをしているようです。欧州の魔法に騙されてはいません。

それにしても中国のやり方は極端です。石炭による発電が主流の国においてEVを増やせば増やす程大気汚染は進み、CO2も垂れ流す事になります。経済優先、国民の健康、地球環境は二の次という訳です。さらに中国はお金を大量に刷るという魔法を覚えたがためにドツボに嵌りつつあります。

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(読み難いのですが左が固定資本形成、中が家計消費、右が輸出、ブルーが中国で赤が日本、内需は公共投資に頼り、外需は輸出に頼って来た中国経済の構図がよく分かる。それに比べて家計消費が少なく、さらに右肩下がりなのは健全とは言えない。)

通常途上国は政府が大量にお金を刷れば制御不能のインフレになりかねないので自重します。逆に日本のような万年経常黒字で技術先進国は政府が自重し過ぎるとデフレになる訳です。

ご存知のように今は大量のお金を市場に供給する異次元緩和を行っていますが、折角国債を発行しても銀行から現金を吸い上げるだけに終わった失われた20年間はセオリー通りのデフレに苦しみました。

この話をし始めると長くなりますので今日はやめておきますが、今中国がやっている事を過去に日本がしていれば、と思うと残念でなりません。ではなぜドツボかと言いますと、中国経済を支えているのは海外資本、あるいは海外の技術であって中国自前のものではないからです。

分かり易く言います。日米欧が資本を投下した合弁企業の供給力、生産力は莫大です。従ってマネーを刷れば刷る程間違いなく経済発展します。それと人件費の安い輸出(先進国から見れば逆輸入)で、嘘か誠か年平均7〜8%もGDPを伸ばして来ました。これで無茶さえしなければ、あるいは地下経済がほどほどであれば未来は保証されていたのです。

ところが図に乗り過ぎた政府は世界覇権のためか、海外に資本を実力以上に投下し、技術導入にも湯水の如くお金を使って来たのです。さらに悪い事には独裁政権を嫌っての資本逃避があり、シャドーバンキングでも分かるように闇経済の方も活発と来ています。これでは経常収支の黒字がいくらあっても足りません。外貨不足に悩まされる事になります。

減ったとは言え未だに対外純資産をはるかに上回る外貨準備に、それが如実に表れているのです。つまり利払いにも汲々とする状態ではお金をバカスカ刷れる訳はないのです。

やり過ぎると通貨安を招き、さらに外貨流出が止まらなくなります。それを防ぐための通貨防衛、ドル売りも外貨不足に拍車をかける訳で、正に悪循環です。トランプさんからのバッシングもこの時期としては痛い。(笑)

この悪循環は間違いなく破綻への道なのですが、そう言われて久しいと思われる方は多いのではないでしょうか。まあそうは言っても、いずれは帳尻を合わせざるを得ないので、それがいつかというだけの問題のような気はします。

世界で唯一EV生産で黒字と言われるBYDなどの中国メーカーは、補助金などによる政府の赤字によって成り立っている訳で、決して持続可能ではないし、ましてEV化は魔法の杖にはなり得ないという事だけは言っておかなければなりません。

 

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2018年2月 2日 (金)

EVはHVを超えられるのか?

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 また随分間が空いてしまいました。公私共に忙しく、前回更新の後1月31日までは土日もない、時間に追いまくられる日が続いていたのです。毎日のように来て頂いている読者の方には大変申し訳ありませんでした。

さて今日は久々クルマの記事を書きます。まず昨年の世界全体での機種別販売台数ランキングです。

1. トヨタ カローラ:116万495台
2. ホンダ シビック:83万3017台
3. フォルクスワーゲン ゴルフ:78万8044台
4. トヨタ RAV4:78万6580台
5. ホンダ CR-V:75万3359台
6. フォード Fシリーズ ライトデューティー:73万596台
7. フォード フォーカス:65万6071台
8. フォード エスケープ:63万2529台
9. フォルクスワーゲン ポロ:61万4827台
10. トヨタ カムリ:56万9760台

 

11. 五菱 宏光(ウーリン ホングァン):53万4251台
12. 日産 キャシュカイ:52万6970台
13. ホンダ アコード:52万4914台
14. トヨタ ヤリス ハッチバック:51万8736台
15. フォルクスワーゲン ラヴィーダ:51万4589台
16. ヒュンダイ ツーソン:48万4322台
17. フォルクスワーゲン ティグアン:47万158台
18. シボレー シルバラード:46万5319台
19. トヨタ ハイラックス:45万9984台
20. 哈弗(ハバル) H6:44万8188台

ベスト5に日本車が4機種も名を連ねていますが、大衆車に強い日本自動車産業のビジネスモデルが浮き彫りになっています。一方20位までに御三家といわれるジャーマンスリーからは一機種も入っていないのが興味深いです。売上高では70兆円のトップ日本勢に肉薄するドイツブランド(60兆円)ですが、量より質で勝負しているのが見て取れます。

因に国別の平均価格で見るとダントツドイツが一台約400万円、二位の日本が250万円程ですから差は歴然です。後はドングリの背比べで大差はありませんが、英国車は除外しています。殆ど大衆車を有せず、年間50万台程しか生産しない英国車は参考になりません。スウェーデンも同じ理由です。対象は200万台以上生産している国としました。

しかし日本で、拡大再生産の空しさに気付いているメーカーがどれだけあるでしょうか。トヨタの豊田章男社長は販売台数トップ争いにうんざりしたのか、はっきり今後は量より質だと言っていましたが、そこまで言い切る経営者は少ないです。漠然とどちらも取りたいと思っているのではないでしょうか。

いずれにしても、日本には高級車を造る技術は全てありますから、後はコンセプト創造力とデザイン力です。その辺りは急に身に付くものでもないので急げとは言いませんが、将来的にドイツ型、英国型が目指せるように今から準備しておく事が肝要です。

未だに貴族が存在していて、格差社会が当然の欧州とは文化が違うと言われればそれまでですが、それなら1億総上流を目指せばいいのであって、それを不可能と決めつける必要も根拠もありません。私はそう思います。

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そこで、という訳でもないのですが、トヨタがGRスーパースポーツコンセプトという名の面白いクルマを発表しました。(上)2016年のル・マン24時間レースで残り3分までトップを走っていたレーシングカーがベースです。

今年の東京オートサロンに出展されたそのクルマは、明らかにレーシングカーの出で立ちをしていました。量産車には程遠いデザインと言わざるを得ません。

ところがトヨタは性能も含め、なるべく変えない形、つまり車検に通る最低限の変更で市販するつもりだと言うのですから吃驚です。一体いくらで誰に売るつもりなのか、そしてその真意はどこにあるのでしょうか。Gr

ところで、ここで熱効率の話をしたいのですが、通常のガソリンエンジン車は30%程度と言われています。つまりエネルギーの70%は捨てる訳です。これがハイブリッドカーになると効率の悪い低速域を負担しなくて済むのでぐっと上がります。

中高速域に強い専用の、例えばアトキンソンサイクルエンジンを積めば新型カムリの場合、エンジン単体での熱効率は41%にもなると言います。さらにエネルギー回生分を入れると使われ方にもよりますが50を超え55%が視野に入って来ると言いますから凄い話ではないでしょうか。

LNG火力発電の熱効率が50~60%ですから正に効率のいい発電所並みです。これが何を意味するのかと言いますと、将来を約束されている筈のEVの未来に大きな暗い陰を落としかねない、という事です。つまり火力発電の電力を使う限りEVと言えども熱効率はハイブリッドカーと大差ないと言えるのです。それはCO2排出量が結果的に同じ、という事を意味します。

そこで現在の日本の発電状況ですが、原発が殆ど稼働していない今、未だ存在感の薄い再生可能エネルギー分を除けばLNG発電が最も効率が良いという事になります。これが発電の全てなら未だ希望が持てるのですが、実際は熱効率36%の石炭、石油の火力発電が全体の40%近くを占めるので平均すると50%に届きません。

そうすると現状で言えば、EVを造れば造る程、発電所からのCO2排出量は増える事になります。効率の悪いガソリンエンジン車と置き換わるのであれば多少はましですが、それもEVに不可欠なリチウムイオン電池を製造する過程で大量に出るCO2と相殺されてしまうのです。

さらに言えば発電所で造られる電力は送電の過程で5%程度のロスが発生します。さらにEVに届いても、自然放電等、意図しないマイナス要素が多々あり、減速で得られるエネルギー回生分を相殺してしまう程です。これがHVであればロスは殆どゼロです。ガソリンスタンドでガソリンをこぼす人がたまにいるかも知れませんが、まあ無いに等しいでしょう。

しかもこの場合は発電所から排出されるCO2は殆ど増えません。HVにもリチウムイオン電池は積みますがEVの数十分の1ですから大した数字にはなりようがなく、それどころか通常のガソリンエンジン車と置き換われば、クルマが直接出すCO2はむしろ減っていくのです。勝負は目に見えていると言わざるを得ません。

そこで彗星の如く現れたトヨタのGRスーパースポーツですが、これは熱効率50を超え、最終目標は60%だというのです。LNG発電所並みのこの数字を達成した暁には現行EVがWELL TO WHEEL で排出するCO2量をかなり大きく下回る事になり、EVの長所が消え去ります。

つまりトヨタがこのクルマを市販する意図は、最高効率のシステムを実験的に市場に投入する事と、今後20年はハイブリッドの時代が続くという事を高らかに宣言する事にあると言えるのです。言わばストロングハイブリッドが苦手な欧州に対する、無言の勝利宣言でしょうか。

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もちろん今後原発や再生可能エネ発電が大幅に増えるのであれば話は別ですが、楽観的としか思えない2030年度の電源構成目標を見ても、未だ30%近くは石炭、石油です。HVのさらなる進化を考えれば、とても安心は出来ません。

さらに、それだけでなくGRスーパースポーツには最先端のコネクティッド技術が搭載されると言います。クルマからの情報をクラウドに上げ、AIが分析して、フィードバック、陰でドライバーを見守り支えるというのですから心強い限りです。

航空機のコンピュータ支援システムの地上版、スポーツ走行のための高度運転支援という訳です。1000馬力もあるスーパースポーツの性能を引き出そうとすれば、人間の能力を超えるケースが出て来て当然です。そこをAIがカバーするというのですから正にスーパーハイテクマシーンと言えます。

それにしてもトヨタのこの余裕、シャレたやり方、分かる人が見れば一目瞭然で、ドイツ人技術者らが焦る様子が目に見えるようです。またルールが変わりますよ。(笑)

(参考、自動車評論家、池田直渡氏の記事

 

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2018年1月 2日 (火)

謹賀新年(2018年)

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 皆様、明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。本年も宜しくお願いいたします。

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(テスラが今年出すというスポーツカー、価格が20万ドルというから吃驚。何がどう間違えばこんなクルマが出て来るのか?理解不能と言うしかない。)

さて年賀状の絵柄ですが、今年は戌年という事で、昔飼っていたサモエド犬を復活させました。シベリアが故郷なので雪がよく似合います。それと雪が苦手で全く似合わないEV、テスラとの組み合わせにしてみました。

暖房を使うと電気がどんどん減っていく車って、一体何でしょうか。ヒーターじゃないんですから、そのくらいで減らないで下さい。そういう商品に何千万円も出すなんて私には全く理解出来ません。

しかも厳密な意味でのWELL TO WHEEL プラス、リサイクルで見ればEV はハイブリッドカーよりCO2を出すと言います。これではパリ協定が電動化によって有名無実なものになりかねません。欧州よ、潔くこれからはハイブリッドを主体にしていくと言いなさい。(笑)

現実的にはドイツ、フランスなどのEU諸国は、今後しばらくは48Vの二次電池を使ったマイルドハイブリッドを中心に、プラグインハイブリッド、最後にEV という構成になると言います。

日本が得意とするストロングハイブリッドの技術は簡単には真似が出来ないようです。日本はその得意分野を全面に押し出し、プラス各国の規制クリアのため最低限のEVを売るというスタンスでいいのではないでしょうか。

実際トヨタは2030年頃までにハイブリッドカー450万台、EV100万台体制に持って行くと言います。いずれにせよ、しばらく日本の時代が続く事は間違いないのですが、嫌がらせや日本車をディスるプロパガンダも活発化していく事でしょう。

 

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